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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(145)「お兄ちゃん」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

平真佐美(なるみ)は昭一(火野正平)の通帳から全額引き出し、それをそっと返しに来た事情を説明する。真佐美の兄・広明(小西博之)が勝手に真佐美のカバンから通帳を抜き取り、金を引き出していた。真佐美はそんな悪い兄がいることを昭一には話せなかったのだ。健次郎(國村隼)にいわれ徳永家にきた広明に、この金で一からやり直せと約束させる。無事ふたりは結婚式をあげ町子(藤山直美)は幸せを感じていたのだが…

茶の間

テーブルの上に置かれた封筒、印鑑、通帳。

 

真佐美「ごめんなさい。ほんま、ごめんなさい」

昭一「ほな、兄貴っていうのは、ほんまのことやってんな?」

真佐美「真ん中の兄です。養子に行ってて私とは名字が違うの」

健次郎「ほな、『あんた』って呼んでたのは?」

真佐美「え? あ~、それは小さい頃からの呼び名なんです。一番上の兄がお兄ちゃん。すぐ上があんちゃん。真ん中があんたんて」←ちょっと無理ある。

 

町子「ああ! 『あんたん』で、ほんで『あんた』や」

昭一「前にそんなこと聞いたことあるな」

健次郎「何や聞いとったんかいな」

昭一「そんな簡単に結び付かへんがな。ほんで、通帳持ち出して金引き出した兄貴追っかけて説得しとったんか?」

真佐美「食事した時、私のカバンの中の通帳、見つけたみたいで…。けど、まさか勝手に持っていくやなんて気ぃ付いてびっくりしました」

町子「あの…そのほっぺたの傷は?」

真佐美「もみ合ってタンスにぶつけて」

町子「わ~、そらひどいわ!」←何度か健次郎を突き飛ばしてる場面を知ってるから、ちょっと面白い。

 

昭一「そやけど、お前、連絡ぐらいできたやろが…」

真佐美「しよう思たけど、そんなこと言われへんもん。『兄が持ち逃げした』やなんて。そやから、私、何としても取り返さなて、必死で…」

町子「何でこれだけ置きに帰ってきはったんですか?」

真佐美「事情話したら、そんなことする兄がいてるて分かったらもう…もうあかんかも分かれへん思て、怖なって…」

昭一「アホ。連絡ないから、お前も一緒に逃げたんやて思てしもたやないか」

真佐美「え?」

昭一「そんなしょうもないこと思てしもたやないか」

 

真佐美「私のこと疑うてたん?」

昭一「まあ、そうなるやろ」

真佐美「ひどい…」

昭一「ひどいのはどっちや!?」

真佐美「信じてへんいうことやないの!」

昭一「しゃあないやろ、お前、こんなふうになったら」

 

町子「あの…ねえ、お兄さん、今までにも?」

真佐美「はい、何度か…」

昭一「何で言うてくれへんかったんや。『信じてへん』てお互いさまちゃうか?」席を立つ。

真佐美「昭一さん…」

 

町子「真佐美さん…ねえ、けど、よう戻ってきてくれはりましたわ。うん」

真佐美「けど、昭一さんは許してくれはりませんよね」

町子「昭一さん、ああいうふうに言うてはりますけども、真佐美さんのこと信じてはったんですよ」

真佐美「私、そしたら、どないしたら…?」

 

健次郎「うちの兄貴とやっていこうっていう気、まだあるか?」

真佐美、大きくうなずく。

健次郎「そしたらな、お兄さん、ここ、連れておいで」

真佐美「え?」

健次郎「ほんでな、まず本人に謝らし。ほんまのところを見せるんや。全部」

町子「うん」

 

そして、その夜遅く…

 

茶の間

広明、真佐美、健次郎、町子が揃ったところに昭一登場。

広明「申し訳ございませんでした。ご迷惑をおかけしました」

 

健次郎「君な…妹さんにどんな思いさせたか分かってるか? 分かってへんねやろな。あのな、僕の知り合いにもな、ええ年して借金しては親頼って、いつも家族に心配かけとった男がおるんや」

