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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (107)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

あき(伊藤榮子)と恭子(松本友里)を和解させるために、純子(山口智子)は、あきの誕生日に皆で温泉旅行に行き、そこに恭子と西川(北京一)が来る、ということを考える。純子は清原(浜村純)に協力してもらい、皆で温泉旅行に行くことになる。昭(西川弘志)は雄太(唐沢寿明)に、将来の夢として、高校の先生になって、教え子を甲子園に連れて行きたい、と語る。温泉旅行に出かけた一行だが、恭子たちの到着が遅れて…。

小野家、速水家の前の路地に蝉の声が響く。

 

恭子が西川の後を追いかけて東京へ去ってから2か月半が過ぎました。

 

清原「うむ…」

純子「どないでしょ」

清原「いや、実に名案だとは思うんだがね…」

昭「それやったら、えやないですか」

純子「何かきっかけがないと恭子も帰りづらいやろし、お母ちゃんも今のままでは恭子たち2人を認めるわけにはいかへんと思うんです。そやから、お母ちゃんのお誕生日いうことでみんなで温泉へ行って、そこへ恭子たちが来れば…」

 

清原「それは分かった。それをほかの人にないしょでやるというのはね…」

昭「ないしょやからええんですわ。お母ちゃんかて、まさかと思てるところに恭子姉ちゃんと西川さんが来たら、その場で仲直りになると思うんです」

純子「お願いします。私から言うてもお母ちゃんぜいたくや言うに決まってます。そやから先生から」

清原「う~む…」

 

純子「先生、なんもそないに悩みはるほどのことやないと思いますねんけど」

清原「しかし、僕はどうもこの、人をだますというのは僕の性格に合わなくてね」

純子「ひと言、言うてくれはったらええんです。先生が言うてくれはったら、お母ちゃんもすぐにうんて言いますさかい。あきませんか?」

清原「いや…それはもちろん純子さんに頼まれた以上、嫌とは言えないが…」

昭「それやったら、えやないですか」

 

清原「しかし、秀平君までだますとなると…」

純子「またそんな。秀平さんにはただ黙ってくれはったらええんです」

清原「よし、分かった。僕の…そのかわり芝居が下手でバレても責任は持たんよ」

純子「ええんです。分かってしもたらその時はその時です」

清原「そうか…何ていうことはないか。よし。フフフフ」

純子と昭、見つめ合って微笑む。ま、正直、真面目な清原先生にそんなことさせなくても…と思うし、秀平に黙ってるのもちょっと意味わかんない。

 

小野家の2階

雄太「夏休みも終わりやな」

昭「うん…。レポートか」

雄太「そうや。前期の試験でそこそこにはいっとかんと」

昭「僕らは練習でしぼられて勉強どころやないわ」

雄太「レギュラーになれんかて野球やれるだけ、お前は幸せや」

 

昭「雄太、お前、野球に未練あるんちゃうか」

雄太「そら、ないと言ったらうそになる。けど、ええんや。高校で主戦投手やらしてもろたし。甲子園に行かれへんかったんは心残りやけどな」

昭「せっかく4回戦まで行ったのにな。あと一息で甲子園やったのに」

雄太「お父ちゃんに親孝行できたのにな」

 

昭「僕はもうあかんやろな」

雄太「何で?」

昭「恐らく4年間ずっと下積みやろし。それはそれでええねん。でもまだ夢あるんや。甲子園の夢や」

雄太「何でや?」

 

昭「高校の先生になって野球部の部長か監督になって、それで甲子園や」

雄太「お~、遠大な計画やな」

昭「ええやろ、これ」

雄太「ええわ」

 

♪雲は湧き~と昭が歌いだし、雄太も一緒に歌う。

光あふれて

天高く 純白の球 今日ぞ飛ぶ

若人よ いざ

まなじりは歓呼に応え

いさぎよし ほほえむ希望

あゝ 栄冠は君に輝く

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雄太「そやけど…甲子園て何なんやろな」

昭「そら、夢に決まってるやないか。野球をちょっとでもかじったことがある者やったら一度は見てみたい夢や」

雄太「お前、ほんまに先生になるんか?」

昭「うん、そうや。ちゃんと教職課程取ってな」

 

雄太「参った。お前、ねちこいやっちゃなあ」

昭「うん、だって、俺、努力の人やもん」

雄太「ハハハハ、アホらし。ハハハ」

 

小野家の1階

あき「有馬温泉ですか?」

清原「いや、別に有馬温泉でなくても結構なんですが、とにかくあなたのお誕生日のお祝いということで、どこか温泉旅行でもと思うんですが」

あき「そんな、私、お誕生日祝いに温泉旅行やなんて一遍もしたことあらしません」

純子「ええやんか。私が先生に26日がお母ちゃんのお誕生日です言うたら、先生がそれやったらたまには一家そろって温泉へでも行ったらどうですって言うてくれはったんや」

清原「(汗をふきふき)いや…別に無理にお勧めするわけでもないんだけど…」

あき「いえ、そういうわけやないんですけど…」

 

