徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】幸福相談#5

TBS 1972年7月4日

 

あらすじ

南(沢田雅美)と道夫(小倉一郎)の結婚への反対で、兄と弟、姉と妹の仲も悪くなり、それが原因で南と道夫も激しくケンカをする。実は夏目(倍賞千恵子)と一郎(山口崇)の結婚を望んでいたサク(小夜福子)だったが、驚いた夏目は…。

2024.6.5 BS松竹東急録画。

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松田夏目:倍賞千恵子…昼はOL、夜は占い師の28歳独身。字幕黄色。

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新田一郎山口崇…新田厨房工事店社長。字幕緑。

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松田南:沢田雅美…夏目の妹。19歳。

新田道夫:小倉一郎…新田家の五男。20歳。

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新田研二:倉石功…新田家の次男。

新田麗子:木内みどり…精四郎の妻。

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新田精四郎:山本コウタロー…新田家の四男。

妙子:西条まり…夏目の同僚。

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田島:三上左京…夏目の見合い相手。

真崎竜也

山田浩策

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新井:多々良純…新田厨房工事店の客。

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卜斉:曽我廼家五郎八…夏目の占いの先生。

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新田サク:小夜福子…新田家の母。

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監督:川頭義郎

 

言っちゃなんだが、もう5話であることにびっくりする。

 

PAOLOというのが道夫の働くレストランの店名かな。店の脇に南の働くおしぼり屋の車が横付けされ、南がおしぼりを運んできたが、道夫は背を向けたまま。南はせきばらいをする。

 

田中「おい、新田。おしぼり屋だよ」←後ろ姿だけ。

道夫「はい」

 

道夫は無言で使用済みおしぼりを渡す。

 

ボウリング場

南はまたボウリングを見ていて、あとから来た道夫に「はい、これ、いつもの」と紙袋を渡す。

道夫「いらないよ。もらう訳ないもん」

南「強情ね、あんたは。ねえ、私は…私たち2人のためにと思って、ああ言ったのよ。別にあなたとお兄さんをケンカさせる気なんかじゃないわ」

道夫「もういいよ、そんな話は。君がどういう人間か分かったから」

 

南「だからどんな人間なの?」

道夫「自分が一番よく知ってんだろ」

南「道夫君の勘違いだって言った…」

道夫「そんなことはないさ」

南「そう。ホントにそう思ってんの? 私がエゴイストで勝手だって」

大きくうなずく道夫。

 

「ねえ!」と話しかける南に「その話はいいよ」と聞く耳を持たない道夫に、南は「そう。じゃ、よすわ。そのかわり、もうこれでホントに絶交ですからね」と出ていった。

道夫「あっ、忘れ物だよ」

南「いらないわよ」

 

二人してパチンコしてるってこと?? 謎の紙袋のやり取り。

 

ん? そういえば前回は北見が面会に来たところで終わったよね??

 

占い師の夏目。「一粒万倍日といいまして1粒の種が万倍となって稲穂のように実るという吉日です。殊に商売はじめ、開店によいと言われています。辰巳の方角に幸運がありますね」

男性客「辰巳の方角? 中山だ」

夏目「は?」

男性「いえ、どうぞ」

夏目「満潮が夜中の1時と午後の3時ですから特にその時間に注意すべきですね」

男性「3時だと…第9レースかな?」競馬新聞?にメモ。

夏目「相性は三碧木星、中央に一白水星が入っているので五黄が大凶ですね」

男性「ちょっと待て…3が大吉で5が大凶か。この3には印がないけど、そんなに堅いかなあ」

夏目「あの…何占ってるんですか?」

男性「いや、なんでもないですよ」

 

今日キャストクレジットにある名前の中で、消去法で真崎竜也さんかな?

