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【ネタバレ】夢千代日記(4)

NHK 1981年3月8日

 

あらすじ

煙草屋旅館の跡取り・泰男(岡田裕介)は、かつて夢千代(吉永小百合)とともに東京へ出て行った過去がある。しかし、胎内被爆がもとで健康を害した夢千代はひとり故郷に戻り、母の営む置き屋を継いだのだ。泰男は、母である女将・春江(加藤治子)に旅館を近代化する話をもちかけるが、春江は昔ながらの旅館を維持したいと断る。一方、刑事に追われる市駒(片桐夕子)がようやく夢千代の前に姿を現し、事件の経緯を語りはじめる。

2024.12.11 NHK BS録画

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ドラマ人間模様

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作:早坂暁

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音楽:武満徹

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演奏:東京コンサーツ

方言指導:高橋ひろ

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踊り指導:松浦姉妹

協力:兵庫県美方郡温泉町

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夢千代(永井左千子):吉永小百合…字幕黄色

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金魚:秋吉久美子

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藤森刑事:中条静夫

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菊奴:樹木希林

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アサ子:緑魔子

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木原:ケーシー高峰

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時子:中村久美

あんちゃん:あがた森魚

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作子:伊佐山ひろ子

アコ:大熊なぎさ

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スミ:夏川静枝

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泰男:岡田裕介

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市駒:片桐夕子

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かね:佐々木すみ江

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沼田:草薙幸二郎

黒ダブルの男:丹古母鬼馬二

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市村:久保晶

黒メガネの男:堀礼文

辰夫:香山浩介

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健三:沢田情児

スナックのママ:丸山由利亜

警察官の声:中村武巳

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鳳プロ

早川プロ

劇団いろは

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山倉(山本倉次郎):長門勇

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泰江:加藤治子

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山根刑事:林隆三…字幕水色

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制作:勅使河原平八

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演出:松本美彦

 

番組中に一部、不適切な表現が含まれていますが、放送当時の社会、文化的状況を伝えるという趣旨から、そのまま放送します。

 

というテロップが出ました。それにしてもあらすじの加藤治子さんの役名、春江って…このドラマは役名も出てるけど”泰江”よ。

 

「おかあさん! 夢千代さん!」と呼びかける市駒の声。夢千代は出てきたらあかん!と止める。夢千代は人を殺すようなことした?と聞くと、市駒は泣きだした。夢千代はお金を取りにはる家へ。しかし、市駒はどこかへ走り去ってしまった。

 

金魚とアコが帰ってきて、市駒を見なかったか聞くが、金魚は市駒が帰ってきたと聞き、驚いた。

 

夜、零下5度まで下がる。

 

朝、夢千代は時子に足が痛むか聞いた。寒くなると痛むと答えると、夢千代は温泉で治ると言いながら、心の中では、この子は芸者になるしか生きていく道がないのだろうかと思う。

 

菊奴から踊りの稽古をつけてもらう時子。夢千代は三味線を仕込んだらいいと言うが、菊奴はお座敷に出たら踊りの一つや二つできたほうがいいと答えた。以前、ヒナゲシという足が悪いが踊りの上手な芸者がいた。コツはとってもゆっくり踊る。

 

夢千代が「にわか雨」という小唄を歌い、菊奴が踊る。

 

♪にわか雨だよ チチチン

しばらく お待ち

チンチチン チンチト チチッチ チンツン

やがて陽(ひ)もさす 月も出る

 

夢千代は大林という人から電話があり、席を外した。

 

時子は菊奴にヒナゲシさんという人はどうして芸者を辞めたのか聞くと、菊奴は広島の大きな造り酒屋の奥さんになり、一番の出世頭、玉の輿だと言い、芸者は顔や形とは違う、芸と心だと言う。

 

夢千代はその話はお断りしますと電話を切っていた。

 

