TBS 1973年9月6日
番組内容
平凡なサラリーマン家庭を舞台に、家族愛、思いやりを次男坊の目を通して問いかける。「人間の歌シリーズ」第12作となる本作は企画を木下惠介、脚本を山田太一が担当し第11回ギャラクシー賞を受賞した。キャストは、出来は悪いが心の優しい次男・稔に小倉一郎、その父・清一に小林桂樹。ほか林隆三、高沢順子、久我美子、火野正平、桃井かおり、四方正美らが出演。
【ストーリー】 大学生の新島稔(小倉一郎)はガールフレンドの兄に脅され、交際を諦めてしまう気の弱い青年だ。稔の父親・清一(小林桂樹)はいつも疲れている定年間際のサラリーマン、母親・麗子(久我美子)はそんな夫に気を使いながら、子供達はまともに育っていると思い込む世間並みの主婦だ。稔の兄・茂(林隆三)はベッドのセールスマンをしている。がさつで仕事の自慢話ばかりする茂は、稔にとって面倒な存在だ。稔の妹・陽子(高沢順子)は高校二年生。だが稔から見ると中学生のような幼さが残っていた。そんなある日、稔は大学の悪友の唐木(火野正平)に唆されるまま、電車の中で痴漢行為をしてしまう。だが不運にも、稔が選んだのは不良グループの女学生。稔は不良グループのリンチを受けるはめになる。ところが、グループの新入りとして稔の前に現れたのは、妹の陽子だった。
あらすじ
平凡なサラリーマン家庭の次男坊で、気の弱い大学生・新島稔(小倉一郎)。ある日稔は、悪友の唐木(火野正平)にそそのかされ、電車の中で痴漢行為をしてしまう。
2024.12.16 BS-TBS録画
脚本家・山田太一さんの一周忌を偲び、
「それぞれの秋」をお送りします。
番組中、一部に不適切な表現、公共の場における
迷惑行為のシーンがありますが、作品の時代背景及び
オリジナリティを考慮し、そのまま放送します。
ご了承ください。
企画:木下恵介
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脚本:山田太一
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音楽:木下忠司
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清一:小林桂樹
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稔:小倉一郎
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茂:林隆三
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陽子:高沢順子
信子:海野まさみ
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信子の兄:橋本功
唐木:火野正平
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津田:桃井かおり
遠藤:四方正美
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信子の兄:小野川公三郎
電車の中のおばさん:岸井あや子
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女子学生:高宮千尋
西山厚子
岩橋敏子
浦野啓子
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女子学生:内田友子
須崎泰代
隣りのおばさん:北川博子
食堂のおばさん:京田尚子
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ウェイトレス:川井みどり
東京新社
エースプロ
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麗子:久我美子
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プロデューサー:飯島敏宏
酒巻武彦
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演出:井下靖央
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制作:木下恵介プロダクション
TBS
わー! 音楽は木下忠司さん! プロデューサーの飯島敏宏さんは「おやじ山脈」以降の木下恵介アワーや人間の歌シリーズも多数やっていた。
木下恵介アワーと違い、画質が違うからVTR撮影なんだろね?
プール
稔のナレーションから始まる。僕の恋人、信子さん。今まで6回デートした。プールで泳ぐ稔と信子。稔は激しくせき込み、苦しそう。あんまり泳げない?
雨の日。今日は7回目のデートでアフガニスタン料理を食べに来たが、40分過ぎても信子は現れず、強面の信子の兄2人が現れ、喫茶店へ。
上の兄はイッちゃんだ! 兄2人はビール、稔はバナナジュースを注文した。兄たちは信子に幸せな結婚をしてもらいたいと稔との付き合いを禁じた。稔は兄たちの迫力に交際をしないことを誓った。
しかし、同じ店に信子がいて、稔は慌て、震えながら兄たちにビールを注いだ。兄たちは大笑いし、信子までも笑い始めて、稔はショックを受けた。
新島家
帰宅した稔。母・麗子は庭にいて、隣から帰ってきたが、またお隣の家に行ってしまった。このドラマはセット多め。
家族写真を使って家族の紹介、両親と兄、妹。このコーラスBGM、木下忠司さんだな~。
セーラー服の妹・陽子、帰宅。「わが子は他人」の春生ちゃんね。高校2年生。
夜、父・清一が帰ってきた。週に3日くらい10時過ぎに帰宅し、疲れたを連発している。兄の茂も友達の誕生会に行った陽子もまだ帰ってこない。
インターホンが鳴り、茂と陽子が一緒に帰ってきた。風呂上がりの茂は上半身裸で稔をビールに誘う。茂が大声でしゃべるので陽子はテレビにイヤホンをさして見、清一はリビングのベッドで寝ている。
兄の茂はがさつ、俗物、エゴイストで自慢話ばかりしている。でもなんか微妙に林隆三さんと小倉一郎さんって兄弟感あるなあ。眉毛?
