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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (137)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

隆太郎(戸浦六宏)から新八郎の七回忌の知らせが届く。行けば戦死を認めることになると言うマリ子(熊谷真実)に、かけつけることが何よりも慰めになり、新八郎に代わってできる親孝行だと言うはる(藤田弓子)。鹿児島へ向かったマリ子は、隆太郎と貴美(三木弘子)とともに法事に出る。隆太郎たちは、マリ子の新しい出発を思い、籍を抜くと言う。東京に戻ると、岩村(小泉博)がヨウ子(早川里美)の見合い写真を持ってきて…。

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新聞を読みながらダイニングに来たマチ子はメガネをかけている。マリ子はそろばんをはじいている。

マチ子「なるほど、金15円で復活か」

マリ子「何が?」

マチ子「うん、この6月からね、かけそば15円でいよいよ自由営業ですって」

マリ子「へえ~、それじゃあ天ぷらそばはいくらになるの?」

マチ子「おあいにくさま。そこまでは出ておりません」

マリ子「どうして?」

 

マチ子「要するに自由販売になったということのニュースですもの。もりかけの値段だけで十分なのよ」

マリ子「ふ~ん、そんなもんなの?」

マチ子「そういうものなのよ、ニュースとは」

マリ子「へえ~」

マチ子「嫌ね、あまり感心されたら気持ち悪いじゃないの」

 

道子がマリ子宛ての手紙を渡しに来た。差出人は東郷のお義父様。

マチ子「あら、珍しい。お義母様からじゃないの?」

早速手紙をあけるマリ子。しかし、マリ子の表情が曇る。

 

手紙は新八郎の七回忌の知らせでした。

peachredrum.hateblo.jp

内報が来たのは、昭和19年の夏。

 

応接室ではると向き合うマリ子。

はる「何を迷うことがあるんですか。行ってきたらいいじゃありませんか」

マリ子「いいえ、私は迷います」

はる「マリ子…」

マリ子「だって行ったら新八郎さんの戦死を認めたということになるじゃありませんか」

 

はる「認めたくなくても正式の公報が入った以上、東郷家としては対外的に認めたという形を取らなくてはならないことは、お国柄としてもしかたのないことでしょう。だったら七回忌の法要だって済まさなければならないし、これはこの単なる通知、ご報告だと思えばいいじゃありませんか」

マリ子「そうでしょうか?」

はる「そうですとも。あなたがご法事に出席したからといって新八郎さんとの約束を破ることにはならないではありませんか」

マリ子「でもそれじゃあ、うそをついてるみたいじゃありませんか」

 

はる「それにね、東郷のおとう様、おかあ様がもしあなたが行かなかったら、どういう立場に立たされるかしら?」

マリ子「お義父様、お義母様のお立場…?」

はる「ええ。大勢のご親戚やお知り合いの方たちに万が一、あなたが行かなかったら、どういうふうにご説明なさるのかしら? 東郷のおとう様、おかあ様にはね、何事をも差し置いて、マリ子が駆けつけてさしあげることが一番、意味があることで何よりもお慰めになることなんですよ」

マリ子「はい…」

今日のはるさんはめちゃくちゃ正論。それにしても白髪が増えたね。

 

はる「だったら行きなさい。行って法事には出席したけれども新八郎さんの戦死は決して信じてはいませんと自分の口からはっきり言っていらっしゃい。そうすればお二人も心を強くなされるでしょうし、それがマリ子が新八郎さんに代わってしてさしあげられる一番の親孝行だと思いますよ」

マリ子「そうですね…本当にそうなんだわ…」

はる「そうですとも。困った子ね」

マリ子「えっ?」

 

はる「いつもはいい年をしてとハラハラさせるほどそそっかしいのに新八郎さんのこととなると、どうしてそんなふうに難しく考え過ぎるのかしら?」

マリ子「だってそれはしかたありませんわ」

はる「あらどうして?」

マリ子「私はあの人を愛しているんですもの、堂々と」

はる「あっ、それはそれはごちそうさま」

 

