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【連続テレビ小説】澪つくし(119)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

善吉(安藤一夫)はかをる(沢口靖子)を見送りに来た外川駅で、困難でもアミと結婚したい、と語る。雨の中迎えに来た梅木(柴田恭兵)は、気持ちが変わるまでいつまででも待つが、気持ちが善吉に向ってしまったらと言うと、かをるはそれは無いと即座に否定する。かをるは入兆の工場で塩を見て、女学校の卒業式で校長の言った、女は家庭の塩になれ、という言葉を思い返し、梅木との再婚を決意して、惣吉の形見の万祝を片付ける。

 

かをるは空気を読んで、家族の事を考えて行動できる人なんだと思う一方、女は所詮男なしじゃ生きられないという脚本家のメッセージにも思えた。

 

例えば、おしんが網元のひささんに自分の息子と結婚してほしい、できないならここを出て行って欲しいなどと言われたら、土地も仕事も気に入っていても全力で飛び出すだろうな、とつい思ってしまう。

 

しかし、朝ドラヒロインとしてはそれくらい意志の強い人を見てる方が私は楽しいという一意見です。かをるの方が大多数の女性の決断かもしれないけど、そうじゃない人を見たいんだよ。

 

かをるを送って外川駅(みんな”とがわ”と呼んでるけど、駅名は”とかわ”なんですね)に一緒に来た善吉は「俺は兄貴を恨んでますよ。兄貴が死んだために吉武家は俺の肩にのしかかってきたんです。その重みがどうにも耐えられません。俺はもっと自由でいたかった」うん、私も長子じゃないので分かるよ~。

 

アミを責任だけじゃなく惚れてるから女房にしたいという善吉。漁師の家育ちだしうまくいくと思うんだけどなあ。昔から吉武家の奥の手伝いもしてたよね。周りからあのおかみは元女郎で~今でも頼めばやってくれるんじゃなねえか~みたいな下品な会話が思い浮かんだ。

 

恋は危険な訪問者である。だが人は誰でも恋を待っている。恋に巡り合わない人生はむなしく寂しい。

 

脚本家の言いたいところはこれ! そうじゃない人は信じられないんだろうな。

 

銚子駅に着くと、梅木が傘を持って迎えに来てくれた。善吉かとねが、かをるが2時半の電車に傘を持たずに乗ったと電話してくれたそうで、気が利くなあ。

 

梅木は、かをるを連れて川辺へ。「私は…時々ここへ来てぼんやり川を眺めたり、釣りをしたり(ハマを押し倒したり)します」お気に入りの場所なのかもしれないけど、連れて来るかよ、この場所に。

 

梅木の一連の行動を人間らしくていいという感想を見かけるけど、なんだよ、おりんちゃんだって人間らしくてよかったよ。何で梅木にはそんなに寛大なんだよ。だんだん腹立ってきた。

 

かをるは醤油作りに生きがいを感じている、惣吉がいない外川に戻る気はないと梅木に言うが、梅木の「吉武家に遠慮してるんじゃありませんか? 再婚話を非難されたとか…」とか、はぁーん!? お前も結構うぬぼれ強いな!と思ってしまった。

 

初回は何とも思ってなかった梅木が、惣吉の優等生っぽい感じより影があってステキかも…から一転自分勝手な野郎だなとこんなに印象が変わる人も珍しい。

 

大森南朋さん主演のNHK版「ハゲタカ」の芝野さんもこういう落ち着いたトーンで、私は「あぶない刑事」は当時見てなかったから、芝野さんみたいな梅木だと思っていたんです。

 

偕行社の中で飲んでいる律子と小浜。

ja.wikipedia.org

律子はいつもめんどくさい議論を吹っ掛けるのが好きだね。小浜の「自分は国家のため、陛下のため、喜んで身を捧げる決意であります」という言葉に「人間は弱い生き物だから、何かにすがらなくては不安でしょうがないのよ。ある人は宗教にすがり、ある人は思想に身をゆだね、ある人はお金に頼って生きていく」

宗教…いい女優さんなのに、その後の演技が見られなくなったのは悲しい。

 

小浜「自分は今夜この場所であなたに結婚を申し込むつもりでおりました。しかし…その気持ちはなくなりました。あなたを軍人の妻に迎えるのはしょせん無理でした」

 

しかーし、律子は「逃げながらあなたを追いかけていたのよ」と。えー! 分かりにくい。

 

「女は家庭の塩になれ。社会の塩になれ。料理の味加減は塩が大切である。塩は目立たないが、要所要所をきちんと引き締める」かをるは女学校の卒業式で校長先生が言った言葉を思い出していた。

peachredrum.hateblo.jp

↑女学校を卒業したかをるが坂東家に。ハマがかをるにボロボロの部屋をあてがった。

 

早苗に裁縫を教えていたるいの元にかをるが来て、きちんと正座して「お母さん、私決めました。いろいろ心配おかけしました。私…坂東家の塩になります」

 

塩の話は女学校の校長先生が卒業式に話したことで、かをるにしか意味わからないんじゃ?と思ったけど、るいはそれを聞いて、梅木の事とすぐ分かったし、ツエもまた喜んでいた。早苗だけはポカーン。

 

惣吉かをる激推しカップルじゃない私にしても、この展開はちょっとなあ。醤油作りに生きがいを感じてて醤油作りに邁進していく話で、誰かと結婚しなくちゃだめ?