1963年 日本
あらすじ
製靴会社の重役・権藤に「子供は預かった。3000万円用意しろ」という電話がかかってくる。ところが誘拐されたのは自分の息子ではなく、運転手の息子だった。しかし犯人は権藤に身代金を払うよう脅迫する。身代金を払うべきか苦悩する権藤。一方、警察の必死の捜査によって、次第に犯人は追い詰められていくが…。アメリカの作家エド・マクベインの小説をもとに、黒澤明監督が緊張感あふれる演出で描く犯罪サスペンスの傑作。
2026.2.3 NHK BS録画
東宝株式会社
黒沢プロダクション
作品
製作:田中友幸
菊島隆三
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脚本:小国英雄
菊島隆三
久板榮二郎
黒澤明
原作:エド・マクベイン
「キングの身代金」より
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音樂 : 佐藤勝
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権藤金吾:三船敏郎…字幕黄色
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戸倉警部:仲代達矢…字幕水色
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権藤伶子:香川京子…字幕緑
河西:三橋達也
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荒井刑事:木村功
田口部長刑事:石山健二郎
中尾刑事:加藤武
捜査本部長:志村喬
宣伝担当重役・神谷:田崎潤
デザイン担当重役・石丸:中村伸郎
営業担当専務・馬場:伊藤雄之助
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竹内銀次郎:山﨑努
新聞記者:千秋実
靴工場の工員:東野英治郎
刑務所長:清水將夫
青木:佐田豊
青木の息子・進一:島津雅彦
権藤の息子・純:江木俊夫
新聞記者:三井弘次(松竹)
債権者:山茶花究
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捜査一課課長:藤田進
病院の火夫:藤原釜足
村田刑事:土屋嘉男
新聞記者:北村和夫
内科医長:清水元
山本刑事:名古屋章
債権者:浜村純
裁判所執行吏:織田政雄
債権者:西村晃
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看守長:田島義文
魚市場の事務員:清村耕次
島田刑事:宇南山宏
高橋刑事:牧野義介
新聞記者:近藤準
小池刑事:鈴木智
病院の外来患者:大村千吉
鑑識課員:加藤和夫
横浜駅の乗務員:沢村いき雄
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麻薬患者:菅井きん
麻薬街の女:富田恵子
麻薬患者:小野田功
中村刑事:田口精一
裁判所執行吏:松下猛夫
上野刑事:山本清
原刑事:児玉謙二
刑事:伊藤実
鈴木治夫
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監督 : 黒澤明
ナショナル・シューズの重役会議。会社の癌は社長だという。社長の理想は兵隊靴。重役たちは社長を”おやじ”と呼んでいる。馬場専務が次期社長が妥当な線ではないか。権藤は新製品の女性向けパンプスをナショナル・シューズの商品じゃない、こんなゴミを作ってはダメだと断じる。
歩きやすく丈夫な靴を作りたい権藤。重役たちは怒って帰ってしまった。ここは権藤の自宅? 妻の伶子は、ただならぬ雰囲気に権藤に事情を聞くが、仕事のことだと答えない。
権藤の息子たちはカウボーイの格好をして鉄砲遊び。
権藤は社長や専務になりたいわけでなく、作りたい靴を作りたい。
何者かと電話をし、すぐに大坂に行くと話を決めた。10時の飛行機で河西をやる。5000万円の小切手を持たせると話していた。権藤は持ち株を増やし、47%になる。おやじには負けない。家の抵当も入っている。
何もかも勝手に一人で決めて…
運転手の青木が息子が汗をかいたとタオルを持ってきた。権藤の息子と遊んでたのは青木の息子か。
突然、あんたの息子をさらったと電話が来た。連番でない1万円札で1000枚。五千円札で3000枚、千円札で5000枚のしめて3000万円用意しろ。警察には知らせないこと。お金なんてまたすぐ作れるとすぐお金を用意しようとしたが、権藤の息子、純が戻ってきた。さらわれたのは青木の息子・進一だった。人違いだとすぐ分かるだろうとすぐ警察に電話する権藤。
高島屋のトラックで作業員のふりをした刑事たちが権藤家に乗り込んで、戸倉警部がカーテンを閉めるように言う。身代金は多くて200万。たいてい20~30万。3000万は桁外れ。精神異常者かもしれない。
伶子は、青木親子が父一人、子一人であることを気にする。
誘拐犯から電話。子供を間違えたことに気付いたが、それでも身代金を出すように言う。金は出さないという権藤に子供を見殺しにするようなやつじゃないという誘拐犯。
きちがいが1人いるだけだ!←おっ、無音にならないのね。1番組で連呼するのはダメだけど2回くらいならいいとかあるのかなあ?
