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【ネタバレ】続・拝啓天皇陛下様

1964年 日本

 

あらすじ

「拝啓ブーム」を巻き起こした前作『拝啓天皇陛下様』の続編。涙もろくて素朴な男の半生を、爆笑と感動のうちに描き出す。「軍隊は天国だと思っている、天皇陛下が己のすべてな男」が再度登場、また騒動に!?

幼い頃、拾った魚を食べ家族全員が死んだのに、その飯にありつけず生き残った男・山口善助。貧困と差別の中で育った彼に、念願の召集令状が届く。しかし、終戦で、天国だった軍隊から地獄のシャバに戻ることに。

2024.8.20 BS松竹東急録画したものがHDDから消え、2025.1.9再録画。

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”続”とついてるけど、前作とは違う話。

 

松竹映画

 

北京郊外

 長○○←達筆すぎて読めなかった

  軍犬部隊

 昭和十九年 春―

 

消灯ラッパが鳴る。

 

♪兵隊さんは

 可哀想だねェー

また寝て

 泣くのかよォー

兵隊さんは

 可哀想だねェー

また寝て

 泣くのかよォー

消灯ラッパ

消灯ラッパ

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前は”新兵”だった。それにしても軍犬の話なの?とザワっとする。

 

製作:白井昌夫

 補:杉崎重美

企画:市川喜一

   高島幸夫

*

原作:棟田博

脚本:多賀祥介

   山田洋次

   野村芳太郎

*

山口善助:渥美清…字幕黄色

*

加仁班長藤山寛美

高見一等兵勝呂誉

王万林:小沢昭一

*

久留宮ヤエノ:久我美子

美理:南田洋子

恵子:宮城まり子

*

特別出演

久留宮良介:佐田啓二

女子先生:岩下志麻

*

撮影:川又昻

音楽:芥川也寸志

*

監督:野村芳太郎

 

ナレーター<拝啓天皇陛下様、このたびもあなたの赤子(せきし)の話をいたします。この山口善助は昨日、軍犬部隊に到着いたしました>

 

善助「申告します。北支派遣軍第8041部隊、小鎮堡(しょうちんぽう)駐屯」

大笑いする班長

善助「渋川隊、山口善助は軍犬兵として、今、来ました。終わり!」

 

班長は善助を2つ星のカス野郎と呼び、軍犬兵は成績優秀な兵長、または上等兵と軍通達で決まっていると黄色い星が3つついた赤い小さな布を机の上に置いた。ただし、原隊へ帰るときは元の2つ星に戻る。ここで2つ星で送られてくるヤツは部隊にいないほうが清々するカス野郎だと言う。軍隊生活6年でまだ星2つの1等兵を軍隊ではモサクレと言う。

 

サクレの子供時代

 

岡山県

 下津井港

  昭和二年―

 

この年、善助は初めて天皇陛下を見た。晴れ着を着た子供たちの中で汚い着物の善助は前に出たいけん!と校長に止められた。校長が前に立ち、子供たちは整列し、気をつけをさせた。

 

校長「天皇陛下に対し奉り、最敬礼!」

 

頭を下げる人々。3時間待たされて見たものは煙ばかり。善助は天皇陛下様は、なんとまあ偉いものだと思った。

 

昭和四年

 

不景気のどん底でいたずら者の善助は、よく飯抜きでほっておかれた。柱に縛られている善助。その年、拾った魚の中毒で善助の一家は死んだが、食わされなかった善助だけが生き残って、親戚に引き取られた。

 

昭和八年十二月―

 

店先の商品を盗んだ善助が叱られていた。また別の子役になった。丸々太って、まあ。しかし、店主の計らいでおにぎりを分けてもらえた。おお、花沢徳衛さんだ。今日は天皇陛下さんに男の赤さんが生まれた日。住人たちは提灯を持って「ばんざ~い!」と言いながら通りを歩いている。善助はこの日から天皇びいきになった。

 

昭和十一年

 

