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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (62)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

お隣のウララ(楠田薫)は、袴姿の女学生だった頃のことをマリ子(熊谷真実)に話し、挿絵のモデルになると乗り気。そんな中、はる(藤田弓子)が菊池(フランキー堺)にお歳暮を贈ったと知り、母親らしい一面に驚くマリ子。偶然出会った新八郎(田中健)とともに帰宅すると、鹿児島の新八郎の母から磯野家に御礼状が届いていた。マチ子(田中裕子)の偵察にきた細谷(下條アトム)も加わって、新八郎の両親の話で盛り上がり…。

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小正月を過ぎれば、お正月気分ともさようなら。世間はまた忙しく動き始めます。

 

ヨウ子は学校に行き、見送りに出たマリ子と掃き掃除をしていたウララが話をする。ウララはヨウ子のセーラー服がお気に入り。ウララは私の頃の女学館は~という話しぶりからヨウ子と同じ女学校に行ってた!?

 

ウララは矢がすりの着物にえび茶のはかま。髪は二百三高地。大きなリボンをつけて、編み上げの靴が流行していた。夏になればレースのパラソル。服装は「あぐり」の女学校時代に近いのかな? 「はね駒」のおりんさんは明治10年生まれで、このころまで存命だと62歳だけど、さすがにそこまでじゃないんだろうな。白髪混じりだけどせいぜい50代?

 

ウララ「今度そういう挿絵をお描きになる時には遠慮なくおっしゃってくださいませね。私、いつでもモデルになりますわ」

マリ子「はい。その時はよろしくお願いします」

今日は菊池先生のお宅へ伺うというマリ子に「どうぞよろしくおっしゃってくださいませね」というウララ。

ウララ「では、ごめんあそばせ」

マリ子「ごめんください」

 

菊池寛に挿絵を見せるマリ子。今までの小説をどう思う?と菊池寛に問われたマリ子は続きが楽しみだと言う。ほかに言いようはないのかという塚田にも本当にそうなんだという。今朝もお隣の奥様にくれぐれもよろしくと言われたというと、菊池は私からもその奥さんにくれぐれもよろしくと伝えてもらおうかと笑う。

 

菊池「う~ん、なかなかいい手応えじゃないか、塚田君」

塚田「はあ、いやまあそれはもちろんですけど、しかし…」

菊池「いや、磯野君だったら心配いらんよ。挿絵として少々かたいところもあるが、ヒロインの表情が清潔なのが何にもまして成功だ」

塚田「そうですか」

菊池「うん。まあこれからは仕事も忙しくなるだろうけれどもどんな仕事でも手を抜いたらそれだけで身の破滅だからね」

マリ子「はい。手を抜くといっても抜き方が全然分かりませんし」

菊池「そう、それでよろしい。そんなこともう覚える必要はない」

マリ子「はい」

菊池「うん。じゃあ、まあ来月号は少し早めに渡すから十分構図を練っていいものを仕上げてもらおうか」

マリ子「はい」

菊池「うん。それじゃあ今月号はこれで合格」

塚田「いや、しかし先生、本当によろしいんですか? ご注意はそれだけで」

菊池「あのね、君ね。僕はお宅の雑誌にだけ物書いとるんじゃないんだよ。ええ? 今日もこれから築地の文芸協会の集まりもあるし」

塚田「ああ…それは大変失礼いたしました。じゃあ来月号はひとつよろしくお願いいたします」

 

帰ろうとしたマリ子に菊池寛が暮れに福岡からフグの干物を頂戴し、大変結構だったとお母さんに礼を言ってほしいと言われた。大変おいしかったが、今後はそういうお気遣いはなさらんように。塚田も頂戴した。マリ子は顔出しは頼んでもしてくれないのに、母親らしい行動をしたはるに驚く。

 

菊池「いやいや、その方が我々にとってはありがたいんだ。なまじ顔なじみになって泣きつかれてもね、どうにもしてやれん時はどうにもしてやれないんだから。いいお母さんだ。大事にしてあげなさいよ」

 

その頃、磯野家には東郷新八郎の母から立派な手紙が届いていた。さすが薩摩藩士のお出でいらっしゃるわとはるも感心。新八郎がこのうちでおふくろの味を思い出したというようなことを手紙に書いたそのお礼状。

 

マチ子「ついでに爪のあかでも入れてよこせばよかったのにね」

はる「どうして?」

マチ子「煎じて飲めば少しは効くんじゃないかな?」

はる「何に?」

マチ子「親心の不足病に」

はる「誰の?」

マチ子「いや、別に」

姉妹で一番母に軽口が叩けるマチ子。面白い。

 

仕事にかかったらどうなんです?とはるに言われても、新八郎の母の手紙を褒めたり、マー姉ちゃんほど売れっ子じゃないから大丈夫だという。

はる「だけども細谷さんに毎度のことながら足を運ばせているじゃないの。締め切りというのは約束でしょう? 約束を守らんような娘は磯野家の人間ではありません」

マチ子「お言葉ではございますが…」

はる「おや、あなた親に向かって口返答する気?」

マチ子「いえ、そういうわけじゃないけど少しは分かってほしいわ」

はる「何がです?」

マチ子「そりゃ、マー姉ちゃんの仕事は大変よ。でもね、あれは絵にする元の原稿があるでしょう? でも私のは絵も筋も一緒なんだもん。ただ机に向かってうなってたって、いい案が出てこなきゃどうしようもないのよ」

