徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】大地の子 8~9話

1995年11月11日から12月23日 NHK

 

あらすじ

(8)「密告」

一心(上川隆也)の願いもむなしく、玉花=あつ子は死んだ。悲しみに打ちひしがれる一心の前に、東洋製鉄の松本耕次(仲代達矢)が現れる。玉花が娘ではないかと駆けつけたのだ。あつ子の死を悲しみながらも、一心が自分の息子・勝男だと告げる松本。しかし一心はこれまでの生い立ちや、あつ子のことを考え素直に喜べなかった。そして当分親子であることを口外しないように釘を刺す。そして養父に実父が現れたことを伝える。

(9)「父と子」 

一心(上川隆也)は、製鉄所の装置検査のため、再び日本を訪れた。そこに満州時代の隣人、狭間と咲子が訪ねてくる。一心と父・松本耕次(仲代達矢)との微妙な空気を察した二人は、父に会うよう勧める。悩む一心であったが、意を決し父の家へ向かう。そこで仏壇の新しい位はいを見た一心は、父が今になってやっと家族の死を受け入れることができたことを知る。一心は父へのわだかまりを解くが、その頃新たな難問が持ち上がる。

今日も見るぞー!

 

2晩目の夜更け。死装束を脱がせて寝かせ、部屋も温めた。徳志が白米を送ってくれ、お粥を作った。食べさせようとするが、あつ子の体が冷えてきて必死に温めようとした。「カッちゃんありがとう」と中国語、「ありがとう」と日本語で言うとあつ子は亡くなった。

 

再び死装束を着せ、胸にお守りを忍ばせた。集まった近所の人々も悲しんで、紙銭を燃やして死を悼んだ。一心が外に出ると、車が止まった。車から降りてきたのは耕次だった。「松本先生どうしてここへ?」。張玉花は、日本名はあつ子ではありませんか? あつ子は娘だと言い、お互い見つめ合い全て分かった!

 

痩せこけたあつ子を見て、これはあつ子じゃないと繰り返す耕次。しかし、信濃神社のお守りを見て、かわいそうにと手をさすった。

 

「苦労かけたね、長い間」。お互いのことを話すうち、一心=勝男はソ連兵の虐殺で全ての記憶をなくし、あつ子は字の読み書きができないため、残留孤児の届出をしていなかったことを耕次は知る。

 

一心は育ててくれた徳志がしてくれたことを話す。耕次は敗戦の1年前に現地召集され、釜山から南方移動のため、鹿児島で待機しているうちに終戦を迎えた。開拓団の近くの山に信濃富士と名前をつけて柏手を打って拝んでいたことも話してくれた。どうしてもっと早く探してくれなかったと耕次を責める一心。

 

一心と耕次はあつ子の棺を担いで歩いた。耕次は木曽節を歌った。「あつ子の骨を日本に埋めて欲しい」とお願いした。そして、養父母にお礼を言いたいと言う耕次に一心は上級機関に報告せねばならず、これまで通り接して欲しいと念を押した。楊処長の元にはまたしても一心への密告手紙が届いていた。

 

楊処長に妹が見つかったが亡くなったこと。父が東洋製鉄の松本耕次であることがわかったと言うことを告げると、仕事を休んで北京で待機と言われた。

 

徳志と淑琴は一心の妹なら私たちの娘だと玉花を引き取って療養させようと話し合っていると、一心からの手紙で玉花が亡くなったこと、本当の父親が見つかったことが書かれていた。

 

陸徳志の家に耕次が行った。質素な家だが、壁には一心の写真がたくさん飾られていた。養父母に頭を下げた耕次。一心の生い立ちを徳志が話した。演者が泣きすぎると醒めるんだよなあ〜と常日頃思ってたけど、徳志、耕次、陰で泣く淑琴の演技が泣けて泣けて…

 

徳志は「一心を返して欲しい」と言いにきたのでは?と尋ねるが、耕次はそんなことを言えるはずありません、と徳志達の家をあとにした。徳志は日本語で「サヨウナラ」と頭を下げた。ここまで8話。

 

淑琴はなぜ自分から「一心を返して欲しいのでは?」と聞いたのだと徳志を泣きながら責めた。「私は手放さない」と淑琴は泣く。徳志は一心の意志だとなだめるが、そんな恩知らずな子に育てた覚えはないとさらに泣いた。

 

点検検査のため、日本へ向かう一心。会社の周りの者には耕次と親子であることは誰にも知られていない。同じ飛行機には中国残留孤児達が乗っており、飛行機内では日本語の練習をしていた。あなたと同じ日本人だと嫌味を言う丹青の夫・馮(ひょう)。飛行機から降りると感動の再会を果たしていた。

 

日本に来て3ヶ月。休みの日に燕々の手紙を書いていると、突然、大沢咲子と狭間信一が会いに来た。上海にいる耕次が知らせてくれていた。狭間は耕次と勝男の間に壁があることを見抜いた。十勝花子さんの中国訛りの残った日本語が上手いな〜。

 

狭間と咲子から父に会いに行くよう言われた。咲子は5年前に帰国してそのまま日本にいるのかな。一心の元に狭間たちを案内したのは馮! 咲子は一心がペラペラ戦争孤児であることや松本耕次と親子であることを話した! おい!!

 

点検作業で耕次と一心は顔を合わせた。なんとなく気まずい。同室の馮は一心のかばんをじっと見つめていた。

 

翌日の夜は花見。一心は電車に乗り、木更津駅に着いた。道を尋ねながら、耕次の家に到着。家の前まで来てそのまま帰ろうと思ったが、家の中から耕次が出てきた。耕次は家にあげてくれ、仏壇に案内した。祖父・耕平、母・タキエ、妹・あつ子とみつ子の位牌が並ぶ。タキエの遺影に涙し、仏壇に手を合わせた。あつ子の遺髪と爪は仕事が落ち着いたら墓に納めると聞き、遺髪を手に涙。

 

耕次は42歳で倒れて一度、南方で夫を亡くした女性と再婚をしたが、14年前にクモ膜下出血で亡くなった。今は週に2度近所の人にお手伝いを頼んで家事をやってもらっている。自分でもある程度やれることはやれる。

 

しかし、宿舎の門限が9時なのに8時50分になっていた! 遅れることを連絡するため電話をかけるが、仰(ヤン)団長の部屋には仰団長はおらず、馮が出た。やむなく馮に伝言を頼んだ。

 

乗り込んだ電車が急停車してさらに遅れた。仰団長に連絡がないことを怒られ、馮は連絡がなかったとしらばっくれた。仰団長には正直な事情を話したが、こんなに遅くなるなんて、家族以外のことを話していたんじゃないかと疑われた。

 

一心が所有していた内部資料を持ってこいと言われたが、裏工程表がなくなっていた。日本側に決して見られてはならない裏工程表を抜き取られていた。今度の東洋製鉄の昼食会の通訳は頼まないと言われた。裏工程表は出てこなかった。昼食会の場に一心の姿がなく、耕次や柿田は不審に思う。

 

仰団長から呼び出された。部屋に耕次も呼んだという。耕次は線香の1本もあげてくれと呼んだだけだと言うが、証明する第三者の証言がないと仰団長は言う。耕次は帰り際、一心に複写したタキエの写真を封筒に入れてくれた。それをエレベーターですれ違った馮が見ていた。

 

馮がなんだかね〜、密告してるのこいつだろ〜!? 黄書海がどうしてるのか気になる。