徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】木下惠介アワー 3人家族(全26話)#7-#8

1968/10/15~1969/04/15 TBS

 

あらすじ

TBS『木下恵介アワー』で歴代最高視聴率を記録した人気ホームドラマ。偶然の出会いから始まる大人の恋と3人家族の心あたたまる交流を描く。男ばかりの柴田家と、女ばかりの稲葉家の二つの3人家族の交流を軸に、ロマンスやユーモアあふれるエピソードを盛り込んで話は展開する。山田太一が手掛けた連続ドラマ初脚本作。1960年代、大家族ドラマものが流行る中で、シングルファザー、シングルマザーの世界がリアルに描かれたのも話題となった。

7話

 

雄一の会社の海外留学試験は11月中旬の日曜日であった。

 

正確には1968(昭和43)年11月17日 日曜日

 

その日曜に敬子は1人の青年と会った。いや、少年と呼ぶべきだろうか。妹・明子のボーイフレンドである。この少年が行きずりに幾度か出会ったあの青年の弟だということは無論敬子は知るよしもなかった。

 

それは雄一も同様である。心に残る行きずりの女性に弟の健が今、出会っているなどということは思いもかけぬことであった。

 

電車内で健が男3人の家族であることが分かると、敬子は「うちと正反対ね」と明子に言う。

敬子「じゃあ炊事お洗濯どなたがなさるの?」

健「僕です」

敬子「まあ大変」

健「いえ、わりと好きですから」

敬子「この子は愚痴ばっかりなのよ」

明子「だって嫌いだもん。しょうがないわよ」

敬子「すぐこうなの」

明子「大体ね、男がやると大変で女がやると当たり前ってのが気に入らないわよ」

うわっ! 50年以上前からこんな当たり前な事を言ってた人がいたとは!

敬子「それが理屈よ。なんていったって男の人がやるほうが大変よね」

敬子は美人なだけでなく男受けもよさそうだな~。

 

砂浜で敬子にばかりカメラを向ける健。敬子が腰を下ろすというとすかさずハンカチを砂浜に敷く。湿ってるからと健が言うと、それならいいわと歩き出す。「疲れたわ、私」と明子が話しかけても「もう?」とそっけない。ここからしばらく美人のお姉さんと明子に差をつける健の様子が描かれるけど、コメディっぽく描かれてるせいかそれほど嫌な感じはしない。

 

敬子もまた美人扱いに慣れてる感じでカメラを向けられても嫌がらないし、明子が雑な扱い受けても何も言わないんだよねー。

 

展望鏡まで登った敬子と健。明子が来ないと心配する敬子。座ってれば来ますよと言う健だったが、敬子が見てくると言うと、僕が行くとまた降りていった。明子はお土産屋でラムネを飲んでちらっと健の姿を確認したものの無視して展望鏡に行った。

 

敬子は鎌倉に友達がいるからとそこから別行動になった。

明子と合流した健は「お姉さん気を悪くしたんじゃないの?」と気にしている。

明子「まあ、おとぼけ。何よ、さっきからお姉さん、お姉さんって。私がここにいんのにあっち見ることないでしょ」

明子は姉とは違う扱いを受けると、ガンガン言うから見てるこっちもストレスたまらないんだな、きっと。

 

ヨットハーバーに入って行く明子。「こういう所は会員じゃないといけないんだよ、きっと」と健は心配するが、明子はお構いなし。

 

蕎麦屋でお昼を食べる雄一と佐藤。あと2時間で試験は終わる。面接試験は1月。佐藤は午前中がよくなかったと落ち込んでいる。

雄一「そりゃ、お前は俺の競争相手さ。しかし、お前が落ちればいいとは思ってないよ」

佐藤「誰かが落ちなきゃ困るだろ」

雄一「だけどそれはお前じゃないんだ」

佐藤「ハッだいぶ苦しいな」

雄一「苦しいが本当さ」

二人はお互い励まし合う。

 

