TBS 1979年5月11日
あらすじ
志郎(広岡瞬)は父・誠治(児玉清)に自分の本心を話そうと久々に対面し、真剣に話し合うがうまくいかない。一方道子(真行寺君枝)は両親なんて気にならないと言うが…。
2025.1.17 BS-TBS録画
銀行の自分の席で思い悩む誠治。中川が帰り際、挨拶していった。中川が出てきた銀行の社員通用口の近くの車の陰にいた志郎。
脚本:山田太一
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原作:山田太一著
「沿線地図」(作品社刊)
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音楽:小川よしあき
主題曲:フランソワーズ・アルディ
「もう森へなんか行かない」
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制作:大山勝美
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藤森麻子:岸恵子
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松本季子:河内桃子
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藤森道子:真行寺君枝
松本志郎:広岡瞬(新人)
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湯川時子:野村昭子
岡田鉄太郎:新井康弘
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松本謹造:笠智衆
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岡田由紀:楠トシエ
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中川元一郎:風間杜夫
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仲居:峰田智代
ウエイター:山野史人
石津康彦
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学生たち:佐藤秀美
川上伸之
津田孝幸
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女の子たち:石山浩子
小林晴美
絹田由紀子
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銀行の警備員:小田義夫
エンゼル・プロ
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「かもめ」に来た男:中野誠也
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大沢美代:三崎千恵子
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藤森茂夫:河原崎長一郎
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松本誠治:児玉清
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協力:東京急行
衣裳協力:ローマ岩島
アストラ館
ロア六本木クープル
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プロデューサー:片島謙二
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演出:龍至政美
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製作著作:TBS
銀行の社員通用口から出てきた誠治。
しゃぶしゃぶ屋
いちばん上等なしゃぶしゃぶ、肉を3人前注文した誠治は志郎と向き合う。タクシーが渋滞して遅れたこと、季子や茂夫が来ているのは知らなかったと話す。志郎は家出の理由を冷静に聞いてもらいたくて誠治と話をしたがっていた。季子なら途中で口を挟む。
スナック「かもめ」
麻子が来ているところへ季子も来た。
このまますんなり大学へ入っていたら、こんなふうにお父さんと向き合うことはなかったよねと話す志郎。
スナック「かもめ」
季子は息子に目の前で逃げられたことがショックだと麻子に語る。
忙しいのに面倒を起こした、女性と一緒だったと父の気持ちを推察する志郎は、バカなこと、損なことをあえてしようと思ったと話す。
スナック「かもめ」
季子も麻子も水割りを注文した。麻子はこの間までスナックに一人で来てコーヒーを飲もうなんて思いもしなかったと言う。
安定を求める生き方は幸福じゃない、いい大学、いい会社を求めることより、自分の人生を狂わせてみたかったと志郎は言う。あえて捨てることないのにと思ってしまう。いい大学、いい会社に行ける人は少ない。
藤森電気商会
こちらの奥さんいないのねと時子に話しかけられ、ああ、使いに出してるんでねと目の前でザーッとシャッターを閉める茂夫。笑った。ご近所さん、大事にして!