善助に文字を教えてあげようという小学校に赴任してきた女子(おなご)先生が現れた。ここから渥美清さんになった。先生を乗せてリヤカーを引っ張る善助。先生の家で字を教わる。勉強したかったのではなく、先生のそばにいたかった。先生のことを思うと胸が熱くなり涙が出た。通りかかった先生に抱きつくと、先生は逃げ、周囲の人に助けを求め、善助は強姦未遂で岡山少年刑務所で1か年過ごした。

 

言っちゃなんだが、この時代に女性が助けを求めて強姦未遂で刑務所に入るなんて、ちゃんと警察が機能してたんだと思ってしまう。それにしても勉強を教えてくれた先生に恩を仇で返す行為だと思っちゃいないんだろうな(-_-;)

 

学校に女子先生はいなくなっており、善助は、うんこ屋(汲み取り業者)になった。子供たちにくさいくさいとはやし立てられる日々。

 

岡山歩兵

 第十連隊

昭和十四年一月―

 

徴兵検査で甲種合格し、歩兵連隊に入営した。

 

柱にしがみつき、セミのマネをさせられる善助。しかし、軍隊は善助には天国だった。三度の飯の心配もなく、10日ごとに棒給までもらえて住むところも相手任せ。2年経って、満期除隊し、元のうんこ屋に戻った。

 

昭和十六年春―

 

中華理髪店

王萬林

 

の看板をたたく善助は店に入り、頭を刈ってくれと頼んだ。赤紙が来て、戦争に行くことになったと理髪店の夫婦に話し、飯を食うのに困らんと喜ぶ。中国人が頭を刈ってもいいのかと聞く万林(ワンリー)は、日本と支那が戦争を始めてしまい、店には誰も来なくなったと話し、王の妻もチャンコロとバカにすると言う。善助はなんとも思ってない。うんこの善さん…と何度も言って感謝する万林。金なんか要らない。私とあなたはポンヨウだと言う。友達、ポンヨウ。

 

再び

 北京 長○○

  軍犬部隊

 

起床ラッパが鳴り、兵隊たちが起きる。

 

刑事:加藤嘉

パンパンの朱実:春川ますみ

穂積隆信

三原葉子

壊し屋の男:田中邦衛

*

花沢徳衛

田吉二郎

渡辺篤

渋川中隊長:浜村純

玉川伊佐男

黒人兵:ロベルト・バルボン<阪急ブレーブス>

*

大泉滉

産婦人科医:高橋とよ

本郷淳

米軍通訳:ミッキー安川

青山宏

*

北竹章治

宮嶋安芸男

松井康子

和歌浦糸子

山吉鴻作

*

山本幸栄

藤田貢

南郷佐児

水上令子

渡辺紀行

*

髙木信夫

川村禾門

高杉裕児

竹田法一

草香田鶴子

 

軍犬(シェパード?)の体を拭く兵隊たち。

 

佐々木恒子

人見修

岩上正宏<劇団こまどり>

子供時代の善助:桑原富久

田口計<ナレーター>

*

協賛:日本警察犬協会

   指導:市田

*

友春:キンタ.V.フクソン

   訓練士:小田昭二

*

名犬:アレキサンダー・オブ・ハウス・ワカオ/訓練士:藤井多嘉史

   CH.バルド.V.テーラー・ハギノ/前田勇

   アルマ.V.ヤマトシソウ/深山金蔵

   アンナ.V.トウキョウラナワ/高田㐂一

   アリス・オブ・グレート・トイス/山田新大

   コンドル・オブ・ステンレス/四分一稔

   クロード.V.ホワイト・アルプス/藤井邦蔵

   ヤルク.V.コーブソウ/内田武雄

   ボード.V.シウサー・タカダ/内田五十男

   アド.V.コルツ・キング/渡辺三五

   アッシイ.V.タクミソー/藤沢清

   アリス.V.オノソウ/高田亘

   バルタ.V.アコヤソー/佐藤孝良

 

犬の訓練風景。おりこうさんだ~。

 

「太陽の涙」で小川さんと同室の方の名前も見かけたし、「たんとんとん」の健一の友人・岩田役の岩上正宏さんは店先で盗みをして叱られてた丸々した少年だね? 花沢徳衛さんも「たんとんとん」に出てた。

 

初めて外出が許された善助は酒屋の店主とケンカ。善助は重営倉に入れられ、相棒の友春が吠えている。友春は犬小屋を金網を破って抜け出し、午前2時から善助が入れられた重営倉の前で待っていた。

 

友春を連れて原隊に戻る善助。班長は友春は献納された犬で今でも手紙をよこすから、善助から手紙を出してやれと手紙を渡した。善助は字が読めない。女子先生の教えを忘れたの!?