 

はる「だからどうだというの?」

マチ子「だからこうしてブラブラしてる時間も必要だっていうこと」

はる「ええ、ええ、どんどんブラブラしていらっしゃい」

マチ子「お母様!」

はる「ええ、お母様が頂いた仕事ではないですからね。私は全然平気ですよ」

やればいいんでしょというマチ子にやらなくてもいいというはる。

 

そこに新八郎がマリ子と一緒にやって来た。マリ子が駅から歩いている途中に車に乗せた。

 

巻紙に筆のお礼状の事を言うはる。新八郎は男兄弟ばかりでご婦人ばかりの家に来るとどういう話をしていいのかさっぱり分からないという。

はる「まあ、話に男も女もございませんわ。殊にこのうちは開けっ広げですから」

新八郎「ええ、その点は助かります。居心地がよくて」

はる「だったらなおさらのこと結構じゃありませんの」

新八郎「ですからまだ締め切りはまだなんですけどちょっと偵察にっていうことで伺いました」

 

マリ子は菊池寛の挿絵を仕上げたばかりで毎朝のものはまだ手を付けていないと言うが、「構いませんよ、ゆっくりで」と新八郎は言う。

マチ子「わあ、羨ましい。陽談社の細谷さんに聞かせてやりたいわ」

はる「大丈夫なんですか? 担当者のあなたがそんなことおっしゃって」

新八郎「ええ、遅れれば遅れるだけそれだけ何度も催促に来れますからね」

マリ子「まあ」と笑う。

マチ子「あら、愛社精神に欠けること」

はる「大変正直で結構ですよ。今夜は何、召し上がりたいですか?」

 

お母さんのお得意の料理でいいと新八郎は言い、嫌いなものを問われると馬と同じだと言う。「出されたものはきれいに片づける。それが僕の取り柄なんですから」

マチ子に馬に味が分かるの?と聞かれると、角砂糖でも出すと歯をむき出して喜ぶと新八郎は言った。

 

マチ子「なるほど。東郷さんが歯ぁむき出した時には喜んでる時だと思えばいいのね?」

新八郎「ん?」

マチ子とマリ子が顔を見合わせて笑う。マリ子がおかしいっていうよりとっても楽しいと言うと新八郎は失敗談を話した。

 

ある女流有名夫人の取材に行ったとき、雰囲気描写として「上品なブラウスとスカートのワンピース姿」と書いた。女きょうだいがいなくて女性の服装が分からないために、ブラウスとスカートの場合はワンピースと言わないことを知らなかった。女性陣に笑われ、それでも「笑う門には福来る」と前向きな新八郎。

 

細谷がマチ子の原稿を取りに来たが、まだ原稿はできてない。一人、原稿に向かうマチ子。階下から楽しそうな笑い声が聞こえる。マリ子から細谷と新八郎が話が合って、細谷もはるの手料理をごちそうになると言いだしていると聞くと、締め切りを明日に延ばしてもらおうというマチ子。新八郎の話はいろんなイメージが湧くので聞き逃したら仕事のためにも損だと言って食事に加わる。

 

東郷新八郎君の人柄もあったのでしょうが、話の花に花が咲き、珍しや、この日は細谷までがドッカと腰を据えているありさまでした。

 

はるが作った料理は鳥の中にお米が入っているもの。細谷が聞くと、自己流だという。細谷によれば「西洋風であり、チャイナ風であり、九州風で」なものらしい。新八郎はひたすら黙って食べていた。春には酒ずしをつくるというはるの言葉には反応を示した。

 

新八郎は、うちの親父は若い頃に1おけ食べたと話し、父親の職業を問うと、軍医だという。変な話題の持ち主で学生の頃に奥歯が虫歯になった時、診察台で歯医者に向かって、麻酔なしでくぎ抜きだけで抜いて痛いと言ったら父の負け。痛いと言わなかったら医者の負けで治療費をただにするという勝負を申し出た。一本勝負は父の勝ち。それ以来、歯の痛い人を見かけるとその自慢話が始まる。

 

父親がいないせいでしょう。父を語る新八郎君の話はこのきょうだいたちを魅了したようでした。

 

なじんでるね~、新八郎さん。

 

先日、新日本紀行を見ていたら昭和43年の尾道で行商の女性がお得意様の家で毎朝、朝ドラの「あしたこそ」を見ているというシーンがありました。www2.nhk.or.jp

藤田弓子さんがヒロインで朝ドラ初のカラー作品。脚本は橋田壽賀子さん。うわー、見たい。しかし、全315回のうち、最終回しか残っていないらしい。フランキー堺さん、岩本多代さんの名前もあった。

 

同じ昭和43年の「3人家族」は全話残っているというのに…

peachredrum.hateblo.jp

 

古い朝ドラもどうにか見たいなあ~。