◤没後10年 我が美わしの原節子◢
— 日本映画専門チャンネル (@nihoneiga) September 23, 2025
明日は
「#姉妹の約束」
◆9/25(木)よる6時~ほか
オルコットの「若草物語」を翻案🍀
父の留守を守る母親と三人姉妹の家族が
逞しく生きていく物語🏠
お転婆で勝ち気な次女を #原節子 が生き生きと熱演🌼#花井蘭子 #英百合子 #若原春江https://t.co/pbMcW4FhI5 pic.twitter.com/QfS10zurqm
1940年 日本
あらすじ
父の留守を守りながら、母と三姉妹でたくましく生きる姿を描いた人間ドラマ。岡村家は、軍医として父が応召され、母(英百合子)と3人娘(花井蘭子・原節子・若原春江)で暮らしていた。ある日、隣りに大岩老人(小杉義男)とその孫・喬(中村彰)が越して来る。やがて互いの家族は親密になっていき・・・。元気で勝ち気な次女・幸子役を原節子が熱演。

2025.9.25 日本映画専門チャンネル録画
東宝映画株式会社
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山下與志一作
姉妹の約束
氷室徹平製作
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音樂:服部正
演奏:P・C・L・管弦樂團
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長女・房子:花井蘭子…字幕黄色
次女・幸子:原節子…字幕水色
三女・春実:若原春江…字幕緑
母・里子:英百合子
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野上英夫:大川平八郎
大岩権之助:小杉義男
孫 喬:中村彰
小川廣:小髙たかし
婆や:馬野都留子
・彫刻・第三部會賛助出品
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演出:山本薩夫
男の子たちが遊んでいたボールが坂道を歩いていた幸子のもとに転がってきた。「放るわよ」と腕を回す。
男の子「君、君! ここまで届くかい?」
年上女性に向かって、”君”ってなんか偉そう。
幸子が腕をグルグル回しながらボールを投げた。
男の子「ストライク、ワン!」
1940年…昭和15年、普通に英語が出てくるね。
幸子が自宅へ向かって歩いていると、近所の家に荷物が運び入れられているのを目撃し、自宅へ駆け込んだ。
診療科目
内科
小兒科
診察 午前 宅診
時間 午後 往診
×日曜祭日午後休業
岡村醫院
醫學士 岡村修三
しかし、正門の門扉は閉ざされており、
應召につき
休診中
という札が下がっている。應…応の旧字体。慶應で出ることに気付いた。
幸子が帰ると、妹の春実が子猫を抱っこして2階の階段を下りてきた。姉の房子は台所で料理を作っていた。幸子が前の空き家に誰か越してきたと報告。どんな人か分からないが、あんな家を買うくらいだから金持ちだろうと予想する。
房子は、とってもキレイな新婚のご夫婦と予想するが、幸子は思想家か小説家がいいと言う。春実ちゃんは音楽家ね、と房子が言うと、幸子は荷物の中にピアノがあったことを思い出した。話に夢中で土鍋が吹きこぼれる。おお、この家、ガスを使ってる。
「くたびれた」とワンピースのまま縁側に寝転がる幸子。「若草物語」でも次女は、おてんばキャラだもんね。春実は、どんなピアノか気にし、ピアノが好きなだけ、と膝に乗せていた子猫を持ち上げて顔を寄せる。
いつの時代も猫は可愛い。
房子にどこに行ったか問い詰められる幸子。房子は今朝の新聞の求人欄を切り抜いていたことを知っていた。幸子は「姉さんのようにうちん中でいろんなことすんの向かないんですもの。これ、私の性格だからしかたないと思うわ」と母に内緒で出かけていた。
房子は知らない男の人や女の人が大勢いる所で働くなんて体裁が悪いという。
幸子「体裁なんて問題じゃないわよ。私は働いて、少しでも、うちのために尽くしたいのよ」
しかし、今年の春、医専の試験を途中ですっぽかしたことを房子に突っ込まれる幸子。お医者様なんて柄じゃないと答える幸子。
