徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】あん

2015年 日本/フランス/ドイツ

 

あらすじ

とある町でどら焼き屋の雇われ店長として働く、ワケありの中年男性の千太郎。ある日、私をここで働かせてほしいと言う、ひとりの老婦人が彼の前に現われる。名前は徳江で年齢は76歳と自己紹介する彼女に、千太郎はつい尻込みしていったんはそれを断わるが、彼女お手製の粒あんを試しに味見してそれが絶品の味だったことから、徳江に店を手伝ってもらうことに。やがて口づてに評判が広まり、店は繁盛するようになるのだが…。

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2019年の年末の夜中にローカル地上波放送していた映画を録画してました。が、昨年末日本映画専門チャンネルでも偶然放送されていてそちらでも1回見てます。

阿部寛さんと樹木希林さんの共演「海よりもまだ深く」 もいいんだけど、「歩いても歩いても」も好き(だから放送して)。

 

千太郎(永瀬正敏さん)が雇われ店長をしているどら焼き屋に徳江(樹木希林さん)という76歳の女性が働かせてほしいと言ってきた。千太郎は断るが、時給300円でもいいから働かせてほしいと50年作り続けてきたというタッパーに入れたあんを持って来た。あまりのおいしさに驚く千太郎。

 

桜満開の季節から桜が散る頃、再び徳江が訪ねてきて、千太郎から一緒に働きませんかと話しかけた。指に障害があるという徳江だったが、働く分には問題がなく、翌朝は太陽が昇る前からあんの仕込みにやってきた。

 

丁寧にあんを作る。千太郎は、実は甘党ではなくどら焼きを1個食べ切ったことがないのだと徳江に告白したが、なぜどら焼き屋を?という問いには答えなかった。

 

徐々に評判になる千太郎のどら焼き。徳江は初めは仕込みだけをやって開店前には帰っていたのに、開店前から行列ができるようになり、客前に立たないものの店内のこまごまとした手伝いを始めた。

 

ある夜、オーナー(浅田美代子さん)が訪ねてきて、徳江をハンセン病患者だと告げ口してきた者がいて辞めさせろと言ってきた。

 

ある朝、調子の悪かった千太郎が休み、徳江は翌日の仕込みだけでも…とどら焼き屋で一人作業をしていたが、ブラインドをあけると客がたくさん来ており、流れのままにそのまま徳江が店を開け、どら焼きを売ることになってしまった。

 

翌日から千太郎から店で接客してもいいと言われた徳江は常連の中学生たちとも話し始める。常連のワカナもその一人だったが、徳江の手をどうしたのか疑問に思い、質問するが、若いころ病気になったと言われて、ハンセン病についての本を読み始めた。

 

夏が過ぎた頃、あんなに行列ができていた客足が遠のいてきた。「この辺にしときましょうか」という千太郎の言葉に割烹着を脱ぎ、帰っていく徳江。そこから徳江は店に来なくなり、手紙が届き「店長のどら焼きを完成させてください」と書いていた。

 

ワカナがカナリアの鳥かごを持って店に来た。ペット禁止のアパートでカナリアを飼っていて、同じアパートの住人の告げ口で飼えなくなり、店長か徳江に預けようと持って来たのだった。

 

本筋とは外れるけど、ペット禁止のアパートでペットを飼うのは結果的にそのペットが辛い目に遭うので人間が守って欲しい。この場合、告げ口した人が悪いような言い方はダメだと思う。ワカナが徳江の指のことを母に一度だけ話したことがあるという。

 

徳江の住んでいる施設に行ってみようという話になり、ワカナと千太郎で訪ねた。子供のころから施設で暮らしているという話を聞いた千太郎たち。徳江の友達の佳子(市原悦子さん)もいて、ぜんざいと塩昆布を出してくれた。働けて楽しかったという徳江に守れなかった千太郎は涙を流した。

 

千太郎は3年前、けんかの仲裁から暴力事件を起こし、相手に重い障害を負わせたことを徳江に手紙で告白した。

 

ぜんざいと塩昆布という組み合わせから塩どら焼きを思いつき、ワカナと作り始める。しかし、オーナーから店を改装してお好み焼き屋とどら焼き屋にして、チャラそうな甥っ子と一緒に働いてほしいと言われた。

 

枯れ葉が地面を覆う頃、店は改装中で再び徳江の住んでいた施設を訪ねた。そこにいたのは佳子で徳江は3日前に亡くなったと知らされた。徳江の家にあったあんを作る道具をもらって欲しいという佳子。そして小型カセットレコーダーで、徳江の話し声が録音されていた。

 

ワカナから譲り受けたカナリアはかごから放してしまったというが、物語として美しいのかもしれないけど、実際野生の鳥ではないので生きていくのは難しいとは思う。動物の話題にちょっと過敏に反応してしまいます。

 

子供を授かったのに産むことを許されなかった徳江にとって、千太郎は自分の生まれてこれなかった子供と同じくらいで親近感を感じていた。墓石のない徳江の墓にソメイヨシノが植えられている。

 

桜舞う公園で花見客に「どら焼きいかがですか?」と声をかける千太郎。長机に最低限の道具だけを持ってどら焼きを売り始めた。(終)

 

う、前に見たより泣けた。樹木希林さんの自然な演技が本当に素晴らしくて。浅田美代子さんはバラエティでいくら天然っぽいところを見せても明るい役も嫌な役も違和感なくハマる人だな~。樹木希林さんがすごく気に入ってたの分かる。季節の移り変わりも美しい映画でした。


映画『あん』予告編