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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(141)「お兄ちゃん」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

徳永家に一羽の文鳥が迷い込む。町子(藤山直美)らは、「迷い鳥」のチラシを作って近所に貼(は)ろうとする。そんなとき、昭一(火野正平)の内縁の妻・平真佐美(なるみ)の兄、広明(小西博之)が真佐美を捜しに徳永家を訪れる。奄美にいる父親のことで相談があるという。真佐美と広明のぎこちないやりとりの様子を見ていた町子と秘書の矢木沢純子(いしだあゆみ)は、広明が真佐美の兄であることを疑うのだが…。

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昨日の振り返り

町子「お兄さん、お元気やったんですか?」

昭一「はいな。そっちは?」

健次郎「いや、おかげさんでな」

昭一「うん…紹介しとかないかん。真佐美です」

真佐美「初めまして。平真佐美です」

 

昭一「そろそろ奄美に帰ろかと思てんねん」

健次郎「へえ」

昭一「あいつの両親も向こうにおるしな。ほんでな、健」

健次郎「うん」

昭一「お前も一緒に行かへんか?」

 

健次郎「兄貴な『奄美帰る』言うてんね」

町子「え?」

健次郎「『お前も隠居しとんのやったら一緒に帰れへんか? 老後は奄美でどや?』やて」

振り返りここまで

 

仕事部屋

純子「奄美大島?」

町子「うん。お兄さん、帰りはるんですって。でね、健次郎さんにも言わはったみたいなんですよ。『よかったら一緒にどないや?』いうて、奄美大島に。そやから、老後の生活」

純子「老後!?」

町子「何か不思議な響きでしょ。私、その話、聞いてね、『ああ、今、自分はもう老後なんや』て初めて気が付いたのよ」

純子「あ…じゃ私も!」

2人の笑い声

 

町子「まあね、健次郎さんももう仕事辞めたんやから『奄美へ帰ろ』思たら帰られへんこともあれへんねんけどね」

純子「『帰りたい』っておっしゃってるんですか?」

町子「本人、その気はないみたい。けどね…面白そやから、いろいろ考えてみようかなあ、老後の計画」

純子「うん」

2人の笑い声

 

余裕あるなあ~。年取って疲れた体に鞭打っても働かなくてはいけないという状況じゃないもんね。

 

茶の間

釣りの用具をいじりながらの雑談。

一真「あのお兄さんがようやく結婚な」

健次郎「うん」

一真「へえ~。さすらいの男もいよいよ港入りか!」

健次郎「まあ、まだまだ分からんけどね」

一真「それで、奄美へ帰りはるて?」

健次郎「うん」

一真「ふ~ん。ふるさとで新婚生活か。羨ましいなあ! 年とって南の島でのんびり暮らすっちゅうのは、もう憧れやわ」

健次郎「なあ。自然の中でな」

 

徳永家の門

健次郎「大物がいても大丈夫や」

一真「そやそや、そやそや、そや…。ほなな、来週楽しみにしてるから」

健次郎「こちらこそ」

一真「じゃあ…」

健次郎「来週」

一真「はい」

 

元・徳永医院の入り口でうろうろしている男。

健次郎「あの…何かご用ですか?」

広明「ああ。徳永さんのお宅ですか?」

健次郎「ええ。あ…徳永は僕ですけど」

広明「徳永…昭一さん?」

健次郎「あ~、兄ですか。兄はちょっと出かけてますけど」

広明「ああ…。お戻りになられますか?」

健次郎「ええ」

 

広明は小西博之さん。「あぐり」にもちょっとだけ出ていた。

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茶の間

純子「『また来る』っておっしゃったんですか?」

健次郎「うん。『上がってお待ちください』て言うたんやけどね」

純子「お友達でしょうか?」

健次郎「さあな…」

 