昭「僕らもかまへん?」

純子「うん、かまへんよ。なあ、昭はどない思う? お母ちゃんのお誕生日にみんなで温泉へ行くいうのは」

昭「それ、ええな。お姉ちゃんが考えたんか?」

純子「ううん、清原先生が考えはったんや」

清原「いやいや、その…」

 

昭「雄太はどないや? 僕は行きたいけどなあ。温泉なんか初めてやん。それにみんなそろってやで」

雄太「けど…何で急にそんな話になったんや?」

純子「ええやんか」

雄太「金、かかるんと違うか?」

昭「かめへんて」

純子「お金は大丈夫やて。ためるばっかりが能やないよ。たまにはパ~ッと使うてみんのもええもんやと思うけどな」バブリーな考え方。

 

雄太「そら、僕かて行きたいけど」

清原「思い切って行きませんか。家族にそういう時間も必要だと僕は思うんですよ」

あき「そやけど何や晴れがましいなあ」

昭「えやないか。なあ、お姉ちゃん」

純子「うん。せっかく清原先生が言うてくれてはんのやから」

 

あき「秀平さんは行けるんか?」

純子「大丈夫や。秀平さんには今朝話したら大喜びやってん」

あき「そうか。ほんなら1日だけぜいたくさしてもらおうかな」

昭「よし、決まりや。みんなで行こう」

純子「うん」

清原先生は汗を拭き、純子はうれしそう。

 

そして8月26日。何やらいわくありげな温泉旅行の当日であります。

 

着物でおめかしのあきさんとこの間、東京へ行ったときと同じ洋服の純子、そして男たち。旅館の部屋へ案内され、3つも部屋を取ったことに驚くあき。

昭「だから、あのお母ちゃんで一部屋やろ。ほんで僕らと清原先生で一部屋。お姉ちゃん夫婦で一部屋」とフォローして納得。昭は帳場に行って聞いてくると純子に言っていなくなった。

 

あき「なあ、純子、心付けなんぼほど包んだらええやろか」

純子「百円も包めばええのと違う?」

あき「大勢でお世話になるんやから少ないことないやろか」

清原「いや、百円なら十分でしょう」

 

雄太は夕食まで時間があるからと秀平を散歩に誘う。秀平もあきを誘う。純子はちょっと落ち着いてからでもと止めるが、雄太はせっかく来たのだから部屋にいてもしょうがないという。

 

あきは散歩よりお風呂が先だと言うが、純子はそれも止める。秀平は部屋で写真を撮ろうと言いだし、襖の前に並ばせる。もっと庭の前とかの方がよくない? 昭からまだ来てないと耳打ちされ、動いてしまう純子。

秀平「純子、動いちゃ駄目だよ」

 

部屋には純子、昭、清原先生が残った。

純子「どないしよ…」

清原「ちゃんと時間は言ってあるんだろうね」

純子「はい。私らは1時過ぎに着くさかいそれまでに来ておくようにて葉書を出したんです」

昭「来づらかったやろか」

純子「西川さんが行かへんて言わはったのかも分からへんな」

 

昭「どないする?」

清原「まあ、お母さんの誕生祝いということだけでもいいじゃないか」

 

あき「ああ、ええお湯やった」

秀平「いや、温泉っていいね」

と温泉から戻ってきたあきたち。あきに「何でお風呂行かへんの?」と言われ、純子は温泉に行こうとしたが、廊下で恭子と西川にばったり会った。

 

西川が財布を忘れて取りに戻り、汽車に乗り遅れてしまったという恭子。恭子ちゃんまたまたきれいになったな。廊下で昭や清原先生とも顔を合わせた。

 

純子「みんな、ちょっと座って」

雄太「何や?」

純子「はよ、座って。お母ちゃん、お誕生日おめでとう」

秀平「どうしたの? 突然」

純子「お母ちゃんにプレゼントや」

 

あき「えっ?」

純子「どうぞ入ってください」

恭子と西川が入ってきた。

あき「恭子…」

雄太「いや~びっくりしたなあ」

 

西川「すんません」

 

秀平「何だ、それで君ソワソワしてたんだな。君が考えたのか?」

純子「そうや。私と清原先生と昭の3人で相談して決めたんや」

 

恭子「お母ちゃん…」

あき「何しに来たんや! あんたらは」

純子「お母ちゃん…」

 

あきさんが怒るのも仕方ない。まあ考えようによっちゃ、あき1人が知らなかったより、秀平も雄太も知らなかったというのは怒りは軽減するかもな??