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「太陽の涙」11話では良子の売店に来たヤ○ザっぽい客の一人。

 

新田厨房工事店

研二「ハァ…」

新井「やっぱり無理かね?」

一郎「そうですね。ちょっと無理じゃないですか。キッチンをもう少し広げる設計にでも変更していただきませんと」

新井「いや、そりゃダメだよ。そんなことしたら店のシートが減るだろ? 絶対ダメだ」

一郎「あっ、じゃあ、ちょっと…おっしゃるようなセットだと入りませんよ」

 

新井「じゃあね、こいつを…これ、横向きにしたらどうかな? ほら、これはすばらしいアイディアだ。ハハハハッ」

研二「そんなことしたら、ここ、人が通れないですよ」

新井「そこを通れるようにするのが君らの仕事だろう」

一郎「ええ、そりゃ、まあそうですがね、ならもうちょっと、この高い品を入れていただくと…でもこれだと、ご予算のほうがね」

新井「ダメダメダメ。金かかんのは真っ平だね。そんならなにもこんなとこへ頼みに来るもんか。ねえ、君、いっそね、全部、設計し直したらどうかね? 設計が悪いんだよ、設計が。スナックはね、客本意だからね」

大あくびの精四郎。

 

研二「そんなこと言ったって、僕はもう10枚も製図作ったんですからね。大体、客、客なんて言うんだったら、台所なんてできないですよ」

一郎「おい、研二」

新井「そういう言い方ってないだろ? そりゃね、私だって、もっと広い所でちゃんとレストランみたいなのをやりたいよ。それができないんだから、こうやって話してんだろ。あんたね、退職金、いくら出ると思うんだ? ええ? 会社はそんなに出してくれないよ。世の中ね、そんな甘くないんだよ。いや、あのね…よう、うちなんか大変なんだよ。ねっ? また一番上が大学1年、高校2人だろ、で、中学1人、で、まだ末っ子がね…小学校の6年なんだよ。なっ? そこ考えてもらいたいんだよ。だからね、台所よりもだよ、客、これだけ入れなかったら、一家でどうやって食べてくんだ? えっ? そこまで責任取ってくれるか? あんたら」

 

定年退職として55歳で19歳以下の子供が5人。当時としては遅くに結婚したのかな。

 

一郎「え~、ですからね」

新井「うん」

一郎「え~と、ここを…ここん所をこういうふうに変えたらどうでしょう?」

新井「うん、何?」

 

見送りに出た一郎に新井は「いや、あんたの弟って仕事のやり方、知らないね。よく教えときなさい」と嫌みを言う。

一郎「はい。どうもすみませんでした。ホントに遅くまでありがとうございました」

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新井役の多々良純さんは映画もドラマもめちゃくちゃ出ている。こういう人がポンと出てくるのが木下恵介アワーだな。「二人の世界」でも加藤嘉さんが屋台の親父として1回だけ登場したよね。

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一郎は仕事は真面目に粘り強くやってるからといって、夏目への態度は許されるもんじゃないよなあ。夏目の仕事は平気で休ませるし。

 

新田家茶の間

一郎「おい、精四郎。お前、もう一度、正確に見積もり出してみろ」

精四郎「英兄さん、いないとなあ」

一郎「あれぐらいできるだろ」

精四郎「いや、そりゃできるよ。できるけどさ…今すぐ?」

一郎「ああ、今すぐがいいな」

精四郎「うん、じゃ…」

 

一郎「研二。あれじゃ困るじゃないか。商売ぶち壊しだよ」

研二「だってあのおやじ、2時間も粘ってるんだもん。あっちのほうがよっぽど商売の邪魔だよ」

一郎「バカ。何を言うんだ」

研二「だから、あのスナックはイヤだっつったんだよ。こっちの理想的な設計が全然分かんないんだから」

一郎「それが商売なんだよ」

研二「うん…」

 

一郎「母さん、英三は?」

サク「なんか、高校のときの友達と久しぶりに会うって言ってたよ」

研二「肝心なときはいつもいないんだから」

 