ヒナゲシは足が悪くてこの町を出たことがなかったが、広島の造り酒屋の旦那が、一遍、表日本を見せてやると旅に連れ出すと、ヒナゲシ表日本に行ったことがなく、窓に顔をぴったりくっつけて外ばかり見ていた。岡山で乗り換えて山陽線を京都に向かって走ると淡路島が見えてくる。ヒナゲシは淡路島を見て「旦那さん、あれ、外国ですか?」と聞いた。造り酒屋の旦那がいっぺんに気に入り、芸者を引かせた。

 

それだけですか?と驚く時子。今どき、淡路島を外国という女はいないと菊奴は言い、「あれ外国ですか?」が一時はやった。隠岐島を見て「あれ外国ですか?」と言ってみたが、バレないように言うのは難しい。樹木希林さん、面白いなあ。

 

♪ゴムのカッパに しみとおる

なみだ船

なみだ船

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黒メガネの男と黒ダブルの男が寒い中、道端に立って歌いながら待っている。

 

はる家には沼田が来ていて、夢千代にはる家を売るように言う。沼田は夢千代の母をよく知っていると、自らの首筋にあるケロイド状の火傷痕を見せた。6つの時に広島でピカにやられた。泣きながら歩いていたら、着物も何もベロベロになった女性が沼田の手を引いて歩いてくれた。3日ばかり救護所にいたがピカでやられて家族が誰も迎えに来ないので、行く当てのない夢千代の母と一度は岡山へ行ったが、結局、遠縁にあたる親戚が置屋をやっていたのでこの温泉場へ来た。35年前と変わっていない。

 

沼田は2か月ばかりたって遠縁の親戚と連絡がついて、神戸へ引き取られた。おばさん、大きな腹抱えて苦しそうじゃったと思い出を語る。あん中には結局、あんたが入っていたんじゃのう。

 

4年前、夢千代の母は原爆症で亡くなった。沼田は線香を上げさせてもらうと仏壇へ向かった。沼田は、おばさんの腹の中におった子があんたとは知らなかったと謝る。沼田がいる組織はいろんなところに手を広げていろいろやろうとしている。不動産クリエーチブ、できるだけのことをすると名刺を渡すが、夢千代はこのままでやっていくと断り、お参りが済んだら帰ってくださいと言う。

 

藤森刑事がはる家の前にいる黒メガネの男と黒ダブルの男に声をかけたが、中から沼田が出てきて仏さんに線香を上げに来ただけと帰っていった。

 

スナック白兎

山倉は、この町を体を張って守ってきたのに、よそのヤクザが入ってきたとアサ子やあんちゃんに説教をしていた。健三が「来ました!」と店に入ってくると、みんなで隠れた。

 

沼田たちが店に入ってきて、アサ子に山倉を呼んで来いと怒鳴った。煙草屋旅館にいるから訪ねてこいと沼田が伝え、帰っていった。

 

はる家

仏壇に手を合わせる夢千代。仏壇には両親と夢千代の子供のお位牌がある。

 

露幻水子

 

ゆうべ、この子の父親に会いました。…あの人か!

 

煙草屋旅館

市村はトウズ観光の社員で泰男が国内に38、ハワイ、香港、台湾といろんなところにチェーンを延ばしている一流企業だと泰江に紹介した。泰江は10階建ての煙草屋旅館など欲しいと思いませんと断る。市村が席を外し、泰男と泰江の話し合い。

 

泰男は、こんな所は嫌だとはる家の左千子と東京へ行ってしまった。結婚するはずだった左千子が一人で帰ってきたが、泰江は事情を知らない。左千子は「泰男さんとは結婚できる体ではありません。それで帰ってきました」と泰江に挨拶した。泰男は子供を産めないような体じゃ一緒になれるわけないじゃないかと言い、芸者になることないと不満そう。泰江は左千子のせいではない、お母さんが亡くなって、後を継いだのだからしかたないと言う。

 

芸者なら旦那がいるだろうといら立つ泰男に、あの人はそんな人なしでやっている、はる家は他の置屋では引き受けられないような芸者さんばかり抱えていて、借金を抱えていても誰の力も借りていない。泰江は夢千代さんみたいに人の力を借りないでやっていきたいと語る。泰男はこんな旅館は潰れるだけと言うが、すっかり表日本の人間になってしまったとあきれる。

 

表日本=太平洋側みたいな感じかね? 太平洋側でも冬は寒いよ!

