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ドラマの感想など

【ネタバレ】かあちゃん結婚しろよ

1962年 日本

 

あらすじ

檀一雄の『海のある窓』を原作に、女手ひとつで息子を育てる親子の情愛を描く。庶民の心の機微を描いてきた名匠・五所平之助が、新珠三千代が好演する子をもつ母の葛藤を、どこか憎めぬ元夫との関係なども絡め繊細に映す逸品。中1の息子・一郎(謝春国)を育てつつ、漁村で飲み屋を営むみつよ(新珠三千代)は、漁師の武(田村高廣)に求婚され心揺れる。一郎の後押しで結婚話が進む中、息子には死んだと告げていた別れた夫・詮造(伴淳三郎)が現れ復縁を迫る。

2023.1.11 日本映画専門チャンネル録画。

 

新潟県の漁師町が舞台でJR越後線の荒浜駅あたりだそう。昔の邦画なら松竹映画が好きなんだよなあ〜。

 

東京に出て行く一家。どんどん若い人たちは町を出ていく。

 

のんき屋という食堂は、みつよが経営する店。化粧品のセールスマンがクリームを置いて行った。みつよは漁師町の美人女将で息子の一郎と2人暮らし。

 

台風が近づく中、子供たちが学校から帰って行く。一郎は黒縁オールバックの下瀬先生と帰ってきた。若き日の津川雅彦さん! みつよは下瀬先生に会ってほしい女の子がいると言うが、下瀬は断る。

 

漁師の武は、みつよに求婚した。武は、みつよをおっかさんと呼ぶんだけど、年下というわけではなのかな?

 

字幕

みつよ…黄色

一郎…水色

武…緑

 

台風の夜、一郎のラジオの修理に来た下瀬もそのまま泊まる。武も来て、結婚のことを話そうとするが、みつよが話を変える。

 

翌朝、雪代(倍賞千恵子さん)が車を運転して食材の配達に食堂に来た。みつよが下瀬に勧めたかったのは雪代。雪代も下瀬を知っていてインテリなので遠慮するが、みつよはふたりをくっつけようと張り切る。

 

みつよは一郎のこともあり、武のことを話せずにいたが、武の弁当を作ったり、洗濯をしてあげたり世話はしている。浜辺でもいちゃついてるじゃねえか。

 

一郎は下瀬から聞いて、武との結婚の話を知っていた。一郎は漁師になりたがっていることもあり、武ならと賛成した。みつよは女手一つでは立ち行かないからと一郎に言うが、結構、武とラブラブだよね。

 

その夜、元夫の詮(せん)造がフラリと現れた。女とも別れたと言い、一郎の顔を見ようと2階に上がったり、みつよに暴行しようとしたり…伴淳三郎さんがこういう役珍しい。

 

みつよは店の外に出てうずくまった。近所の主婦から話しかけられても黙っていると、主婦が扉を開ける。詮造がこぼした酒を拭いていて、主婦に気づくと頭を下げた。翌日には行商のおばちゃんから「旦那が帰ってきてよかったね」と言われた。

 

詮造は起きてきた一郎と対面。一郎に血のつながった父親だと話す。一郎は父親は死んだと聞かされていて驚く。

 

その夜、下瀬が柔道部の渡辺(ハナ肇さん)を連れてやってきた。一郎から事情を聞き、詮造と話をつけるという。一郎は家に帰りにくく今日は下瀬の家に泊まるという。

 

下瀬は新しい夫として紹介していいというので、詮造に新しい夫として紹介。詮造は店の権利書を欲しがっており、金を渡して話をつけた。みつよと詮造の話なのにみつよ抜きの男だけで話つけるんだなあ〜。詮造は暴力振るうから2人きりは危険だろうけど、だけどねえ。

 

漁から帰って来た武は、泣いてるみつよを慰めて結局、イチャつく。

 

武は北洋に漁に行くため、食堂で貸し切りパーティー。一郎は急におとっつぁんとは呼べないが、武は、おじさんでも武(たけ)さんでも構わないと笑う。さっぱりした人。下瀬に船のエンジン見てもらおうって、下瀬先生、何でもできるね。

 

