徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】山河あり

1962年 日本

 

あらすじ

大正7年、農業移民団としてハワイに渡った一組の夫婦と、移民の青年と結婚するために太平洋を渡った少女。4人の男女とその子どもたちを中心に、終戦を迎えるまでの日々を、3か月のハワイロケで描く。

井上義雄(田村高廣)・きしの(高峰秀子)夫婦と、ハワイ移民の青年・郷田久平(小林桂樹)のもとへ嫁ぐ少女・すみ(久我美子)は、ハワイ行きの同じ船に乗り合わせたのが縁で親しくなる。それから10年。それぞれ仕事も安定し、子どもにも恵まれたが……。

2024.3.27 BS松竹東急録画。白黒。

 

企画:木下恵介

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製作:月森仙之助

補:小梶正治

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脚本:久松栄二郎

   松山善三

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音楽:木下忠司

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協賛:パンアメリカン航空会社

   日本郵船株式会社

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井上きしの : 高峰秀子…字幕黄色

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郷田さくら : 桑野みゆき

井上義雄 : 田村高廣…字幕緑

郷田すみ : 久我美子

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郷田一郎 : 石浜朗

井上春男 : 早川保

井上明 : ミッキー・カーチス

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儀間猛 : 三井弘次

芦沢金兵衛 : 加藤嘉

黒川 : 清水将夫

木村 : 河野秋武

千之赫子

栄蔵:桂小金治

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本間文子

城所英夫

露口茂

落合義雄

陶隆

山本多美

小林十九二

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郷田久平 : 小林桂樹(東宝)

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監督:松山善三

 

大正のはじめ

移民船

 

富士が見えるぞと騒ぐ男たち。アメリカ経由でハワイへ向かう一行は、単身者の男や夫婦やこれから結婚する相手の男の写真だけを持った女性など様々。オープニングはゆったりとしたハワイアンな音楽が流れる。

 

広大なサトウキビ畑で作業する人々。白人男性にハリー!と急かされる。

 

「カウカウ!」と白人男性が叫ぶ。ご飯という意味。

 

日本でもこっちでも地獄。日本へ帰りたいと嘆く者たちもいた。こっちで一本立ちして見返せ!と言ってる儀間は「カルメン故郷に帰る」の岡。

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馬に乗っていた白人男性に日本人女性が轢かれて亡くなった。儀間は明治30年からハワイに来ていて、扱いの酷さを語る。

 

郷田は子供が産まれるので、小作人を雇ってパイナップル畑を作ろうと考えていた。きしのの夫・義雄は日本にいた頃は教師で、ハワイでも日本語の先生になろうと勉強中。井上夫婦はハワイの生活に疲れ、死ぬことを考えていたが、赤ちゃんができたことを知り、生きる決意をした。義雄も妊娠の話を聞き、喜ぶ。

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高峰秀子さんは、この映画では田村高廣さんが夫で、「永遠の人」だと田村正和さんが息子。

 

義雄は晴れて日本語学校の先生になり、義雄は自己紹介で涙を流す。子供2人も通っている。きしのは日本の食材を扱う店を始めた。

 

郷田夫婦もクリーニング業で成功し、今では大きな家に住んでいる。

 

満州で戦争が始まったというニュースが入る。

 

そしてまた7年…

 

井上一家と郷田一家が集まる。裕福そうな二家族。義雄は今は日本語学校の校長先生。子供たちは中国で日本人が略奪してるなどと言われて肩身の狭い思いをしていると言うが、郷田や義雄は日本人の素晴らしさについて語る。

 

子供たちはハワイ生まれなので親世代とはまるで考え方が違う。郷田夫婦の息子の一郎は、「永遠の人」では隆の息子の豊。徐州が陥落したというニュースを聞き、自分たちに何ができるのか英語で話す。

 

日本人が集まる場で日本人同士が非国民だなんだと諍いになる。

 

日独伊三国同盟のニュースが入る。

 

紀元二千六百年の式典に参加しないという子供たちに怒った義雄は子供たちに詰め寄り、話しているうちに倒れて、そのまま亡くなった。

 

南無阿弥陀仏という日本式の葬式。郷田は親友を亡くした悲しさから義雄の長男・春男に「君がお父さんを殺したんだ!」と責めた。きしのは義雄のお骨を日本に納めてやりたいと日本行きを決意した。

 

きしのは次男の明と船で日本へ向かう。

 

一人で店番をしている春男。東條英機内閣発足のニュースがラジオから流れる。きしのと明はパスポートがおりずにハワイに戻ってこれなくなった。一郎と明が電話で話していると「この家で春男の名前を出すな」と郷田がガチャ切りした。

 

日系人たちは自分たちのお金が自由に使えなくなったが、日本では切符でやり取りし、もっとひどい暮らしをしていると郷田の妻・すみと娘のさくらが話していた。

 