スナック「かもめ」
麻子はもう一度、鉄太郎に連絡するよう念押し。
すぐ当たり前に生きようとする志郎に、もっと生き生きしなくちゃ生きてく甲斐がないと言ってくれるのが道子だと話す志郎。
「ごちそうさまでした」と別れようとした志郎だったが、誠治は女と一緒のところへ帰すわけにはいかないと志郎ともみあいになった。誠治が志郎の胸ぐらをつかんで抑えつけたものの志郎は誠治を突き飛ばして走り去った。
松本家
季子が誠治より後に帰り、スナックで飲んできた、子供にも逃げられて飲みたくもなるわよと泣き出した。
朝、茂夫に松本夫婦と会うことを話したが、茂夫は会いたくないと店の車に乗って出かけてしまった。
謹造のアパートに来ていた季子に本気で連れ戻す気があいつにはないと誠治を批判する謹造。
レストラン
麻子が予約した松本ですが…と個室に行くと、ジャンバーを着た茂夫が座っていた。7時過ぎても松本夫婦は現れない。20分過ぎて季子が慌てて入ってきて、席につく。少し遅れて誠治も来た。私も遅れたんですと言った麻子に私はそうでもないけどと言う茂夫。ちょっと笑えるところもあって面白い。
誠治は報告の場を設けるため、季子から麻子に連絡をした。組合では月に2日は休もうと言われいて、まだ1日休みが残っていると麻子が言う。え、決まりがなきゃ年中無休? 町の電気屋さんは突然の呼び出しもありそうだしね~。
帰りの車で昨日の報告を聞いて、しゃぶしゃぶを食べて逃げられたなんてと文句を言う藤森夫婦。麻子は志郎が会いに来てくれてるのに道子が知らんぷりなのも気に入らない。フランス料理なんて何よ! しゃぶしゃぶのほうがいい、とフランス在住の岸恵子さんが言うのが面白い。
病院の待合室で鉄太郎を待つ道子は一人で由紀の部屋に行った。鉄太郎が来てないか見に行ったが、来ていたのは美代だけ。売店で買った果物を置いて、名乗らずに帰った。
病室
鉄太郎が行くと、由紀や美代にからかわれ、心配された。
公園
ホントは両親に会いたいんじゃないの?と道子に聞いた志郎だったが、冷たい人間で両親に会いたいとか恋しいと思ったことはない、志郎に冷たい人間と思われたくなくて、会いたいようなそぶりをしていたと言う。志郎も同じ。18年もいたからかもという結論になる。
東京の子だからな~。地方ならそのまま地元で暮らし続ける人は少ない。中学や高校卒業のタイミングなどで一度はどこかへいく人が大半。
スナック「かもめ」
麻子の隣の席にサラリーマン風男が座って、毎日来てるようだけどと話しかけてきた。
井波さーん、または中西さん。井波さんから1年後くらい?
男は子供が暴力を振るうと自分語りを始めた。その先のマンションに住んでいるが、高2男子が物音を立てるようになり、ある日、テーブルクロスを引っ張ってテーブルの上のものを落とし、本気で殴りかかってきた。一人でペラペラよくしゃべるな~。無口な役で見ることが多かったせいか面白い。
うちの中に無頼漢がいる、両親に暴力を振るい、管理人や近所から苦情が来る、学校へも行かない、何ですか、これ?と麻子に聞く。さあ?としか言えないね。通じないと思ってる、親にもうんざりしている、暴力を振るうのは何かを求めている、それもしなくなったら悲惨だと思って慰めてる。家のドアを見ると気持ちが暗くなる。家内のほうが大変なのが分かっていて、こういう所に出かけてくる。帰りたくないとしゃべり続ける。
藤森家
男の話をする麻子。帰りたくないと言いながら麻子より先に帰った。茂夫は口説かれた話だったと思って笑い出し、麻子は怒って茂夫をバシバシ叩く。分かるわ~! 真剣に話してるのにふざけて返すんじゃない!
松本家
誠治は志郎は女の子に溺れているだけと思っているが、季子は違うと思っている。誠治は18歳は性欲が強い、一度関係を持ったら誠治みたいに真面目なヤツはのめり込むと話す。
藤森家
スナックに行くのにおめかししていく麻子に文句を言う茂夫。
スナック「かもめ」
心配で様子を見に行った茂夫だが、時子に偶然会い、ハハハハ…と笑いながら去っていった。茂夫と時子の組み合わせ、最高。
藤森家
時子が昨日の話をしに来た。麻子がスナック通いを続けていることに驚く。時子は麻子のことをちょっといい顔してるし、スタイルもいいと褒める。言っちゃなんだが、このドラマ若カップル以外は最高のキャストだよな! 時子さん、すごくいい! 赤いシリーズでおしゃれな岸恵子さんばかり見てきたから、野村昭子さんと笑い合う商店街のおばちゃん役もいいなあ。
スナック「かもめ」
麻子から一席あいた離れたカウンターに茂夫が座った。茂夫は麻子が声もかけられないと鉄太郎に話しかけると、鉄太郎は普通以上に美人だとおっかなくて声をかけられないものだとフォローした。茂夫は、その話を聞いてすごく機嫌がよくなり、結婚するとき大変だったという話を始める。
鉄太郎に道子から電話があった。すぐ察知する茂夫と麻子。茂夫は受話器を奪い取って、名前を呼びかけたが、道子は受話器を置いて電話ボックスから出てしまった。(つづく)
話が両親中心になってきて面白い。中でも河原崎長一郎さんがいいね。若い2人は恵まれていることに気付けないよね。東京生まれ東京育ちでさ、と、つい田舎コンプレックスが顔を出して、余計2人のことが気に食わなく感じるんだろうな。

