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【連続テレビ小説】澪つくし(160)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

かをる(沢口靖子)がすすき野原を歩いていると、笛と鼓の音。そこでは、久兵衛津川雅彦)、るい(加賀まりこ)、律子(桜田淳子)ら亡くなった坂東家の面々が揃って月見をしていた。かをるは仲間に入れてくれと懇願するが、皆にまだ早いから来てはいけない、と言われる。梅木(柴田恭兵)に駆け寄ると雷が鳴り、目を覚ますと、戸を叩く音が聞こえて、そこには栄二(山下規介)が一人。栄二は梅木の遺骨を持って帰って来ていた。

最終週木曜日回。

 

笛と鼓の音が聞こえ、かをるがそこへ向かうと、日本舞踊を舞う久兵衛(髪が黒々してる)と着物姿で和菓子を食べながら見ているるい、律子、千代(奥様~)。そして鼓を打つ梅木。

 

かをるは「お父さん」「あなた」と呼びかける。梅木はかをるを見ているけどしゃべらず。久兵衛は「ここはお前のくるところちゃう!」と厳しい表情で言い、るい「帰りなさい、かをる」、律子「あなたにはまだ早いの」、千代「堪忍やよ」と口々にかをるがお月見に参加することを拒絶した。

久兵衛「ええか? かをる。お前にはまだやらならん事があるやろ?」

 

そのうち、雷が鳴って耳を抑えて目をつぶり、再び目を開けると辺りは真っ暗。誰もいなかった。

 

家の戸を叩く音で目を覚ましたかをるはツエや英一郎を起こして、恐る恐る戸を開けると、栄二がいて梅木の戦死が知らされた。

 

栄二「社長の遺骨です。ガソリンかけて俺が焼きました」

遺骨があっただけ、よかったのかな。

 

栄二の話によると、昭和20年1月17日にセブ島の工場は爆撃や艦砲射撃を受け、作業が続けられなくなり閉鎖。4月になるとアメリカが上陸してきたので山の中へ撤退。

 

動けなくなった梅木は、栄二に先に行くように言った。

梅木「栄二。お前は俺と同じだ。子供の頃からずっと不幸だった。そうだろう? だが今の俺は違うぞ。今の俺は妻もいれば子供もいる。家族ってものはいいもんだぞ。実にいいもんだ。その味を知らずにお前が死んでいくのはかわいそうだ」「生きて帰るんだ。生きて」「そして「入兆」のために尽くしてくれ。頼む」「こんなところで朽ち果てるのは残念だが…昭彦と和彦の中に俺は生きていると。昭彦と和彦という名前は「昭和」の文字を2つに割って付けた名前なんだ。昭和のみ代のために役立つ人間になってほしいとそう伝えてくれないか?」

 

栄二が飲み水を探しに行ったとき、ゲリラの襲撃を受けて梅木死亡。梅木の手に握られた手紙には「かをる 私は」としか書かれていなかった。

 

かをるは昭和彦に呼びかけるように語った。「工場を焼かれ、家を焼かれ、おじいちゃんもおばあちゃんもお父さんも律子伯母さんも犠牲になって…今は誰もが苦しんでいるのよ。もう戦争はこりごり。いつかまたこんな事を起こすようなら日本人は大バカだわ。そうでしょう? その時はあなたたちが死に物狂いで戦争を止めてちょうだい。それがお父さんへの何よりの供養だと思います」

 

ジェームス三木さんは昭和10年 満州で生まれ、小学生の時に大阪に引き揚げてきた。昭和9年生まれの昭和彦と同世代。やっぱり体験者じゃないとこういう切実な思いは書けないのかな。