河西はそろそろ大阪に行かねばならず、権藤が行くよう促した。
再び電話。誘拐犯は進一の声を聞かせて、すぐ電話を切り、逆探知できなかった。進一の声を聞いた、青木は進一を助けてほしいと懇願するので、結局、大阪行きは明日に延ばした。
翌朝、カーテンを開けようとした権藤を注意する戸倉。一晩考えた権藤は、あの5000万円を今出さないと会社から投げ出されてしまうと身代金は払わないという結論に達した。しかし、お嬢さま育ちの伶子は権藤は見殺しにしないと刑事たちに言う。わがまま、ぜいたくと伶子の頼みを突っぱねる権藤。
権藤の家に来た河西に大阪行きを命じる権藤だが、河西は会社を乗っ取って子供を見殺しにしたら会社に悪影響だという。子供の命が大事と最もらしいことをいう河西だが、この取引がなくなったら自分の身も危ないと重役たちにすべて話していたことが分かり、怒った権藤は河西を追い出した。
戸倉は犯人から電話が来たら身代金を払うと言ってほしいと頼んだ。言うだけでいい。
青木は子供を殺すはずがない。進一はスキを見て抜け出すはずと権藤を励ましたものの、泣き出した。
シャワーを浴びていた権藤。そこに電話。昼日中にカーテン閉めて何やってんだと誘拐犯が指摘する。小細工してるんじゃないか?と疑うので、カーテンを開けた。子供の姿を見せろと条件を出す権藤に考えてみるよと電話を切ってしまった。
権藤は東京銀行の支店長に現金3000万を届けてほしいと頼んだ。1万円札が1000枚、五千円札が3000枚、千円札が5000枚。
金をもらう前に子供を見せるという。7cm以下の厚さのカバン2つに1500万円用意し、特急第2こだまに乗るように指定した。特徴的なカバンなので、犯人側が燃やすか水に沈めるかすると考えた戸倉が匂いや煙の出るカプセルをカバンに忍ばせるよう、権藤に渡すと、靴屋だが、見習工時代にカバンも作ったことのある権藤が伶子に道具箱を持ってこさせ、カバンに細工をした。
特急第2こだまに乗った権藤と離れた席に座る戸倉や刑事たち。あ、ここに木村功さんかあ。戸倉は「子どもは乗っていない」というメモを渡された。
ビュッフェの電話室に来るよう呼び出された権藤。コーヒーを頼むふりをして近くに来る戸倉。誘拐犯は国府駅を通り過ぎ、酒匂川の鉄橋のたもとで子供を見せる。そこで2等車の洗面所の窓からカバンを投げろという。特急者の窓は開かないが、洗面所の窓は7cmだけ開くことを犯人は知っていた。
進一の姿を確認し、カバンを投げた権藤。その後、進一と再会することができた。
刑事たちは犯人捜しに集中する。権藤の家は丘の上にぽっかり1軒だけ建っている。いつもいる大きな窓の並ぶ部屋は、かなり広々した間取りでマンションかと思った。丘の下は汚れた川と長屋。
誘拐事件の新聞記事を読む竹内。ラジオでは権藤を称賛する言葉が流れていた。誘拐犯の声…もしかして??
鉄橋のたもとで進一といたのは女。カバンを待っていたのは男。しかし、どちらも大きな麦わら帽子をかぶっていたため、顔は分からない。お手伝い達に権藤家に出入りしていた人で思い当たったら知らせてほしいと戸倉が頼んだ。
青木は進一に何が見えたか言えと叱責したが、戸倉は青木に息子を責めないよう注意した。
戸倉たち刑事と入れ違いに債権者がやってきた。浜村淳さんと西村晃さん。誘拐犯人には出して、われわれの金を踏み倒さないでくださいよと権藤を責める。
捜査会議
権藤邸の窓がよく見える地域と公衆電話を地図で示す中尾刑事と荒井刑事。進一に富士山と海を描いてもらい、太陽が描かれていることから神奈川の海岸線の夕陽ではないかと思われた。
手配番号の千円札は未だに見つかっていない。あ、名古屋章さん? 若い。目撃情報は多数あるが、間違いも多い。
田口刑事は重役に話を聞きに行ったが、権藤の悪口ばかり。しかし、工場の人間たちからの評判はよい。心底恨まれるような人物ではない。
横浜署ということもあり、田口のあだ名はボースン。前調べたときは甲板長と言ってたけど、この映画では水夫長と言っていた。
この映画も「日本のいちばん長い日」出演者が多いね。
本部長、捜査一課長もだ。志村喬さん、ほとんどセリフないなあ。
何回も誘拐犯との電話を聞き返す刑事たち。
青木は進一と誘拐された場所まで出かけていた。権藤は庭の芝刈り。田口刑事の乗っている車に無線が入り、犯人の車は魚の入った水たまりをはねとばしたことが分かり、腰越の魚市場に行った。