マリ子「お母様?」

はる「フフッ、しっかりしなさい。行くなら行くでちゃんと支度もあるでしょう?」

マリ子「あっ、そうでした」

はる「ほら、このとおりなんだから」笑い

 

マリ子は新八郎七回忌の法事のため、鹿児島へと向かいました。

 

森の中を駆け抜ける新たな?蒸気機関車映像。それにしても蒸気機関車のパターンいくつあるんだってくらい毎回違うような気がする。

 

いつもの家に帰ってきた隆太郎、貴美と後に続くマリ子。家の中には新八郎の遺影が飾られている。

隆太郎「まずはよか法事じゃったのう」

貴美「はい。これで肩の荷が一つ下りもしたな」

隆太郎「うむ」

 

マリ子がお茶を持ってくる。

貴美「まあ、お疲れなのにすんもはん」

隆太郎「じゃっど。おはんはさっきからぼんやりしとって」

貴美「すんもはん」

マリ子「いいえ、お義母様こそご法事の支度や何やでお疲れなんですわ。さあ、道祖、お茶を」

貴美「マリ子さん…」

 

隆太郎「ああ、到着早々、マリ子もいろいろ忙しゅうて、こげなふうに3人そろってゆっくり茶を飲むのも久しかぶりじゃのう」

マリ子「はい」

隆太郎「うむ」

 

マリ子「やっぱり私って駄目ですわね」

貴美「えっ?」

マリ子「ゆっくりとお茶を頂くには、まずお召し替えをしてから頂くべきでしたわ。フフフッ、これじゃあまるでお寺さんの続きみたいで。私、ちょっとお支度してまいりますから」

 

隆太郎「マリ子さん」

マリ子「はい」

隆太郎「そん前におまんさあに渡すものがごわす」

マリ子「はい」

 

貴美が封筒を隆太郎に渡し、それをマリ子に差し出す。

隆太郎「ほんなこつ長いことご苦労じゃった。じゃっどん、新八郎の七回忌を機にこれをおまんさあに返したいち思うてのう。どうぞ受け取ってくいやんせ」

マリ子「あの…?」

隆太郎「おまんさあの籍じゃ」

マリ子「私の籍!?」

 

隆太郎「さよう。縁あってわしら夫婦は、おまんさあにちち、ははと呼んでもろうたが、今日からはいつでん磯野マリ子に戻っても構わんとでごわす」

マリ子「待ってください、お義父様! 私はそんなつもりでこのご法事に来たのでは…!」

貴美「そげなことは分かっておいもす。じゃっどん…」

 

マリ子「いいえ、私は新八郎さんと約束したんです! たとえ十三回忌をしようと三十三回忌が来ようと私はあの方を…」

貴美「マリ子さん」

マリ子「本当なんです! 私はあの方のお言葉を信じてるんです!」

隆太郎「そん気持ちはわしらにもどれほどうれしいか分かりもはん。じゃっどん…」

関係ないけど戸浦六宏さんを勝地涼さんに似てるとどこかで見て以来、似てるなあと思ってしまうようになった。もっと年を重ねたらもっと似るような気がする。

 

マリ子「いいえ。たとえ世間体として七回忌をやったとしても私たち3人はあの方のお言葉を信じて新八郎さんのお帰りをお待ち申し上げましょうとその約束をするために私は参りました。それなのに…」

隆太郎「じゃっどん、あれからもう丸5年じゃ」

マリ子「いいえ、たったの5年です」

貴美「マリ子さん」

 

マリ子「私は嫌です。だっておとといの新聞にだって出ていたじゃありませんか。子供を連れて再婚したら、それからひとつきするやせずで戦死したはずの旦那様が生きて帰ってきたという戦争未亡人のお話を…!」

隆太郎「マリ子さん」

マリ子「お義父様…マリ子は悔しゅうございます」

 

隆太郎「じゃっどん…わしらの気持ちも聞いてはくいやらんか」

マリ子「でも…」

隆太郎「わしはのう、これとも話し合うて、おまんさあに新しか出発をしてほかとじゃ」

マリ子「新しい出発?」

 