房子「お父さんが出征なさるときに、あんなにハッキリお約束したんじゃないの。あんたはワガママでむらっ気でまるで男の子みたいよ」さらに「あんたは乱暴娘」と続ける。
幸子「お姉さんは見え坊で…」
春実「ケンカしちゃ嫌」
房子と幸子は笑い合って終わり。
母の里子が帰ってきた。里子は割烹着に「大日本國防婦人會」のタスキをかけている。
子供たちは里子を気遣う。
幸子「疲れたでしょう」
里子「いいえ、兵隊さんをお見舞いするのに疲れるなんて…『全快したら、もう一度、戦地へ行きたい』とおっしゃるのを聞くと、私たち、もっと緊張しなければ恥ずかしいですよ。ああ、今日は、お父さんにお手紙書く日でしたね」
ミチというのが子猫の名前。幸子の子猫の持ち方がちょっと乱暴でびっくりした。「こんなんでネズミ、捕れんのかしら」と首根っこを持ってブラブラ。「ミチ、しっかりしてね。うちにはお前しか男の子がいないんだからね」…この時代、仕方ないとしても、ちょっとな…犬猫を出さなけりゃ気にならないのよ。
里子「さあ、お父様にご挨拶しましょ」と食事の前に、壁にかかっている父の写真の前に正座する。
それぞれ父に手紙を書く。
房子「お父さまがご出征なさいますとき、『姉妹(きょうだい)仲良く』とおっしゃったお言葉に、またまた背きまして、今週は4度も幸子とケンカをしてしまいました。そのあとで房子はいつも後悔してしまいますの。房子は、どうして、こう、気が弱いくせに見え坊なんでしょう。本当に嫌になってしまいますわ」
幸子「親愛なるお父様。まず、お父様のために万歳三唱。幸子、ステキな夢を見ましたのよ。お父様が野戦病院で颯爽と働いてらっしゃるんです。そのそばの白衣(びゃくい)の天使がなんと、私なんです。うれしいと思った瞬間、目、覚ましてしまいました。この間のお手紙のご返事、まだですのね。幸子、毎日、待ってますのよ。私は、ホントに働きたいんですの。うちには娘が3人もいるんですもの。真ん中の私ぐらい働くのが当然だと思いますわ」
春実「お父さまからのご返事がないので誕生日に頂いた猫にミチという名前をつけました。名付け親は幸子お姉様です。ピアノのほうは一生懸命に習っています。来月から臨時試験が始まりますの。祈っててくださいね」
里子「娘たちは優しく、私をいたわってくれますので誠に心丈夫で私は毎日を幸福に過ごしています。うちのことは、どうぞご心配なく、十分にお働きくださいませ。なお、御地の夜は冷えますとのこと、くれぐれもご自愛くださいませ。里子より」
それぞれ手紙を読み合ったが、里子が幸子の手紙をもう一度読んだ。
幸子は布団をかぶって泣いていた!?
房子「お母さんは、お叱りになったんじゃないのよ。あなたが独り決めでお仕事探してること、あんなふうに書くとお父様がご心配なさるとおっしゃっただけ。分かってるんでしょ?」
春実「そうよ、お姉さん」
布団から顔を出した幸子は、お母さんに言われるまで気が付かなかったのがちょっと恥ずかしかったのだと笑顔になっていた。泣いた、泣かないと言いあう房子と幸子。
房子「あら、あんなこと言って。もうせん、竹馬に乗って、お父さんに見つかって、お尻ぶたれて押し入れの中へ押し込められたとき、とっても大きな声で泣いたじゃないの」
もうせん???
幸子「お姉さん、もうせん、前髪短く切りすぎて3日ぐらい鏡の前でベソかいてたじゃないの」
当時はやった言葉遊び?と思ったら、もう先(せん)…だいぶ前、ずっと前、という意味だそう。へえ~。
布団から出てはしゃぐ2人に母から「静かにして、お休みなさい!」の声。3人は一緒の部屋で寝て、母だけ別の部屋なのね。
朝、ラジオ体操が流れている。幸子だけ寝ており、房子が無理やり布団をはいだ。外でラジオ体操する幸子。バケツで水やりをしていたが、最後にバケツの水を道路にぶちまけたときに、学生服の男性に思い切りかかってしまった。あんな水のかけ方、あるかよ。乱暴すぎる。
学生服の喬は「いや、大丈夫です」とハンカチを取り出して拭くが、そんなレベルじゃないほど、水かぶってるから! 幸子は謝り、バケツを放り出して家の中へ。房子が廊下掃除していた雑巾を取り上げて、家の外へ出たが姿は消えていた。雑巾で拭こうとしてたのか!