昭一「お前、何、言いだすの?」

健次郎「そいつは長男やのに気ままな性格でな、あっちこっちフラフラフラフラして結婚もせんと落ち着く家もなく、なかなか仕事も決まらへん。困った男や。けどな、彼は自分の妹や弟にこんな情けない恥ずかしい惨めな思いさせたことは、ただのいっぺんもないで。妹さんの幸せ壊してどないすんねんな…」

しょんぼりする広明、真佐美。

 

健次郎「兄貴」

昭一「うん?」

健次郎「これ、ええよな?」

昭一「うん。え?」

健次郎「要るだけ持っていき」

町子「はあ!?」

昭一「いや、これ、俺の全財…」

 

健次郎「あんたの言うてる金額には、まだ足らんのやろけども…貸しとくわ。ただし、ちょっとずつでもちゃんと返してもらうで」

真佐美「あきません、そんなこと!」

健次郎「ほかのきょうだいのとこ行ったり、またつまらん考え起こして、ほんまに警察沙汰になってしもたら、あんただけやないねんで。家族の人生も全部壊してしまうことになるんやで」

昭一「これ、使い。そやけどな…二度と妹に迷惑かけたらいかん。もし何かあったらやで、直接、俺んとこ来い。真佐美のとこ来て、今度みたいなまねは金輪際してくれるな。ええな?」

真佐美「あんたん!」

 

広明「すんませんでした! (目の前に置かれた封筒を昭一の前に差し出す)妹から聞きました。『このお金は奄美で生活するための大切なお金や』て。ほんま…恥ずかしいことをしました。自分で何とかします」

町子「なんとかできるんですか?」

広明「何としてもなんとかします…」

 

昭一「分かった。けど、これは持っていき」封筒をまた広明の前へ。

健次郎「うん、そや。これで借金きれいにして、また一から出直し」

広明「ありがとうございます! それと…妹のこと…どうぞ…よろしゅうお願いします!」昭一に頭を下げる。

 

その半月後。昭一と真佐美の身内だけの結婚パーティーが開かれ、久しぶりに子供たちも集まりました。長女の由利子は服飾デザイナー。

 

女性たちがテーブルの上に料理を並べる。ジェンダー的に進んでるなと思うところもあれば、こういう場面では男性陣は座ったまま。

 

清志「これ、うちのゴボウやで!」

 

清志の妻、花子は着物姿で給仕。

 

長男の清志は、夫婦で山小屋を経営しています。こちらは三男の隆夫婦。

 

隆の妻、亜佐美は茶髪のロングヘア―。スーツ姿。

 

清志「おいしかったか」

登「今度、うちにも送ってよ」

由香「はい、どうぞ」

清志「お~、登! このシイタケ、うちの山のやで。出来のええ子ぞろいやろ?」

登「そやな。自分で産んだみたいに言うてるわ」

 

登の妻、由香はショートボブにパンツスーツ。

 

これは次男の登夫婦。

 

亜紀「ごめん、遅なって!」

 

末娘の亜紀です。

 

亜紀「お姉ちゃんもごめんね」

由利子「ううん」

亜紀「仕事、ギリギリまであって」

由利子「日曜日まで仕事やの?」

亜紀「うん。あ…うちの人も仕事であかんねん」

由利子「うちもまた海外なの」

亜紀「あ、そうか」

由利子「晴子叔母ちゃんも仕事みたい」

 

洗面所

自分の目の下を見ている健次郎。口を開けて自ら触診!?

