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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (50)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

マリ子(熊谷真実)のウソの風邪の見舞いにきたウメ(鈴木光枝)のために、うな重を注文してしまうはる(藤田弓子)。その頃、挿絵で生活費を稼ごうと、出版社を奔走するマリ子だが、うまくいかない。陽談社の取次ぎでもあしらわれていると、田河の編集者である細谷(下條アトム)に出会い、担当の塚田(日下武史)に会わせてもらえることに。急遽、挿絵を描ける代役を探していたと言われ、是非描きたいと頼み込むマリ子だが…。

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マリ子が出かける準備をしているとマチ子が話しかけてきた。

マチ子「どこ行くの? 病気なんでしょ?」

マリ子「だから病院」

いざ、出かけようとして忘れ物をするマリ子。

マチ子「だからついてってあげようか?」

マリ子「しゃあらしか。私は姉で長女で戸主なんだから」

 

と言って出ては来たものの…

 

文學館出版は係の者が留守だと言って絵も見てもらえなかった。この出版社員が須永慶さんだった。「澪つくし」にもちらっと出てたけど、私は未だに「ショムニ」なんだよな。

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という具合で世間の風はそう甘くはありませんでした。

 

ウメが磯野家を訪問していた。病院に行ったマリ子をかわいそうだというウメにおばあちゃまもかわいそうだというマチ子。ウメは歌舞伎見物に行くし、九州は遠いからそれほど行きたかったわけではない。大造がやいのやいの言うからちょっとその気になっただけという。お見舞いのしるしとカステラを出すと、マチ子は大喜び。

 

はるはせっかくウメがお見舞いに来ていただいたと言ってウナギ亭で上のお重を3つ買ってくるように言う。

 

ウナギも結構。長いものに巻かれるのも世渡りの一つと言いますが、巻いてくれる長いものにもとうとう会えずに初日が終わりそうなマリ子でした。

 

春秋文學社を出たマリ子の心の声「いけない、いけない。私の取り柄はおおらかな人柄だって茜さんが言ってくれたもの。大きく参りましょう、大きく。次はと…そうだ。陽談社は雑誌をたくさん出してるし、よ~し、陽談社に向かって大きく前進!」

 

陽談社の取次ぎの少年は、編集会議で手が離せないので明日の午後3時、もう一度お出かけくださいと言った。担当は塚田。

 

家に帰って、マチ子たちがウナギを食べたと聞いたマリ子は怒る。

マリ子「ウナギですって!?」

マチ子「うん、久しぶりにおいしかったぞよ」

マリ子「冗談じゃないわよ! それも上のうな重ですって!? よくもこんな時に食べられたもんね」

マチ子「お見舞いに来てくださったのよ、おばあちゃまが。だからお母さんだってうれしいから私にそう言いつけたんじゃないの」

マリ子「まあ…」

マチ子「それより『こんな時』って一体何のこと?」

マリ子「知りません」

マチ子「何怒ってるのよ」

マリ子「だから何でもないって言ってるでしょ!」

マチ子「何でもなかったらそんなプリプリすることないじゃないの!」

 

台所にいたマリ子たちに襖を開けてはるが口をはさんだ。

はる「何ですか? 食べ物のことでみっともない」

マチ子「だって…」

はる「マリ子、あなたもですよ。『人間パンのみに生くるものにあらず』。ほら、ちょうどこのページに書いてあるわ。もっときぜんとなさい、きぜんと」

 

マリ子は自分が情けなかったのです。注文取りに丸一日駆けずり回って自分がこんな思いをしているのに母たちは相変わらずのんきに。そう思ったことが恥ずかしかったのです。

 

恥ずかしくない!!