サク「英三がね、人手のことを考えといてくれって言ってたよ。道夫があの店を辞めて、こっちをやってくれれば一番いいって言ってたよ」

研二「コックなんて言ったって、皿ばっかり洗ってるんならな」

 

道夫が紙袋を抱えて帰宅。

サク「おや、遅かったね」

道夫「うん」

 

精四郎が書いた見積書を一郎に見せに来て、道夫の紙袋に気付く。「アハハッ。おい、パチンコか? すげえなあ。これだけだと2000発は堅いな」1つ缶詰をもらおうとして、道夫に「これは人のなの」と断られる。

 

一郎「いや、こりゃあ、押しつけじゃないんだがな、お前、今の店辞めて、ここで一緒に仕事する気ないか?」

道夫「大兄さん、僕にあそこを辞めさしたいの?」

一郎「そんな意味じゃないよ。ただ…」

道夫「僕、断るよ」紙袋を持って自室に戻って、着替えもせずベッドへ!?

 

部屋に研二が入ってきた。「相変わらず船と海だな。この部屋は」

 

部屋はヨットのポスターや模型などが置かれている。

 

研二「俺も一度、船の厨房やってみたいな。ヨットでもいいから。最近、プラモデル買ってこないじゃないか」

道夫「うん。でかいのを狙ってんだ」

研二「あんまり気ぃ立てるなよ」

道夫「でも…一郎兄さんは僕が店を辞めれば、そしたら結婚のことも言いださないと思ってんだ」

研二「そりゃ誤解だよ」

 

道夫は結婚なんかどうでもいいと言い、研二を驚かせる。

 

研二「その、なんだ…俺はあんまりお前の力になれないけどな」

道夫「そうだね」

研二「相づち打つなよ、そんなとこで。ただ兄貴にしたって俺だって、お前のことを考えてないわけがないだろう。お前のためだったら、できるだけのことはしてやろうと思ってるんだ。あんまり金のかからないことだったらな」

 

道夫はベッドから体を起こし、これを返してほしいと紙袋を手渡す。そこにしれっと入ってきたサク。

 

道夫「これ持ってんの、俺、イヤなんだよ」

研二「おい、だから誰のなんだい? これ」

道夫「えっ? み…南君だよ」

サク「ああ、お前が好きな子のかい?」

研二「へえ」

 

サクは一郎が呼んでるよと研二に言う。研二はパチンコの景品なんかもらっといてもいいと思うけどな、とサクに紙袋を渡して部屋を出ていった。

 

サク「じゃあ、これ、私が返してきてあげるよ」占いをやっている姉さんに会いたいと思っていた。あしたは日曜日だからとさっそく出かけようとしている。

 

日傘をさして和服のサクがアパートの階段で南とすれ違った。サクはそのまま部屋を訪ねた。「あの…あの方が妹さんですか?」

夏目「ええ」

サク「あの、あたくし、道夫と一郎の母親ですが」

驚いた夏目だが、家に上げた。

 

サク「ハァ…ごめんください。まあ、まあ、女だけの部屋はいいですね。うちなんか男だらけで殺風景なもんですよ」と座り、「とにかくこれはとりあえずお返しいたしときます」と紙袋を渡し、さらにお土産の箱も渡した。

 

パチンコの景品と聞いて戸惑う夏目だったが、お茶を入れに台所に立った。

 

サク「あなたは妹さんとうちの道夫との結婚に反対だそうですね」

夏目「え…ええ…はい」

サク「なぜなんですか?」

夏目「あの…それは…とにかく2人がまだあんまり若すぎるからなんです。それにあれじゃとても…」

サク「そうですか。じゃあ、いくつぐらいならいいんですか?」いくつぐらいなら結婚してもいい年になるわけですか?とさらに追及。

 

正確にいくつっていうわけじゃ…と言う夏目。

サク「フフッ。そりゃまあそうですよね。じゃあ、とにかくあの2人が、あんまり幼稚すぎるからってわけですね」

夏目「え…ええ…」

 

