本日放送💄
— 日本映画専門チャンネル (@nihoneiga) January 7, 2025
「#肉体の学校」未ソフト📀
◆1/8(水)よる7時15分~ほか
今月で生誕100年💐#三島由紀夫 原作のシニカルな恋愛ドラマ📕
当時29歳の #山﨑努 が
悪魔的な魅力を備えた青年を好演😌#岸田今日子 のコケティッシュな魅力も美しい🌹
美しい愛欲の世界を堪能🙏https://t.co/miLdys0DGl pic.twitter.com/XWK6PpMQFY
1965年 日本
あらすじ
裕福で自立した生活を送る3人の女性がゲイバーでバーテンとして働く青年に翻弄される、三島由紀夫原作のシニカルな恋愛ドラマ。“原作の会話スタイルが十分活かされている”と三島由紀夫自身も絶賛した、美しい愛欲の世界。29歳の山崎努が、悪魔的な魅力を備えた青年を演じる。月に一度食事会を開く3人の離婚女性たち。そのうちの1人、ブティックオーナーの妙子(岸田今日子)は、ゲイバーでバーテンとして働く青年・千吉(山崎努)に目を奪われる。お互いに束縛しないことを条件に妙子は千吉を引き取り、同棲を始めるが…。
2025.1.8 日本映画専門チャンネル録画
三島由紀夫原作の映画は以前見て、鳩に対して残酷なシーンがあって、もう見ない!と思ったけど、あらすじが面白そうでひかれてしまった。監督違うし!
蔵出し名画座なので評論家・川本三郎さんの解説付き。三島由紀夫のエンタテイメント作の映画化。文学座のスタートして活躍した岸田今日子が妖艶な魅力を見せる。このころ、テレビの「男嫌い」で茶の間の人気になっていた。山崎努も舞台出身。監督は若手の木下亮。凝りに凝ったカメラワークの連続で東宝の首脳陣に評価されなかったようで、このあとまもなく東宝を離れた。
東宝株式会社
製作:金子正且
*
脚本:井手俊郎
*
音楽:池野成
*
佐藤千吉:山崎努…字幕水色
*
室町聰子:中川ゆき
室町秀子:市川翠扇(松竹)
平敏信:山村聰
*
川本鈴子:木村俊恵
松井信子:東恵美子
室町:有馬昌彦
*
若い母:伊藤幸子
テル:佐藤晴彦
大使:アーネスト・A・リクター
大使夫人:マージョリー・M・リクター
親戚A:日塔智子
*
若い父:岡部正
中年の客A:鈴木治夫
料亭女中:記平佳枝
川島育恵
中林淳真
加藤よう子
ナレーター:久米明
*
監督:木下亮
離婚した女たちは、
自然に仲よしになる
ものとみえて、
浅野妙子も同じよう
な境涯の小グループ
を持っている
ナレーター<日本ではアメリカなどと離婚の条件が違うから離婚成金の女なぞには、そうふんだんにお目にかかれないが、この小グループの3人は、それぞれ裕福で自由な人目には結構楽しい生活を送っている。妙子は麻布・六本木に洋裁店を持ち、川本鈴子はレストランを持ち、松井信子は映画批評や服飾批評のようなことをやっている>
オープニングは白画面に黒い明朝体でキャストクレジットが出てシンプル。ナレーションの間は黒画面にダイヤの指輪が輝く。
<3人とも戦争前は日本の上流社交界の人間であった。もしも日本の敗戦がなかったら表向きは貞淑そのもののような顔をして「なになに夫人」で納まっていたに違いない。現在の自由で楽しい生活は敗戦と民主主義のおかげである。3人は折に触れて会うこともあったが、お互いにあれこれ忙しいので、月に1回例会を持つことにしている>
バーに集まる3人。元男爵夫人の妙子はパーティーに招待され、商売をしてきたと話す。貝塚という男も交え、若い男とのセ○クス話をする。妙子は男の体は、ちょっとでも柔らかかったら嫌、全身が張り詰めていて、叩けば弾くくらいがいい。隣に座った貝塚の肩を触り「まるでマシュマロね」とあきれ、信子たちが笑う。
信子は池袋の「ヒヤシンス」というゲイバーに行き、ステキなバーテンダーがいたと語る。妙子はゲイバーなんて気持ち悪いと言う。
結局、「ヒヤシンス」に行った3人。若いバーテンダーは山崎努さん。かっこええ! バーテンダーの千吉に興味を持ち、女1人でゲイバーに出入りする妙子。テルという店員から誰とでも寝るんですよ、あの子、と聞く。
カウンターへ行き、千吉を食事に誘う。
喫茶店で待ち合わせ。妙子の手が震える。遅れて下駄ばきで現れた千吉は腹減ったなあと言うので、居酒屋へ連れて行った。ビールに焼き鳥。
千吉はあの店に来る客は男でも女でもすぐいやらしいことを言ってくる。俺を面(ツラ)と体がいいだけのボケナス扱いしてくるとイライラしていた。しかし、60のジジイとも60のババアとも寝たことがあると語る。
若いころの山崎努さんってどことなく伊藤孝雄さんに似てるような? 声も似てる。
座敷席で横になった千吉の目から流れた涙を指ですくって舐めた妙子。ハッと体を起こして激しいキス!