電車に乗った稔は信子にフラれたことで友人の唐木に気持ちをそらすようなことをしたほうがいい、痴漢風なことをしろとそそのかされて、稔は手を握りしめる。しかし、年輩女性から気分でも悪いんじゃないの?と心配された。
この女性は「別れて生きる時も」で美智が働いていた印刷所の女性。
田園調布駅のホーム
合成? なんか変な感じ。
唐木に本当にやったのか?と確かめる稔。唐木は稔に200円の栄養ドリンクをおごり、また電車に乗り込む。もう夕方になっていた。やめろっての!
稔は後ろに手を伸ばす。女学生はしばらく無抵抗だったが手をつかまれ、喫茶店へ。桃井かおりさんがスカートの長いセーラー服の女子高生! 不良グループの津田にビンタされた稔の前に新入りだという陽子が現れた。
陽子に痴漢されたことをバラされたくない稔がしゃべらないでと抵抗したが、結局バラされ、津田からやっちゃいな!と命令された陽子から何度もビンタされた。これは100%稔が悪いからね。津田たちは警察に突き出すわけでもなし、やりすぎとも思わない。
新島家
稔が帰宅し、麗子から陽子が帰ってると聞かされた。稔は風呂はいいやと陽子の部屋へ。昭和は風呂キャンセルなんて当たり前の時代。陽子は部屋でタバコを吸っていて、稔が注意するが、陽子はタバコのことをしゃべったら痴漢のことをしゃべると脅す。
大声で口ゲンカしていると麗子が入ってきて、手に灰皿を持っていた稔に「稔さん、タバコ吸ってるの?」と平然としている。陽子も大人ぶりたいのねと同調し、麗子は部屋の窓を開けた。稔は陽子に悪魔が取りついたと怒りに震える。
学食
僕はあんなことは2度としないと唐木に言い、唐木とは別の席で食べはじめるが、唐木は無理やり稔の隣に座る。俺はお前につきあった、失敗したのはお前のせい、男らしくないと責める。それにしたってやっぱり火野正平さん、濱田岳さんにそっくりだな! 痴漢のレクチャーを大声でして、周りの女子学生ににらまれる唐木を無視する稔。
新島家
稔が帰ると、麗子は午後2時過ぎにお昼を食べていた。専業主婦だっていろいろ家のことしてると忙しいんだよ! 麗子はこんな家に住めている人は少ない、15年ローンだけど退職金に手をつけずに済みそうなどと話す。稔はスケバングループについて話す。陽子が万が一そんなグループに入ったらと話すが、麗子は陽子は抜け目がないからそんなグループに入らないと笑う。
そのうち、陽子も帰ってきて、電車の中の痴漢について、稔の目の前で話す。
夜、茂はビールを飲みながら自慢話を麗子にしている。手取り10万で2万しか家に入れないのに毎日ビールを飲んでいることが不満な稔。しかし、稔が痴漢みたいなことって言ってるのが気になる。唐木も痴漢”風”とか言ってるし。みたいなこと、じゃなく痴漢だから!
帰ってきた清一は右目の脇にあざができていた。転んだとごまかして、布団に寝転んだが、明らかに殴られた感じ。
稔は家族というものを新しい目で見始めた。(つづく)
それぞれ秘密を抱えた家族…とはいえ「岸辺のアルバム」と比べると、ほんわか明るいムード。歌がほのぼのしてるから?
山田太一脚本というより、木下恵介・人間の歌シリーズが見られるのがうれしい。木下恵介アワーが火曜21時~30分ドラマでこちらは木曜22時~1時間ドラマ。木下恵介アワー出演者もいる。林隆三さんは「あしたからの恋」、小倉一郎さんは「太陽の涙」「幸福相談」、高沢順子さんは「わが子は他人」。あ、見たことはないけど、林隆三さん、小倉一郎さんは「おやじ山脈」でも兄弟役だったらしい。
数年前、小倉一郎さんと桃井かおりさんは「詐欺の子」というドラマで老夫婦役だったな。小倉一郎さんの役はオレオレ詐欺にだまされて、子供たちに責められて自殺しちゃうような役だった。
とりあえず視聴決定。あしたからも見る。
んん? こっちはTverの配信なし!? 録画しといてよかった。
