徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (80)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

美山村から帰ってきて、純ちゃん食堂で働く純子(山口智子)だが、雨の中のプロポーズ以来秀平(髙嶋政宏)がそのことについて何も触れないことに思い悩む。秀平は純子の近所の西川(北京一)の家に居候し、嵐で流された車の弁償のためにアルバイトしていた。雄太(唐沢寿明)と昭(西川弘志)の野球部は甲子園の予選で勝ち進み、そのことを雄太の実の母に知らせた純子の手紙の返事が食堂に届き、あき(伊藤榮子)はショックで…。

月曜日回。これから1話放送の日がなければ、ずっとずれっぱなしか。土・月回を一緒にやるとちょっとしっくりこない。

 

大水害に襲われた美山村からやっとの思いで大阪に帰ってきた純子を待っていたのは相変わらずの純ちゃん食堂の仕事でした。それにしてもあの豪雨の日の秀平のプロポーズは一体何だったんでしょうか。あの日から秀平は何も言わないのです。そして、その秀平はといえば…。

 

畳を丁寧に拭く秀平に西川が声をかけた。秀平は掃除は全部引き受けるというが、西川は汚い方が落ち着くという。

秀平「後で畳の下にDDTまきましょう。絶対ノミがいますよ。西川さん、よくかゆくないですね」

西川「そら、かゆいがな」

秀平「でしょう?」

 

ご覧のとおり、純子と一緒に大阪に帰ってきたのでありますが、近所に住むパントマイムの青年スティーブ西川のうちにやっかいになることになって…。

 

西川「せやけどごめんな。こんな汚いうちで」

秀平「いえいえ、僕の方こそ本当に安い部屋代で置いていただけることになって大助かりですよ。すいません、やっかい者が転がり込んじゃって。何しろ金がなくてね。でも部屋代はアルバイトしてでも必ず入れますから」

西川「何を言うてはりまんねんな。こっちゃこそえらい助かりまんがな。パントマイムやってるおかげで年中金欠病やし何や速水君の顔が千円札に見えてきよるわ」

秀平「そんな」

 

恭子が西川の家を訪ねてきた。西川はそうめんをゆでる所だから恭子ちゃんの分ぐらいだったらあると誘うと、恭子は家に上がる。秀平にこれから雄太たちの試合を見に行く予定だと話す。3時から3回戦。今日勝つとベスト16。恭子から一緒に行こうと誘われる秀平。そうだなあ…と言いつつ、不意打ちで恭子を写真に撮った。仲良さげな秀平と恭子の様子をチラ見している西川。純子の家の前では少年たちが野球をしている。

 

小野家ではあきと純子が食事の準備をしながら、昭たちの話をしている。去年は2回戦で優勝候補と当たってしまい、春のセンバツももうちょっとというところでダメだった。

あき「昭がなあ雄太とそろうて正選手になってたらな、お母ちゃん何にも言うことないんやけどな」

純子「そやね。そやけど一回くらいは出るチャンスあるかも分からへんし」

あき「そやな」

 

肩を落として帰ってきた昭と雄太。しかし、一緒に帰ってきた秀平が「勝った、勝った。4対1」と明るく話す。

昭「雄太がええとこでピシャッと抑えたからな」

恭子「そやけど9回の裏にワンアウトで一塁三塁になってうちもうヒヤヒヤしたわ」

雄太「そこが見せ場や。楽に勝ったら面白うないやろ」

純子やあきに肩をたたかれる雄太。

 

昭「何言うてんねん。負け惜しみ、お前。マウンドで顔色変わってたやないか」

雄太「勝ったからえやないか」

あき「いや、おめでとう」

 

秀平も夕食に誘う純子だったが、これからアルバイトだからと断られた。

秀平「キャバレーで働いてる女の人たちの写真を撮らせてもらってさ。何せ車を川に流しちゃったからそれも弁償しなきゃならないし」

純子「ほんま。大変なんやね」

秀平「じゃ。(家の中の雄太に向かって)雄太君、4回戦頑張れよ」

雄太「おおきに」

 

恭子「ほんまに?」

純子「うん」

恭子「プロポーズ?」

ミシンを踏んでいる純子と話している恭子。

純子「そうや。『ウィル ユー マリー ミー?』って」

恭子「『僕と結婚するかい?』っていうことやね」

純子「そうや」

恭子「それでお姉ちゃん何て言うたん?」

 

純子「返事どころの騒ぎやなかってん。清原先生の家は山崩れで流されそうになってるし、私らはほんま必死で崖をよじ登ってる時やったんやもん」

恭子「そりゃ、その時はそうやったかも分からへんけど、そのあとなんぼでも返事をするチャンスはあったんと違う?」

純子「それはそうなんやけど…」

恭子「してへんの」

純子「うん」

 

恭子「何でぇ?」

純子「何でて…。そやけどあのどさくさで言われたさかい、私、本気にしてええもんかどうか…」

恭子「アホやなあ。冗談でプロポーズする人がいてると思う?」

純子「冗談とは思てへんけど、そやけど、ああいう場合やもん。興奮して思わず心にもないことを口走ってしまう場合かてあるんと違う?」

 