敬子は俊子という友人に会っていた。友人は1歳半の子供がいてベビーカーを押している。

俊子「かわいいけど時々放りだしたくなる」

敬子「あら」

俊子「かかりっきりですもの」

敬子「そりゃしょうがないじゃない、ね?」

俊子「たまには旦那とレストランと思ったってダメ。映画もお芝居もとにかくデパートだって、この子連れてちゃ落ち着いて見てられないでしょう」

敬子「でも落ち着いたわ。ぐっとマダムよ」

 

俊子「会うのは旦那と子供と近所のマダムだけ」

おばあちゃんがいるじゃないという敬子に「このごろのおばあちゃんはそんな単純じゃないのよ。どうせ私たちが便利がってるだけだと思ってるでしょう。そうそうは頼めないのよ」…って昭和40年代の話のはずだけど、今でも通じる話題だね。

 

俊子は「よほどいい人じゃなければ結婚なんかしちゃダメよ」とアドバイスを送る。

 

明子と健はヨット脇でおにぎりを食べていた。

明子「なんかロマンチックじゃないわね」と言っていたが、健に恋人がいると知るとちょっとがっかり。健は完全に友達と思ってて、明子は友達とは言え男と女という考え。しかし、健が片思いと知ると「あー、いい気持ち」と立ち上がる。

明子「そのわりにお姉さんに親切だったじゃない」

健「美人は別さ」

明子「それじゃ私は何よ」

健「並だね」

明子「並なもんですか。こんな美人を」

健は笑い、いい友達が出来てうれしいという。お互い気楽な関係。

健「うんといい写真撮ってやるからね。カラーだぜ」

健は明子の写真をいくつも撮った。

 

試験が終わり、雄一と佐藤は大ジョッキでビール。入社して3年も経つとどんどんバラバラになるという話からこれでますます差がつくという佐藤。

雄一「俺が受かるってどうして分かるんだ?」

佐藤「勘だよ」

雄一「お前が落ちるってどうして分かるんだ?」

佐藤「事実さ」

雄一「ハッ、何を言ってるんだ」

佐藤「できるヤツが受かるのさ。公平な話さ」

 

仕事ができるかできないかで人間を決めることに腹が立つと佐藤は言う。仕事ができないヤツはダメなヤツに見えてくる。月給が安いとバカなヤツに見えてくる。雄一は人間の価値は仕事じゃ決まらないというが、じゃ何で決まるのかという問いに答えられない。とにかく終わって、これからデートだという佐藤に気を使ってたんだぞと笑う雄一だった。

 

稲葉家。キクは夕方からの出勤なので、出勤前に江の島で買ったサザエを出す。

明子「私はね料理で女の魅力を考えるような人とは結婚しないの」

レストランの支配人をしているのでなかなか休みが揃わない。明子と健は、塔へ登り、お土産を買い、ヨットハーバーでお弁当を食べ、水族館とイルカを見て、砂浜を歩いて、レストハウスでコーラを飲んだ。

 

明子「よく見るとね、お姉さんより私の方が美人だってさ」

敬子「あら、失礼」←イヤイヤいくら毎度美人扱いされるからって本気で怒らないで。

 

柴田家でも江の島のお土産が出される。雄一が帰ってきて確率は70%だという。雄一は「人間の値打ちって一体何かね?」と耕作に問う。仕事の能力だけでは決まらない、努力するヤツが一番偉いわけでもない。

耕作「わしもそんなこと考えないこともないからな。他人の気持ちにどこまでなれるかっていうことじゃないかな?」

いいねえ~。

 

台所に立っていた健は「今日ねすんごいキレイな人に会っちゃった」と無邪気に言う。友達のお姉さんだから年上だと言われると雄一のお嫁さんにと言った。

健「このキャメラで撮ったんだ」

明日の朝、すぐ焼きに出すからねとキャメラがアップになって続く。

 

8話

 

健が洗濯しているとハルが柴田家に来た。昨日の夕方、耕作から電話があり、江の島行ったり洗濯したり勉強するヒマがないだろうとハルを呼んだのだが、健にハルが来ることを伝えておらず、ハルも寝坊して10時に来たので、健は掃除も洗濯も済ませてしまっていた。

 