ラジオ:アナウンサー「…共産第八路軍の巣窟をついて、去月20日以来、峻険(しゅんけん)な山岳地帯を突破。攻撃を開始した、我が…」
向かいの家に引っ越してきた大岩権之助という人が岡村家に挨拶に来た。侍みたいな名前だと春実が言う。
幸子「それも敵役の感じだわ」
明日の日曜日にお訪ねするとお約束したお気の毒なおうちがあると里子が話した。ご主人が出征し、赤ちゃんが産まれたばかり。お子さんたちは小さいし、ご近所の方がみんなでお手伝いしていて、みんなで行くことになった。
本家、「若草物語」でもあったね、こういうの。
房子はキャラメルとドロップ、春実は、お人形と赤ちゃんの乳首(おしゃぶりのことだろうか?)、幸子は子供たちを洗濯するために石けんを買って、その家へ向かう。
出征軍人家
小川將夫
表札の隣にこういうプレートのようなものも出しとくんだな~。初めて見た。
塗装屋で家の中はボロボロ。小さな子供が数人いる。
ユキは布団に寝ている。「なんとお礼を申し上げてよろしいやら、奥様」
うちわでユキをあおぐ里子。「いいえ、お互いですもの。あのご不自由なことがございましたら、ご遠慮なく、この子たちをお使いくださいまし」
ユキ「ありがとうございます。ホントにご立派なお嬢様方で、奥さまもお幸せでいらっしゃいますわね」
里子「さあ、なんですか」
並んで正座している姉妹は照れ臭そうに笑う。
房子は女の子の靴下を繕い、幸子は廣(ひろ)という男の子の体を庭で洗った。痛がる廣に「なんです、男の子のくせに。戦地にいる、お父さんのこと考えてごらんなさい。しゃんとして! ダメよ、動いちゃ」と背中をゴシゴシ。春実は赤ちゃんを抱き、ハミングする。
ミチがお隣の家に入ってしまったと騒ぐ春実。幸子が捜すことにした。
大岩権之助の家
大岩「思ひぞ出ずる 壇の浦の
その船いくさ 今は はや
その船いくさ 今は はや
閻浮(えんぶ)に帰る 生死の
海山 一度に震動して
船よりは鬨(とき)の声
陸には波の楯(たて)
月にしらむは 剣の光
潮(うしお)に映るは 兜の星の影」
大岩は正座し、目の前の小さな机の上に本を開き、歌っていた。こういうの、歌っていうの!? しかし、口パクっぽく感じたな。
幸子は、こっそり庭に入り、ミチに呼びかけたものの、ミチは縁側に上がってしまった。
大岩「誰だ! 誰じゃね。無断でけしからん」庭に出てきた。
幸子「あの…猫が」
大岩「この猫じゃな?」首根っこを持って持ち上げてる。
幸子「ええ」頭を下げると、大岩が手を放した。幸子の手の中にミチを落とした。
帰ろうとした幸子に誰かと聞く大岩。隣のうちの岡村幸子と名乗った。
大岩「おー、岡村さんか。出征しておらるるのは、あんたのお父上かな?」
幸子「ええ」
大岩「ふーん。まあ、こっちへおいで」
なかなか戻らない幸子が心配になり、春実は家に戻って房子に報告に行った。
大岩家
大岩「日露戦争の頃はな、今のような飛行機も戦車もない。だが、わしらには立派な大和魂があった。肉弾に次ぐ肉弾じゃ。敵軍目指して壮烈な突撃を敢行した。斬って斬って斬りまくったもんじゃ。いっぺんに10人も斬ったからな」
幸子はミチを抱きながら話を聞く。
大岩「うん、そうじゃ。不思議に生き残って老いさらばえてはいるが、軍人の魂だけは失わんつもりじゃ」