恭子「ないない。もうそんなこと絶対ない」

純子「そやろか…」

恭子「何でそないなふうに思うの、お姉ちゃん」

純子「そうかて…それきり何も言うてくれはらへんねんもん」

恭子「速水さん?」

純子「うん。普通やったらもう一遍落ち着いた時に言うてくれはるのんと違う?」

 

恭子「それっきり?」

純子「うん」

恭子「そらおかしいわ」

純子「そやろ? 大事なことなんやから、なあ」

恭子「それやったらお姉ちゃんがあの時、ああ言わはったのはどういう意味ですかって聞いたらえやないの」

 

純子「私が?」

恭子「そうや。悩んでるぐらいやったらこっちからはっきり聞いたらええねん」

純子「そんなこと聞けるわけないやないの」

恭子「何で?」

 

純子「そんな女の方から催促するみたいなこと」

恭子「もう古いな。今は女が積極的になる時代やで。『君の名は』の真知子さんみたいに女の方が追いかけなあかん」

www2.nhk.or.jp

ラジオドラマ→映画(真知子巻きが流行)→テレビドラマ→朝ドラ

 

純子「あんた、ようそんなふうに言えるなあ」

恭子「あかんな、もうあかん。そんなふうやったらあかん! なあ、お姉ちゃん。速水さんの方ではお姉ちゃんがうんともすんとも返事せえへんよってイライラして待ってはんのかも分からへんで」

純子「とにかくそういうことなんや」

恭子「なあ、お母ちゃんにそのこと話した?」

 

純子「まさか。恭子に相談したのんが初めてや」

恭子「いや、ほんまに?」

純子「こんなこと相談する人、恭子のほかにいてへんもん」

恭子「いや、お姉ちゃんの相談相手になるやなんて光栄やわ。よし、任せとき。うちが聞いてあげる」

純子「あかん、そんなん」

恭子「それとのう西川さんから聞いてもらうように頼んであげるわ」

 

純子「西川さんに?」

恭子「うん。好きな人とか結婚したい人がいてはんのんて。大丈夫。お姉ちゃんの名前ははっきり出さへんから」

純子「ちょっとそんなんやめて」

恭子「何やの。それやったらお姉ちゃん、自分で聞く? 任しときて! なっ? ほなうち帰るさかい」

マー姉ちゃんの姉妹ともまた違っていいなあ。

 

純ちゃん食堂。店が暇なので純子が出前に行った。

♪あの娘 可愛や カンカン娘などとラジオから流れる歌を口ずさむももに純子宛の手紙が届いた。差出人は古賀昌代。

 

福岡県飯塚市の古賀昌代。ももは知りませんが、それは雄太の生みの母親からの手紙でした。

 

ももは手紙をエプロンのポケットにしまっていたので、家まで届けに来て、ちょうど玄関の近くにいたあきが受け取った。しかし、差出人を見て顔色が変わる。

あき「何で食堂に手紙が届くの? お母ちゃんに見られて具合の悪い手紙やったら遠慮してあげる」

あきは台所に立ち、作業を始めた。

 

純子「ごめん」手紙を差し出す。

あき「どういうことやの?」

純子「これまで年賀状と暑中見舞いを出してたんや。雄太のこともちょっと書き添えて。返事を食堂の方にしてもろたんは向こうのお母さんの手紙を見たら、お母ちゃん気ぃ悪うするやろ思て」

あき「それで何て言うてはるの? 今度は」

 

昌代の手紙

「一筆申し上げます。夏の日ざしが日増しに強くなるこのごろでございますが、皆様、お変わりなくお過ごしでいらっしゃいましょうか。折にふれて雄太の消息をお知らせいただき母の資格はないと知りつつも、やはりうれしさで涙のこぼれる思いでございます。この度は、また雄太が甲子園の夏の大会の予選に出場の由、陰ながらでも一目見たいものと思いながらも、今は小野雄太になっているのだからそれはならぬことと自分の胸に言い聞かせております。」

 

あき「純子」

純子「何?」

あき「何でこんなことするのや?」

純子「そやから九州のお母さんに何も知らせへんのはなんぼなんでもと思たもんやさかい」

 

あき「そのことやない。何でお母ちゃんに隠してこういうことしたかと聞いてるんや」

純子「隠してたんやない。言いそびれてただけや」

あき「隠してるやないか」

純子「気を遣うてたんやないの。今はここにいてるお母ちゃんが雄太のお母ちゃんなんやから」

あき「そうや。私が雄太のお母ちゃんや。あの子の母親はこの私以外にないのや」

 

思いがけないあきの激しい言葉に純子は息をのむばかりでありました。

 

母の立場と姉の立場はまた違うんだろうな。勝手に連絡を取ってたんじゃ、あきさんが怒るのも分かるな~。

 

昭! もう芸能人じゃなかったんだ。