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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (122)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

朝男(前田吟)は磯野家に顔を出し、千代(二木てるみ)の夫・大和田が戦死したことや、マリ子(熊谷真実)が新八郎の妻になっていたことを知る。家に帰り、タマ(星清子)からマリ子が初めての出版の仕事で困っていることを聞いた朝男は、何の力にもなっていない大宗(渡辺篤史)に激怒し、呼び出して殴りかかる。大宗から恋文事件のことを聞いた矢先、マリ子が訪ねてくるが、マリ子は手紙のことなど知らないと言い出し…。

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我らが天海さんが今、復員してきました。

 

はるが座布団を敷き、朝男がドッカと座る。帽子を取ったその姿は…ズラ。後ろ髪がちょろっと出てる。まあ~、寅さんで博やってる頃だし、他にもドラマなどに出てたんだろうし仕方ないのか??←新八郎のことはすごい文句言ってたけどね。

 

朝男「へへへへ…何からしゃべっていいか分からねえけどよ、こうやって畳の上、座ってると、やっぱり日本に帰ってきたなって感じだね。うん」

マリ子「まあ、それじゃあ、おうちには上がらなかったんですか?」

朝男「そうだよ」

マチ子「駄目よ、そんなの」

はる「そうですよ、いけませんですよ。お母様はあなたの帰りをどんなにかお待ちになっていらしたか」

 

朝男「あ~、いいんですよ、自分のうちだからね。これから先、ずっとね縦にだって横にだってなれまさぁ」

マリ子「そうよ。でも、いいのよ? 今、ゴロッとなってくださっても」

朝男「そうはいかねえよ。夢にまで見たべっぴんさんたちの顔がね、横になったんじゃよく見えねえ」

マチ子「まあ! 夢にまで見てくれたの?」

 

朝男「ああ、見ましたよ。マッちゃん、見なかったのかい?」

マチ子「うっ…そう言われると…」

マチ子がマリ子に視線を送る。マリ子はるへ。

はる「さあ?」

朝男「殺生な…これですもんね、お千代ねえや」

 

千代「フフッ、内地でも空襲はひどかったですけんね。それから買い出し買い出しで精いっぱいでしたとよ」

朝男「へえ~、そうだったのかい。で、そんな大変な東京に何で来たんだい? ええ? お千代ねえや」

千代「何でって、うちは皆さん方のお供ばしてきたとですよ」

朝男「お供?」

マリ子「そうなの。私たち一度、福岡に疎開したの」

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朝男「疎開…ああ、そうだったのかい」

マチ子「そうなのよ。だからこのうちへ戻れたのもついこの間のことなのよ」

朝男「あ~、そいつは危なかったな。いやいや、せっかく天海さんが帰ってきても、皆さんが九州じゃね、俺はすぐ飛んでいくわけにはいかねえもの」

マリ子「そうね。何年ぶりかしら…。お話ししたいことも聞いてもらいたいことも、いっぱいいっぱい詰まってるのよ」

 

朝男「いや、本当に…よく生きてくださいました。マリ子さんたちも奥さんも」

マリ子「天海さんも本当によくご無事で帰ってきてくださったわ」

朝男「ありがとう。ハハハハハハッ! お千代ねえや、おめえさんとこのご亭主、ええ? 無事に戦争から帰ったんだろうな?」

千代「…」

朝男「お千代ねえや?」

 

はる「大変、悲しいことなんですけどね、大和田高男さんは無言の凱旋をなさいましたのよ」

朝男「そうでしたか…。あんないいご亭主がね…」

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天海朝男の出征は昭和14年

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大和田高男の出征は昭和13年。戦死の知らせは昭和18年

 

マリ子「ううん、そんなことない。そんなこと信じたらいけないって言ったでしょう? お千代ねえや」

千代「マリ子お嬢様…」

マリ子「駄目よ。お千代ねえやが諦めたら駄目。どんなに腰が曲がっても高男さんと新八郎さんのお帰りをずっと待ってるんだって誓い合ったじゃないの」

千代、うなずく。マチ子、ヨウ子はなんとなく気まずい感じ。

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朝男「新八郎さんって、あの…毎朝さんのブン屋さんかい?」

マリ子「ええ、あの東郷新八郎さんですの」

朝男「へえ~、あのブン屋さんも戦争に行きなすったのか」

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昭和14年の正月は新八郎も朝男も均もそろっていた。

 