 

京都市左京区南禅寺

久留宮(くるみや)ヤエノ

 

誰かに代筆して書いてもらえと班長が言い、軍犬兵になれたのはみんな犬たちのおかげだと言って、善助たちの乗ったトラックを送り出した。

 

北支 小鎮堡 

 昭和十九年六月―

 

南方の転属者が増え、小隊長が変わっていた。小隊長は秋永。

 

夜、みんなで「日本陸軍」を歌っていると、友春が吠えた。犬好きの高見がこっそり肉を与えようとしたが、友春は善助以外の者からご飯を食べないように訓練されている。そのことがきっかけで高見と話をするようになった。

日本陸軍

日本陸軍

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♪歓呼の声に だまされて~って歌ってる(元歌は”送られて”)。

 

高見は学徒動員で召集されたが、生まれつきびっこで将校になれないと周りの兵隊たちが噂していた。京都の大学へ通っていた高見に南禅寺の様子を聞くと、お金持ちのお屋敷がある所だろうという。善助は高見に手紙を書いてもらった。

 

友春の飼い主は子供のいない夫婦で子供のときから大事に友春を育ててきたという手紙と慰問袋を送ってきた。慰問袋に入っていた食べ物を友春や高見にも分けた。

 

昭和二十年元旦―

 

善助のいる部隊からまた5名、南方に転属にしていったが、のちに輸送船と共に沈んだという噂は、それから1週間後に伝わった。

 

2月に補充兵が入った。現地召集兵で満17歳。銃は3人に1人の割合でしか持ってこなかった。ホントに子供の顔でグッとくる。

 

再び、ヤエノから手紙と慰問袋が届いた。大きな家と友春と映るヤエノ。高見は恋人に似ていると笑顔になる。

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麗子さん!

 

4月、八路軍の活動が活発になった。日本兵の捕虜がスピーカーで呼びかける。日本は絶対負けない!と大声で反論する善助。捕虜は1日も早く戦争を終わらせたいといい、八路軍と共に「さくら さくら」を歌い始めた。

さくらさくら

さくらさくら

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翌日、将校斥候(偵察活動)が出され、高見は友春と出発した。これが高見の最期の姿だった。友春だけが部隊に戻り、善助と友春は高見を捜し、見つけた。秋永少尉以下8名の戦死者が出た。

 

神戸港

中国や朝鮮の人たちが苦力(クリー)のように働かされていた。空襲があり、避難しながら「日本なんて全部燃えろ!」と母国語で叫んでいた。その数日後、広島に原爆が落ちた。

 

終戦

 昭和二十年 

  八月十五日―

 

渋川中隊長が「大東亜戦争終結詔書」を読み上げたが、善助は信じない。天皇陛下様が負けたと言ったと仲間に言われて、酔っ払いながら外へ出た。友春のそばへ行き、東の空に向かって頭を下げた。

 

引き揚げの行軍が始まった。一緒に歩いていた友春を背負って歩き出す善助。腰がふらついてよう歩けないと部隊の食料である牛缶を譲ってもらい、食べさせた。

 

南口鎮

 北京西方

  五十キロ

 

渋川中隊長から部隊長命令として、軍犬をここへ放せという命令が出た。北京へ出て捕虜になったら軍犬はどうなるか分からないと言われ、善助は拳銃を貸してほしいと友春を連れて離れた。銃声と犬の声。友春が歩いてきた。

 

しかし、結局、友春を置いて去った。うーん、「南極物語」もそうだけど、犬を置いてどうしろってんだ!? 友春の声が聞こえる中、泣きながら歩く善助。

 

ここで警察犬たちの出番は終わり。戦死してる場面とかなくてほんっとうによかった。

 

昭和二十一年一月

  天皇陛下 人間宣言

 