幸子「父だって医者ですけど、立派な軍人ですわ」
大岩「うん、そうじゃろう。そうでなくちゃならん。ところでどこにおいでじゃな?」
幸子「中支にいます」
大岩「うーん、中支か」…今の中国の華中あたりを指すそう。
そこに学生服の青年が帰ってきた。幸子は目が合い、笑いをこらえる。
大岩が幸子を紹介し、青年を孫の喬だと紹介した。
婆や「あの、旦那様、お電話でございます」
大岩が退室し、幸子と喬が2人きりになった。さっき、大岩がいたのは純和風の部屋だけど、応接間は暖炉もあってソファセット、ピアノもある洋風な部屋。
幸子は笑い出す。
喬「どうしたんです? 嫌だなあ」
幸子「でもね、まさか、あなたが…アハハ…」
喬「あなたも相当、人、悪そうだな。この間は僕がボンヤリしてたんです」
幸子「いいえ、私がうっかりしてたんですわ」
大岩は気に入った人だと初対面の人にも手柄話をするという喬。部屋には若い頃の大岩の写真が飾られている。「人によっては脅かしの利く顔」だと幸子が言っているのを部屋に戻ってきた大岩に聞かれたが、そのあと、でも、親切そう、私、好きだわとも言っていたので、大岩は「わしもあんたが好きじゃよ」と言って笑った。
おじいさん役だけど、若い感じがするな?と思ったら、小杉義男さんは1903年生まれだから当時37歳! どうりで。喬役の中村彰さんとは13歳しか違わない。
春実が房子の手を引いて大岩家に向かう。
幸子はピアノの上の写真立ての人物は誰か尋ねた。
喬「死んだ妹です。おじいさんの大の気に入りだったんです。ピアノが上手な子でしたよ」
幸子「まあ、そうでしたの。私の妹もピアノが大好きですわ」
婆やがお姉様と妹様がお迎えに…と応接間に入ってきた。大岩は、通すように言い、房子と春実が入ってきた。
房子「はじめまして。幸子さん、長くお邪魔しちゃって」
まーた、幸子はミチの首根っこ持ってニコニコしちゃって!
大岩「妹さんは、なかなか活発な娘さんじゃな」おとなしい春実を見て、百合に似ておらるるようだと喬に言った。
ピアノの上にセーラ服を着た百合の写真とミチが並び、春実がピアノを弾く。
幸子が拍手を送り、大岩は、うまいもんじゃと褒めた。「時々、うちに弾きに来てくれんかな?」と話しかけた。幸子は喜ぶが、春実は、うつむいたまま。しかし、房子や幸子にうながされ、立ち上がって「ホントにありがとうございます」と頭を下げた。
帰り際、男の人の部屋を見たことがないという幸子は喬の部屋に興味を持った。房子と春実は先に帰り、幸子だけ2階の喬の部屋を見に行った。殺風景と言いながら、部屋をウロウロ。「工学の本ばっかりだわ」カーテンに覆われた本棚も見る。「あら、小説も随分持ってんのね」
急にカーテン開けたりしてヤベー本があったらどうすんの!なんて思ったりして。
幸子はコチコチの勉強屋さんじゃなくて安心したと笑う。小説は、おじいさんがやかましいからカーテンで隠している。幸子は春に医専の試験を受けさせられたが、落第したと話した。お父さんには気の毒だけど、ホッとした気持ち。
幸子の気持ちを研究に値するという喬に部屋に鏡があることを研究に値すると言って笑う幸子。男なのに部屋に鏡があるってことが、そんなに変なことだった時代!?
