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ドラマの感想など

【ネタバレ】日曜劇場 #3 幻の町(脚本/倉本聰)

 

 

1976年2月8日 TBS

 

あらすじ

樺太からの引揚者である老夫婦(笠智衆田中絹代)は、戦前に20年ほど住んでいた樺太真岡町の地図を10年かけて作成している。真岡は二人が出会った場所でもあり、大切な思い出も詰まっている土地だ。生きがいである地図完成のため、二人は小樽の知人宅を訪ねた。知人は亡くなっていたがその娘・ゆか(桃井かおり)と会えた。地図を置き忘れた夫婦は、翌日、ゆかを訪ねて一緒に地図を探すが見つからない。その後、ゆかは恋人(北島三郎)とのデートに行く直前、下駄箱の上にあった地図の包みに気づき慌てて二人を捜す。だがそこで、ゆかはその地図が真岡のものではなく、別の町のものだと知ってしまう。夫婦の記憶が古く、別の町と記憶を混同してしまったようだ。夫婦と再会できたゆかが地図を渡すと夫婦は大喜びする。彼らを失望させたくないゆかだったが…。

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笠智衆さんと田中絹代さんが夫婦役。樺太から引き上げてきた老夫婦は、戦前に住んでいた樺太真岡町の地図を完成させようと知人の家を訪ねたが、知人は既に亡く、桃井かおりさん演じる娘・ゆかが一人住んでいた。

 

桃井かおりさんの恋人役が北島三郎さんってのがまたすごい。夜勤明けで疲れて眠ってるトラック運転手の北島さんに何度も電話をかけている。黒電話の音ってホントにけたたましい。同僚が室田日出男さん。

 

ゆか宅を訪ねてきた老夫婦は地図を忘れてしまい、再びゆかの職場を訪ねたが地図は見つからなかった。

 

しかし、ゆかがデートの準備をしている途中、下駄箱に置かれた風呂敷包みを見つけた。

 

老夫婦が訪ねた場所で真岡を知ってる人に見てもらうと、地図は今まで転々と暮らした町を合成したような架空の町になっていた。

 

地図を届けるため、デートをすっぽかしてしまったゆかは、老夫婦に地図がいろんな地図が混じっているから雑誌に載せない方がいいと真実を話してしまう。

 

ゆかの言うことにショックを受けていた。しかし、また作り直せばいいと前向きなことも言っている。樺太まで船で行けばいいとか、どこか危うげな感じもする。

 

恋人を怒らせてしまったが、老夫婦に謝りたくて18時の汽車に乗るはずの老夫婦に会いに駅に行ったが、二人の姿は見当たらない。

 

二人は港で真岡行きの船を待っていた。燃やしていたのは11年かけて二人で作ってきた地図? 

 

キスもしてくれないみたいなことを言った妻のさわ(昨日見たドラマでも田中絹代さんの役名は"さわ"だった)に口づけをする夫。おぉー! キスシーン。びっくり。

 

さわはソ連侵攻で娘・香苗を亡くしたことを、娘が自らの意志で残って今でも幸せに暮らしてると思い込んでいた。

 

二人にだけ聞こえた汽笛の音。ゆかは二人にとうとう会うことはなかった。

 

ゆかは、優しいが故にデートより老夫婦が心配になってしまう性格なのに、地図を届けたときに話が長くて、なかなか解放されないことに少しイラついてしまって言ってしまったのかな。

 

老夫婦は向き合いたくなかった真実を香苗にどこか似ているゆかから知らされ、二人の世界へ。

 

田中絹代さんは翌年亡くなったそうですが、笠智衆さんは、この当時、上の歯の入れ歯をしてなかったのかな? 80年代の山田太一作品に出てた頃より老けて見える。

 

寒い冬の北海道の港で楽しそうに語る老夫婦の姿が切なかった。

 

昨日今日と田中絹代さんの作品を初めて見たかもしれません。昔の映画の大スターなのは何となく知ってたけど、軽妙で明るい女性を演じてて素敵でした。

 

樺太の真岡は今は、ロシアのサハリン州ホルムスクだそうです。