五月―メーデー

 米よこせデモ

 

六月―極東軍事裁判

 

九月―復員あいつぐ

 

善助たちは帰国し、DDTの洗礼を受けた。

 

京都 南禅寺

久留宮ヤエノは夫が満州に出征し、行方不明。屋敷も財産税に取られ、立ち退きを迫られていた。

 

ヤエノが帰ると、軍靴が縁側にあり、中で善助が寝ていた。ヤエノは家に不審者がいたので抵抗したが、善助は友春の話がしたいと首輪を渡した。善助は善意?で友春を立派な手柄を立てて戦死をしたと伝えたが、ヤエノは気を失ってしまった。

 

目を覚ましたヤエノは昨日から何も食べてないというので、善助は庭で米を炊いた。ヤエノは生唾を飲み、何もお礼をするものがないと言いながらも、白米を食べ始めた。

 

夕方になり、善助は帰った。大阪の地下道に泊まり、昔の女子先生の夢を見た。周りで寝ている男たちに持ち物を盗まれかける善助。大泉滉、見つけた。

 

善助は壊し屋になった。

 

万林はスカジャンを着て食堂を開いており、壊し屋に店を壊されたが、すぐに隣の土地に中華料理店を始めた。日本人の土地だが、日本は戦争に負けたから関係ないと言い、善助に変わったなと言われた。しかし、万林は善助の髪を刈ったバリカンを今も変わらずに持っていた。なぜか妻の美理(メイラン)の姿はなく、日本人の安子と一緒にいる。

 

闇市で美理で再会した善助。美理は進駐軍の闇屋になっていた。美理は万林がめかけと一緒にいることも知っていて、化粧品を高く売りつけているという。今は万林と一緒にいるという善助にあんなのと一緒にいてはいけないという美理。

 

ヤエノは西陣の古い織屋の2階へ引っ越した。善助が会いに来て、買い出しに行った食べ物を分けた。遠慮するヤエノに慰問袋のお礼で手紙もありがたいと思っていたと話し、今は担ぎ屋をしていると話した。大阪城の穴蔵に住んでいる。

 

そこには親戚のじいちゃんと暮らしている恵子というちょっと頭の弱い女性がいて、いつも軍歌を歌っている。

若鷲の歌

若鷲の歌

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♪若い血潮の予科練の~と「若鷲の歌」を歌う。

 

恵子から子犬をもらった善助だったが、翌朝、子犬を見に行くと「ゴチソウサマ」というメモが置いてあった。やめてくれ!

 

その年、天皇陛下が初めて大阪に行幸になられた。善助は恵子を担いで見せ、自身は天皇陛下を見ることができなかった。

 

その晩、恵子が米兵たちに追いかけられ、善助たちの前から姿を消した。

 

その冬―

 

京都通いを続けていた善助は川で働いているヤエノを手伝った。

 

春が来て―

 

買い出しにも出かけた。蒸気機関車が止まり、荷物を投げ出して逃げる善助たち。「岸壁の母」で見た光景だな。

 

夏になったー

 

善助と初めて会ったとき、顔がとても怖くて泣いたのだとヤエノが告白した。今は本当にありがたいと思ってますと言う。善助にとって、このときが一番楽しいときだった。

 

闇市

米兵に英語で話しかけられた善助。せっけん1個を人に頼まれたものだというが、日本人はアメリカのものは持てないと通訳から説明され、ケンカになった。GIをケガさせて、沖縄行きが決まった。面会に来た王万林にヤエノのことを頼み、初めて飛行機に乗って沖縄へ。

 

昭和二十五年六月

   朝鮮戦争の勃発

 

3年ぶりに日本に帰り、王万林と再会した。万林はどんどん派手になり、ヤエノを連れて来ていた。善助は英語をしゃべれるようになっていた。沖縄に行って何してたんだろ?

 

ヤエノは嬉しいことが重なって、と夫が生きていたと話す。シベリアのカラヤンダというところで入院していることが分かった。テンションがた落ちの善助。

 

万林は中華料理店の隣にパチンコ屋を開いていた。

 

万林は善助にヤエノの旦那も病気なんだから帰ってくるかどうか分からないと励ます。万林には春江という新しい女もいる。安子もまだいるのか!

