徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】宗方姉妹

1950年 日本

 

あらすじ

小津安二郎が松竹を初めて離れ新東宝にて撮った、大佛次郎原作の文芸映画。正反対の性格の姉妹と、姉の夫、姉の昔の恋人と死期を悟っている父……の人間模様が複雑に絡み合う。

宗方家の節子、満里子姉妹の父・忠親は、京都で療養生活を送っている。節子は、失業中の夫・三村を抱え銀座でバーを営んでいるが、三村は酒浸りで職を探す気はないらしい。満里子には、そんな姉がもどかしい。

2023.12.13 BS松竹東急録画。この映画のタイトル「むねかたきょうだい」なのね。漢字変換するときは「むなかたしまい」としてました。

 

大学の授業 教授(斎藤達雄)がかなりブラックジョークで胃ガンの友人について語る。リマスター版ではないせいか画面が暗い。

 

授業後、その友人の娘・節子と会っていた。

 

三村節子:田中絹代…字幕黄色

 

教授から節子の父は、あと半年か1年の命と言われる。

 

宗方家

父・忠親(笠智衆)は療養中。節子の妹・満里子は節子が出かけたことも知らなかった。

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田中絹代さんと笠智衆さんは実年齢は5歳差で26年後には夫婦役をやってた。

 

宗方満里子:高峰秀子…字幕緑

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二十四の瞳」の大石先生ね。

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この映画は1976年に木下恵介監督で、高峰秀子さんが久々に出演。白髪だった。

 

宗方家に神戸で家具をこしらえている田代が来た。

 

田代宏:上原謙…字幕水色

 

上原謙さんは加山雄三さんの父という知識はあっても、似てないと思う。親子共演もしてるけどね。

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晩年、騒がれてなかったっけと思ったら、すごく年下の女性と再婚して(1975年)、1991年に離婚したときのことだったんだなあ。

 

満里子は節子と薬師寺に行く。お寺が嫌いな満里子。

 

次に満里子が行ったのは田代の家。満里子は田代に奥さんはいないのかしつこく聞き、いないと言われると、愛人はいないの?と聞く。姉さんには内緒よとタバコを吸いながら、姉さんの日記を見たと言って小芝居を始める満里子。

 

1937年 節子21歳、田代と雪のお堀端で会っていた。

 

そこに田代のパリ時代の友人だという真下頼子(高杉早苗)が訪ねてきた。すぐに帰ったが、満里子は田代にどういう関係か聞き、ああいう人嫌いだなと言う。

 

父に会いに行った節子。夫の三村は遊んでいて(求職中?)、節子は銀座でバーをやっている。忠親は自分が長くないことに薄々気付いていた。

 

節子は東京で暮らし、忠親は京都で療養中。田代は神戸。

 

バーテン?の男の人、今っぽい顔に見えた。堀雄二さん。

 

満里子は三村家へ。一緒に住んでる? 節子の夫・亮助(山村聰)。

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この間から再放送が始まった「ちょっといい姉妹」など石井ふく子プロデュースドラマでおなじみ。だけど、いまだに佐分利信さんと混同する。あと、顔似てないけど杉村春子さんと沢村貞子さん。まだまだ修行が足りません。

 

左目に眼帯を当て、外国語の本を読んでいる。満里子はソファの上の何かを床に乱雑に置いた。こ、子猫!? 雑な扱いやめて! その前にも服の上に乗られてほっぽり出したとか言ってたもんなあ。

 

節子の店は売られそうなほどピンチだが、三村に話しても「お前の好きにしろ」と言うだけ。行き先も告げずにどこかへ出かけた。

 

満里子は私が飲もうとした牛乳を三村が猫に飲ませたと節子に告げ口。お義兄さんは変に意地悪になった、その原因は節子の日記を見たせいだと言う。節子が田代を好きだと気付いた時、三村との話が決まっていて、田代もフランスに行ってしまったので、田代とは結婚しなかったと語る。

 

飲み屋でサビ猫を抱っこしながら酒を飲んでいる三村。飲み屋の店員から猫好きだね、私は大嫌い、犬の方が情があると言われると、猫の不人情なところが好きだと言う。飲み屋の亭主が藤原釜足さんで店員が千石規子さんか。へ〜。

 

節子のバーに田代が顔を出した。

 

田代の宿を訪ねた満里子。満里子の一人称は満里子。宿には箱根にいる頼子から電話があったが、満里子が女中のふりをして応対して取り次がなかった。満里子は箱根に行かないよう田代に約束させた。

 

三村家

広縁に猫がいっぱいいるぅー! 5、6匹くらい? 満里子が遅く帰ってきたことをとがめる節子。満里子は、この家は辛気臭くお義兄さんの顔を見たくないと言う。節子は、もっと穏やかにしていたらいいと言うが、満里子は姉さんだってこのままでいることはない、お姉さんは古い!と吐き捨て自室へ。

 

割と頻繁にCM入るねえ〜。

 

節子は新しいことってどういうこと?と満里子に聞きに行く。節子は「古くならないことが新しいことで本当に新しいことはいつまでたっても古くならない」と言う。満里子の新しいこととは流行に乗ること、明日古くなるものでも今日だけ新しく見えさえすりゃいいのだと節子が断じる。満里子の友人の前島は戦争中は特攻隊で今ではダンスや競輪に夢中だと指摘。

 