お茶を運んできた夏目の顔を見ているサク。「あなたなら当然いいですよね?」

夏目「は?」

サク「結婚してもですよ。あなたぐらいの器量で、それに生活力もあるし、うちの一郎もそうなんですよ」

夏目「えっ?」

サク「男っぷりも悪くはないし、真面目だし。でも、どういうわけか縁遠いんですねえ」

夏目「ああ…」

 

サク「あなたと一郎ならいいと思うんですけどね」

夏目「とんでもない。あんな頑固で勝手な人なんか…」

 

夏目あてに呼び出し電話(…と言うんだっけ?)があり、外へ。

 

サクはガス台からやかんを運び、押し入れを開け、大量の缶詰、タバスコ、瓶詰のジャム?などを見つけた。「おお! これじゃ、パチンコ屋も大変だわ」

 

このパチンコ屋のくだりがいつか説明あるのかもしれないけど、全然わけが分かんないんだよなー。

 

部屋に戻ってきた夏目は人を迎えに行きたいと言う。

サク「そうですか。じゃ、行ってらっしゃい」

夏目「あの…田舎のお客様で道が分かんないもんですから」

サク「じゃあ、留守番してますよ。あなたがお留守の間に、その方が見えたら困るでしょ」

夏目「え…ええ。それじゃ」とエプロンを外す。

 

サク「それとも、いい人でも?」

夏目「いいえ、そんな…おじいさんです」

サク「おや、そうですか。それはちょうどいい。私もおばあさんですから」

 

新田家のダイニング?

麗子「パチンコ?」

道夫「うん」

麗子「その調子じゃダメだ」

道夫「ああ、すっちゃった」

 

麗子「ねえ…いい話があるんだ」

道夫「うん?」

麗子「オーストラリア行きのヨットがあんの」一郎兄さんに甲斐性のあるところを見せるためのチャンスだと、そのヨットがコックを欲しがっていると教える。「今こそ決意すべきときよ。立つべきときよ。結婚を勝ち取るためには」

 

事情が変わったと苦笑いを浮かべる道夫。

 

夏目のアパート

夏目のエプロンを当て掃除機をかけているサク。

卜斉(”ぼくさい”と読むのかな?)「ごめんください」

サク「はい」

卜斉「あんた、夏目さんとこのお手伝いさんかね?」

サク「まあ、そんなところですね。おじいさん」

卜斉「おじいさん?」

サク「突っ立ってないで、お入んなさいよ」

卜斉「なるほど」

 

ちゃぶ台を運んだサクに「へえ、おおきにおおきに」と座る卜斉。「やあ、お茶か。お茶は熱そうじゃな。なんか冷たい物(もん)でももらいまひょか」

サク「そう簡単にはいかないんですよ」

卜斉「なぜ?」

サク「私もお客なもんでね」

卜斉「だって、あんた、今…」

 

部屋に戻ってきた夏目。「思い橋」でも北さんがよくやってたサファリルックっていうのかな。大きな襟とパンツスタイル。「ああ、よかった。私、てっきり…」

卜斉「夏目ちゃん、久しぶりじゃなあ」

夏目「すいません、どうも。駅まで迎えに行ったんですけど」深々頭を下げる。

卜斉「いやいや、道聞いたらすぐに分かったもんやさかいな。しかし、あんた、あんまり変わらんねえ」

夏目「そうですか? でもまだ10か月しかたってないんですもの」

卜斉「うん、それもそうじゃなあ。で、これな、お母さんからの土産で京都のしば漬けです、はい」

夏目「ああ、どうも」

卜斉「これは私がな、新幹線の中で買(こ)うた名古屋のういろう」

 

名古屋にフリガナ振るなら卜斉にフリガナ振ってくれ!

