1970年3月8日 TBS
あらすじ
六兵衛(植木等)は近所で評判の臆病者。いつもかね(田村寿子)に「いつまでたっても十石三人扶持」と発破をかけられている。その六兵衛が上意討の追っ手を自ら名乗り出る。相手は剣の達人、仁藤昂軒。まともに討ちあっては勝ち目がないと、卑怯だが昂軒の行く先々でひとごろしと叫ぶ作戦に出た…。

2025.8.31 時代劇専門チャンネル録画。懐かしの『日曜劇場』時代劇。
道場
仁藤という男が稽古をつけているが、稽古に来ている侍たちはへっぴり腰でみんな仁藤を恐れている。「何のつもりで道場に通ってる?」と問われても答えることができない六兵衛。仁藤は「貴公らの顔はな、ただの禄高、型にはまったでくのぼうの顔ばかりだ!」と怒鳴りつけた。
禄高…与えられる棒禄の額。
仁藤昴軒(こうけん)は江戸から越前へ来て、根性をたたき直すのが役目。次に指名された加納平兵衛は殿のお側(そば)近く仕える身でけががあっては不忠だと断り、道場を出ていった。仁藤が次々指名するが下を向く侍たち。
仁藤「武士はな、死ねばよいのだ。事に当たるは全て死ぬため。くるうのだ! 死ぬためにくるうのだ! くるえ、くるえ、くるえ! くるうのじゃ!」
六兵衛が竹刀を持って仁藤に向かうがあっさりかわされた。
ここでタイトル。
原作:山本周五郎
脚本:砂田量爾
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プロデューサー:石井ふく子
音楽:小川寛興
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双子六兵衛:植木等…字幕黄色
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松葉屋およう:佐藤オリエ
双子かね:田村寿子
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前田昌明
有田正明
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浮田左武郎
高橋正夫
永井柳太郎
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芹川洋
中島元
鈴木勇作
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尾田義男
飯田テル子
森田昌弘
八木啓子
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仁藤昂軒:御木本伸介…字幕水色
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演出:川俣公明
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制作:TBS
今回は役名が付いてなかったな~。残念。カラー。
帰ってきた六兵衛をかねが出迎えた。仁藤にかわされ、道場の道具置き場に突っ込んだ六兵衛はおでこにあざができていたのを転んだのだとごまかしたが、かねは六兵衛が道場に行っていたことを知っていた。
かね役の田村寿子さん、「おやじ太鼓」の大手さんだった。三郎の恋人だかなんだかよく分からない劇団仲間。気の強い感じが似てる。
六兵衛は周囲から臆病者と見られていて、どうして馬を見ると逃げるのかとかねに問い詰められていた。かねは”お兄さま”と呼ぶので妹ね。馬は嫌い、顔が長いのがうまくない、犬も鳴き声がはしたない、ねずみも動きが卑しい、夜道も一人で歩きたくない。そのおかげでいつまでたっても勘定方の下っ端で10石3人扶持。
うだつの上がらない貧乏暮らしにお嫁に来る人もなく、お世話を焼いてくれる人もない、でも、妹のわたくしは一体どうなるんでございますか?とかねに責められる六兵衛。かねはこの春、21になった。お友達は、もうみんなお嫁に行ったし、中には2人の子持ちもいる。お嫁に行けないのは臆病者のお兄さまのせい。
臆病者の汚名をそそいでくださいと責められてもどうしたらいいか分からない六兵衛。かねは、お城の石垣の上から飛び降りるとか…と例えを出され、廊下に出た六兵衛は「女というものは…」とため息をつく。
勘定方
同僚の金津、山中、三国と仁藤について話をする。六兵衛は武士らしい立派な人だと思うと話すが、山中たちは笑う。
石見という男が来て、仁藤が加納を斬ったという。お鷹狩りのさなかに加納が「殿は、もはや貴殿のことなどお忘れだ」と言ったせいらしく、仁藤は直ちに城下を立ち退いたが、側の者に「拙者は逃げも隠れもせぬ。北国(ほっこく)街道をまっすぐ江戸に向かうゆえ、追っ手をかけたければ、いつでもかけるがよかろう」と言い置いていた。
上士の方々は、これから広間でご評定だと石見が言うと、山中が様子を見に部屋を出ていった。ガタガタ震える六兵衛。戻ってきた山中は上意討ちに決まったという。殿は「近習(きんしゅう)に刃を向けるは余に対して向けるも同然。直ちに追っ手をかけて討ち取れ!」烈火のごとく怒っている。
追っ手は1人。誰も申し出る者がいないと聞いた六兵衛が申し出た。
帰ってきた六兵衛は、かねに旅支度を急かした。かねは夜逃げと勘違いするが、上意討ちと分かると、お兄さまが返り討ちにあうと泣き出した。六兵衛は例え返り討ちにあっても、養子を迎えて、この家を盛り立ててくれるというが、そういうことじゃありませんと泣き続ける。
かねのためではなく武士は主君のために死ぬのだという六兵衛。
一人で仁藤を追う旅に出た六兵衛は笠をかぶった侍らしき男を見かけ、追いかけた。仁藤が六兵衛に気付き、自ら名乗って、笠を取った。六兵衛が上意討ちと分かると仁藤は早速刀に手をかけた。
「キャーッ、人殺し! 人殺し! 人殺し!」と大声で叫んで逃げる六兵衛。やっぱり臆病者か…死のうかな…などと物陰でつぶやいていると、農民たちが「人殺し」という声を聞いて、早く逃げねえとと騒いでいた。
一膳飯屋に立ち寄った仁藤を見かけた六兵衛が再び「人殺し」と叫び、周囲の者に越前で人を斬って逃げた男だと話す。そばへ来ると人を斬るぞと言うので、仁藤の周りから人がいなくなった。みだりに刀を抜くような者ではないというものの仁藤は人に避けられた。
仁藤が宿に立ち寄る度、「人殺し」と叫ぶ六兵衛。
松葉屋という旅籠に寄った仁藤にまた「人殺し」と叫ぶ六兵衛。番頭はすっかりビビッてしまい、店の奥へ逃げてしまった。「怒るとすぐ人を斬るぞ」を叫ぶので、仁藤は刀を抜くこともできない。
松葉屋のあるじのおようが出てきて、仁藤を泊めた。
佐藤オリエさん、全然変わらないね!