純子「あっ、大先生、明日、医専の同窓会ですよね」

健次郎「うん」

純子「スーツ、クリーニング取りに行かなきゃ」

健次郎「あ…まだやったんかいな、あれ」

純子「先生、お時間なさそうなので私が行ってまいります」

健次郎「すんませんな」

 

純子「『老後は凍えぬ程度のものをひっかけて』というわけには、まだいきませんよね」

健次郎「まっ、まだまだ老後にはなりきれてないというこっちゃね」

2人の笑い声

 

路地

真佐美「ありがとう。ようさん買うてもろて」

昭一「いいえ。何でダイヤモンド言わへんかったんや?」

 

貞男「あ~、どうもこんにちは」

昭一「ご機嫌さん。もうかりまっか?」

貞男「いや、ボチボチでんな…」

昭一「お答えがありふれてますね。これ、嫁はん」

貞男「え…お兄さんの?」

昭一「うん」

 

真佐美「真佐美です。こんにちは」

貞男「あ、あの…工藤酒店でございます。へえ~。ヘヘヘヘ…!」

昭一「あんまり見るな。減る。行こ!」

真佐美「ああ…」

 

貞男「減りまっかいな…」

 

茶の間

町子「はあ…。私もちょっと休憩さしてもらおう」

健次郎「ご苦労さん」

 

真佐美「また連れてってね」

 

町子「あ、帰ってきはった。お帰りなさい」

真佐美「ただいま帰りました」

町子「まあ、ようけ買うてきたんやね!」

昭一「ようけ買わされた。あの売り子っちゅうのは口うまいな。『まあ奥様、よくお似合いですこと。まるで女優さんみたい』言うてやで、後から来た腰の曲がったおばあちゃんにも同じこと言うてた」

真佐美「もう、たまにやからええでしょ!」

昭一「いや、長いのがかなわんねん」

 

町子「女はね、迷てる時間が一番楽しいんやもんね!」

健次郎「女の人は人の買い物でも喜々としてついてくもんなあ。あんた、友達が『ドレス買うからついてきて』言われたら?」

町子「行く行く行く行く! 東京の友達がね『つきおうて』言うたら、私、新幹線乗って行くもん!」

健次郎「自分は買いもせんのに!」

 

町子「女は買い物にね、執着と情熱を持ってんのよね」

真佐美「そうなんですよね!」

昭一「そういう心理は男には想像できませんよね」

健次郎「できないです」

 

町子「ねえ、兄弟2人で買い物行ってね、健次郎さんが『ズボン買いたいから、兄貴、ちょっとつきおうて』て言ったら、お兄さんは?」

昭一「ほな、さいなら」

健次郎「うん、そこで別れるな」

町子「『ついてったるわ』て言わへんのが男なんですよ。分かります? その違い」

一同の笑い声

 

田辺聖子さんの本を読みなれた人だとこういう会話も面白いなあと思うんだろうけど、あんまり知らない人だと、何かというと男VS女の話をするな~と思う人もいるんだろうな。序盤の頃、チラホラそういう感想も見かけたので。

 

ま、私も読みなれてるわけじゃないけど、そういうところに抵抗を感じる人もいるのかもしれない。どっちが悪いって言い方じゃないからいいけどね。

 

健次郎「そや。あのな、さっき兄貴訪ねて人が訪ねてきたで」

昭一「今日?」

健次郎「『また出直します』て言うてはったわ」

昭一「男? 女?」

健次郎「男」

昭一「あ、そうか。うん…」

 

健次郎「また何かややこしいことなってんの違うやろな?」

昭一「そんなことなってませんよ。何を言うてんの、ほんま!」

町子「分からへんね。前、津軽の女の人…」

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真佐美「津軽? 津軽って何やの?」

昭一「いや、知らん。何か100年ぐらい前、そんなような話…」

真佐美「ちょっと待ってよ、昭一さん! 津軽って何やの!?」

 

茶の間を出た昭一が庭で何かを見つける。「健」

健次郎「うん?」

昭一「ちょっと…」

健次郎「何?」

昭一「あれ…」

健次郎「お…。文鳥や」

 