千吉は妙子とパチンコに行きたがったが、妙子はパチンコは男のものと決め、店に入らなかった。店の前で立っていると見知らぬ男に話しかけられたので、店の中へ。千吉から玉をもらって隣の台で打ち始めた。しかし、すぐに玉が尽きたので帰った。
これでいいの。これでおしまいと夜の街を歩く妙子。
凝った映像ってこの辺の事かな。
喫茶店で待ち合わせた妙子と千吉。妙子は髪をおろしてかわいい感じだし、千吉はスーツをビシッと着こなし、フラメンコダンサーのいる店に行った。コートを脱いだ妙子は黒いタートルネックのシンプルな格好。
タクシーで会員組織のホテルに到着。友達に紹介されたけど、私は初めて、と妙子が言うが、ウソ。戦前の財閥の小さな分家の屋敷で妙子は子供のころ2~3度遊びに来たことがある。千吉は幽霊屋敷のようだと言うが、妙子にとってはきらびやかな過去。
ベッドの前でお互い服を脱ぎ合う。シルエットで表すとは、凝ってる。
千吉は21歳。欲しいものは金。なりたいものは金持ち。世の中は全て金というのは、ずいぶんロマンチックだと妙子は笑う。お金だけじゃない、お金にふさわしい俗物になりなさい、あなたは詩人、自分を男らしいと思っていると千吉を評した。
妙子は広いマンションで一人暮らし。オシャレ。鈴子と信子に会うと、若くなったと褒められた。私、あんなの見たことないと妙子も嬉しそうに話す。
妙子が「ヒヤシンス」に行くとテルから千吉が無断欠勤していると聞いた。どんな人と寝ているのだろうと想像し、行き先を麻布から新宿に変え、パチンコ屋に行った。
「ヒヤシンス」を辞めさせたい妙子はテルに相談する。テルは永遠にお姉様の味方よ、と相談に乗った。この方、女性らしいしぐさや言葉遣いが自然でホンモノ?
千吉の大学のそばのホテルに泊まった妙子と千吉。始業式で人が大勢歩いている。窓から見ている2人。千吉は妙子の肩を抱く。
ドレスアップした妙子と千吉。妙子は甥として信子や鈴子に紹介。室町夫人は市川翠扇さん。「ほんとうに」のあの強烈なばあさんね。
室町夫人の娘の聡子が隣の席に着くと照れたようにぶっきらぼうな口調になる千吉。
ファッションショーを見て、メモを取る妙子。退屈そうな千吉とテーブルの下で手を握る。下にものを落として拾おうとした聡子に見られた!
ルイーズに食事に行こうと誘った妙子に料理ぐらいてめえが作れ!という千吉。妙子は小さいころから料理をする機会がなく、前の夫の家にはちゃんとしたコックがいたため、慣れない台所仕事を本を見ながらやった。腹減った、腹減ったと手伝わない千吉。食事ができると千吉にうまい!と言われて安心したような表情をする妙子。
食後、ゆったりくつろぐ千吉。妙子にとっては珍しいことで千吉にとっては長年の憧れ。大人の男女が追いかけっこできるくらい広い部屋。カラーで観たらどんなにおしゃれな部屋なんだろう。
同棲したことのない妙子が千吉に一緒に住まないかと誘った。リヤカーで荷物を運んできた千吉は俺の自由を縛らないでほしいとお願いした。
1週間学校へ通い続けたり、おしゃれして出かけて遅く帰ってきたり、それでも毎日帰ってきたが、ある晩、千吉は帰らなかった。
こんなはずじゃなかったと起きてきた妙子はラジオをつけた。けたたましい笑い声、英語…ラジオを消し、冷蔵庫を開け、つまみ食いをし、同棲をやめようかと思う。
部屋中の灯りをつけ、別れようと思いながら、丁寧にマニキュアをつける妙子。
千吉が帰ってくると、すがりついて泣いた。お姫様抱っこで妙子を運び、ゆうべは友達と飲んでそのまま泊まった、泊まる必要はなかったけど、泣き顔が見たかったという。
妙子は2つお願いがあると言い、旅行に行くこと、そしてほっぺたを拝借、とビンタした。
今度の旅行に、妙子
は何ものかを賭ける
気持でいるのに、旅の
目的地に関して、二人
の意見はなかなか合わ
なかった
妙子はなるべく遠いロマンチックなところへ行きたがったが、千吉はネオンサインのある場所がよく、田舎町に見向きもしなかった。
浜辺を歩く妙子と千吉。ネオンがあってパチンコがあって温泉があって静かな宿があってという千吉の希望通りの街は熱海しかなかった。千吉から「あした話すよ」と言われ、別れ話と察する妙子。