喬は理系っぽいので、今後、出征することもなさそうかも。でもな、三姉妹の父みたいに医者になったら、そうも言ってられないか。
里子もお礼かたがたご挨拶に行ってくるというと、幸子は家に招待したらどうかと提案した。
各家の前に日の丸が掲げられ、空では戦闘機の飛行音がする。庭で花を摘んでいた幸子は、空に向かって「バンザーイ! バンザーイ!」と叫び、手を振る。
案外、戦時色の強い映画なのねえ。
家に戻った幸子は花を花瓶に生けた。
春実「姉さん、サンドイッチ随分大きいわね」
幸子「形式より内容よ」
房子はおめかししていた。
幸子「お姫様、どちらへお出かけ?」
房子「幸子さん、ふざけないで。早く着替えなさいよ」
幸子はワンピースにエプロンを当てていて、そのままでいいという。お客さまに悪いという房子。着物姿の喬がスーツ姿の野上英夫という男を連れてきた。大岩はリウマチのため、来なかった。
野上は大学病院で働いている博士の卵だと喬が紹介した。喬の中学時代の家庭教師で今でも頭が上がらない。
房子がお菓子、幸子がサンドイッチを作り、お盆に乗せて持ってくると、喬はサンドイッチのほうが腹が張りそうだと食べ始めた。お菓子って何だろ? 遠目からしか映ってないけど、黒っぽい。喬もお菓子を食べ、房子を料理が上手だと褒めた。サンドイッチは誰が作っても、そう、味の変わるもんじゃないと笑う。
春実は大岩の見舞いに行った。大岩は起きて、盆栽の世話をしていた。「死んだ百合は、あんたほどいい子じゃなかったが、わしの面倒をよく見てくれましたよ」
春実「おさみしいでしょう、おじい様。百合子さんの代わりにあたしにできることがございましたら、なんでもいたしますわ」
大岩「ああ、ありがとう」
大岩はピアノを聞きたがり、春実が肩を貸して、応接間まで連れて行った。ミチが後ろをついて歩いてるのがかわいい! でもジジイはちょっと気持ち悪い。肩借りるほどならおとなしく寝てろ。
今度は喬が幸子たちの部屋を見に来た。幸子が一番、本を読む。だけど、一番なげやりでだらしがないと分析。
房子は野上とアルバムを見ていた。次のページを開こうとした野上を止める房子。「あっ、この次、ご覧になっちゃ嫌」。ダメなの、と照れる。次のページは赤ちゃんの写真だった。う~ん、お金持ち。なんだかんだ盛り上がっている2人を見て、様子を見に来た幸子の顔が曇る。
春実がピアノを弾くのをじっと聴いている大岩。ミチを抱っこしてる。
春実、ピアノが弾ける人っぽいなあ。
月夜。幸子はベランダに出て空を見ていた。房子、春実も起き、房子がベランダに行った。幸子は「もし、お父さんが名誉の戦死をなさったとしたら、私たちどうすればいいのかしら」と月を見ながら房子に聞く。お母さんが独りぼっちになる、お母さんと私たちだけで誰もお母さんを見てあげる人がいない、私たち3人でいつまでもお母さんを見ててあげましょうね、と涙を流す。「私、お母さんを寂しい目に遭わしてあげたくないの。ねえ、お姉さん、私たち3人は、いつまでも今のままで、お母さんと一緒に仲良く暮らしましょうよね」と房子、春実と約束し合った。
春実は廣、廣の妹2人と手をつないで並んで歩きながら、歌っていた。
♪昨日陥(おと)した トーチカで
今日は仮寝の たか鼾(いびき)
馬よぐっすり 眠れたか
明日の戦は 手強いぞ
廣「お姉ちゃん、また来てね!」と子供たちと別れて、坂道を登り、家に帰る春実。春実だけはまだ学生。
幸子は帰ってきた春実に目をつぶるように言い、手拭いで目隠しをして、部屋まで連れて行った。
房子「はい、お姫様のご入場」
春実の目の前にはピアノ! 大岩がくれたのだという。この家にも洋間があるのね~と思ったけど、どうも棚の感じやカーテンなどを見ると、診察室っぽいな。喬も来ていて、春実がお礼を言う。春実は喬、房子、幸子の前でピアノを弾いた。