 

10階建てのビルになったら帰ってきて支配人になると言う泰男。トウズ観光の役員になれるかもしれない…ん? 一気に怪しい話になったな。大きいところの系列でやっていくしかないと言う泰男にそんなことまでして帰ってくることはないと答える泰江。煙草屋旅館は木造2階建てのままで十分。

 

木原医師から山根刑事が血を吐いて倒れたと聞かされた夢千代。木原は入院できないから連れてってもらわんと困ると頼んだ。

 

木原診療所

山根を見舞いに来た藤森は川崎署に連絡を入れた報告した。山根は血痰で大したことはないと怒り、藤森はすぐ代わりの刑事が来ると言うと、他のヤツに渡してたまるかと怒鳴る。藤森は自宅にも電話したが誰も出なかった。川崎署には山根宛に奥さんから手紙が来ていた。自宅に奥さんがいないので、川崎署では手紙を開封したがっていることも話した。

 

川崎署に電話した山根は風邪をひいた程度と応援を断り、手紙の開封を許可した。あなたのような生活についていけない、家を出ますという内容だった。

 

はる家

煙草屋旅館のかねから市駒からの伝言を聞かされた夢千代。港のスナック但馬に市駒がいると聞かされ、夢千代は外へ出たが、泰男がいた。泰男は今夜東京へ帰る、もう帰ることはないと言う。夢千代に入院したほうがいいと言うが、治す薬がないからと拒否する。泰男は「僕との間に子供はいなかっただろうね」と聞き、夢千代は「いませんでした」と答えた。私のことは誰にもどうすることはできないと泰男と別れた。

 

時子のいる部屋は今も市駒のレコードがそのままあり、菊奴がレコードをかけた。

叱らないで

叱らないで

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♪あの娘(こ)がこんなに なったのは

あの娘ばかりの 罪じゃない

どうぞ あの娘を 叱らないで

女ひとりで 生きてきた

 

スナック但馬

夢千代が店に入り、30くらいの女の人がいませんでしたか?と聞くと、店主は夢千代さんですか?と預かり物を渡された。風呂敷の中身はミニ仏壇。夢千代はそのまま店を飛び出し、浜のほうへ急いだ。店の前には山根が来ていた。

 

浜に市駒がいて、夢千代に仏壇を預かってくださいと頼んで、泣いた。

 

スナック但馬に戻って話をする夢千代と市駒。お母さんの位牌と市駒のへその緒が入った仏壇は捨てようと思っても捨てられなかった。夢千代は幸せに暮らしてると思っていたと話すが、表側に行こうと誘った男と出て行った市駒は冬は毎日晴れてることがうれしかった。芸者やストリップで暮らしていけると思ったが、男は市駒がキャバレーで働いているときに競輪を覚えて、トルコへ行けと命じた。

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ここ最近、トルコの話が多いな。トルコはもちろん外国じゃないよ。

 

市駒は苦労して一緒に出てきたのに、市駒を売り飛ばす男が憎らしく、散々、殴って寝てしまったクニオの首を絞めた。やっぱり黙ってトルコへ行けばよかったんですよね?と泣く市駒に、泣きながら首を横に振る夢千代。

 

市駒が体をかがめて泣くと、後ろのカウンターに山根刑事! 市駒の向かいに座っていた夢千代は山根の存在に気付いた。夢千代は小声で裏口から出られると財布を握らせるが、市駒はもう疲れたと藤森さんのところへ連れてってください頼んだ。客としてきた藤森が一度も人殺しを捕まえたことがないというのを覚えていた。

 

店を出る夢千代と市駒。山根はカウンターで身をかがめて見逃した。

 

夢千代と市駒は警察署に一緒に行った。(つづく)

 

来週で終わりか…。こういう暗いトーンのドラマ、好きだな~。それにしても話を忘れすぎている。