家に入るなりタバコを吸い始めるハル(^-^; 健に灰皿を用意させる。

ハル「ハルさんはね、この一服が終わるまで親が死んでも立てないんだから」

健に掃除をするバケツと雑巾も用意させた。その後、健が勉強していると雑巾がけもせずに庭いじりをし始めた。耕作お気に入りのミツマタを抜いて、こっちに菜の花、こっちにレンゲを植えると歌を歌う。

 

今度はお昼なんにしましょうか?と聞いてきた。ウナギやビフテキを提案。お昼を奮発して夜は軽く済ますのが科学的だとハルは言い、80円くらいの肉でいいと健は言ったのに、1枚200円のビフテキがお昼になった。

肉200円×2、パセリ10円、ジャガイモ36円、キャベツが40円…お昼は486円。

ハル「そのくらいで男が何言ってんの」

健「男も女もありませんよ」

話をしていると、どうもハルは耕作の妻の座を狙ってるっぽい感じ。

 

午後、電話局が電話を引きに来た。

局員「電話機どこに置きますか?」と聞かれ、健は茶の間に置くことにした。耕作は課長になったので、定年を前にして会社持ちで電話を引けることになった、というのを1話で言っていた。

 

電話機を設置してくれて、2日くらいのうちに局から「使える」って電話がある。すぐ使える訳じゃないのねー。最初はどこにかけようか考える健。

 

夕方、またハルが声をかけてきた。写真屋が用事があって早く閉めるからと写真を届けてくれた。それを勝手に見ているハル。

ハル「立て替えておきましたからね、1310円」

健「高いな、カラーは」

ハルもまた敬子の写真を見て雄一とお似合いだと話す。

 

夕方、ハルは耕作を迎えた。

耕作「ほう、こりゃごちそうだ」

ハル「いつも男の子の下手な料理じゃお気の毒ですもの」

健「ひどいこと言うな」

耕作「ハハハ…これで健の料理はなかなかうまいんですよ」

このお父さんの優しさにいちいち感動する。

 

お刺身にトンカツに茶碗蒸し。ハルは今日の夕食は私のプレゼントだという。

 

夕食を食べながら電話を引いたことを話す。

耕作「この年でやっと電話を持つようじゃいかんがな」

ハル「そんなことありませんわ。人間の偉さは電話なんかと関係ありませんもの」

耕作「うまいこと言うね、あんた」

 

アパートに帰っても独りだというハルが食後の片づけをしていると、雄一が帰ってきた。そして、健がとうとう写真を見せた。敬子の写真を見て驚いた雄一は「その辺ちょっと歩いてきます」と突然出かけ、なぜかパチンコ屋に行く。

 

一体これはどういうわけなのだ、と雄一は思った。もちろん偶然だ。しかしこれほどたび重なる偶然がこの世にあるだろうか。街で幾度も会った。電車の中でも会った。そして確かに心を引かれた。しかし、雄一はそれ以上、彼女に近づこうとしなかったのだ。それがどうだ。またしても偶然が彼女を彼に引き合わすのだ。まるで神の仕業だ。いや、神のいたずらではないか。

 

パチンコから帰ってきた雄一。健にどこの人だと聞く。野毛のマンションだと答える健。

雄一「会ってどうするんだ?」

健「結婚さ」

雄一「バカ、そんな暇があるか」

健「だからやんなるよ、兄さんは」

 

女なんていくらでもいると言っときながら、こんな美人めったにいないよと健に写真を差し出されると見入ってしまう雄一。

雄一「会ってたまるか、こんなのに」

 

言葉と裏腹に雄一は彼女に会いたいと思っていた。変なやせ我慢はやめようではないかともう1人の雄一がささやくのだった。

 

夜、勉強していても身が入らない。

 

雄一の心の声「そうだ、やっぱり会ってみよう」

会って本当にすばらしい人かどうか確かめてみるのだ。それでなければ彼女の美しさが心の中に広がるばかりだと雄一は思った。

 

前回に比べると、雄一があんまり出てこなかったので、ナレーション少なめ。明子のサバサバした感じがわりと好きなのと、耕作が優しいんだよねえ。早く会うんだ、雄一。