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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (56)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)は放送局を訪ね、雄太(高岡俊広)の尋ね人のはがきを出した千代について聞く。千代には事情があるようで、放送局でも詳細はわからない。千代から大阪に出るので会いたい、と連絡があり、純子は1人で会いに行く。純子が千代に話を聞くと、千代は雄太の本当の母親の昌代(日色ともゑ)だった。昌代は満州で、雄太を連れて逃げることを諦め置き去りにした、と泣きながら話し、雄太に一目会いたい、と言うが…。

尋ね人の時間におばさんの林千代と名乗る女性が雄太を捜しているという放送が流れました。人違いなのかそれとも雄太の知らないおばさんが本当にいるのか。純子は確かめるために放送局へ来たのであります。

 

放送局員は牡丹江の開拓団にいた林安行(やすゆき)さんの息子の雄太で間違いないと言う。雄太の母は昌代というが、林千代という人はおばさんで北九州の飯塚に住んでいて、ちょっと事情があり、もし連絡がついたら自分の方からどこへでも出向く。自宅に連絡をされては困ると言っている。放送局側から林千代に連絡をするということで話はついた。

 

どういうつもりで雄太を捜しているのか疑問を持つあき。純子はおばさんなら籍を戻せとか面倒なことは言わないのではないかという。あきはせっかく雄太が落ち着いてるところにかわいそうだという。純子が先に一回会ってから決める。

 

組合長のところに電話があり、ぬひが林千代という人が連絡してきて大阪へ来ると言っていたと言った。明日の4時ごろ、梅田の喜春(きはる)旅館でお目にかかりたい。組合長がメモを書いてくれた。ありがたい。今回は雄太に黙って会いに行く。

 

夜。純子は雄太と昭にあめ湯を出した。雄太は英語の勉強。

 

そして翌日。純子は一人で指定された梅田の喜春旅館へやって来たのであります。

 

部屋には着物を着た女性がいた。お互い自己紹介をし、純子は去年の3月から林雄太から小野雄太になっていることを話した。陽一郎が一緒に満州から引き揚げてきて、父の遺志で母と養子縁組をした。雄太に聞いたら林千代というおばさんは知らないと言うので先に会いに来た。雄太より1か月違いの弟の昭と兄弟みたいに育ち、中学で野球部に入って、雄太はピッチャー、昭がキャッチャーをしている。

 

その話を聞いた千代は泣き出し、ありがとうとざいますとお礼を言った。

千代「すいません。おばだなんてうそ言って」

純子「やっぱりそうやったんですね」

千代「私、母親です。雄太を産んで…。昌代といいます」

純子「無事に引き揚げてきはったんですね」

昌代「全部、お話しなければならないと思います。私、今、再婚してます。雄太とはぐれたあと知り合った人がいましてね。今、飯塚という所に」

純子「そうやそうですね」

昌代「主人は小さいですけど、炭鉱を経営してましてね、前の奥さんとの間に5人の子供がいます。主人に雄太を引き取りたいってどうしても言えないんです」

純子「あの…その前に一つだけお聞きしてもええでしょうか」

昌代「はい」

純子「怒らずに聞いてほしいんですけど、満州で雄太とはぐれた言うてはりましたね。たった今。ほんまですか? 雄太はお母さんにほかされたと言うてます。置き去りにされたんやて言うてます。ほんまですか? ほんまのことを言うてください!」

昌代「本当です」

純子「満州で中国の人に雄太を預ける交渉をしはったいうのもほんまですか?」

昌代「はい。言い訳になりますけど、あのころ私は体が弱ってて全身にむくみが来てました。これじゃ生きて帰れないと思って、せめて雄太だけは中国人に預けてと交渉したんでやす。雄太、泣いて怒りやした。私は身も心も疲れ果てて死ぬつもりでした。雄太を道連れにと思ったんですけど、どうしても…。どうしても決心がつかねで、それで…置き去りに」

純子「雄太の言うてることはほんまやったんですね。私は雄太にお母さんがそんなことをしはるはずはないのやからと何べんも言うて聞かしました。今度はどない言うたらええんですか?」

昌代「雄太を手放したあと、これで死ねると思って川に身を投げたとこを今の主人に助けられたんです」

純子「それでどないしたいと言わはるんですか?」

昌代「一目でいいんです。会わしてもらえねでしょうか?」

純子「嫌です。雄太は私の弟です。今更母親やと名乗り出られても…」

昌代「いえ。雄太を飯塚のうちに連れて帰ることはできないんです。ただ一目会わせてもらえねでしょうか。わびが言いたいんです」

純子「いいえ。それやったら会わへん方がええんと違いますか。私はあなたに雄太を会わせとうないんです。そんな言い訳を雄太に聞かせとうないんです。何で…。何ですぐに名乗り出てくれはらへんかったんですか。林千代なんていう偽名を使うて…」

泣いている昌代。

純子「失礼します」

 

部屋を出た純子の後ろで昌代の泣き声が聞こえた。

 

これはつらい。純子が突っぱねる気持ちも分かるし、しかし、昌代の気持ちも分かる。「大地の子」見てると満州での過酷な状況で子供たちだけでも生きていてほしいと中国の人に預けた人の気持ちも分かるし…。

peachredrum.hateblo.jp

日色ともゑさんはいくつか昔の単発ドラマを見ました。

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このドラマだと専業主婦の役で、女性プロデューサーとして藤田弓子さんが出ています。

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最近だとこのドラマで見ました。主演の三田佳子さんの友人役。

 

今再婚して雄太を引き取る気はないけど、一目会いたいと言うのは自分勝手かもしれないけど、しかしこのまま帰すのも…。