青木の運転する車は進一の話を聞きながら進む。
犯人のいる場所は近いと確信した田口刑事と荒井刑事。車を降りて歩いている青木親子を荒井刑事が止めた。
権藤から今日から暇になった。毎日工場へ行く必要がなくなったと笑いながら言われ、青木はいてもたってもいられなくなった。青木と話す間に進一がいなくなった。「父ちゃん、ここだよ」と丘の上の家の前にいた進一。
窓が開いており、おじちゃんもおばちゃんも眠ってると進一が言うが、男女2人は家の中で死んでいた。
2人ともヘロインによるショック死。腕におびただしい注射のあとがあり、元々麻薬中毒者であるが、使用したヘロインは純度の高いものだった。
ヤクをくれ、早くヤクをくれという脅迫文が残されていた。ヤクをくれないと、あの金を使うぞ。持っていた千円札250枚は権藤氏の千円札と一致した。別荘を貸していた人も分かったので身元も分かったが、共犯者が死んだことで主犯につながらない。
戸倉はマスコミに二人の死を報じることを禁じ、千円札がある地域で使われたと書いてほしいという。一方で、権藤氏が会社で受けた仕打ちを書き、ナショナル・シューズをたたかせた。
おっ、やっぱり竹内が主犯か。新聞にカバンの写真が掲載されたので、慌ててカバンから現金を出し、カバンを箱にしまった。
戸倉は250万を取り返したと権藤に報告した。そこに河西がやってきて、権藤を重役に残したと恩着せがましく言ってきた。飾りものの重役にはなりたくないと申し出を断る権藤に河西は帰って行った。
青木が進一が書いた似顔絵を見せた。サングラス、マスク姿だが、左手にハンカチを巻いていたという。
そんなとき、権藤の家の窓から外を見ると、桃色の煙が見えた。おっ! 白黒映画で煙だけ桃色。これが「踊る大捜査線」で使われた元ネタね。ようやく元ネタを見られた。
2作目の”カメダ”は「砂の器」だもんね。
正直、最近のは全くノータッチなんだけど、連続テレビドラマ時代からスペシャルドラマ、映画数作までは結構好きで見てました。
田口刑事がすぐ焼却炉に行き、誰が持ってきたのか聞いた。医者にしちゃ若いからインターンではないか? 病院に行った田口刑事たち。左手にハンカチを巻いた男を発見した。
竹内銀次郎。共犯者の男女は、かつて竹内の勤務する病院に来ていた。戸倉は今捕まえても15年の刑だが、極刑に値する。犯人を泳がせて再現させるという。
竹内は通りすがりの者から「ヤクをくれ」という手紙をもらって慌てた。様々な扮装をした刑事たちの前で戸倉が指示を出す。
夜の街をぶらつく竹内をそれとなく尾行する刑事たち。竹内は花屋で赤いカーネーションを1本買った。ヤクを買うための目印だろうという戸倉。
バー?に入った竹内は胸のカーネーションを目立たせるよう触り、カウンターにつく。そして、鏡越しに目が合った女性とホールで踊り始めた。
竹内は黄金町の麻薬街へ行ったと報告を受けた戸倉。あ、菅井きんさん! 竹内は苦しんでいる麻薬中毒者の女性に近づき、ドヤに入った。ドヤ? 旅館?
戸倉は竹内が女に薬を打って純度を試す気だと気付いた。刑事がすぐ竹内のいた部屋に乗り込むと、女は泡を吹いて死んでいた。戸倉の車の前に竹内が通りかかった。
竹内は靴屋のショーウィンドーの前にいた権藤に話しかけ、タバコの火をもらい、タクシーをつかまえようと手を上げていた。その後、腰越の別荘へ行き、「ヤクを持ってきたぞ」と話しかけたところを戸倉たちが出てきて逮捕した。
2,748万円を取り返したと報告に行った戸倉たち。2万円はヤクを買うのに使ったらしい。権藤家はすっかり片づいており、家はこれから競売にかけられる。
竹内銀次郎の死刑確定
という新聞記事が出た。
竹内は教誨師との面会を拒んでいるが、権藤には会いたがった。竹内と面会した権藤は小さな会社を任され、靴を作っていると竹内に報告した。竹内は私が死刑になってうれしいでしょう?と問いかける。権藤の豪邸を見上げているうちに憎らしくなった。
震える手を押さえ、クソ!と叫んだ竹内を刑務官が止めに来てシャッターが下りた。(終)
おっ! こんな終わりか! びっくり。でもハラハラドキドキ面白かった!
ほんとに、若いころの山崎努さんかっこいいんだよねえ。
「早春スケッチブック」あたりの中年もいいけど。
それにしてもHDD、あの1話だけが調子悪かっただけで、それ以降は何ともない。でも、せっかくもう新しいの届いたし、映画はあと1本だし…ちょっと複雑!



