TBS 1973年1月11日
あらすじ
ひとり娘を嫁がせた友(山岡久乃)は、さびしさをふりきり、娘のためにも、自分のためにも東京を離れて京都で新しい人生をきりひらこうと決意する。娘の新(水前寺清子)は、母の気持がわからずに虎之介(石坂浩二)にやつあたりしていたが、貴子(乙羽信子)と母の会話を立ち聞きし、ようやく母には母の人生があることを理解する。そして新は虎之介といっしょに新らしい人生に踏み出す。
2025.5.22 BS12録画
新は友が京都の章子の実家で暮らすことを知ってしまった。
作:平岩弓枝
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音楽:平井哲三郎
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主題歌(クラウンレコード)
ありがとう
作詞:大矢弘子
作曲:叶弦男
編曲:小杉仁三
唄:水前寺清子
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新(あらた):水前寺清子
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古山友(こやまゆう):山岡久乃
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十鉄之介:岡本信人
十小雪:小鹿ミキ
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千葉志津枝:長山藍子
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水戸浄子(きよこ):上村香子
きみ:大鹿次代
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十龍之介(つなしたつのすけ):児玉清
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十章子(つなししょうこ):河内桃子
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十儀介(つなしぎすけ):清水将夫
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千葉広道:山本学
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国枝美映子:奈良岡朋子
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宮川八十子(やすこ):宝生あやこ
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宮川十七子(となこ):佐良直美
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青柳ひろ子:藤夏子
高野順子:沖わか子
十太(つなしまさる):水野哲
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佐久間貴子(さくまたかこ):乙羽信子
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相沢桃(あいざわもも):沢田雅美
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相沢万希男(あいざわまきお):井上順
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相沢希(あいざわのぞみ):大空眞弓
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演出:川俣公明
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プロデューサー:石井ふく子
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制作:テレパック
TBS
先週は放送がなかったから、随分前のことに思える。
いやだいやだと新が友の腕を引っ張る。母さんが十家の犠牲になることはないというので、婦長も虎之介も気まずい。
まあね、院長は太と一緒にいたい、龍之介は章子と一緒にいたい、虎之介は新がしょっちゅう実家に行くのを阻止できる、もちろん章子も助かる…十家の人たちにしかメリットないからね。
婦長は友と新の間に入り、友は自分が東京や京都に住むのは自由だという。
十家ダイニング
院長は章子によくよく母の考えを聞いてくるように言うが、龍之介は付き添い看護婦は大変な仕事だし、身内の面倒を見るのは友にとってもいいことではないかという。身内なのはお前だろっ! 院長は住み慣れた東京を離れる友を思いやるように言う。
院長、章子、龍之介が着物なのは、お正月のせいだったか。国枝が新年の挨拶に来た。国枝は正月は京都に行き、章子の実家にも寄った。章子の実家での友は生き生きと若返ったようだと話し、京都行きに賛成する。
相沢家
日下の実家にいつ行くのかという話し合い。14、15日は連休だから、このタイミングで行けばいいと桃がカレンダーを見ながら提案した。
希はすぐに日下に電話。
虎之介たちの部屋