少し離れていたところで見ていた里子もうれしそうにし、夫から届いた手紙を読み始めた。「お手紙ありがとう。お父さんもいよいよ第一線に出ることと思う。長い間のお父さんの希望であった第一線だ。別に改まって言うこともない。ただ、私の言ったことをみんな、よく覚えていてくれると信じている。お母さんを大事になさい。そして、みんな日本の娘としての義務を果たしなさい。お父さんは、みんなが立派な誇りに満ちた娘であることを心から願っている」
里子にすがって泣く春実。
房子「私、お父さんのおっしゃるとおりの娘になってみせるわ」
幸子「なんだか私、お父さんに叱られてるような気がするわ。ワガママな勝手ないけない子だって。でも、お母さん、私、立派な、いい娘になろうと心がけてんのよ」
里子が手紙を読み始めた時から、少し離れた場所で見ていた喬は、うつむき加減。おじいさんと2人きりで妹も亡くし、両親はいないんだろうか。
里子は根を詰めてマフラーを編んでいる春実を気にする。
幸子は籐の椅子に座り、テーブルに足を乗せて本を読んで笑っている。房子は、もうすぐ喬と野上が迎えに来るから着替えるように言う。今、とっても面白いことだと笑っている幸子。「私たち、若い者は、あの婦人連の口にする、いわゆるざあます言葉こそ、どうにしかしてもらいたいものだと痛切に考える。あれを聞いていると、まったく、虫唾が走ります。まあ、お久しぶりでござあますこと。いかが、お過ごしざんして。わたくしは相変わらずなんざますのよ。このスピーディーな世の中でざあます、ざあますの…」
またワガママが始まったとムッとする房子。絵を見に行くのだから、これで結構だとワンピースを引っ張る。しかし、里子に言われて仕方なく着物に着替えることにした幸子。着物を肩にかけ長い裾を見て、だから着物って嫌いだわと愚痴る。
美術館へ行った房子、幸子、野上、喬。
幸子は喬を引っ張って、「あなたは秘密を守れる人なの?」と聞く。幸子はハンドバッグから紙(ハガキ?)を出して見せた。
喬「ふーん、職業婦人か。君にもこんな才能があったのかい」
幸子「どう? いけない?」
喬「いいさ、おめでとう」
ナイショだと口止めすると、今度は喬が房子のことを、お嫁に行く人が決まっているか聞いた。おじいさんに頼まれたとニヤニヤする喬。幸子が相手を聞くと、喬は房子と一緒に絵を見ている野上を見た。
野上「お疲れじゃないですか?」
房子「いいえ、ちっとも」
野上「なかなか、いい絵ですね」
房子「ええ」
幸子は房子を引っ張り、疲れたから帰ろうと言う。房子は仕方なく、名残惜しそうに野上に頭を下げて去っていった。
喬「おかしいですね、急に」
野上「なあに、あの姉妹は仲が良すぎるからだよ。なんでもないことさ」
春実がまた大岩の家に遊びに行った。すっかり元気になったと言う大岩にマフラーをプレゼントした。大岩は「今年の冬は助かるよ」と感謝し、お礼を言った。
里子が1人でいると、電報が届いた。里子はトランクに荷物を詰め、春実は泣いている。房子、幸子が帰ってくると、里子は、お父様から電報が来たと言った。「負傷なすって、今、福岡の病院に送られていらっしゃるんです。急にお悪いようなんです」
喬が車を呼んでくれていて、里子は荷物を持って出ていった。
大岩「夜は宅の婆やを寄こします」と言い、向かいの退役軍人からだと見舞いの品を渡した。一升瓶に見えたけど、よく分からない。
娘たちだけの夜。幸子は3人の約束を話し、今が一番大事な時だと思うと房子や春実に話した。突然、戸が開き驚くが、大岩家の婆やがやってきたと分かり、一安心。
里子から手紙が届いた。「みんな元気で何よりです。お父様は、その後、順調です。あさって、腹部の手術があります。それが一番の難関です。でも、みんなは心配しないで元気に暮らしてください」
市場で買い物してきた房子と幸子、春実はいつものように廣たちと会い、家に帰った幸子は庭で洗濯していた。喬は慰問品だと言って、蒸かし芋を差し入れた。半分に折って、幸子の口に入れる。仲、いいなあ。
庭で縄跳びして遊ぶ姉妹と喬。春実、ミチを抱いたまま飛ぶのはヤメテ!
