徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (1)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

昭和9年3月、福岡。家までの道のりを、マラソンさながらに走る磯野マリ子(熊谷真実)。友人のトミ子(村田みゆき)とともに、家の中へ絵具を取りに行ったかと思えば、慌ててどこかへ走り出す。しかし、絵具を取り戻そうと飛び出してきた妹のマチ子(田中裕子)と取っ組み合いのケンカに。お手伝いの千代(二木てるみ)に仲裁され、準備中の展覧会場に何とか滑り込むマリ子だが、すでに提出した絵に一筆を入れたいと懇願し…。

磯野マリ子のモデルの長谷川毬子さんは1917(大正6)年8月8日生まれということで「あぐり」のモデルの吉行あぐりさんより10歳若い! 朝ドラとしては「あぐり」より20年近く古いのに描かれる世界は昭和初期から中期まで。

 

昭和54年の大濠公園から大手門前が映し出される。

 

皆さん、おはようございます。今日の福岡地方はご覧のとおり、絶好のマラソン日和と申しましょうか。マラソンと言えば、福岡。福岡と言えばマラソンと答える、そも生い立ちは大正7年、福岡久留米間、六十余キロの駅伝で我らがマー姉ちゃんとは、ほぼ時を同じゅうして産声を上げ、以来、世界に冠たる日本マラソンの名は今日まで熱血の九州勢を先頭に走り続けております。

 

飯窪長彦アナウンサーのナレーションの中、ジャージ姿で走る藤田弓子さん、熊谷真実さん、田中裕子さん、平塚磨紀さん。

 

…と言い切ると、何やらお国自慢のようですが、福岡市民のマラソン好きは毎朝、本当にこの風景に紹介されるとおりなのです。

 

中州~筥崎宮(はこざきぐう)を「ファイト!」と言いながら走る4人。

 

現在の公式コースは旧福岡城址にある平和台競技場を出発し、雁ノ巣で折り返すのですが、この先に漢委奴国王(かんのわのなのくにのおう)の金印が出たという志賀島があります。

 

ヘリの音が響いて空撮。当然ドローンじゃないもんね~。

 

ご覧ください。手前が志賀島。左手が鬼も泣き出すという玄界灘。その昔、元寇の役に蒙古の大軍が押し寄せ、明治に入っては、日露の艦隊がドカンドカンと大砲を撃ち合ったのもこの沖です。

 

右手はこの海の中道が自然の防波堤となって博多湾を優しく包み、遣隋使、遣唐使の船の行き交った昔から日本の西の玄関として外来文化の上陸に接してきたのです。ですから人々は開放的でどちらかといえばお人よし。情にもろい半面、百万人と雖(いえど)も吾往かんの気骨を脈々と伝えていると申します。

 

昭和9(1934)年3月

人生とはすなわちマラソンなり。そう喝破したところで今しもなぜか走り続けるこの娘の名は磯野マリ子。このドラマの主人公です。

 

マリ子は走って家に帰ってきて、家の中に慌てて入って行き(でもちゃんと靴は揃える)、絵の具を持って再び出かけようとするが、妹のマチ子に止められた。マチ子のスケッチブックを踏んだことを謝れとケンカになるが、マリ子も友人のトミ子も急いでいて、マチ子をトミ子が止めて、マリ子を行かせた。トミ子にも食ってかかるマチ子にねえや(女中?)の千代が箒を振り上げた。

 

千代が割と気が強い感じのお手伝いさんなのが面白いなー。「澪つくし」でもそうだけど、中流くらいの家だと当たり前にお手伝いがいた時代なんだよね。「あぐり」では美容師の弟子たちがそういうのを担ってて、”お手伝いさん”みたいな人は出てこなかったね。

 

マリ子は準備中の展覧会に入りこんで、提出した絵に一筆入れたいと頼み込む。文化部長に本人か証明できるものもないのにできないと断られるが、マリ子に絵を教えていた石井先生がその場にいたため、マリ子は裸婦の顔のほくろに影をつけることができた。

 

仲良しのトミ子と帰る。画家になりたいマリ子と婿を取って船問屋の跡を継ぐトミ子。

 

「われは海の子」を歌いながら帰って来たマリ子は、家の前でお隣の牛尾一平(益田喜頓さん)と出会ってあいさつ。

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このドラマでもおじいさん役だったし、ほとんど変わらなかったな。

 

帰ってくるなり母のはるの前に正座したマリ子。隣にマチ子もいた。マリ子もマチ子も1年前に父が亡くなり、二度と兄弟げんかはしないことと約束をしたのにその約束を破って派手なけんかをして叱られた。藤田弓子さん、声が上品。

 

マチ子「マー姉ちゃんは長女だけん大事にされてヨウ子は末っ子だけんかわいがられて、必然的に2番目はしっかりしとるんだから」

三姉妹の次女である私にはよーく分かります。しっかりしてないけどね。

 

妹のヨウ子が鶏の卵を2個持って来たのでホットケーキを食べよう~と台所へ。

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燐太郎が淳之介にパンケーキを作ったのは昭和5年

 

ところが展覧会場では…

 

マリ子の絵を見た警部が驚く。おなごがおなごの裸ば描いてって別にいいじゃんね。大川三政(みつまさ)という画家もマリ子の絵を褒める。風俗的にイカンと言いだす警部。おなごが裸になったら手拭いで隠すのが常識だと「不許可」をだした。

 

ホットケーキを食べてのどを詰まらすマリ子で終わり。

 

マー姉ちゃん」にしろ「おしん」にしろ今みたいに字幕のない時代にネイティブな方言を説明もなくどんどん話すのが面白い。www.fujitv.co.jp

以前、尾野真千子さんが長谷川町子さんを演じたドラマは見たことあったけど、内容はあまり覚えてないので、これから半年楽しく見られそう。wikiには載ってないけど、見たことある人が出てきたら楽しいなー。「はね駒」でも塩見三省さんや笹野高史さんがちょい役で出てたもんね。ああいうの発見するのが楽しい。

 

昭和9年というと、これまでの再放送朝ドラだと、「澪つくし」は結構終盤で、「あぐり」も中盤くらい。※以下、「澪つくし」「あぐり」のネタバレ有

peachredrum.hateblo.jp

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マー姉ちゃん」よりさらに前の1977年後期「風見鶏」も全話揃ったそうです。いつかこの朝ドラも再放送する日が来るかもしれませんね。

www.nhk.or.jp

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私が見てみたい山田太一脚本の「藍より青く」は全然発掘されてないのか―(^-^; 15分×1年分なんてテレビ局にも残ってないものがあるわけないか…。