落ち込んでいる新。このうちの人たちは、お母ちゃんが京都に行けばいいと思っていると虎之介に文句を言う。新は実家がなくなり立場がなくなると訴えるが、虎之介は子供っぽい、一人前なんだぞとたしなめる。
実家暮らしの虎之介に言われたくないなあ。
俺とお母さん、どっちが大事なんだ!?と聞く虎之介にそんな聞き方、大っ嫌い!と新は部屋を出た。
古山家
友は婦長には京都には一度住んでみたかった、望まれて働くのはいいことだと表向きの理由を話すが、婦長は新がしょっちゅう実家に帰ってくることを懸念していることを見抜いていた。
友は京都に行って鳥の話を読み、鷹匠の訓練する鷹・ソウヨウ?のことを話す。
鷹は一生懸命育て、一人前に育つと、追い払って近づけない。それが自然の法則。一人前に育てて別れれば、いいお母さん。愚痴を言うのは悪いお母さん。友は見えっ張りだからいいお母さんでいたい。友は、いつも新のお母さんだったが、これからは一人の古山友として生きていきたいと話す。
立ち聞きしていた新はそっと部屋を出た。
友は改めて京都行きを婦長に宣言した。ホントに長いことご苦労さまでしたと頭を下げた婦長は♬真白き富士の嶺~と歌い出す。
婦長と友の思い出の歌だけどボート遭難の歌なんだよね…友は私たちの時代って、どうしてこんなに湿っぽい歌が多いのかとツッコミ。婦長はご陽気にと今度は♬すみれの花~と歌い出す。
乙羽信子さんは宝塚の娘役だっけ? 友は一緒に歌いつつ目が潤む。
公園
虎之介はマフラーを巻いて待っていて、そのマフラーを新にかけた。新は母さんには母さんの人生があると悟った。
石坂浩二さん、見た目はいいけど、虎之介の性格は嫌い。
千葉家
志津枝はボーっとしていた。人を好きになることについて、静かな心の接近だと広道に話す。広道は志津枝に好きな人が出来たのかとびっくり。志津枝は早合点だと繰り返す。
古山家
友は日めくりカレンダーに手を合わせ、めくる。
1973年1月4日(木)
一生懸命にやりますと仏壇に話しかける。
十病院
それぞれの仕事風景。
薬局にカルテを届けに来た志津枝に万希男が希が14日に広島行きが決まったと話した。万希男は志津枝にまたラーメンでも食べに来てくださいと言い、ぼんやり。青柳からお姉さんが決まったら、次は万希男さんねと言われ、照れる。志津枝もカルテを置き忘れ、戻ってきたので、青柳は「世の中、春だわね」とあきれる。
十家ダイニング
きみが食事の準備をしていると、新がエプロンをあてて手伝いに来た。小雪は胃の調子が悪いといい、友がアパートの部屋を引き払ったようだと話した。小雪は鉄之介を待たせていると部屋に戻り、八十子が突然来て、新と少し話すと、十七子も早く結婚させなきゃとまた出ていった。
内科の診察室
実家を恋しがるなんて女は幼児性が強いのかねと虎之介が広道に相談。広道は愛情の次元が違うと虎之介の言い分にあきれる。広道は今夜は、お母さんのところへ行かせてやれと言うものの、俺も行こうかなって。やっぱり虎之介は嫌い~。
春秋荘
龍之介親子が京都から帰ってきて、章子が友を訪ねた。友は荷造りの真っ最中。
あら、日めくりカレンダーは11になってるな。龍之介たちは3日に京都に行って、11日に帰ってきた?
友は京都に帰ると章子の母と固く約束したのだと章子に話した。会の方にも退職の意志を伝えてある。章子の兄は戦死したのか…。友は幸せにつながる道だと信じている。
相沢家
希は母の形見を希、万希男の妻になる人、桃の3等分に分けた。希は桃の七五三の時のリボンを見つけて頭につけた。桃が7歳、希は中1か中2。お宮参りの思い出話をしていると、万希男が通りかかって立ち聞き。
今、新が23歳で、確か、桃も鉄之介も同じ歳。希と志津枝は同じ歳だから29歳くらいってことかな? 万希男は25、26だろうか。
桃の入学式、初めての遠足の時も学校を休んでお母さん替わりを務めた希。桃は目を潤ませて「幸せになってね」と希に言う。今度は本当のお姉ちゃんの子供のために本物のお母さんになって七五三や入学式、遠足にもついていってほしいと桃が言うと、希は部屋を出ていった。話を聞いていた万希男が部屋に入ってきて、泣きじゃくる桃を慰めた。七五三のリボンは大事に取っておこうと提案。
ここのきょうだいウェッティ過ぎるよ~。生育環境が過酷だからってものあるけど。
院長室
希は院長、八十子に弟妹の話をし、院長は友が京都に行くことを話した。みんな乗り越えていってくれる、人々の幸せのために小さなありがとうを積み上げて、大きなありがとうを築こうとしている、人間というのは素晴らしいもの、ありがたいものだと話した。今度という今度は人間同士というものを感じた。
あんた、たまにはいいこと言うわねえと八十子。昔は、飲んべえの悪い医者。年を取って仏様に近くなったと笑う。
希は「きっと幸せになります」と誓う。八十子は14日に広島に行く希についていくと言い、小さなありがとうの片棒を担ぎたくなった、楽しみが出来たと笑う。
十七子の部屋
八十子と広島行きの話をする。小さなありがとうが集まって、大きなありがとうになる。十七子は彼の話とふられて、千葉広道とあっさり答える。婿に来てくれるか気にする八十子だったが、十七子が嫁に行き、子供が産まれたら、誰かに継がせればいいと言う。広道の名前を聞き出せて八十子は喜ぶ。
虎之介たちの部屋
虎之介は新に実家に行くように言うが、新は行こうとしない。
十家ダイニング
院長と龍之介は虎之介に新しい看護婦をスカウトさせようと話していた。3人は補充したい。虎之介が新がいなくなったとダイニングに入って来た。龍之介は俺たちのように仲よくしなさいと台所に向かって、「お~い、章子、お茶。お~い、お茶」と呼びかける。これのどこが仲いいんだ!?
