徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (44)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

画を続けられる日々に、幸せを感じるマリ子(熊谷真実)。ある日、天海朝男の母・タマ(星清子)がやってきて、朝男(前田吟)に好きな人がいるのか詮索し出す。見合い話に見向きもしないため、心配していると言う。いつものように磯野家に立ち寄った朝男は、タマのもっていた見合い写真を見てしまい、当分嫁はとらないと断言してしまう。一方、千代(二木てるみ)から手紙が届き、大和田(大門正明)に召集令状が届いたと言い…。

女学校在学中に福岡新聞の金賞に輝いたマリ子でしたが、もともとが功名心に薄いせいかじれず焦らず舶来の絵の具を惜しみなく使って好きな絵を続けられるだけで幸せな日々でした。

 

画家として名を上げたいみたいなものはなかったということね。はると同じくらいマリ子もまた経済観念は薄いということだよね。

 

ヨウ子を描いていたマリ子がマチ子に天海さんのお母さんが来てると呼び出された。マリ子が創作中なんだから、マチ子も気を遣えよとちょっと思う。きっとマチ子が創作中に声をかけられることなんてなさそう。

 

初登場、天海朝男の母・タマ。星清子さんは私が見たドラマだと「兄弟」の5話とか、「阿修羅のごとく」パート2とか調べると出てきたけど、「兄弟」の方は何の役かも思い出せない。デパートの客か!? 「阿修羅のごとく」の方は陣内まきという役名なので、四女・咲子と結婚した陣内の母親かな。

peachredrum.hateblo.jp

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本当は、はるに話があってきたのだが、はる不在でマリ子マチ子が話を聞くと、朝男に誰か好きな人でもいるんじゃないかと聞かれた。朝男は26歳(!)で縁談も遅いったって早いことはないとタマは考えていた。お見合い話もあるにはあるが…。

 

タマ「どんな話にも耳は貸さない。写真も見ないって言うんですからね。ありゃあ男として故障があるんじゃないかなんて陰口を叩かれたら母親として立つ瀬がないし、第一悔しくって夜も眠れやしないじゃないですか」

マリ子「故障って天海さんに一体何の故障があるんですか?」

タマ「まあ嫌ですよ、お嬢さん。そんな真面目くさって」

と言われてもピンと来ないマリ子マチ子。「まあそれがですね。それはつまり…」と説明しようとしたタマだったが若い娘たちを前に遠慮した。

 

タマ「あの…本当に心当たりはありませんか? あの子がほれてるような娘さん。いや娘さんでなくってもいいんです。商売女でもカフェの女給でもその人とじゃなきゃ駄目だって言うんでしたらね、私も金輪際やいやい言うことはもうしませんから」

 

商売女とカフェの女給って同じくらいというか、今の普通の女の子のアルバイトとは違うんだよね。「いだてん」は好きだけど、杉咲花さん演じたシマが女中を辞めて、ミルクホールで働きだしたのはちょっと納得いかなかった。

 

マチ子は朝男が来たら聞き出すと言った。

マチ子「いつだって兄貴ぶっちゃってさ。そういうことはまず俺に相談しろ。みんな妹みたいに思ってるんだから変なやつとは結婚させないなんて言ってるくせに自分のこととなったら隠しとくなんて水くさすぎるわよ」

マリ子「そういえばそうよね」

 

タマはマリ子たちに築地の旦那が持ってきてくれたというお見合い写真を預けようとした。器量も十人並み以上、お針にお花、お茶、踊りを仕込まれて21歳。

マリ子「まあ年だけ私と一緒だ」

マチ子「フフフ、年だけね」

 

はるにも相談して是非力になっていただきたいというタマ。是非がぜしになってる江戸っ子。マリ子マチ子も請け負った。

 

そこに朝男がやってきた。オート三輪の修理があって店を早じまいし、大きなハマチを持参していた。マリ子はタマが来ていることを朝男に言った。タマは座布団の下にお見合い写真を隠す。

 

朝男はタマと顔を合わせ、座布団の下に隠したものを目ざとく見つけた。マリ子がお見合い写真だと言うと、「せっかくだがね、俺は当分嫁もらう気はねえんだよ」と言った。マリ子もマチ子も無邪気に「故障があるんじゃないの?」と聞くが、朝男はタマに怒った。

 

