徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】影の車

1970年 日本

 

あらすじ

原作・松本清張、脚本・橋本忍、監督・野村芳太郎のゴールデントリオによる心理サスペンス。平凡なひとりの男が、偶然幼なじみの女と再会したことから、幼い日の記憶がよみがえる。男を苦しめる潜在意識とは。

旅行案内社の係長・浜島幸雄(加藤剛)は、東京郊外の団地で妻の啓子(小川真由美)と暮らしている。ある日、偶然幼なじみの小磯泰子(岩下志麻)と再会した。泰子は4年前に夫に死なれ、保険の勧誘員をしながら6歳の健一とふたりで暮らしているという。

2024.10.1 BS松竹東急録画。松本清張作品はそれほど好きではないのにキャストが豪華なんだよね~。

 

1970年の加藤剛さんは「太陽の涙」の加藤剛とほぼ同時期。

peachredrum.hateblo.jp

バスで偶然出会った泰子に声をかけられた浜島。団地に帰ると花があふれる部屋で妻の啓子に泰子に会ったことを話した。

 

製作:三嶋与四治

   杉崎重美

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原作:松本清張「潜在光景」より

脚本:橋本忍

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音楽:芥川也寸志

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協力:東京生命保険相互会社

   株式会社日本旅行

   横浜フラワーデザインスタジオ

             入江久代

            殿内サト子 

   レストラン ベルベデーレ

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小磯泰子:岩下志麻…字幕緑

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浜島幸雄:加藤剛…字幕黄色

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浜島啓子:小川真由美…字幕水色

浜島のおじさん:滝田裕介

浜島の母親:岩崎加根子

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医師:稲葉義男

石川:近藤洋介

野村昭子

川口敦子

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関口銀三

阿部百合子

新田勝江

清水良英

泰子の夫:長谷川哲夫

早野寿郎

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竹口アキ子

志賀真津子

村上記代

水木涼子

大塚君代

戸川美子

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谷よしの

槇芙佐子

本橋和子

峰久子

後藤泰子

堀真奈美

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鈴木信子

千早旦子

白川恵子

光映子

茅淳子

和田恵利子

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土紀養児

土田桂司

松原直

大久保敏男

高杉和弘

戸張正男

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小磯健一:岡本久人

浜島の少年時代:小山梓

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刑事:芦田伸介

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監督:野村芳太郎

 

木下恵介アワーでおなじみの名前をいくつも見つけた。

 

「太陽の涙」の正司さんと違い黒縁メガネだけど、今回も旅行会社勤めの加藤剛さん。友人の石川と会い、いい加減、子供作れよと言われる。石川役の近藤洋介さんもよく見かける人だ。

 

また偶然、泰子に出会う浜島。泰子の父は定年前の昭和29年の冬に亡くなった。しばらく思い出話に花が咲き、浜島は泰子に誘われるまま、泰子が降りる北原道で降りた。バス停から15分くらい歩く。夫を4年前に亡くし、小学1年生になる息子・健一がいる。

 

部屋には夫の写真が何枚も飾っており、健一の書いたと思われるネズミの絵があった。家にはネズミが出る。大きいね。

 

泰子に夕食をごちそうになりながら近況を話す。浜島の住む笹尾山団地に浜島の母は同居しておらず、故郷の千倉にいる。

 

夕食を終えた健一はテレビをつけて見始めた。

 

泰子は東京生命の外務員で保険の勧誘と集金をしている。

 

浜島家

啓子は生活協同組合の牛乳の話で仲間たちと電話連絡し合っていて、浜島にあまり関心のない様子。

 

また北原道のバス停で降りた浜島は得意先からのお土産と偽り、自ら買った手土産を渡した。泰子が持ち帰った集金の計算を手伝う。集金先は240~250件。固定給15,000円なので勧誘を頑張らないとと話す泰子。

 

また泰子の家に通う浜島。石川を泰子に紹介していた。2人の会話が盛り上がる中、健一はほったらかし。

 

健一が一人で帰ってきて窓を開けると、目の前は開発中で地面がならされていた。浜島は泰子が不在でも健一と過ごしていた。集金日は泰子の帰りが遅い。

 

浜島家

浜島不在の中、主婦仲間が集まる。浜島が北原道でバスを降りたときに声をかけた泰子の友人は野村昭子さんだったか。

 

帰りの遅い泰子を迎えに外に出た浜島とキス! おお! 家に帰ってラブシーン。おお! 暗がりでよかったぁぁぁ。「太陽の涙」ではありえないシーンだね。

 

それぞれ仕事を頑張る日々。

 

泰子に妻の愚痴をこぼす浜島は、いずれ妻と…と言うが、泰子は今のままでいいと逢瀬を重ねる。

 

休日の浜島。啓子のところには大勢の女性たちが集まり話が盛り上がっていて、いたたまれないので、散歩と歯医者に行くと出かけた。啓子は自宅でフラワーアレンジメント教室でも開いてるみたい。野村昭子さんと阿部百合子さんは分かった。