昭和十六年十二月八日

 

ハワイはクリスマスムードですみは井上親子にお菓子を送ろうとしていた。

 

しかし、空襲だと騒ぎになっており、街は慌ただしい。すみがいなくなり、子供たちが捜す。逃げていたすみは爆撃を受けた。

 

日本

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ラジオを聞いていたきしのと明、お世話になっている芦沢家の人々。きしの親子はアメリカ人と言われ、寒い物置に移動させられた。

 

きしのは買い出しに出て、住人からジロジロ見られるようになり、明は敵国の人間として軍に捕えられた。

 

すみは亡くなり、郷田は収容所へ。春男たちはスパイ扱いされ、店が開けられない状態。すみを日本軍に殺された一郎は二世部隊として日本に銃を向ける決意をする。

 

収容所から郷田が帰ってきた。一郎の二世部隊志願を聞き、どうしても志願するなら親子の縁を切る!と怒った。

 

一郎は親子の縁を切っても志願するつもりで、さくらをよろしく頼むと言いにきた。郷田も来て、春男が志願するなら永遠にお別れだと言いに来た。そして、さくらを諦めて欲しいと言う。春男も志願を決意し、さくらに電話した。

 

いつもの場所で再会した2人。さくらは生きて帰ってくると約束してちょうだいと泣き出す。戦争が終わったら結婚しようと誓い合う。フラグ立ちまくり。

 

郷田はクリーニング店を続けている。

 

春男と一郎は軍服を着て行進している。さくらと郷田も沿道に観に行く。ずーっと一郎と春男の脇をついて歩くさくら。

 

日本

兵隊が送り出されるのを見ていたきしの。金兵衛はアメリカ人をぶっ殺しに行くんだと言う。

 

収容所の明に会いに行きたいきしのは芦沢家に米を借りに行ったが、金兵衛は冷たい。しかし、栄蔵が分けてくれた。この家では唯一、栄蔵が親切。金兵衛とは親子? 関係性はちょっと分からない。

 

収容所で強制労働させられていた明を見たきしのは声をかけた。持ち場を離れたため、兵士に無理矢理引き離され、明は連れて行かれた。その後、吊るされてひどい拷問を受けた。拷問していた憲兵露口茂さんらしい。

 

さくらは赤ちゃんができていた! 郷田は結婚を許し、さくらは産まれた男の子にケリー・春己と名付けた。ハワイのゆったりした音楽とさくらと春男の手紙のやり取り。

 

日本

きしのは収容所内の病院へ。明は酷い怪我を負い、咳き込んでいた。うちへ帰って死ねと言われ、きしのと汽車に乗った。2人で帰ったとき、栄蔵が出征して行った。「岸壁の母」もだけど、行進して送り出すんだね〜。朝ドラでよく見るのはその場でバンザイと叫ぶのが多い。

 

物置小屋に戻ったきしのは明のウクレレでハワイの歌を歌う。

 

日本でも空襲が激しくなり、物置小屋でウクレレを弾いていた明のもとに金兵衛が来て、アメリカ野郎!とウクレレを破壊した。

 

明は寒がり、やつれ、死にたくないときしのに漏らした。今でも日本はいいところだと思ってるの?ときしのに聞く。ハワイに帰りたいとつぶやく明。

 

農作業をしていたきしのはスキをみて鶏小屋から卵を盗んで物置へ行くと明は息絶えていた。

 

玉音放送

日本が負けたと知ったきしのは墓へ走った。明が死んだのは昭和二十年八月十三日。

 

ジープに乗った米兵が芦沢金兵衛の家を捜していた。米兵の一人は一郎! 大きな紙袋を持って訪れ、明の行方を聞いた。きしのは明が死んだと伝え、春男の消息を聞いた。一郎は春男から手紙を預かっていた。アメリカ人でもなく日本人でもなく人間の幸せのために戦っていると手紙には書かれていた。

 

ハワイに戻ったきしの。郷田、一郎、さくら、ケリーと春男の墓参りに行った。墓に刻まれた命日は1943年6月4日。きしのは日本から持ってきた土をまく。

 

お墓を歩いていて「unknown(無名兵士)」の墓標が目に入ったきしのは、また歩き出す。(終)

 

なかなか二世部隊の話を見たことがなく、複雑だな〜。明なんてあんな陽気な青年だったのに! 悲しい話だった。

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岸壁の母」で世話役の陶隆司さんもどこかに出てたらしいが誰か分からなかったな。松山善三監督は映画監督で高峰秀子さんの夫。

 

だけど、私は日曜劇場で何本か脚本のドラマを見たせいで脚本家と思ってた。

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3月に録画した映画は、あと1本!