朝男「いいか? 俺はな甲種合格で海軍に取られてちゃんと軍艦にも乗ってんだよ! 故障があるわけねえじゃねえか」

タマ「だからこそ心配してるんじゃないか。当節、あっちでもこっちでも若い衆が戦争に持っていかれてるんだよ。召集が来たらお前、孫も残さずに私一人を置いて出征をする気なのかい?」

朝男「いいじゃねえか。戦死でもしようもんなら後家さん一人つくらずに済むってもんだよ」

タマ「お前はいいかもしれないよ。けれど私の身にもなってごらんよ。嫁も持たせずに兵隊にやったと」

朝男「言われねえ前から言われた苦労をするな」

タマ「ほら、これなんですよ、お嬢さん」

 

朝男は面倒くせえという。

マリ子「私たちどんなことでも協力する。記念式で初めて天海さんに会った時、私ずっとお兄さんだと思ってきたんだもの」

朝男「マリ子さん…」

マリ子「ねっ? 天海さんが私たちのことを本当に妹だと思ってくれるんだったら協力させてよ。ねえ、お願い、天海さん」

朝男「ありがとう、マリ子さん」

 

しかし、朝男はそういうんじゃねえと言い、タマに頭を下げた。

朝男「おっ母さん、分かってくれよ。俺はなその人のために神田明神は将門さんに願をかけちまったんだよ。当分の間、嫁はもらわねえって」

願をかけたので口に出したら天罰てきめんだと言って台所に向かった。

 

神田明神に朝男がかけた願とは一体何だったのでしょうか?

 

朝男が刺身を下ろしているそばで見ているマリ子。

 

朝男・心の声「畜生。かわいい顔しやがって…。勝手に妹になられたんじゃこっちは手も足も出ねえじゃねえか。まあいいや。俺の方はおめえさんの花嫁姿を見届けるまでは当分棚上げだ。ねえ、社長。あっしがついてる限り心配はいりませんからね…」

 

朝男、健気。「無法松の一生」だ。

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お千代ねえやから手紙が届いた。赤ちゃんが産まれたという知らせかも?とマリ子は言う。

マチ子「もう、遅いんだもん。先開けて読んじゃうかと思った」

はる「いいえ、たとえ親子でも親書を開けて見たりしたら法律違反になるのよ。だからお母様だってあなたたちの手紙は勝手に開けたりはしないでしょう?」

 

千代の手紙「長いことご無沙汰いたしましたが、その後皆様お元気でお暮らしでございましょうか。私も甚だ元気でおりますが、この度、主人 高男に名誉の召集令状が来まして」

 

村田「大和田高男君、万歳~!」

懐かしい福岡の面々をこういう時に見るとは…。

 

千代「会社の村田さんはじめ牛尾のご隠居様、旦那様、奥様から華々しく武運長久の宴を張っていただきましたが、何せ翌日入隊という慌ただしさに遠い奥様やお嬢様にはお別れの挨拶に伺う暇もなく列車に乗り込んだ次第で、今日、高男に代わりお国のため命を的にすると勇躍出征していきましたことをご報告いたします」

 

はる「まあ…なんちゅうことでしょう。あの人のよい大和田さんまで…」

慰問袋を送るというマチ子にお国のために立派に働いてくださいなんてそんな手紙を入れたら承知しませんよというはる。

 

ヨウ子「赤ちゃんがいたらよかったと思って…」

はる「そうですとも。お千代はあんなに働き者なのにどうして赤ちゃんを産んでおかなかったんでしょう」

マチ子「でも赤ちゃんは神様の授かり物だってお母様おっしゃったわ」

はる「ええ、でもね、子供さえいたらお千代もどんなにか心強いだろうし、高男さんだって決してむちゃなことはしないでしょう。神様はなんて不公平なんでしょう。これは試練なのですよ。何事も神様の試練なのです。人と人とが争うことが一番の罪悪でしょう。だから争った結果どうなるかと。これは神様が私たちに与えたもうた試練なのです。いいですね?」

マリ子「はい」

はる「お教えを頂きながら修練の足りませぬことをお許しくださいまし」

 

お国のために命を的にするってすごい言葉だなー。明るいマー姉ちゃんの世界にも徐々に戦争の影が忍び寄る。でもまだ昭和13年

 

兵隊に行くにしても、朝男みたいに結婚しないで後家を作らずに済むという考えと、タマみたいに今のうちに孫作れっていうのと、両方分かるような。