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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (92)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

一平(益田喜頓)はヨウ子(早川里美)が療養入院すると聞き、離ればなれになる磯野家を心配する。その頃、マチ子(田中裕子)は石井先生(小沢弘治)を伴い、かつて福岡新聞社だった西部日本新聞社を訪ね、文部大臣賞の賞状を見せてつけて就職にこぎつける。そんな矢先、土地に馴染めずにいる鹿児島の花江(岩本多代)から、誰か手伝いにくるよう頼まれる。マリ子(熊谷真実)は東郷家の嫁として、東郷家から通うと言い…。

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牛尾のおじいちゃまがヨウ子のために卵を持ってきてくれた。一平は、加津子から今津の療養所に入ることを聞き、一安心だが、せっかくこうしてみんな一緒に帰ってきた途端にまた別れ別れとはと心配する。

はるは東京にいた頃もヨウ子の病気がマリ子やマチ子にうつったら大変だと別居を考えていたことを話す。

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マリ子「お母様ったら時々、平気で変なことを言いだすんですもの。あの時は私と2人で泣けるだけ泣きました」

はる「あら、あなたたちが? いつ?」

マリ子「あのあとです。しかも、家の中で泣いてはいけないと言うからあんなに困ったことはありません」

一平「ふむ。それでどこで?」

マリ子「映画館です」

はる「まあ…」

 

マリ子「だって泣き顔も見られず、他の人に大きな声を出しても不思議がられない場所がほかにどこにあります?」

一平「な~るほど。さすが、マー姉ちゃんたい。よう考えよった」

マリ子「ところがですよ、おじいちゃま、その時やってたのが、なんと喜劇だったんです」

一平笑う。

マリ子「しかたがないから、みんなはゲラゲラ笑ってるのに私たちはオイオイ」

はる「まあ、なんてそそっかしいんでしょう」

マリ子「その時は笑い事じゃなかったんです」

 

そのころ、マチ子は石井先生と共に元の福岡新聞で用紙制限のため、他紙と合同した西部日本新聞社を訪ねておりました。

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石井先生は1話から出てるけど、マリ子の絵の先生なんだよね~。キャストの有効活用だなー。

 

小田「やあ。あ~、どうもお待たせしました」

石井「忙しいとこすまんやったね。こん人がさっき電話で話した磯野マチ子さん。こちら文化部の小田部長さん」

マチ子「磯野でございます」

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文化部長の小田さんは「澪つくし」では漁労長織本順吉さんです。

 

小田は新聞社も紙が割り当てで紙面に絵を載せるスペースがなく、文化部絵画課では新人を採用する余裕がないという。マチ子は「私は新人ではございませんが」と冷たく言い返すが、やはり漫画を描いてもらう余裕はないという。

 

マチ子はすぐにムッとして、絵画課は今はどんな仕事をしているのか聞く。今の仕事は電送写真などの不鮮明な箇所に線を入れるなどの写真の修整、写真が撮れなかった場合に絵にするなど。

 

マチ子「私、ペンでやれるものならどんな仕事でもできます。新聞社もベテランが取られて結構手不足だと聞きました。その点、私、絵に関しては全くの素人ではございません」

小田「それは認めますばい」

マチ子「でしたらあの…お月給は80円で結構ですから」

小田、ぼう然。

 

石井「マチ子さん」

マチ子「はい?」

石井「素人でなかことを考慮しても70円以上はちょっと考えられんよ」

マチ子「いえ、でもうちには病人がおりますし、いろいろと経費がかかりますもんですから…」

石井「それはあんたんとこの事情たい。こっちはお願いばしとるとだけんね」

マチ子「はあ…それもそうですね…」

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マリ子が交渉して1000円もらった時に物価を調べると、昭和19年には巡査の初任給が45円。マチ子、なかなかの高給取り。まあ、漫画を描いてた頃はそれどころじゃなかったのかな!?

 

もう一度部内で相談し、後で電話をするという小田に、マチ子は文部大臣賞の賞状を見せる。

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石井「これはすごか。マリ子さんの間違いじゃなかとね?」

マチ子「いえ、私の賞状でございます」

小田も驚く。

 

誰に対しても天衣無縫のマー姉ちゃんとは対照的に内弁慶のマチ子。文部大臣のお墨付きまで持ち出してのこの手の交渉は石井先生が一緒とはいえ、まさに清水の舞台から飛び降りるほどの勇気を振り絞ってのことだったでしょう。

 

マチ子が頑張って虚勢を張ってるような視線がかわいい。私もマリ子タイプではなく、マチ子タイプなのでよーく分かる。マリ子さんみたいにみんなにニコニコ出来たらどんなにか生きやすいし、周りの人もそんな人がいてくれたら楽しいし。

 

そのころ、鹿児島に赴任した岩村家から思いがけない電話が入っておりました。

 

そういえば、福岡の磯野家にもいつの間にか電話が入ったのねーって東京からそのまま持って来ただけ!? 天海さんとこの電話の加入権を譲り受け、電話を設置。引っ越しても電話線工事などしてもらい使用可能なのかな?