 

夏目「まあどうも。重いのにどうもすいません」

卜斉「いえいえ」

夏目「すぐお茶入れますから」

 

サクはさりげなく立ち、扇風機を持ってきて卜斉のほうに風を当てる。

 

サク「この人は冷たいほうがいいんですよ」

夏目「えっ?」

サク「さっきから冷たい物、冷たい物って言ってるんですから」

夏目「ああ、じゃあ、冷たい物…」

サク「いえ、私がやりますから」と強引に座らせる。

 

卜斉「あんた、お母さんのことを聞かんね」

夏目「は? あっ、そう、あの…元気ですか?」

卜斉「しょうのない娘じゃな。ああ、元気だよ。痛いのは魚の目ぐらいなもんだそうじゃ」

夏目「そうですか」

卜斉「うん、どうじゃな? こっちゃの住み心地は?」

夏目「ええ、まあいろいろと…妙なのが多くて…」

卜斉「妙なの?」

夏目「あっ、いえ、あの、つまり…えっと…」

 

卜斉「東京がなんで妙なんじゃ?」

夏目「いえ、あの…彦根より汚いってことなんです。お堀に白鳥もいないし」

卜斉「そりゃおかしいな。彦根の白鳥は宮城(きゅうじょう)のを運んだんじゃなかったのかな」

www.tokyo-np.co.jp

夏目「は? あっ、そう…そうでしたわね」

卜斉「夏目ちゃんの手紙にやっぱり宮城の白鳥のほうが立派ですって、よく書いてあったぞ」

夏目「ああそう…そうでしたか」

 

サクがカルピスを運んできた。「あの…おしぼりないかしら? この人、暑そうよ」私が出しますからとテキパキ動く。

 

卜斉「彦根というたら、夏目ちゃん、よう大勢断ったな」

夏目「何をですか?」

卜斉「縁談だよ」

 

急に縁談の話を振られ、慌てる夏目。「それは…そんなにたくさんは…」

卜斉「見事だったね。割り勘の男はケチで嫌いだとか、無口は積極性がなくて、おしゃべりだと無個性で…」

夏目「先生」

卜斉「ほれ、どっかの若旦那がいたね。青年会議所、専務理事。あんた、あの金ぴかの名刺が気に入らんっちゅうて」

夏目「先生、やめてください」

 

卜斉「今の娘さんは、はっきりしてますからね」

サク「ええ、ええ。私も今、断られたとこなんですよ」

卜斉「今? するとあんたも夏目ちゃんの縁談で?」

サク「うん」

夏目「い…いいえ、違います。ただ南の…」

 

卜斉におしぼりを手渡すサク。

卜斉「おおきに」

夏目「(サクに)あの…お急ぎでしたわね」

サク「いいえ、あたくしは別に」

夏目「ホントにお引止めして申し訳ありません。あの…またゆっくりいらしてください」

サク「え…そう…ですか? それじゃまあ、今日は帰ることにいたしましょう。あらかた用も済んだし、まあ、妹さんによろしくね」

夏目「はい、どうもホントにどうぞ」

サク「じゃ、どうもごめんくださいまし」

卜斉「はい。ごめんください」

 

サクが帰っていき、ホッとする夏目。

卜斉「なんだか追い出したみたいで悪かったね」

夏目「ああ、いいえ、いいんです。どうせ大した人じゃないんですから」

ご近所の人かい?と聞かれて、曖昧に返事をする。

 

卜斉「占いは、やってるかね?」

夏目「はい」

卜斉「うん、しかし、あんたみたいな人が、なんでこんな道に凝ったもんかなあ」

夏目「さあ、それは…あのころ、私には何かそんな神秘的な力が必要だったんです。毎日毎日、狭い街ん中で息が詰まっちゃいそうで人生のず~っと先の先まで決まってるみたいな。つまり…青年会議所の若旦那と結婚して、それで子供5人もつくって…」

卜斉「なにも5人つくらんでもいいだろ。えっ? ハハハハ…」

 