庭に白い文鳥がいた。

町子「あら~!」

真佐美「どっから来たんやろ?」

昭一「おい、ちょっと待て待て。逃げるなよ。よ~し…。これ、迷子やなあ」

真佐美「かわいい~!」

健次郎「兄貴、怖がらしたらあかんで。いや、ちょっと…こっちおいで。はい、こっちおいで、こっちおいで、こっちおいで。どっから来たんや? 君は」

 

昭一「ねえねえねえ」

町子「うん?」

昭一「どっちが怖い?」

町子「はい!」町子は昭一を指さし、真佐美は健次郎を指さす。

昭一「慣れは怖いわ」

 

健次郎「アイタッ! 痛い、痛い。かみよるな、こいつ」

町子「健次郎さん、どっかから逃げてきたんかな」

真佐美「人になれてるから飼われてた子かもしれませんね」

昭一「あ、そや」

真佐美「捜してはるかも分かりませんね」

健次郎「そやな」

 

虫かごの中で鳴いている文鳥

健次郎「ああ、お前も鳥かご買うたらなあかんな」

 

「迷い鳥」保護しています

9日お昼ごろ、わが家の縁側で白い文鳥

見つけました。人になれているので飼い鳥だろうと思…

飼い主の方を探しております。お心当りの方はご連絡…

…天満北1-3-19 徳永健次郎

 

という紙に、健次郎、純子、昭一、真佐美がそれぞれ文鳥の絵を描いている。昭一が健次郎に純子の絵を見るよう無言で合図。純子の絵は大きな体に目が小さく、文鳥っぽく見えない。

 

純子「もう! 色塗ればそれなりに見えるんです!」

 

今度は健次郎が昭一に無言で合図。

 

昭一「真佐美」

真佐美「うん?」

昭一「それ、眉毛か?」

真佐美「うん。あれ? 鳥って眉毛…。あっ、まつげはありましたよね」

昭一「お前、見えるの?」

健次郎さんが口を押えて笑っている。

 

町子「ねえねえねえ、出来ました?」

健次郎「あんたはちゃんと仕事、仕事!」

純子「先生、明日、締め切りですよ」

町子「え~、私も描きた~い!」

 

「ごめんだくさい」

 

町子「は~い!」

 

玄関

町子「あ、はい」

広明「あの、こちらに徳永昭一さんはいらっしゃいますか?」

町子「ええ。あの、昭一さん…あ、お兄さん」

昭一「はい」

町子「あの…」

 

広明「あ…あ、昭一さん?」

昭一「え~っと…」

広明「いや、あの、私…。ああ」

真佐美「あ…」

広明「真佐美。ハハハ」

昭一「えっ!?」

 

真佐美「兄です。兄の広明です」

昭一「兄さん!? あ…あ、私、徳永昭一です」

広明「ああ、兄です」

 

茶の間

純子がお茶を出す。茶の間に座ってるコニタンでけぇ! 関西弁が自然だけど関西のイメージがなく、関西出身とは思わなかった。

広明「あ~、すんません。いや、マンション行ったら管理人さんが『こちらに遊びに行きはったで』て言うから」

真佐美「急に来るからでしょ」

広明「おう…」

 

昭一「まあまあ、改めて、え~、私が徳永昭一です」

広明「ああ…真佐美がいつもお世話になってます」

昭一「で、こっちが…」

健次郎「弟の徳永健次郎です」

町子「妻の町子です」

広明「あ、どうも」

 

真佐美「何しに来たん!?」

広明「『何しに来たん』て…。あ~、そや、奄美のおやじのことでちょっと相談がな…」

昭一「お父さん?」

広明「え? あ~、いやいや、そんな大したことやないんですよ」

昭一「なあ、真佐美、商店街に喫茶店あるからな、そこで2人で話、したらどや?」

広明「ああ。あ、そりゃ…そりゃ、ええですね。そうや。なっ、そうしよう。うん」

ちょっと広明を怪しんで?にらみつける町子。

 