 

善助は万林とケンカ別れした。朝鮮戦争の特需でスクラップが高値になり、街にはバタ屋が増え、バタ屋部落ができた。リヤカーを引いてバタ屋になった善助だが、ヤエノのところに通い続けた。

 

飲み屋に入った善助は今日で日本を去る黒人兵が日本の金は要らないと店内の客におごっている場面に出くわし、酒のお礼を言い、朝鮮へ行くのか?と話しかけた。この兵隊が阪急ブレーブスロベルト・バルボンらしい。酔っ払い演技、なかなかうまい!?

 

黒人兵と歩いていると、派手な格好の恵子と再会。善助は♪堂々の輸送船と「暁に祈る」を歌いながら、黒人兵と恵子と歩き出した。

暁に祈る

暁に祈る

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その日から善助と恵子の共同生活が始まった。恵子はまた「若鷲の歌」を歌いながら、善助のふんどしを干していた。

 

昭和二十六年一月―

 

ヤエノの夫が帰国した。熱烈なる恋愛結婚だったと紹介されるヤエノの夫。佐田啓二さん、かっこいいなあ~。招待された万林や善助に今までのお礼を言う。

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見たことある組み合わせと思ったら「お早よう」では恋人役。

 

酔っ払って帰った善助は恵子が大好きだから、今晩結婚式を挙げようと言う。万林は仲人になると言い、恵子も紅を引く。

 

マッカーサー、帰国。好景気が終わる。

 

昭和二十七年

 

競輪にハマる善助。帰ると恵子がザリガニを釣り、善助に食べさせた。恵子も善助も服を売っても金がない。パンパン仲間の朱実に金を借りに行き、また商売を始めたらいいと言われた恵子。朱実(アケミ)と恵子って…「赤い絆」だな! 

 

ある日、王万林が刺された。

 

新聞の見出し

 

第三国人刺さる

中華料理店

白昼の惨劇・犯人は二号の情夫

 

見舞いに来た善助。病室にいた美理は泣いていた。安子が男と金持って逃げるところを見つけ、刺された。しかし、命に別状はなく、2週間後に退院できる。万林は強制立ち退きにあうと美理が言う。

 

恵子がパンパンしていると勘違いした善助は怒って家から閉め出し、酒を飲みだした。どっか行けと言われて、泣き崩れた恵子。翌日になって恵子を捜したが、見つからなかった。

 

ヤエノが善助のバラックを訪ねてきた。万林のお見舞いに行ったヤエノは善助が結婚したと聞き、お祝いに来た。ヤエノは夫がシェパードを買ってきて、友春と名付けたので見に来てほしいと言った。

 

万林が退院して強制立ち退きにあい、善助と共同生活を始めたが、ある日、万林はサイゴンでやり直したいと話す。日本人のめかけを作り、株で失敗し、日本の華僑のメンツをなくしたが、美理が自分の店を売り、やり直そうと言ってくれた、船の便があり次第出発する。善助は失敗したら帰ってこいと言うが、華僑に故郷はないと言う。

 

数日後、万林と美理がサイゴンへ旅立った。

 

その秋―

 

警察に行くと、売春で捕まった恵子が妊娠9か月でお前の子供だと刑事に言われた。急に産気づいた恵子のもとへ駆けつけた善助。

 

2時間後、女の赤ちゃんが生まれたが恵子の顔色は真っ白。熱が下がらず敗血症になった恵子は善助に天皇陛下を見に行った話をした。恵子は「若鷲の歌」を歌っている。

 

病室を出て、神様、仏様、天皇陛下様、恵子を助けてやってくれと泣く善助。

 

恵子は死に、善助は赤ん坊を背負い、飼い始めた子犬と歩く。

 

拝啓

天皇陛下

陛下よ

このような

赤子

おりました(終)

 

軍犬部隊か~と思ったけど、サラッとでよかった。変に演技させてるのを見るのも好きじゃないから。

 

善助を最後まで「おっちゃん」と呼んでいた恵子の人生が切ないなあ。善助が真面目に働いて追い出したりしなければ…たられば言ってもしかたないが。