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【ネタバレ】大日本スリ集団

1969年 日本

 

あらすじ

関西を荒らし回るスリの名人、平平平平(ひらだいらへっぺい)(三木のり平)と、スリ係の部長刑事・船越(小林桂樹)。宿敵同士の二人は皮肉なことに軍隊時代の戦友同士――。しかもそれぞれ娘と息子のことで悩みを抱えていた。そんなある日、船越は平平に娘の昭子(酒井和歌子)が持ち歩いている書類をスッてほしいと頼む。それは親に内緒の婚姻届けだった。一方、平平の息子の平一郎(寺田農)は、「親父みたいな一流のスリになる」と修行に励んでいたが…。

2021.4.13 日本映画専門チャンネル録画。

 

戦時中。匍匐前進中、船越一等兵に平平(ひらだいら)はタバコをねだる。平平は戦争中は刑事もスリも同じ身分だと笑う。

 

競馬場でスリをする平平。競馬場を出ると船越がいて、20年ぶりに戦友会をやると言われた。

 

平平が家に帰ると、若い妻・紙江と小さな子供2人。平一郎(寺田農)とすれ違う。平平の前妻との子? めちゃくちゃカッコいい。

 

平平の家には仲間のスリたちがやってきて、今日の売り上げ?を見せ合う。平平はスリの組合長として、捕まった仲間・レンコンの内縁の妻に生活費を持って行った。

 

船越は平平の組合を一網打尽にしようと、捕まえたレンコン(3代目古今亭志ん朝)の取り調べをする。船越の同僚刑事・金貝(かながい)が田中邦衛さん。捜査会議によると、紙江と子供は平平の仲間の妻子を養育してるらしい。

 

船越の娘・昭子(酒井和歌子)は警察近くの幼稚園で働くことが決まっていて、船越は金貝と昭子を結婚させようとしていた。

 

昭子が金貝に船越がスリ係になった理由を話した。幼い頃、行商をしていた母(菅井きん)が何度もスリに遭い、心中を考えるほど困っていたせいだった。金貝もまた父親がスリ係の刑事で15年前、スリと格闘の末、列車に轢かれて殉職。船越も金貝もスリに対して並々ならぬ思いを持っていた。

 

船越、平平は戦友会へ

♪徐州徐州と人馬は進み~とみんなで「麦と兵隊」を歌う。

 

平平のスリ仲間・フランス(平田昭彦)もなぜかいて、みんなの前で船越の警察手帳をスッてみせた。フランスの妻・京子が吉行和子さん。平平は派遣業をやっていると言っていたため、ストリッパーを呼べ!と仲間たちに言われ、紙江を呼んでストリップをさせた。紙江は元々の仕事がストリッパー?なのか無理矢理ではありません。でもねえ…

 

電車で昭子の財布をスッた平平は船越に財布を渡す。一緒に封筒も持っていて、昭子は1年ほど前の日付けの婚姻届を持っていた。婚姻届に書かれていた相手の城山を訪ねると、妻子持ちの城山は離婚して子供を引き取って昭子と育てるつもりでいたらしい。昭子は子供のためによくないと別れを切り出した。君と別れたのは賢明だという船越。

 

平平の息子・平一郎が刺された。平一郎は白梅会に所属していて、敵対している組織にやられた。

 

船越の妻は昭子が10歳の頃に亡くなり、それから昭子が父の身の回りの世話をしてきた。

 

パチンコ屋でフランスを張っていた船越。立ってやるパチンコは前も見た。

peachredrum.hateblo.jp

ついに現行犯でフランスに手錠をかけたものの逃げられ、道路に飛び出したフランスは交通事故に遭い、亡くなった。

 

フランスの妻・京子はお腹に子供がいて、「当然始末するんでしょ」という平平の言葉に産むという。京子はこの際、サギ仲間とは一切、手を切ると言い、葬式にも来るなという。昔の人の「始末」という言葉が怖い!

 

平平は昭子に会い、自分がスリであること、婚姻届のことは船越も知っていることを伝えた。

 

ん? 平平と紙江のラブシーン? はあ? 人の奥様預かってんじゃないの? イチャイチャし始めると船越が訪ねてきた。

 

昭子が置き手紙を残して家出した。昭子の財布をスるように言ったのは船越だと昭子にバラしたことを知らされた船越と平平は夜の公園で取っ組み合いのケンカをした。

 

昼、茶の間に寝ていた船越の元に金貝が訪ねてきた。船越は家賃不要だから引っ越してこいと金貝にいう。

 

船越はうっぷんを晴らすように柔道の稽古に精を出す。

 

平平もまたスリ仲間に特訓していた。

 

京都祇園祭のスリ対策会議。

 

本物の祭り映像? スリが人混みを歩き、金貝も注意深く周囲を見渡している。船越は山辺(菅原謙次)刑事?に「スリを捕まえろよ」と声をかけてきた。山辺もまた山車に見とれている間に後ろポケットの財布をスられた。そんな分かりやすいところに。

 

スリを捕まえた船越だが、平平一味の誰も逮捕出来なかった。スリ仲間が集まって集計すると、現金が35万、他に時計やら何やら。小切手類は破って捨てる。

 

平平一味が宴会をしていると平一郎がおこぼれをもらいにきた。これからは暴力団をやめて、スリに専念するという。紙江のことを年下のお母ちゃんて! やっぱり平平と紙江は夫婦同然なの!?

 

船越が帰ると昭子がいた。静岡の農事試験場で炊事係をしているという昭子に「大学を出たのに?」という船越。しかし、昭子は一旦戻っただけで出て行った。

 

昭子から速達が届いた。昭子は1年前からブラジルに移住したいと考えていて、実行に移すと書かれていた。

 

白梅会を訪れた平平親子。これからも白梅会と組まずにスリ一筋でいくと宣言。組長は平一郎に指を詰めるようにいうが、平平が代わろうとする。父親なら右手の人差し指か中指、平一郎なら小指と言われて平平はスリが出来なくなると困る。組長にそういうように言ったのは船越。組長の隣に座っていたのは大滝秀治さん。大滝秀治さんと田中邦衛さん共演率高いな。

 

平一郎は自ら小指を詰めた。う〜、こんなシーンあると思わなかった。目を逸らしたので見てないけど。

 

家に帰って苦しんでいる平一郎。平一郎と紙江は以前から関係があったらしい。まあ美男美女だし、こっちの方がお似合い。

 

船越に文句を言いにきた平平は興奮しすぎて倒れた。命に別状はないが、後遺症は残る。紙江は平一郎と2人でどこかへ逃げるつもりらしい。え、子供は!?

 

昭子には会わずに何も言わずに送り出そうと船越は思う。

 

船越は歩道橋で平平を見つけた。病院を抜け出して紙江を捜すつもりだというが、前より右手が動きづらくなり、スリをしてあっさり捕まった。船越が保証人になり、平平は刑務所へ。「一足お先に老人ホームで待ってまっせ」と軽口を叩く平平。子供たちは西成の児童養護施設に預けられた。

 

神戸で小さくなっていく船を見つめる船越。(終)

 

う〜ん、娘の考えがよく分からん。あの時代、もう移民とかいう時代じゃないでしょう。しかも、若い女性一人で。蔵出し名画座は、そりゃDVDにならないだろうという微妙な作品が多いな。見なきゃいいんだけど、ついキャストにひかれてしまった。