夕方、応接間の椅子に座る昭一。「きょうだい多いんや。兄貴が何人かに弟、妹て全部で6人や言うとった」

 

茶の間

健次郎「ふ~ん」

町子「さあ、お仕事しましょ…」部屋を出ていく。

 

仕事部屋

純子「失礼します」

 

町子「はい、どうぞ!」

純子「コピー機、お借りします」

町子「はい。あっ、ねえ、チラシ出来たの?」

純子「出来ました!」

町子「見せてよ~。ねえ。あらまあ、上手に描いてはるやないの! 『迷い鳥 保護してます』。まあ、みんな上手に…これ、アヒル?」純子の描いた文鳥に目が留まる。「ねえ、目がダチョウみたいやね」

純子「いいんです、もう! どうせ私、画家になるわけじゃないですから!」

 

町子「いやいや、冗談で言うただけで…。ねえ、ちょっと純子さん」

純子「はい」

町子「さっきの真佐美さんのあのお兄さんやと言うてた人ね、あれ、ほんまにお兄さん?」

純子「はっ!?」

 

町子「何か兄と妹やっていう、こう…雰囲気っていうか空気違うでしょ」

純子「空気ですか?」

町子「空気て、よう説明せんけど何かありますやん。ほれ、2人いてる時に、こう何かジワジワジワ~ッと漂うような、こう何か雰囲気っていうか、ほれ、空気とかって…」

純子「ええ、ええ。あります。いや、私はあの…あの2人、とても親密な感じ受けました。まさか…」

町子「え~?」

 

路地、アムール前

広明「ちょっと待ってえな! もう最後やから頼むわ!」

真佐美「あんた…ええ加減にして! 帰って!」

広明「いやいや、もうもう、これで…これで最後やから!」

真佐美「いつもやないの! 帰ってよ!」

広明「今度こそはちゃんとするから! ちょっとちょっと待ってえな!」

 

台車で酒を運んできた貞男。「あの…どないかしはったんです? あれ? おたく…」

真佐美は貞男の顔を見て去って行った。

広明「おい!」真佐美とは反対方向へ行ってしまう。

 

そして、その夜

 

台所

町子と一緒に夕食の準備をする真佐美はため息をついていた。

町子「はい。そしたらこれお願い…」

ボーッとしてる真佐美。

町子「真佐美さん」

真佐美「あ、はい」

町子「これ、ちょっとお願いします」

真佐美「あ、すいません」

町子「できました?」

真佐美「はい」

町子「はい、ありがとう」

 

茶の間

出来た料理を運ぶ町子。「よいしょ」

健次郎「ただいま」

町子「お帰りなさい。迷い鳥のチラシ貼ってきはったんですか?」

健次郎「ああ。工藤商店とかあちこち貼ってきた。捜してはったら、すぐ連絡くれるやろ」

町子「ご苦労さまでした」

健次郎「あれ? 兄貴、まだ?」

 

町子「うん。まだ。真佐美さんが出たあと出かけはったまんまやの」

健次郎「ふ~ん。あのな、酒屋でちょっと気になること聞いたんやけどな」

町子「何?」

 

昭一の鼻歌=軍艦マーチ

軍艦マーチ

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町子「お帰りなさい!」

昭一「出た出た! 大勝ち!」

健次郎「パチンコかいな」

昭一「パチンコですよ」

町子「お兄さん、私の大好きなチョコレートあります?」

 

昭一「ありますよ。あ、真佐美。お兄さん、帰らはったんか?」

真佐美「はい」

昭一「お父さんのことて何やったん?」

真佐美「そんな大したことあれへんの」

町子「ありがとうございま~す」

 

何やら事情がありそうな真佐美に気付いた町子でした。

 

ミニ予告

町子「迷い鳥か…」

 

今週に入って先週と比べて段違いにセリフが増えたな~。広明とは何者なのか!?