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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (57)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)は雄太(高岡俊広)に、昌代と会ってきたことを話し、会いに行こうと誘うが、雄太は捨てられた、という思いが強く、会いたくないと拒絶する。翌日、大リーグのチームの通訳として来日している秀平(髙嶋政宏)が会いにくる。秀平は昭(岩芝公治)と雄太におみやげを渡すが、反応が薄く様子のおかしい雄太を気にする。事情を聞いた秀平は雄太に、会いに行っておかないと将来子どもが出来た時に後悔するぞと諭し…。

あきと純子が昭と雄太の部屋に入り、雄太に声をかけた。あきは「昭も一緒に聞いてくれるか」と、林千代というおばさんが母親だった、昌代は九州の飯塚で炭鉱を経営している人と再婚しているという話をした。

 

あき「どうや? お母さんに会うてみる気はないか?」

昭「その人、雄太に会いたい言うてんの?」

純子「うん。一目でええから会いたい言うて泣いてはった」

 

しあさってのお昼まで梅田の旅館に泊まっている。小野雄太になっていることは昌代には話している。

あき「どないする? 会いに行くやろ? お母ちゃんな、お母さんやったら誰でも会いたいと思うで」

雄太「でも…会わへん」

純子「何で?」

雄太「今更会うてもしかたないもん」

純子「雄太…あんたまだお母さんにほかされたと思うてるの? それやったら違うよ」

 

お母さんは体の具合が悪くて死のうと思っていた、雄太を道連れにしようと何べんも迷ったけど、決心がつかなくて中国の人に預けようとして雄太だけは生きてほしいと置き去りにした。

 

雄太「どっちでもええよ、そんなこと。俺が置き去りにされたのは事実なんや。俺は陽さんと日本に帰った時からお母さんはいてへんと思うてるから」

あき「雄太。そんなこと言うたらあかん」

純子「お姉ちゃんは雄太を連れてきますよって待っててくださいってお母さんにはそう言うてきたんや」

雄太「いいよ」

純子「何で? 何で会うくらいのことがでけへんのや?」

雄太「ええやないか! 俺が会えへん言うてるんやから!」

あき「雄太。まだ時間があるさかい一晩ゆっくり考えてみ。なにもすぐにそんな…。お母ちゃんが雄太のお母さんやったらほんまに寂しいと思うで」

雄太「(顔を上げてあきの顔を見て)俺のお母ちゃんは一人だけやろ。お母ちゃんが俺のお母ちゃんやろ」

あきは何も言えなくなってしまい、純子と部屋を出た。

 

昭「ほんまにええのんか?」

雄太「…」

 

純子とあきにはいい考えが浮かばない。そこへぬひが純子宛の電報を届けてくれた。

「モッカ サンフランシスコ・シールスノ ツウヤクトシテ ライニチチュウ。アスゴゴ オタズネスル ハヤミ シュウヘイ」

 

純子は新聞記事から秀平を探す。

 

あまりにも唐突な秀平の電報に純子はめんくらうばかりなのであります。

 

純子「明日の午後て…何時ごろ来はんのやろか」

 

翌日、純子は気もそぞろであります。

 

家の前で掃き掃除をしたりしていると、秀平が現れた。向こうをたつ前に手紙を出したと秀平は言うが、純子には届いていなかった。スケジュールも宿舎も全部書いていたから必ず純子から連絡があると思っていたと秀平は話した。今日一日やっと休みが取れたと言うので、純子は家にあげた。

 

陽一郎へのお悔やみを言い、昭と雄太にお土産を持ってきた。帰ってきた昭と雄太にサンフランシスコ・シールス(秀平はずっとシールスって言ってるけど、シールズじゃないの?)のサードのシャフナー選手とピッチャーのワール選手のサインボールを渡した。

ja.wikipedia.org

今はないチームなのか。ワール投手は第3戦と第5戦で投げた。

 

雄太は元気がなく、サインボールを受け取っても2階に行ってしまった。

 

雄太が1人2階にいると、秀平が来た。秀平はお母さんの話を聞いたと言う。

秀平「僕は君の気持ちはよく分かるつもりだけどね。会えば腹が立つこともあるかもしれないし、がっかりすることもあるかもしれない。しかし、会わなければ君が大人になってから…。例えば、結婚して子供ができてさ、君自身が人の親になった時にきっと後悔すると思うよ。もし何か胸の中に思ってることがあるんなら、いい機会だからお母さんにそれぶつければいいじゃないか」

 

純子がお茶と秀平が持ってきたクッキーを運んできた。すぐにクッキーを手に取る雄太がかわいいな。

秀平「駄目かね。どうしても会いたくないかね」

雄太、クッキーもぐもぐ「お姉ちゃん」

純子「何?」

雄太「お姉ちゃんはそんなに俺とお母さんを会わせたいのか?」

純子「そうや。これまでに何があったかほんまのところはお姉ちゃんには分からへんけど、そやけどお母さんが雄太に一目でええさかい会いたいと思てはる気持ちにはうそはないと思うねん。お姉ちゃんだけやないよ。お母ちゃんかてそない思うてるんやで」

雄太「分かった。ほんなら会うてもええよ」

純子「ほんまに?」

雄太「みんながそう言うんやったら会うだけ会うてもかまへん」

純子「雄太…」

 

純子はあきにこれから会いに行くと報告した。

昭「雄太、ほんまにお母さんに会うんか?」

雄太「…」

 

純子は男の人にいてもらったら心強いと秀平も一緒に連れていきたいとあきに言った。

あき「雄太。お母さんに会うたらちゃんと挨拶せんとあかんで」

雄太黙ってうなずく。

 

人には語り尽くせぬ思いを胸に抱いて満州で別れた母と4年ぶりに会うためにうちを出る雄太であります。付き添う純子も見送るあきもそれぞれに複雑な思いでありました。

 

今ならもう少し雄太に寄り添った感じになるのかもしれないけど、戦後すぐだとこれを逃したら2度と会えないかもという思いが今よりずっと強かったんじゃないのかと思う。