TBS 1979年5月4日
あらすじ
藤森道子(真行寺君枝)と松本志郎(広岡瞬)の両親は毎晩のように鉄太郎(新井康弘)の店を訪れ、何とかふたりの居場所を聞き出そうとするのだった。
2025.1.16 BS-TBS録画
藤森夫婦が松本家のあるマンションの廊下を歩く。今日はノートなし。
脚本:山田太一
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原作:山田太一著
「沿線地図」(作品社刊)
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音楽:小川よしあき
主題曲:フランソワーズ・アルディ
「もう森へなんか行かない」
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制作:大山勝美
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藤森麻子:岸恵子
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松本季子:河内桃子
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藤森道子:真行寺君枝
松本志郎:広岡瞬(新人)
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湯川時子:野村昭子
岡田鉄太郎:新井康弘
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岡田由紀:楠トシエ
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中川元一郎:風間杜夫
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エンゼルプロ
劇団いろは
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大沢美代:三崎千恵子
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藤森茂夫:河原崎長一郎
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松本誠治:児玉清
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協力:東京急行
衣裳協力:ローマ岩島
アストラ館
ロア六本木クープル
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プロデューサー:片島謙二
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演出:福田新一
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製作著作:TBS
昭和五十四年二月
松本家を藤森夫婦が訪ねた。季子が夫婦が座る場所を指定する。すぐに情報を聞き出そうとする誠治に茂夫がちゃんとした挨拶を要求した。誠治は立って挨拶し、名刺を渡したが、茂夫は名刺を忘れた。麻子がスナック「かもめ」に行き、鉄太郎と話をしたことを伝えた。
茂夫は道子は成績も悪くないし、グレてもいないとくぎを刺し、家出して同棲するような子供ではないとお互いに言い合う。茂夫が志郎がバイクの免許を取ったことを指摘すると、暴走族ではないと季子は強く否定し、道子がディスコに行っていて、英語の塾に半年行ってないことを指摘した。成績がいいからディスコくらい行くだろうと言う茂夫。
よほどのことがない限り男と女のことは男がリードするものだと茂夫が言うが、誠治は若いころは女性のほうが大胆だと返す。
電車の中で茂夫も麻子も道子が悪いように言われて愚痴を言う。
病院の待合室
ベンチに座っている道子に鉄太郎が声をかけた。道子は今日は1000円も返せないと謝り、家の様子はどうかと聞いた。鉄太郎はどこにいるのか聞くが、道子は黙ってしまう。鉄太郎は道子が好きなので使い走りをするのは辛いと言うと、道子は東中野に住んでいて道子も志郎も仕事が決まったと言う。鉄太郎が帰ったほうがいいと勧めるともう会わないと走り去った。
スナック「かもめ」
季子が昼間、茂夫が夜に店に来た。茂夫は金を貸したんだろうと鉄太郎に聞いた。次は誠治。入れ代わり立ち代わりご迷惑でしょうが、という言い方が司会者っぽい。鉄太郎は2人が何をしてるのか知らないと言う。閉店間近に麻子が来て、鉄太郎に毎晩来ます、理由だけでも知りたいと食い下がる。
閉店作業をする鉄太郎。
道子が電話ボックスから電話してきた。今度会った時にいろいろ話すと言う道子に鉄太郎は帰す金がなくても会おうと約束した。
藤森家
松本夫婦は銀行員でどちらも大学出、あたりは柔らかいけど、道子が悪いと言ってると散々悪口を時子に話す。仕事の電話が来てないかと不機嫌そうな茂夫が帰ってくると、お宅のご主人に嫌われてるからと時子は帰っていった。あのババアが…と悪口を言う茂夫に時子の家は不動産屋で随分紹介してもらったし、悪い人ではない、私だってしゃべりたいと泣き出す。
スナック「かもめ」
夜、麻子が何かあったのね?と鉄太郎に聞いた。何もありませんよとグラスを磨く。
病院の待合室。鉄太郎は道子と志郎に麻子が仕事終わりに「かもめ」で仕事終わりに1時間粘っていることを話し、志郎に男がそれでいいのか?と聞く。手紙ぐらい書いたらどうだ、それくらい説明しろと行こうとしたが、志郎だけ呼び出した。
鉄太郎は志郎を腹パンチして走り去った。志郎も「なあに?」ってぼんやりしてるな。
病室
お見舞いに走ってきたと笑う鉄太郎を不審がる由紀。
スナック「かもめ」
美代が来ていて、1人でコーヒーを飲んでる人を見ると声をかけたくなると麻子に話した。夫は女つくって逃げて、娘2人は嫁にいき、1人でアパート暮らしなんだと麻子に同情するようなことを言い、1人はつまらないと連呼する。
藤森家
麻子は美代と同じ境遇と思われて心外だというように茂夫に話している。ええ~。合わせてたのか。茂夫は毎日スナックに通って効果あるのか?と聞く。
スナック「かもめ」
志郎が閉店後に店に来て、書き置きを置いてきたが、説明が不十分だった。鉄太郎に教えられたと言いに来たが、一番冷静なのは親父なので僕と親父が会えるよう取り持ってほしいと頼んだ。そんなこと自分でやれ、と店から追い出した鉄太郎だけど、人がいいから引き受けちゃうんだろうな~。
藤森電気商店
誠治が訪ねてきた。茂夫は不在。麻子一人なので家に上がるのを遠慮する誠治だったが、麻子が家に上げた。誠治は手をついて頭を下げた。かしこまったままの誠治に足を崩してくださいと言う麻子。茂夫が「すげぇマンションだったぞ!」と大声で言いながら店に入ってきて、誠治がいるのに驚く。このドラマ、ちょっと笑えるシーンがあるのもいい。
誠治は志郎から連絡があり、渋谷の喫茶店、明日の5時半に約束したと話した。おお~、言っちゃうんだ!
スナック「かもめ」
麻子は毎晩通ってたのに!と鉄太郎に文句を言う。茂夫も来てる。
喫茶店
席にいたのは季子。茂夫も来店し、どちらも内緒で来たと話す。まだ志郎も誠治も来ていない。
銀行
帰ろうとしたときに中川から声をかけられた。
渋滞にはまり、「参ったね、詰まってるね」とタクシーでつぶやく誠治。
午後5時半、志郎が席に着いた。しかし、誠治は遅れている。
「何してんのかしら?」って結構なボリュームで季子が言うから、気付かれるかとドキドキした。
誠治はタクシーを降りて走り出す。
約束の時間から20分過ぎ、志郎が店を出ようとしたので、季子が「志郎ちゃん」と声をかけた。茂夫も道子の父だと挨拶すると「約束が違うじゃないですか」と店から走り去った。
走っていた志郎と誠治が鉢合わせしたが、志郎は走って逃げた。追うのをやめた誠治。辺りはすっかり暗くなっていた。(つづく)
児玉清さんは1975年からアタック25の司会をしてたけど、そのせいか大分、司会者口調になってる気がした。「ありがとう」シリーズとは役柄が違うせいかもしれないけど、あっちのドラマでは感じたことがなかったので(司会業自体は1970年からやっている)、なんだか面白い。
それと怒鳴るようなセリフの多い河原崎長一郎さんは不思議と不快感がない。
やっぱり親中心になると面白くなってきた。