町子「あ…、ねっ、そろそろ始めましょか?」

健次郎「ああ…」

町子「大丈夫? 朝、熱っぽいて言うてはりましたけど」

健次郎「うん、大丈夫」

町子「お兄さんの風邪、うつってから調子悪いね」

健次郎「うん、何ともないよ」せきばらい

 

町子「けど、よかったね。真佐美さんのお兄さん、勤め先が決まって」

健次郎「うん。あのお金はなかなか帰ってけえへんやろけどな」

町子「ほんま…。始めましょか?」

廊下を歩きだした町子の手を取る健次郎。

町子「いや~、何? びっくりするわ!」

健次郎「結婚式やで。あてられんように僕らも頑張らな」

町子「かなわん!」

手をつないで歩きだす町子と健次郎。

 

茶の間

CDラジカセからウェディングマーチが流れ出す。

Wedding March

Wedding March

  • Daniel LeBlanc
  • クラシック
  •  
  • provided courtesy of iTunes

紋付き袴の昭一と和服の真佐美が登場。

町子「お~!」

盛大な拍手を受ける。

町子「お兄さん、二枚目!」

まだまだ拍手は続く。

町子「おめでとう!」

純子「おめでとう!」

由利子「おめでとうございます!」

 

最終的にはいつものように…

 

三味線、三線?を弾くのは清志。みんな踊る。

♪目出度目出度の 若松様よ

枝も栄えて 葉も繁る

六調

六調

花笠音頭

花笠音頭

  • 金沢明子/笛:福田次郎/三味線:本條秀太郎/本條武/太鼓:美鵬駒三朗/鉦:美波奈る駒/囃子:西田和枝/新津幸子
  • ワールド
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

めでためでたの~のフレーズは日本各地の祝い唄に出てくるフレーズなんだそうです。”枝も栄えて葉も繁る”は、「ゲゲゲの女房」でも布美枝の父が結婚式の時に歌ってた。布美”枝”と”しげる”でちょうど本人たちの字も入ってるとドラマ内でも説明していて印象に残ってました。

 

踊ってるのは真佐美、昭一、登、由香、亜佐美、他は手拍子して見ている。

隆「あれ? お茶飲んでんの? ビールまだあるで」

亜紀「ううん、あかんねん。赤ちゃん、いてんねん」

隆「え!? ほんま?」

純子「え~っ?」

 

町子「ねえ、健次郎さん、見て! ねえ、お兄さん、うれしそうやね!」

健次郎「ほんまやな」

町子「これからふるさとで2人住まはるんやね」

 

楽しそうに踊る真佐美たちと手拍子をする町子。

健次郎「僕のふるさとはな…」

町子「え? 何て? 聞こえへん! 何て?」

登「町子おばちゃんもそろそろ踊らな」

町子「私も踊んのかいな! えらいこっちゃな!」

 

健次郎「僕のふるさとはここなんや」

 

楽しそうに踊る町子たち。

 

宴会は夜遅くまで続きました。その翌朝…

 

救急車のサイレン

 

徳永家前にいる純子。

貞男「矢木沢さん! どないしたんですか?」

純子「ああ…」

貞男「誰が?」

純子「大先生が…」

貞男「え?」

 

病院の廊下をストレッチャーで運ばれている健次郎と横についている町子。

 

来週は「ほな、また!」

 

・「肺からの出血ですね」

町子「肺から?」

 

・応接間で踊る町子と純子。

 

・純子「大丈夫ですよ」

 

・晴子「とにかく結果待ちましょう」

 

・昭一「退院したらなんぼでもお酒ごちそうするがな」

 

・和代「アホなこと言いなさんな!」

 

・町子「今までで一番大きな敵」

うなずく健次郎。

 

・町子「乾杯!」

 

ミニ予告

昭一「道路、羊で渋滞してんねん」

笑う純子と健次郎。

 

由利子以下健次郎の子供たちは演じている役者さんが当時二十歳そこそこだけど、劇中だと亜紀ももう30代半ばくらい? ほかは子供のいない夫婦なのかなあ? みんなあっという間に結婚してたし、登と隆は職業不詳。真ん中っていつもそうだよねー。私もひねくれ者の中間子だから、ついドラマに出てくる中間子に注目しちゃう。 

 

あ~、来週は最終週。悲しい感じだな~。でも、他の朝ドラだとヒロインの子供たちが大きくなって子供たちに主役の座が映るような寂しさが「カーネーション」ですらあったのに、それが「芋たこなんきん」でなかったのはすばらしい。やっぱりヒロインはずっとヒロインでいてほしい。