夏目「でもなんだか5人つくりそうだったんです。ですから、先生にはなんてお礼を言ったらいいか。東へ行けって占いのおかげで…」

卜斉「そんなに東はよかったんかね? 恋人でも?」

夏目「ち…違います。そんな低次元のことじゃなくって」

卜斉「ほう、私はまたお婿さんを探しにこっちへ出てきたもんだと思ってたよ」

夏目「先生、そんなのひどいわ。もう」

 

卜斉「しかし、1年後には、よき相手に巡り合うと占(うらの)うたら、だいぶん信じてたみたいだったがね」

夏目「ああ、そのときは」

卜斉「『8月11日生まれ。月柱(げっちゅう)は却殺(きょさつ)。吉、凶の差、はなはだし。性格は個性的。言い換えれば、へそ曲がり。せっかち。頑固。頭の回転は速いが、他人の言うことに耳を貸さない』。これはあんたを占ったやつだよ。これじゃあ、なかなか恋人はできんわけだ。南ちゃんは正反対だったね。誰とでもうまくいく性格で」

夏目「いきすぎてます」

卜斉「何?」

夏目「あっ…いえ、別に」

 

卜斉「さて、あんたに会いに来た用件だが、縁談を母さんに頼まれた」

夏目「えっ?」

卜斉「相性は大丈夫。保証する。生気(せいき)、つまり大吉だよ」

夏目「あ…あの…でも…」

卜斉「1年ぐらいというのも大体、当てはまるしね」

 

夏目「でも、それは…」

卜斉「彦根の男でね、あんたも一度か二度ぐらいは会ってるはずだよ」

夏目「彦根で?」

卜斉「彦根はイヤかい?」

夏目「いえ、そういうわけじゃ、ただ…」

卜斉「私は今晩、帰らにゃならんのじゃ。まあ、いっぺん会(お)うてやってみてくださいよ」

 

夏目の会社も教え、あした来る。

夏目「そ…そんな困ります」

卜斉「会えば分かるさ」にっこり。

 

夏目の働くオフィス

落ち着かずイライラしている夏目。着信音が鳴っても電話も取らない。

 

妙子「あっ、どうしたの? 電話よ」

夏目「分かってるわよ」

 

会社近くのいつもの喫茶店

夏目の前に現れたのは一郎。「会社に電話したらここだと言われたんでね」

夏目「私、人を待ってるんです」

一郎「ああ、分かってますよ。手短に言います。母が昨日、あなたの所へ行ったそうですね」

夏目「ええ」

一郎「母はなんか僕とあなたを結びつけたがってるようですが、言っときますけど、とんでもないことです。間違っても勘違いしないでください」

夏目「勘違い? あっ…こっちこそとんでもない。誰がそんなこと。真っ平です」

 

田島「あ…あの…税務署の田島です」

夏目「税務署?」

田島「ええ、覚えてらっしゃいますか?」

夏目「あっ…いえ」

 

一郎「僕、帰るよ。今日は珍しく意見が一致しましたね。じゃあ、さよなら」

夏目「あの…ねえ…」

 

田島「あの…座ってもよろしいですか?」

夏目「あっ、どうぞ」

田島「あなたって、すごく神秘的な方だそうですね」

しゃっくりがでる夏目。(つづく)

 

税務署って夏目が副業してるから来たわけじゃないよね!? 彦根の税務署で働く夏目の見合い相手ってことよね?

 

個性的な顔立ちの田島役の三上左京さん。wikiには元俳優となっていて、作品もせいぜい1980年代の初めまでしかない。だけど見たことあったんだよね。

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この映画を見たせいかな?

ryukyushimpo.jp

このニュースに出ていた元俳優の三上左京さんと同一人物と思われます。2020年にお亡くなりになっているそうです。

 

「おやじ太鼓」44話。この回の大手の父はクレジットもなしで声だけの出演。

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今日の回は、これから見ます。

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今日から「ありがとう」の再放送も始まるー! 忙しくなるなと思ってたら、来週の番組表を見たら、野球中継だって。この時間帯はこういう休止もありなのか。ロッテ戦だ~♪