夜、松葉屋へ行った六兵衛は宿に泊まらせてほしいと頼むと、はじめは面倒事は…と断った、おようだったが、受け入れた。
刀を持ったまま眠っていた六兵衛の部屋をおようが訪ねた。六兵衛は落ち着いて休んでいるという。今夜あたり、首をかきに来るだろうと笑っていた。
夜明けまで、ふた刻。おようが今夜は眠らないというので、おようの夫を気にする六兵衛だったが、おようは両親に死なれて、そのまま商いを続けている独り身だと話す。六兵衛は臆病者だから話を聞いてほしいと上意討ちのいきさつを話した。
六兵衛「いやいや、わしは臆病者だ。それは自分がよ~く分かってる。しかしな、わしは、なんとしてもやり遂げねばならん。なんとしてもあの男を討たねばならん。剣で勝てるわけがないんだから卑怯者と言われようと恥を知れと言われようと何でもする。なりふりかまわず何でもする。いや、おかしかったら笑ってくれ」
およう「いいえ、笑いません」
隙を見た時に相手を倒すつもりでいる六兵衛。疲れてきて雑念が消える。「武士は死ぬためにくるわねばならんのです」
おようは「こんなお武家さま、生まれて初めて」と感激し、手伝いを申し出た。
朝から「人殺し~!」と叫ぶ六兵衛。女中が仁藤のお膳をひっくり返してしまい、仁藤は朝ごはんを食べ損ね、お金を置いて、そのまま出ていった。
おゆうは番頭に店を任せ、六兵衛と旅に出た。茶屋で休んでいる仁藤におゆうが「人殺し~!」と叫ぶ。
戸田屋という旅籠で寝ている仁藤に「人殺し!」と叫ぶおゆう。
あれから3日も飲まず食わずで野宿している仁藤。六兵衛とおゆうは”兄妹”という設定で同じ部屋に泊まっている。女中さんに「ホントに兄妹ですか?」と聞かれ、笑い出すおゆうは六兵衛に待ってる人はいないのか?と聞く。
両親を早くに亡くし、妹だけと言うとまた笑い出すおゆう。「あたしも越前に連れてってくださいませんか?」と聞くが、六兵衛は寝たふりをしてごまかした。
行き倒れていた仁藤が六兵衛を呼ぶ。もう歩けないという仁藤にまだまだと近づかない六兵衛。仁藤は教えを守っている六兵衛に感心し、目をつぶる。目を開けた仁藤は腹を切るから介錯を頼むと六兵衛に言う。
仁藤は越前で誠の剣の道を教えようとして、かたくなに己の剣の道を歩こうとしたが、剣に頼らんとする者は剣に溺る。己より強い者は修行さえ積めば剣で勝てる。だが、どうしても剣で勝てぬものがこの世にあった。それを教えてくれたのは六兵衛。拙者の負けじゃと頭を下げた。
腹を切ろうとする仁藤を止める六兵衛。目もくらみ、死なせて…と訴える仁藤に人の首を持って帰ることはできないという六兵衛に塩漬けにすればいいと教える仁藤。困った六兵衛は仁藤の首の代わりにもとどりを持って越前へ帰るという。
もとどり…髪を結ぶ結び目のこと。
六兵衛が刀でもとどりを切り、懐紙に包み、全部終わりましたと報告。おながかがすいたでしょうねとおにぎりを分ける六兵衛に最初は武士だからと遠慮した仁藤だったが、もう武士ではないじゃありませんかと言うと仁藤は両手におにぎりを持って食べ始めた。
六兵衛は仁藤に出家をなすったらどうかと提案した。加納平兵衛も浮かばれると出家することにした仁藤。
六兵衛は、殿にもとどりを献上したが、認めてもらえなかった。しかし、六兵衛は私自身のためにやったことですからこれでいいんですと満足そう。
家に帰った六兵衛にかねは今後のことを心配するが、おゆうは、どうぞ私の所へと言って笑い出す。兄は武士ですと突っぱねるかねにおゆうはあなたもご一緒にと誘う。
「六兵衛さま、まいりましょう」と腕を引っ張るおゆうにかねは「いけません、お兄さま!」ともう片方の腕を引っ張る。六兵衛はたまらず「人殺し~!」と叫んだ。(おわり)
ちょっとコメディな話。だから植木等さんが主演だったんだね。
欽ちゃんが六兵衛の「びっくり武士道」も同じ原作らしい。仁藤は坂上二郎さん。「たんとんとん」の森田健作さんと榊原るみさんがここでも共演してるのね。
1976年版の映画「ひとごろし」は六兵衛が松田優作さんで仁藤が丹波哲郎さん!? すごいシリアスな感じだね。
毎月第3、第4日曜が”懐かしの『日曜劇場』時代劇”らしいので、9月以降も見ていきたいと思います。石井ふく子プロデュースドラマって、渡鬼は別としてTBSチャンネルやBS-TBSよりほかのBS局やCSで放送することが多いの何でだろう!?