マチ子「そうなのよ。マー姉ちゃんは、たった1週間の花嫁さんだったのよ」

朝男「えっ?」

はる「ええ。1週間だけ休暇がありましたのでね、祝言を挙げたんですのよ。新八郎さんと鹿児島で」

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あからさまにショックを受ける朝男。

マリ子「だけど、あの人、誓ってくれたんです。必ず帰ってくるって。だから誰が何と言おうと私、あの人の言葉を信じてるんです。新八郎さんの言葉を絶対信じてるんですよ」

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朝男「そ…そうだい。信じなくちゃいけねえよ。ヘッ…。こんなかわいい…女房との約束を破って勝手に死にやがったら、この俺がな引っ張ってきてぶん殴ってやる!」

ヨウ子「まあ!」

朝男「あたぼうよ! これからはな、この天海さんが帰ってきたんだ。そういうことはな、この兄貴に任せとけ!」

 

マチ子「でも、どうやって?」

朝男「ええ? どうもクソもあるかい! さんずの川をな、泳いで渡ってもな、野郎の首根っこ、ひっ捕まえてな連れ戻してやる!」

マリ子「ひどいわ、そんなの!」

朝男「どうして?」

マリ子「私のご主人を『あの野郎』だなんて」

朝男「ハハハ、こいつはいけねえ。口が滑っちゃった」笑い

 

この時の朝男の心中。それは複雑なものだったことでしょう。

 

朝男、泣き笑いの表情でお茶を飲む。天海朝男さんを見ているとココリコの遠藤さんを思い出す。この間、口パクヒットスタジオばっかり見てたせいか!?

 

朝男は一旦、朝風呂に入るため帰宅。風呂あがり、タマからお酌してもらいながら(朝からお酒! い~ね~)マリ子の近況を聞く。

朝男「へえ~、出版をね」

タマ「けどさ、その出版ってのがそもそも慣れない仕事だろ? 前払いで大金を払い込んだのに全然らちがあかないらしくだまされてるんじゃないかってね、お千代さんが陰で心配してんだよ」

朝男「だまされただと!?」

 

タマ「何せお嬢さんだもの。そんな商売ができるわけがないじゃないか。といってこっちだってね、不慣れな仕事だからさ、さっぱり力になってやることもできないし、マリ子さんの顔見るたんびにどうしたもんだろうとまあ気の毒でさ」

朝男「野郎はどうしてんだ? 野郎は」

 

朝男が留守の間、均五郎が磯野家とおっ母のことは頼んでいて、男と男の約束なのに、何やってんだと怒り出す。

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タマはちょいちょい来てくれてたし、うちを買う交渉も親身になってくれたとフォローするが、そらは不動産屋でもできるが、出版は慣れたやつがいなきゃ片が付かねえと怒りだす。漫画家と出版は、ちょっと違うかなー…でも、当時は自分たちで出版したりするの? タマにも大声で均を呼んでこいと怒鳴りつける。ま~、こういう怒鳴りつけたりとかはやだね~。

 

ともあれ、その日のうちに均五郎君は呼びつけられました。

 

中折れハットをかぶり、茶色のマフラーを巻いた均がやって来た。

均「天海君! いや~、待ってたよ! よく戻ってきてくれた! しかも無事で! うれしい…俺はうれしいよ、天海君!」

しかし、差し出された手を払いのける朝男。マフラーを利用して首を締めようとする。止めるタマに「ばばあは…ばばあはすっこんでろってんだ!」。

均「君! 親に向かってばばあとは何だ! 何だ、その態度は!」

 

朝男「だったら俺との約束は、どう…ええ? 申し開きするつもりなんでえ! 俺が命を的にこの国を出る時、ええ? マリ子さんのことは全て頼むと言ったはずだぞ!」

均「あ…天海君、それ…」

朝男「うるせえ! それを何だ? マリッペが生まれて初めて出版てぇ商売に手ぇ出して右も左も分からずに右往左往してる時に、てめえ、よくも…ええ? 見て見ぬふり決め込んでくれたな!」

均「天海君…すまない、このとおりだ! 謝るよ! なっ? 勘弁してくれ!」

 

またまた怒りが再燃して、均につかみかかる。

朝男「ええ? 殺してやろうか…殺してやろうか…」

タマは慌てふためいて磯野家へマリ子を呼びに行くが、マリ子は千代と一緒に天海のお祝いのためにヤミ市へ行っていた。

 

天海家

朝男「そうだったのかい」

均「ああ…そうだったんだよ」

朝男はすっていたタバコを均に渡し、今度は均が吸う。ヒェッ!