 

浜島に懐こうとしない健一を見て、自分の子供時代を思い出す。同じように母子家庭で男性が通っていた? 浜島は“おじ”と言ってたけど、継父? 浜島は、おじさんとの釣りが好きだったので、共同で何かしようと健一と一緒に庭にブランコを作った。泰子が帰ると3人でネズミ捕りの毒饅頭を作った。

 

だんだん浜島に懐いてきた健一。今度はドライブに行こうと誘う。

 

夜は…この映画、ラブシーン多い。

 

団地に帰ると今度の日曜、谷本のおばあちゃんの様子を見に行こうと啓子に言われたが、教室があるんじゃないか?と言って、普段の日に行こうと回避。しかし、結婚して10年経っても子供ができないから病院へ行こうと啓子が言う。

 

日曜日は浜島と泰子、健一でドライブ。加藤剛さんって本当に子供好きな感じがするな。川遊びで疲れた健一を後部座席に移した。目が覚めた健一は、辺りを探し、車に戻ったが、まだ浜島たちが戻らず、健一は車に石を投げつけていた。

 

浜島と泰子はその頃…あたり構わずやるな!

 

車に戻ると、健一は寝ており、やっぱり子供には父親がいないとと話し合う。

 

泰子が顧客の葬式に行っていた。今日も浜島と健一の二人きり。浜島が勉強だよと話しかけても無視、子供向きじゃないとテレビのチャンネルを浜島が変えると、すかさず健一が元に戻した。浜島が健一にプレゼントした飛行機が壊され、健一が包丁を手にしてドキッ。しかし、健一は木?を削っていた。

 

回想

おじさんの死にひどく悲しむ母の姿を見る幼き浜島。

 

浜島と泰子は激しく愛し合う。こんなラブシーンの多い映画と思わなかった…いや、松本清張作品は大体こうだろう。

 

泰子の家に来た浜島は健一にお土産のプラモデルを渡し、饅頭も渡した。しばらくプラモデル作りをしていた浜島と健一だったが、浜島がお腹がすいたからさっきの饅頭を持ってきてと健一に言うと、皿にのった饅頭を持ってきた。そのうちの一つを口に入れると、ネズミ捕り用の毒饅頭で慌てて吐き出した。

 

日曜日、再び泰子の家を浜島が訪れると、健一に死んだネズミを投げつけられた。そのまま、部屋の中で昼寝をしているとガス漏れで飛び起き、外で健一がニヤリと笑っていた。

 

クリスマスの季節。同時代なのに木下恵介アワーで年末年始を挟む作品でもあんまりクリスマスムードじゃなかったな。

 

お正月

啓子からお互い仕事仕事だったから生活のリズムを変えようと提案されたが、お正月から啓子の教室の生徒が訪れた。ほかに浜島に元気がないことも指摘された。

 

泰子の家

健一は泰子に今年は何がしたいか聞かれ、海水浴とスキーと答えた。

 

茶店で会った浜島と泰子。お正月以来会ってくれないと泣く泰子に浜島は健一が何もかも知っていて咎めているような目をしていると不安を明かしたが、泰子は錯覚だ、あなたは神経質だと軽く流した。

 

土曜日、招待視察へ出かけると啓子に言って出かけた浜島は、いつものように泰子の家へ。2月の初めの土日にスキー旅行に出かけようと提案した。

 

夜、いつものように…浜島は妻と別れると言い、泰子も3年でも5年でも10年でも待つと言う。

 

夜、トイレから戻った浜島は健一に斧を向けられたと思い、揉み合いになり、健一の首を絞めた。

 

浜島と泰子が病院に駆け込み、健一は蘇生したが、内聞にして欲しいと頼まれた医師が刑事に話した。

 

取り調べを受ける浜島は刑事から子供が邪魔になったんだろう、6歳の子供に殺意があるわけないだろう!と責められた。

 

泰子もまた刑事に責められていた。啓子は団地にいられなくなり、実家に帰ったと聞かされ、ショックを受けた泰子。浜島の言う健一に殺意があったという話も浜島が健一を殺そうとしたという話も信じられない。

 

刑事は浜島の言う健一の殺意を信じない。浜島が健一を邪魔だと思っていたから、健一の行動に殺意があるように見えるのだと言う。浜島は自身が6つのときに腰に命綱を巻き、崖で釣りをしていたおじさんの命綱を切って、おじさんは岩に頭を強打し、海に沈んだ光景を思い浮かべていた。

 

冬、雪の中、ブランコで遊ぶ健一。(終)

 

おお〜! やっぱり後味悪いね。加藤剛さんには似つかわしくない役だな〜。健一は敵視していたけど、浜島は、いいお父さんになりそうな人なのに…そういうことじゃないか。