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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (9)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

ニワトリを置いていくなら東京へ行かないと言い出したヨウ子(平塚磨紀)は、その夜熱を出してしまう。ニワトリをお客へのご馳走にすると言ってしまったことに責任を感じてしまう千代(二木てるみ)。そんな中、ヨウ子のことでマリ子(熊谷真実)につっかかるマチ子(田中裕子)は、はる(藤田弓子)に怒られて表に出されてしまう。ニワトリが寂しがっているとヨウ子に吹き込んだ一平(益田喜頓)も牛尾夫妻に怒られてしまい…

ヨウ子は布団に寝ていて、はる、マリ子、マチ子、千代が看病していた。熱は38度8分。

はる「ごめんね、お母さんがいけなかったんだよ」

マチ子「今度は何ばしたとですか?」

はる「何もしてやらなかったのよ。今日は一日、お千代ねえやの支度のことでヨウ子のことほったらかしにして」

マチ子「けしからんよ、そげんこと。ヨウ子はうちと違うて小さか時から体が弱かとやけん気ぃ付けてくださらんと困ります」

はる「すいません。堪忍してね、ヨウ子ちゃん」

 

いたたまれず部屋を出た千代をマリ子が励ます。「何もお千代ねえやのせいやなかし、お願いだけん、そげな顔せんどいて」。しかし、千代はヨウ子がニワトリを可愛がっていることを知りながら、お客さんのごちそうにすると言ってしまった、ニワトリを一緒に東京に連れて行くわけにはいかないか?とマリ子に聞く。マリ子の答えはニワトリを連れて行くくらいならお千代ねえやを連れて行く。

 

そこにマチ子がお千代ねえやに冷たい水を頼む。入れ違いにマリ子とマチ子のふたりのシーンになり、マチ子の「大丈夫、大丈夫、毎度のことたい。心配なか」という言葉に薄情だと突っかかるマリ子。そこからケンカに発展し、はるに「ヨウ子が熱で苦しんでるというのに、あんたたちはきょうだいげんかなんてして!」と叱られ、マチ子が表に立っているよう言われた。暗い庭先に一人立っているマチ子。

 

とかく真ん中の子はこういう時に割を食うものです。

 

脚本の小山内さん自身が中間子なのだろうか? 中間子って自分勝手な人物やトラブルメーカーとして描かれがちなので救われる思いがします。ま、今の時代中間子のいる兄弟構成も少ないけど。

 

おしんも「はね駒」のりんも「澪つくし」のかをる(この場合特殊だけど)もあぐりもみーんな中間子だね。ついでに言うと「ゲゲゲの女房」の布美枝さんは兄姉弟妹のいる中間子です。

 

マリ子は外で立っているマチ子に謝った。

マチ子「アホね、マー姉ちゃんは。分かっとらんよ。家じゅうの者が心配しとるけん、せっかくうちが気ば楽にしてやろうとしとれば子供んごとむきになってから」

こういうことは長女が気を遣うものだといい、東京に行ったら夜の夜中でも来てくれるお医者様だっているか分からないとマチ子は言った。

マリ子「ほんなこと、マチ子が先に生まれてくればよかったとにね」

マチ子「全ては『後の祭り』と言うとです」

マリ子は大事な時に風邪を引いたらいけないと上着をかけてくれた。やっぱりマリ子が長女っぽいと思うなあ。

 

翌朝、牛尾家では一平がヨウ子にかけた言葉で熱が出たと知り、軍平と加津子が一平を責めた。

一平「わしはあの子たちと別れるのがつらかったんやけん…」

加津子「おじいちゃま…」

一平「わしはあの子たちと別れるのがつらかったんじゃ!」

 

千代がマリ子たちに学校に遅れるというが、マチ子は休むといい、マリ子は「長い人生の中で一日学校を休むことなど取るに足らないことです」と言い、同じく休むことにした。

 

そこに牛尾のおじいちゃまがお見舞いに来た。一平はいいことを思いついたとヨウ子に話しかけた。「あのニワトリさん、おじいちゃんとこ置いていってくれんかな?」「おじいちゃん、うーんとかわいがるけん」…名案! ヨウ子も喜び、一平に抱きついた。一平は謝るが、はるも喜ぶ。そして、一平の妻がかわいがって持っていたという西洋人形をヨウ子にプレゼントした。

 

マリ子は牛尾家に騒がせてしまったことをお詫びに行ったが、加津子はヨウ子の病気が治ったことを喜び、ヨウ子の顔を見に行った。玄関に座っていた一平は、マリ子に隣に座るように言い、東京は遠いところだからもう二度と会えないかもしれないと言った。マリ子たちは帰ってこないかもしれないし、一平自身の年齢もある。別れがつらくてヨウ子にあんな事を言ってしまったとまた頭を下げた。

 

一平「ばってん…頼みますばい、マー姉ちゃん。まあ何ちゅうてもあんたは総領娘だけん、東京へ行ったらいろんなことがあんたの肩にかかってくるかもしらん。負けたらいけんぞ」

マリ子「はい!」

一平「つらかことがあったら福岡ば思い出すんよ。わしらみんなして陰からあんたらに応援しとるけんのう」

マリ子「はい」

一平「ばってん…あんたは少々のんきなところあるけん、心配でのう」

マリ子「あっ、すんまっせん」

一平「いやいや、謝らんでもええ。そういうところが大物になるかもしれんので楽しみにしとるばい。あ~、東京行ったら一生懸命精進して立派な絵描きになってつかあっせ。約束ばしてくれるか?」

マリ子「はい! そんかわり、おじいちゃまもうちと約束ばしてくださるですか?」

一平「うんうん、どんな約束じゃ?」

マリ子「いつまでも長生きすること」

一平「マー姉ちゃん…」

マリ子「うちがこん福岡に立派な絵描きさんになって錦ば飾って帰ってくるまで元気で待っとるって、そげ約束してください」

一平「うんうん」

 

マリ子から一平の話を聞いたマチ子は一平の寂しさを知る。そして、闘志が湧きたつと言って、2人して砂浜を走り出した。制服が違うのは、モデルになった長谷川毬子さんは筑紫女学園で、長谷川町子さんが福岡高等女学校と違う学校に行ってたせいなんですね。2学年違い。

 

80年代までくらいなのかなー、こういうじんわりしたホームドラマが描けたのは。だんだん時代にそぐわなくてなくなってきたのかな。当時でも朝ドラで描かれる世界なんて、古臭いとかダサいとか言う人いそうだけどさ。でもやっぱりこういう世界観好きなんだよね。