朝男「まあ、俺もさ必ず帰ってくるとは言ったものの、まずは生きちゃあ帰れねえ覚悟だったからな」

均「僕もね、必ず死ぬと思ったからさ、マリ子さんにあんなとんでもない手紙をだね、つい…」

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朝男「ドジな男だよ、全く…」

均「全くだよ…。いや~…おかげでね、あの人の顔を見ることはままならず、あんたとの約束もつい果たせずじまいでさ…」

朝男「ウスラトンカチめ」

均「そのとおり。けどね、今のマリ子さんの苦境を思うと、俺はもう…いっそ死んじまいたい…!」

 

朝男「そうか、お前死ぬ気か?」

均「ああ。できれば君に介しゃくしてもらえれば本望だと思ってるよ」

朝男「漫画みたいなこと言うんじゃねえよ」

均「いや、しかし…」

朝男「よし、分かった。死ぬ気ならば突破口はいくらだってある」

均「天海君…」

 

朝男は死ぬ気になってわびを入れろとアドバイス。そして水に流してこれから先、マリ子の力になる。それ以外に方法はない。まだぐずぐず言う均に亭主ある女に付け文をしやがって! 「身から出た錆」だろ!とカツを入れた。朝男が仲裁人。

 

そこにマリ子が登場。この間までと打って変わってマリ子は均に前の通りに接する。

マリ子「よかった! 今ね、大宗さんもいらしてるって伺ったのでちょうどいいと思って。ねえ、手伝ったほしいのよ」

朝男「手伝うって何を?」

マリ子「まあ、嫌だ。天海さんの復員お祝いパーティーじゃありませんか。今、ヤミ市でいろいろ買い物してきたんだけど、パ~ッと明るくやりたいの。だからそのためにはやはり飾りつけでは田河先生のとこで修養なさったご経験でですね…」

 

朝男「いやいや、こいつはね、そんなものやったって駄目だよ。そういうことはこのあっしが」

マリ子「いいえ。こういうことはほかの人にやっていただくことに意義があるんだって田河先生、おっしゃってたわ。ねっ、大宗さん?」

均「(マリ子と目を合わせず横を向いたまま)そう…そのとおりです…。(急にジャケットを脱ぎ捨てマリ子を正面から見る)マリ子さん、その前にね、あなたに謝らなくちゃならないことがあるんですよ」

マリ子「あら、何でしょう?」

 

均「あの手紙ですよ。情に溺れてたとはいえ、この大宗均、一世一代の不覚! 今更わびてもね、許されんでしょうが、マリ子さんどうか勘弁しておくんなさいね。このとおりです(頭を下げる)」

マリ子「待ってください。一体、何のこと?」

均「ですから、手紙ですよ。出征前夜にあなたに書いた、あのふらち極まる手紙」

マリ子「さあ? 私、知りませんわ」

均「そんな!」

 

じれったくなり朝男も間に入るが、マリ子は均が手紙をくれたこと自体を知らないと言いだす。空襲のせいだと言い、何度か手紙も書いたけど、タマにもウラマド姉妹にも満足に着いてなかったという。そういうことだったんだよと納得し合う朝男と均。マリ子は改めてパーティーの相談をする。均は気持ちを切り替え、腕を振るうと約束した。

 

均「あれが着いてないなんて…そんな殺生な…」とボソッと本音もつぶやく。タマがお茶を持ってきてさっきまで殴り合っていたのに和やかな雰囲気になっていることに驚く。

 

それを言ったらおしまいです。均ちゃんとの関係を救うには、あの手紙をこの世から抹殺するほかにマリ子には方法がなかったのです。そしてそれをうすうす察したのは、さすが兄貴分を自称する天海朝男一人だったのではないでしょうか。

 

笑いながらもマリ子は涙目。ツイッターだとマリ子優しい、嘘つきと割れてたなあ。私は「優しい」方に一票入れたい。均にこれっぽっちも気持ちがないことの表れで残酷ではあるけど、改めてフラれるのも辛いな~って私は思ってしまう。

 

あぐり」のときもあぐりのためを思っての嘘をいつも隠し事ばかり!と断じてた感想を見た。表情や状況を見ずに言葉を額面通り受け取る、嘘は絶対許さない…ドラマにならんよ!