翌朝、下瀬が外で水を飲んでいるところに雪代が通りかかる。下瀬は雪代が車の運転をして働いていることを褒めるが、雪代は先生になりたかったと話す。健康的でいいねと下瀬は言う。「岸辺のアルバム」の堀先生といい、昔はインテリ役が多いのね。

 

みつよに詮造から手紙が来ていた。1万円あれば生活が立て直せるという金の無心だったので、あきれて手紙を捨てる。

 

雪代が気晴らしにサンダラ流しをしようと提案。灯籠流しみたいな。十三夜の夜に好きな人の名前を書く。みつよは下瀬も呼んだ。みつよは武の名前。下瀬は千代と書いていた。下瀬は結婚に失敗し、3歳になる娘の千夜を東京の親元に預けているという。前妻は再婚している。その話を聞いている雪代。

 

武が北海道から1万円を送ってきた。そのお金を下瀬に返してほしいと言う。みつよは一郎に下瀬を呼んで返そうと話していたが、一郎がいなくなった。

 

一郎はお金を持って上京! 詮造がやっているという佐久間ミュージックサービス社に行くが不在。近所の人に案内されると詮造はチンドン屋だった。改めて家に帰ると、チンドン屋を一緒にやっている亀子が妻、鶴子という娘がいることが分かる。なんでみつよとより戻そうとしてた??

 

詮造は一郎が持って来た金で酒屋のツケを払い、あらためて酒を飲み、酔っ払い、元やってたという草履問屋に連れて行く。だから、みつよへのお土産が鼻緒だったんだ。問屋の番頭は犬塚弘さん。変わらないねえ〜。

 

一郎は腹違いの妹・鶴子ともんじゃ焼きを食べに行き、もんじゃ焼き屋の店員・仙子と3人で浅草で遊ぶ。仙子は中山千夏さん。

peachredrum.hateblo.jp

そして、鶴子を連れて新潟へ。え〜!? 一郎は武からもらった船・福武丸に鶴子を乗せてエンジンをかけて佐渡ヶ島を目指し始めた。

 

慌てたみつよは漁師の弥兵衛に頼んで船を出してもらおうとするが、武みたいなヒマ人とは違うと断られるが、海が荒れ始めたのを知ると、船を出してくれた。

 

無事、帰って来た一郎を叱らないでやってくださいと言う下瀬。いや、叱ってよ。

 

弥兵衛は亡くした息子の弥助を思い出したといい、下瀬も娘を引き取りたくなったと語り合った。

 

新潟観光に行ったみつよ、一郎、鶴子。下瀬は東京の娘を引き取りに行くついでに鶴子も送ることになった。

 

一郎は福武丸を7,000円で売って、みつよに渡した。中学を出たら東京で働くという一郎にあのロクデナシのところへ行くんだろというみつよ。一郎は、ロクデナシではなく、父ちゃんと呼んでほしいという。再婚が嫌なのか?と悩むみつよ。

 

下瀬は一郎に会い、東京のおとっつぁんのことは忘れた方がいいとアドバイス。しかし、決して裕福そうではない父ちゃんたちが気になるという一郎。人間はどうしようもならないことがある、海へ向かって叫べばいいと2人で「おーい」と叫ぶ。

 

家に帰った一郎。北海道からの電報で届き、武が乗った船が沈み、武が行方不明だという。机に突っ伏して泣くみつよ。

 

荒れに荒れたみつよのため?下瀬も渡辺も店で泊まり込み。

 

夜、武が帰ってきた。早く帰りたいばかりに青森の沖で乗り換え、汽車で帰ったばかりに遭難したと勘違いされた。再び、船を取りに向かう武。一郎は福武丸を売ったことを謝るが、武は全く気にしてなく、次はもっと大きな船を買ってやると笑顔を見せた。初めて自主的に父ちゃんと呼べた一郎。

 

みつよは改めて武と結婚すると一郎に言う。「かあちゃん結婚しろよ」と一郎は承諾。ミンナブジという電報が届いたので武を呼びに行くみつよと一郎。(終)

 

男目線の話だなあ〜。しかし、字幕緑の武より断然、下瀬先生の出番が多かった。何かと頼りにされてるし、雪代ともうまくいきそうなんだけど、のんき屋にいる率が高かった。詮造にはもう会わなくていいと思う。あのロクデナシとみつよでなくても思う。