貴美「はい。今度戸籍も変わって結婚すれば親子別々。じゃっどんあなたの籍は、あなたお一人しかおらんとです」

マリ子「はい」

貴美「じゃっどん、返されるのが嫌じゃっち言うのなら、あなたがそれを持っていてください」

マリ子「お義母様…」

 

貴美「あなたも今は姉妹出版の堂々たる社長さんでしょう。仮の名でなく堂々と磯野マリ子の名を名乗った方が姉妹出版社の本当の意味があるじゃろうち主人も言うておっとです」

隆太郎「じゃっどん仕事もよかが、またよか人に出会うたら誰にも気兼ねせんで、よか家庭を持つのもおなごの幸せじゃろう」

マリ子「いえ、私は…」

貴美「マリ子さん。たとえ、籍がどうであれ私の中から新八郎が消えん限り、あなたのことも消えないのですよ。婚礼の時に言うたでしょう。親として、してやれることとやれんことがあるち」

隆太郎「じゃっど。そしてこれは新八郎の親として、おまんさあのこれからのためにしてやれる精いっぱいのことじゃ。気が向いた時にいつでん墓参りに来てたもいやんせ。わしらはいつでん大喜びじゃ」

マリ子「お義父様…お義母様…!」

ここでハグ…ではなく走り出し、背を向けて縁側で涙を流すマリ子。

 

貴美「さあ、お着替えなさい。マリ子さんにはそげな黒か着物は似合わんとですよ」

マリ子「はい…」

 

また違う蒸気機関車映像。田んぼの中を駆け抜ける。

 

新八郎の両親を慰めるつもりで七回忌に臨んだマリ子でしたが、むしろ逆の結果を抱いて帰ることになりました。

 

テーブルの上に置かれた封筒。

はる「そう…。そうおっしゃってくさったんだったら何も気にすることはないじゃありませんか」

マリ子「ええ。要は形式なのだと割り切ればいいんですものね」

はる「そうですとも」

マリ子「こんなにありがたい思いやりを受けることのできるお嫁さんは私しかいないんだ。さすが新八郎さんのご両親、そう思うことにしました」

はる「それでいいんですよ。やっぱり行ってよかったでしょう?」

マリ子「ええ」

 

磯野家を透一郎が訪れた。久しぶり!

はる「あの、着替えたらすぐに来てちょうだいな。ヨウ子の縁談を持ってきてくださったのよ」

マリ子「ヨウ子の縁談!?」

 

戦後、東京へ戻ってきた伯父夫婦が持ってきた縁談ですが、当のヨウ子は10月生まれ。満で数えるようになって今年は2つも若返り、23歳。まさに花も恥じらう適齢期でした。

 

しかし、ヨウ子は浮かない顔!?

 

マリ子「あっ、いらっしゃいませ」

透一郎「ああ、お帰り。鹿児島へ行っていたんだってね」

マリ子「はい」

花江「東郷さんでは皆様、いかがでいらっしゃいました?」

マリ子「はい、皆様、とてもお元気でいらっしゃいました」

花江「まあ、それはよかったこと」

 

マリ子「あの、それで今日はヨウ子によいお話を持ってきてくださったとか」

ヨウ子「お姉様…」

透一郎「ハハッ、どうかね? この青年は」

マリ子「拝見させていただきます」

 

そうです。本来、娘たちは次々と出発していかなければならないのです。

 

しかし、ヨウ子はやっぱり浮かない感じ!?

 

ツイッターで新八郎さん関係の話が出てくると、ならなぜ鹿児島に住まない?みたいに言いだす人がいるのが不思議。

・新八郎さんは上京して新聞記者をしていた。

・結婚する時には磯野家の面倒を丸ごと見るとも言っている。

・長男(新八郎の兄)に実家を任せ、両親は実家ではなく隠居所で夫婦水入らずで暮らしている。

何で同居の必要が??? 

 

それと、ヨウ子は満年齢で23歳ということになっていたけど、wikiによれば大正14(1925)年生まれとあったので、今が5月くらいなら誕生日が来てなくて満年齢で24歳では!?