無理心中でもいい、私が千ちゃんを殺せたら…コップの水に粉末を入れる映像。
髪のなびく映像と手元だけ映して男女の営みを表現。
翌日は、のーんびり外を眺めてる2人。別れ話をされる前に先手を打たなければ…と思う妙子は第三者の関係を認め合い、大人の恋愛を続けることを条件を出した。千吉は、すげーこと考えるんだなと言いつつOKを出した。
帰りの車で千吉が言いたかった「あした話す」という話は、前に女と一泊旅行をしたときに殺されかかったことがあり、妙子もそうではないかと思ってたということだった。妙子は笑い出し、お望み通り殺してあげたのにと言う。
3人の例会。妙子は鈴子や信子に浮気相手を求めた。千吉とタイプの違う、中年の男。紹介された中年男と自身のマンションで向き合う妙子。心の中では、今、千ちゃんが入ってきたら追い返すのにと思っていた。
後日、千吉には浮気しちゃったわと軽く話す。
あ、浮気相手は山村聰さんだった。この時代にこんなおじさんなんだ!? 山村聰さんも「ほんとうに」に出ていたな。
料亭のようなところで妙子は平という中年男といて、千吉は聡子を連れてきた。ショーが終わった後、聡子から千吉を誘ったとペラペラ話す。千吉は突然、僕たちの仲人をしてくださらないかな?と聰子の手首をつかんで持ち上げた。
マンションに帰って泣き崩れる妙子。
その後、 妙子にも
だんだん事情が呑み
こめてきたのは、聡子
の母の秀子が、さり
げなく妙子を食事に
誘ってからだった
妙子と室町夫人が会っていた。千吉は室町夫婦に妙子とは同棲している仲と告白し、つまらない町工場の息子で親父が倒産して、学費が出せなくなり、アルバイトを始めた。妙子と知り合い、保護を受けるようになったが、聡子と知り合い、恩も義理もない愛情に初めて会った、聡子には指一本触れてない。聡子の清らかさに自分の偽装が嫌になった、ありのままの自分をさらけ出さずにはいられなくなったと涙ながらに話す。
父は聡子の思いを聞いた。聡子もホントのおばとは思っていなかった。千ちゃんを救い出したかった、これから暗い過去を清算すると思うと話した。
室町夫人は妙子に千吉を養子にして浅野家の人間にしてほしいと頼んだ。
「ヒヤシンス」のテルに励まされる妙子。テルはとっておきの切り札だと封筒を渡そうとしたが、千ちゃんの不幸のために使うならタダであげる、仏心を出して焼き捨てるつもりなら50万払ってと言う。妙子はやっぱり許したいけど、50万は払うというが、テルは私も千ちゃんのことは好きでたまらなかったのと50万は払わなくていいと封筒を渡した。
写真は何が映し出されていたかは不明。妙子はそっとしまった。
テルはこれからのお姉様の人生に興味があるという。妙子はテルはどうするのか聞いた。テルはこの店にずっといるというが、妙子は女と結婚したらいいという。女? いやらしいと嫌がるテル。
マンション
一世一代の芝居が当たったのねと指摘する妙子に千吉は同意し、握手を求めた。妙子はバッグから封筒を取り出し、遠くから見せた。動揺する千吉。これを室町さんに送れば結婚どころじゃないと脅す妙子。
千吉は妙子に頭を下げて、謝り、あの家でまともな暮らしがしたかったと言う。親父が没落してから熱くならずにクールにと情熱を持たずに生きてきた。妙子は千吉の縮こまった姿を見て惨めな正直さに気持ちが醒めた。
この時代にアイランドキッチンか~。ガスに火をつけて自分で燃やすように写真を差し出した。写真はすべて燃えた。泣きながら妙子に抱きつき、ありがとうとお礼を言う千吉。ずっと愛してたんだよとキスしようとした千吉をかわし、今日は帰りなさい、養子の手続きは明日しましょうと追い出した。
3人でボートに乗る。鈴子「あなたっていちばん勇敢ね」、信子「怖がらないんですもの」と言われた妙子は「そりゃそうよ」と晴れやかな表情。
私は もう学校を
卒業したんだもの(終)
オッシャレーな映像と話。あんまりオシャレ過ぎて、ちょっとだけ退屈になった瞬間もあったものの岸田今日子さんと山崎努さんの演技に見入ってしまった。とにかく山崎努さんがカッコよくて。たまにはこういう話もいい。