満里子はみんなに遅れたくない、姉さんとは考えが違うと父の元へ行った。忠親はどっちがいいか悪いということはなく、好きにやればいい。ただし、自分で考えてやることと言い、三村のことを聞く。なぜ姉さんは田代と結婚しなかったのかという満里子の問いにうまくいってないことを察する忠親。

 

また神戸の田代の元を訪ねた満里子。神戸が気に入ったといい、お酒を思い切り飲みたいと言う。また節子との結婚話を持ち出す。節子さんを幸福にする自信がなかったと言う田代に節子から言い出さなかったからだと指摘。突然、満里子と結婚してと何度も言う。満里子は頼子が嫌いなので、田代が節子を好きでいてもいいから満里子と結婚してほしいと言う。

 

しかし、それはいけないよと諭され、満里子、泣いちゃうから!と部屋を飛び出した。

 

おばさまに会いに行った満里子は田代に結婚を申し込んだことを話した。田代の友人でとても嫌いな人がいる、大嫌いと繰り返す。おばさまのよく知ってる人…ん? この人、頼子さんか? 頼子さん最初は洋装で次は和服で画面が全体に暗く分からなかった。おばさまと丁寧に言ってるけど、現代だとオバサン呼ばわりしてたってこと?

 

三村帰宅。節子の店のことを聞いて、節子はどうにかなったと話した。田代に金を借りて、少しづつでも返すと報告したが、三村はなぜ今まで黙っていたとしつこく責める。田代と節子の仲を勘繰る三村に何もやましいことはないとキッパリ言う節子。三村が自室に戻ると、節子は店を辞めて洋裁でもなんでもやる、田代からの借金は断ると言うが、好きにすればいいと猫を呼んでいた。

 

田代に会いに行った満里子は、もう田代のことはなんとも思っていないと言い、よほど姉さんのことが好きなのねと言う。店のことで姉さんに会って欲しいと日比谷公園、3時に約束を取り付けた。

 

バーで飲んでいる満里子。バーテンが前島さんなのね。「飲め飲め、特攻隊」と煽る。特攻隊と言ったり、プロペラと言ったり、男言葉で絡む満里子。

 

店に三村が来た。満里子は前島に帰るように言い、三村に酒を出した。店は明日で終わり。なぜ店を辞めなければいけないの?と責める満里子。知らないねととぼける三村。満里子はもっとちゃんと仕事を探せ、それでなきゃ別れろと強く言う。三村は酒を飲んでブラブラしてるのも捨てがたいと壁にコップを叩きつけて割り、笑った。負けじとコップを投げつける満里子。

 

節子が洗濯物を干しながら、お隣に女の子が産まれたことを話す。三村は節子に別れを切り出した。お前の気持ちを言ってやってる、喜ぶと思って言ってると言う三村。節子はどういうことなんです?と聞く。節子は一度も考えたことありません、あなたを信じて生きてきたと涙ながらに語る。

 

三村は泣くことはない、そんな女じゃないと言う。どんな女と思っていたんですか?と節子が聞くと三村は立ち上がり、何度も節子の頬を叩いた。酷い。そんなとこが嫌なんだと叩き続けるが、満里子の姿が見えて叩くのをやめた。

 

満里子はなんで姉さんがぶたれるの?とT定規?を持ち出して、三村のところに行こうとしたが、節子は別れる!と真理子に言う。

 

事の顛末を田代に話した節子。田代は三村と話をすると言う。いらっしゃい、僕のところへと向かい合ってキスしそうなところに三村登場。ここは田代の家?

 

田代と三村は大連以来の再会。三村はようやく仕事がめっかった。紀州熊野川でダムの技師になると言う。祝杯をあげよう、お前も喜んでくれよと節子にも話しかけた。酒を買いに行くと出て行った三村はそのまま帰ったと女中が言う。宿か!?

 

いつもの飲み屋で飲んだくれる三村。店員のキヨちゃんはきれいな奥さん待ってるよと言うが、帰ろうとしない。女房は重宝な道具、例えば呼鈴だと言う。飲み屋の客が同調し、昨年妻を亡くして、手近な亡き妻の妹をもらったと話し始めるが、三村は帰って行った。道具に食わせてもらってたんだ!

 

ずぶ濡れで帰った三村。まだ節子も満里子もいるのね。亮助は部屋で倒れて死んでいた。えー!? 猫はどうなる!?!?←そこ?

 

節子は急に仕事が見つかったと言う三村の言動を怪しむ。死因は心臓マヒ。満里子は思った通りにやればいいと言う。

 

田代の家にいるのは頼子か。節子さんが頼りにしてらっしゃるでしょうから、もうここには来ないと別れを告げて出ていった。田代もはっきりしない男だなあ。

 

節子と田代は薬師寺へ。節子は三村の死が暗い影を落として、いつまでも三村が見ているようで、とても一緒になれませんと話す。別れを告げる節子に僕は待ってますと言う田代。節子はもう一度別れを告げて小走りに去っていった。

 

茶店

満里子と待ち合わせていた節子は田代と別れたことを話した。これが私の気が済むことだと笑顔で言う。

 

外を歩く姉妹。京都の山はお汁粉みたいな紫色だと話した。(終)

 

おー、目がおかしくなったのかと思うほど暗かった。画面も暗い、内容も暗い。笠智衆さんは冒頭と途中でちょっと出たくらい。三村は無責任な猫好きでクズだった。「晩春」みたいな気持ち悪さはないけど、後味は悪いな。