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はる「まあ、鹿児島へですか?」

花江「ええ、お願い。マリ子さんでもマチ子さんでもどちらでも構いませんわ。土地柄に不案内なのは覚悟の上でしたけれど、東京生まれの私には言葉がさっぱり分からないんですもの。私、神経衰弱になってしまいそう。助けてよ、はるさん」

 

マリ子と話すはる。

はる「幸い、ヨウ子の入院も決まったことだし、本当にちょうどよかったではありませんか。ヨウ子の療養所には私が参りますから、このうちに若い娘が2人もいることはないでしょう」

マリ子「でも一体…?」

はる「マチ子をやりましょう」

 

ちょうど帰ってきたマチ子。

はる「新しい事態がしゅったいしたもんだから」

マチ子「まさか、入院を取りやめにするなんてことじゃないでしょうね?」

はる「大丈夫よ、その方は大丈夫」

 

はるはマチ子に鹿児島行きを命じる。マチ子は留守を守ると言うが…。

はる「あのね、駄目な子ね、あなたは。田河先生の時と違うんですよ。あなた一体いくつになったの? いつまでたっても一人でどこへも行けないんじゃ困りますでしょう?」

マチ子「でも、あの…」

はる「いいえ、伯母様はね本当に困っていらっしゃるの。東京でのご恩返しをしなくてはいけないでしょう?」

マチ子「それはそうでしょうけど…」

はる「それにね、あなただけは徴用に引っ掛かる可能性があるんですからね。この際、伯父様の私設の秘書ということにでもしていただけたら、お給料のことはともかく就職したということになるんですからね」

 

マチ子が何か言おうとするとことごとくさえぎられたが、やっと「就職してきました」と言い、西部日本新聞の絵画課へ採用されたことを話した。マリ子からの紹介状もなしに行ったことを話すと、昔の福岡新聞だから、マリ子が金賞を取った時の文化部の牧野部長がいたらきっと覚えていただろうとマリ子は言う。

 

牧野部長は辞めていなかったが、絵に関係のある仕事の方が気が楽だと石井先生にお願いし、新聞社に連れて行ってもらった。

マチ子「初めは席を蹴って帰ろうかと思ったけど、我慢したの。そして、我が家にお金がなくなったあの時のことを思い出したの。マー姉ちゃんは私よりずっと若かったのに所嫌わずに飛び込みを敢行したんだなって」

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陽談社で細谷さんが塚田さんにつなげてくれたんだよねー。はるはその頃、うな重を食べていた…(-_-;)

 

マリ子「だってあの時は我が家が野たれ死にするかどうかの瀬戸際だったんですもの。そりゃあ必死だったわよ」

はる「そうだったわね。あの時のマリ子は我が娘ながらまことに勇敢でした。私は今でもあの時のマリ子のことを誇りに思ってますよ」

マチ子「だから私も頑張ったの。せっかく4人で帰ってこられたのに私だけとんでもない所へ徴用されたら大変だっていう一心だったわ」

石井先生もいて、粘って採用を勝ち取り、お月給は75円にしていただいた。

 

女性が徴用されたことはこれまでの作品では出てこなかったね。おしんもかをるもあぐりも戦時中に結婚してた人ばっかりだったし。それでなくても仕事してたしね。あ、純子は当時女学生で静尾と共に勤労動員されたと言ってたっけ。

 

はる「それではあなたが行きなさい、マリ子」

マリ子「ええ~!?」

でも…と戸惑うマリ子。「でも」という言葉はこの際、禁句だというはる。伯母様が慣れるまででずっと行きっきりになるわけではない。

 

はる「それにね、東郷家のお父様もあなたが東京にお仕事があるからということで帰してくだすったんでしょう?」

マリ子「ええ…」

はる「あなたは新八郎さんの妻ですよ。この九州へ帰っていて。ねっ? 同じ九州にいらっしゃる東郷家の皆様のとこへ顔を出さないなんてことは大変失礼でしょう?」

マリ子「それは…そう思います」

 

はる「新八郎さんはお国のために戦っていらっしゃるんですよ。ですからその新八郎さんの分まで、あなたがご両親に孝養を尽くさなくてどうするんですか」

マリ子「はい…」

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孝養=孝行。聞いたことのない言葉だった。

 

どうもはるという人の言い分、筋道が通り過ぎていて反論の余地を与えないことがままあります。

 

マリ子「やっぱりお母様のおっしゃるとおりよ。私、鹿児島に参ります」

マリ子は岩村家ではなく東郷のお父様の所へ行くという。伯母様のお手伝いはそこから通う。それが筋というもの。

 

路線は決定しました。かくて旬日を置かずしてマリ子は鹿児島へヨウ子は療養所へ入院の別れの日がやって来ました。

 

ヨウ子の病院へはトミ子の方で車を回してくれる。

マチ子「何だかマー姉ちゃんに悪いような気がする…」

マリ子「人身ごくうに上がるわけじゃあるまいし、それに、私は東郷家の嫁ですからね」

マチ子「嫌よ、そんなの」

 

マリ子「ほら、いざとなると一番の甘ったれがマチ子なんだから。そんなことでよく西部日本社の門をたたけたこと」

マチ子「あのビルには門はございませんでした」

マリ子「ほらね、家の中だったらこう生きがいいんだから」

 

マチ子はヨウ子の荷物の中から、おじいちゃまからもらった人形を見つけた。

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ヨウ子にとっては必ず帰ってこれるというジンクスがあるのだという。姉妹のじゃれ合いで明日に続く。

同じ九州といっても遠いね~。