廣が岡村家に駆け込み、赤ちゃんが死にそうだと泣き出す。雨が降る中、傘もささずに泣きながら帰ってきた春実。往診に来た医師は里子に伝えるべきだと言うが、房子は「お父さまがお悪いんだから、お知らせしない方がいいでしょ」と幸子に言う。徹夜で看病したのがいけなかった、私が代わればよかったと幸子は後悔する。
房子は野上を呼んでおり、野上がカンフルを打った。野上が医療行為を行ってもいいんだ!? 廊下で泣いている房子。野上と一緒に来た喬は大岩に伝えに行き、野上は泣いている房子を慰めた。
春実の様子を見ていた幸子が部屋を出て、1階の階段下で寄り添う野上と房子を目撃。幸子は房子だけを呼び、春実の部屋に行こうとした野上に「あなたに春実を診ていただきたくないの」と拒絶。
幸子「春実は死にかけてるのよ。死ぬかもしれないわ。それに…それにお父さんだって…お姉さん、昔とまるで変わってしまったわ。私たちの約束を忘れてるんだわ。お姉さん、野上さんが好きなんでしょう? ねえ、お姉さん、私たち2人で春実を治すのよ。どんなことがあっても春実を治さなくっちゃいけないわ。お母さんがいらっしゃれば…お母さんが…でも、私、誰にも助けてもらいたくないわ。誰にも。春実ちゃん、春実ちゃん、死んじゃいけないわ。死んじゃダメよ。お姉さんたちがきっと治してあげるわ」
房子は約束は忘れていないと言う。
野上は、2階の様子が分からずヤキモキ。喬もウロウロ、婆やは台所で氷を割っている。大岩もピアノの前でウロウロ。
春実の部屋にいる房子と幸子。氷枕がずれ、幸子は「死んじゃダメ」と何度も呼びかけた。野上、喬、大岩が部屋に入ってきた。野上は「熱が引きましたから、ご安心なさい」と笑顔になった。昏睡状態なのだという。
幸子と房子に乱暴なこと言ってごめんなさいと謝った。
里子が帰ってきた。喬が勝手に知らせていて、「あんた、やっぱり男の子だわ」と幸子が感謝した。
お父様の手術の経過も良好だと里子が言うので、春実も笑顔になった。
診察室に呼び出した里子は房子に結婚の話をした。父に話すと、房子の意思が一番大切だからと言っていたと伝えるが、房子は結婚話に消極的。
幸子が窓辺の椅子に春実を運んできた。このシーン、何気にすごい! 幸子が1人で春実を抱えてるんだもん。いくら、春実が小柄と言ってもさあ!
里子は娘たちの前で房子の結婚話をした。春実はすぐに野上と分かり、賛成した。幸子の表情は曇るが、里子は「あなたたちが幸せな結婚するということが一番、お母さんには、うれしいことなんですよ。女の本当の幸せというのは、それから始まるんですからね。自分の娘がお嫁に行く。それがお父さんにもお母さんにも一番、うれしいことなんですよ。分かりました?」と語りかけた。
幸子は2階へ駆け上がって泣いた。
喬と並んで歩く幸子。房子の結婚が決まり、式は来年の春。
幸子「女の姉妹って寂しいものよ。二度と元のようには帰れないわ」
喬「女は、お嫁に行くのが当たり前じゃないか。君は少し潔癖すぎるよ」
幸子「違うわ。私、お嫁になんか一生行かないわ」
喬「そんなこと、できるかい」
幸子「できるわよ。私、来年、医専の試験を受けるつもりよ。受かったら、あんた、診てあげる」
喬「いや、お断りするよ。僕は、まだ命が惜しいからな」
春実がピアノを弾き、房子と幸子が見ている。
里子が電報を受け取り、「お父さんがもうじき帰ってらっしゃるの」と報告した。
春実がピアノを弾き語り。
♪今ぞ帰る 優しの父は
誉れも高き 我が勇士
軍隊行進曲に合わせて、房子と幸子はハミングして里子を囲む。
♪皆(みんな)で迎える 楽しい我が家
勲かがやく 我が勇士
窓の外は雪が積もり始めた。(終)
春実さん、ピアノも歌もうまい。若原春江さんはタカラジェンヌか。なるほど。
四姉妹が三姉妹になってるけど、原作の「若草物語」に結構忠実なような? 原作も南北戦争が舞台背景にあるから、かぶるところがあるもんね。
この映画だと三女は亡くなるんだけどね…
以前見た「指導物語」という1941年の映画とこの映画はキャストがかぶってる。「指導物語」でも若原春江さんは原節子さんの妹だったし、中村彰さん、小杉義男さんも出ていた。あ、婆やの馬野都留子さんも。
字幕黄色が房子だったけど、どう見てもヒロインは幸子だと思うけどなあ。「東京の女性」が全く戦争の匂いがしなかったのに対し、こっちは結構、戦争が生活に入り込んでいた。でも、英語は普通に使ってたけどね。