 

そしてその翌日

 

マリ子が3時過ぎに陽談社を訪ねると、マリ子の時計は3時5分前だったが、陽談社の時計は3時16分を回っていて、時間厳守の塚田は、もう手が離せなくなってしまった。明日も取り次いでもらうよう必死にお願いするマリ子だった。

マリ子「でも私が働かないと家には年寄りと老人がいるんです。だからお願いします!」

 

またまたマリ子の奥の手が出ました。他人に迷惑のかからないうそならなりふり構わず食い下がるというのが彼女の身上なのでしょう。

 

そこに声をかけてきたのは田河水泡の担当編集者の細谷。マリ子はマチ子にバレるのがイヤで帰ろうとするが、細谷に塚田に会えるようお願いした。塚田は細谷と子のロビーでこれから打ち合わせ。

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塚田役の日下武史さんは古ーいドラマでも見た。1967(昭和42)年は白黒だったけど、1968(昭和43)年の「3人家族」はカラー。混在してたのかな。

 

マリ子は持参した挿絵を見せる。

ドストエフスキーの「罪と罰」。ラスコーリニコフが老婆と対決しているところ。

藤十郎の恋」

竹取物語

母をたずねて三千里」日本ものにアレンジ。

細谷はマリ子が川添画塾で油を専門にやっていたこと、どっかの新聞で金賞を取ったなどと口添えしてくれた。

マリ子「福岡新聞です」

塚田「挿絵とそれとは関係ない」

細谷「塚田さん、川谷はぶっ倒れたんですよ。そっちのほうはどうするんですか?」

塚田「明日までに3枚描けるかい?」

マリ子「あの、挿絵をですか?」

 

川谷という絵描きが昨日酔っ払って武勇伝を発揮して腕を折ってしまった。その穴埋めを誰にしようかと話していた。

マリ子「私にやらせてください! やってみます!」

塚田「時間は明日いっぱい。あさっての一番には欲しいんだ。できるね?」

マリ子「はい、やります!」

すぐに原稿を読んで、絵にする場面は塚田が指定することになった。

 

「たたけよ、さらば開かれん」。この時ばかりは、はるの…いや神の御言葉どおりだとマリ子はそう思いました。

 

塚田は席を外し、細谷は事情を聞いてきたが、心境の変化というか状況が変わったと申しますかと濁し、マチ子には知られたくないと伝えた。

 

家に帰って挿絵を描き始めるマリ子。

 

智正の言葉を思い出していた。

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智正「チャンスの神様には前髪しかないっていうこと知っていますか?」

マリ子「チャンスの神様…」

智正「しかも、チャンスの神様というのはいつも不意に現れるんだそうです。ですからチャンスの神様に出会ったら迷わずしっかりと前髪をつかむこと。そうでないと後ろに髪の毛がありませんからつるりと滑ってしまって擦れ違ったら手の中からチャンスは永久に逃げていってしまうんだそうです」

マリ子「でもこれが私にとって絵描きとしてのチャンスなんだろうか…。ううん、これは一家を飢え死にさせないためのチャンスなのよ。そうなのよ。ねっ、そうですよね、三郷さん」

笑顔で頷く智正。

マリ子「それにはまず刻苦奮励すべしだわ」

 

今日の三郷さんのチャンスの神様の話は回想っぽく見えるけど、35話で話してたのとは微妙に語尾が違ってた。回想に見せて、新たに撮影したんじゃないのかな~?

 

アトリエではなく茶の間で挿絵を描いてるマリ子に気付いたマチ子。マリ子は眠れなくなった、アトリエは寒いとごまかすが、マチ子は油絵を辞めるつもりじゃないかと問い詰めた。焦りを感じてるなら大きな間違い、私の絵は消耗品、マー姉ちゃんの絵は一生残るものだとだんだん大きな声になり、はるに「騒々しいことね。人間夜は寝るもんです」と怒られた。

 

あぐり」の再放送の時にエイスケやあぐりに本気で怒っている人がいて、1997年のリアルタイムで面白く見ていた私にすれば驚きだった。「マー姉ちゃん」はリアルタイムを知らないけど、これまでだって数度再放送もしてきたそうだし、ここまではるに怒っている人も過去にはいなかったんじゃないかな。困ったお母さんだな、くらいの感覚というか。

 

だって、「あぐり」だって11年前にも再放送してたけど、クズだ何だと罵るような人いなかったと思うんだけどな。変な人を面白がるみたいなのがなくなった!?