来たのは、きみ。章子は太を風呂に入れている。小腹が減った院長たちはラーメンを頼もうと話し合い、虎之介がこころにラーメン6人前を注文した。院長、龍之介、虎之介、新、太、章子…かな? きみは胃もたれすると断った。
ナースステーション
私服で書類を書いている新に夜勤で病院にいた婦長が声をかけた。友は明日京都へ行き、来週の木曜戻ってきて、友が所属していた会の会長の還暦祝いに出て、あとは京都へ。新は何も聞いておらず驚く。今夜行ったらと婦長に勧められたが、新は、お母ちゃんは勝手だ冷たいと部屋を出てしまった。
十家ダイニング
亡くなった夫の一番下の妹の長男の結婚式で上京してきた八十子だったが、紋付を持ってきたのに草履を忘れたと院長たちに話していた。章子は草履でしたら、と取りに行く。次は十七子君の結婚式ですねと龍之介に言われた八十子は新しい留袖を作ろうと思って~と笑う。十七子も一緒になって笑う。
ラーメンが届いた。鉄之介が小雪が急にチャーシュー麺と餃子が食べたいと言っていると相談に来た。院長や龍之介が許可を出すが、それでも心配する。今の時代、あんまり食べたいものを食べたいだけって感じはよくないんじゃない!? 分かんないけど。
院長、龍之介、虎之介、八十子、十七子、残りの一つを小雪に持っていくと言う鉄之介に虎之介は焦る。いや、太の分もなくなったよ。
ダイニングに戻ってきた新は「アパートに行ってきます」とすぐ引き返した。
春秋荘
千葉姉弟妹は最終の新幹線に乗ると出ていった友を心配していた。小雪も部屋から出てきて、鉄之介が戻ってくると、今度はお寿司が食べたいと言い、ラーメンは鉄之介が食べることにした。千葉姉弟は銭湯に出かけて行き、鉄之介夫婦も自室に戻り、新は鍵を開け、古山家へ。
ガランとした暗い部屋。ダイニングテーブルに手紙が置かれていた。
「新、ごめんね。お母ちゃんはさんざん考えて、これが一番いいと思うことへ踏み切りました。お前にはかわいそうな気もします。もう一人前なのですから、お母ちゃんの気持ちも分かってください。
どこで働いていても、お母ちゃんは、お前の幸せを祈っています。もしかしたら、お前もお母ちゃんの身近にいたときより、もっとお母ちゃんを分かってくれるのではないかと思います。お前にとって大事なことは、お前自身のこと。そして、十家の皆さんのこと…お母ちゃんのことはもういいのです。元気でね。じゃ、また。長いこと、お母ちゃんの心の支えになってくれて、本当にありがとう。」
手紙を読み終えた新は泣き崩れた。(つづく)
相沢きょうだいは妙にウェッティだと思う反面、十家はドライだよねー! 母一人子一人の家庭だってことを軽く見てるような…嫁にもらってやった感覚なのかねえ。虎之介と新に温度差を感じる。
