TBS 1969年5月20日
あらすじ
鶴 亀次郎は裸一貫からたたき上げ、一代で築いた建設会社の社長である。ワンマンで頑固一徹な亀次郎は子どもたちに"おやじ太鼓"とあだ名を付けられている。この"おやじ太鼓"、朝は5時に起き、夜は8時になるともう寝てしまうが、起きている間は鳴り通し。そんな亀次郎をさらりとかわす7人の子どもたちに比べて、損な役回りはお手伝いさんたち。ひと言多いばっかりに、毎日カミナリを落とされる。
2023.9.11 BS松竹東急録画。12話からカラー。DVDは第1部の39話まで収録。
鶴家
亀次郎:進藤英太郎…大亀建設株式会社を一代で立ち上げた。62歳。
妻・愛子:風見章子…5月で57歳。
次男・洋二:西川宏…ピアノや歌が得意。空襲で足を悪くした。29歳。
長女・秋子:香山美子…出版社勤務。27歳。
三男・三郎:津坂匡章(現・秋野太作)…二浪して今は大学4年生。
次女・幸子:高梨木聖…大学4年生。
四男・敬四郎:あおい輝彦…浪人中。
三女・かおる:沢田雅美…高校2年生。
*
長男・武男:園井啓介…亀次郎の会社で働いている。31歳。
妻・待子:春川ますみ…正子の紹介で結婚。
*
お敏:菅井きん…お手伝いさん。愛子の4つ下。6月で53歳。
亀次郎「おい、愛子。今日の日曜はいい天気だぞ」
カーテンを開け、広縁の椅子に座る亀次郎だが、愛子はまだ布団で寝ている。「そうですか。そりゃよかったですね」
亀次郎「どうだ、あのスズメの元気なこと。チュンチュン、チュンチュンよく鳴いてるじゃないか。人間もあれでなきゃいけないよ。今日一日のことは朝が大事なんだ。フフッ、ああ、早起きはいいもんだ。ハハッ、スズメというものはなかなか感心だよ。なあ? 愛子」
愛子「そりゃよかったですね」と大あくび。
亀次郎「いや、バンコックの朝を思い出すよ。あれは水上マーケットを見物に行くときだったかな。いや、何しろ朝が早いんだ。いや、しかし感心したよ、武男の嫁には。いや、わしが起こしてやろうかなと思ったら、もうちゃんと支度をしてコンコンとノックをするんだ。いや、あれにはさすがのわしも驚いたよ、うん。いや、実にいい嫁だ。あれはひょっとすると武男には出来すぎた嫁かもしれんよ」
愛子は一人でしゃべり続ける亀次郎にうんざり。
亀次郎「あのスズメぐらい早起きで元気なんだからな。おかげでバンコックの朝はすがすがしかったよ。あっ、そうだ。そういえばスズメは見たが、いや、カラスは見なかったよ。あの国にはカラスはいないのかな」
愛子「そうですか。そりゃよかったですよね」
亀次郎「何を言ってるんだ、お前は。フン、お前の寝言を聞いてると朝っぱらから気が変になってくるよ」
愛子「眠いんですよ。ゆうべが遅かったから」
亀次郎「早く寝りゃいいんですよ。用もないのにいつまでも起きていて子供たちと一体何を話し合っていたんだ? お前が夜更かしが好きなもんだから、うちの子供たちはみんな朝寝坊になってしまうんだ」
愛子「うるさい人ですね。お父さんが寝てからでないとゆっくりと話ができないからですよ。スズメがチュンチュン呼んでるから散歩でもしてきたらどうですか?」
亀次郎「しますよ。なんだ、大威張りで。人がせっかく朝のいい空気を吸わせてやろうと思ったら古ダヌキですよ。お前は昼まででも寝ていなさい」
早く起きろじゃなく、昼まで寝てろなんて優しいと思ってしまった。
愛子「人のことを古ダヌキだなんて自分はなんだと思ってんのかしら」
しかし、前回は母の日の話だったはずで、母の日は5月の第2日曜日。その日に亀次郎たちが帰ってくるから掃除をしていて、子供たちは愛子にカーネーションを贈って…今回の日曜日の朝は翌週? でもゆうべ遅くまで話をしていたって言うし…
亀次郎は台所の扉を開けたり、別の部屋のカーテンを開けたり。「こら、いつまで寝てるんだ! 1人ぐらい起きてきなさい」と2階へ声をかけたり。表玄関の扉を開けたが、すぐ家の中に戻ってきて、愛子、愛子と呼び掛ける。
愛子は起きて布団をたたんでいる。「なんですか、やかましい」
亀次郎「ああ、ちょっと来なさい、ちょっと」
愛子は構わず布団をたたみ、犬でも吠えてるんですか?と亀次郎に背を向けながら言う。
亀次郎「バカなこと言いなさい。バチが当たって目がつぶれますよ。あんないい嫁があるか、ないか。そのどんぐり眼で見てみるといいんだ。この分からず屋。(ふすまにぶつかる)アタッ…このバカ者!」
愛子「プッ…あれぐらい元気で怒鳴っていられれば大丈夫だわ」
表を掃いている待子。亀次郎はニコニコご機嫌で近づいていき、待子に声をかけた。「あんたも早いじゃないか」
待子「お邪魔になっちゃいけないと思って表を掃いていたんです」
亀次郎「ああ、いやいや、ご苦労さま。まだお日様も上がってないよ」
待子「お義父様もお早いんですのね」
亀次郎「いや、わしは寝ていられないんだよ。特に日曜日は会社がないし、もう楽しくてウキウキしちゃうんだ」
待子「あたくしもそうですわ。武男さんが一日そばにいてくれるんですもの」
亀次郎「うん? ん…あっ、うん、アハハハッ」ご機嫌な笑顔。
待子「ああ、いい気持ち。5月の朝ってすてきですわ」
亀次郎「ああ、すてきもすてき。ビフテキだよ、上等だよ」
待子「あっ、あたくしビフテキ嫌いなんです。お肉の焼いたのは」
亀次郎「あっ、そうかそうか。でもそのほうが安上がりだよ。じゃあ、お茶でも飲もうか」
待子「はい、お入れいたします」家へ走っていく。
亀次郎「ああ、これこれ、走ると転びますよ。転ぶと痛いから気をつけなさい。うん? ハハハハ…スズメは元気だし、嫁さんも元気だし、ハハッ。チュチュン、チュチュン、チュン」スズメのさえずりをまねしながら歩く。
待子は裏玄関から入り、台所へ。亀次郎は表玄関から入ってきて、再び2階へ向かって叫ぶ。「こら! まだ寝てんのか。少しは待子さんを見習いなさい!」
台所
亀次郎「あっ、上等のおいしいお茶にしようよ」
待子「はい」
亀次郎「台所でいいからね」
待子「はい」
今度は愛子と呼んで、廊下を歩きだす亀次郎。
愛子「愛子、愛子って今朝はバカに懐かしそうですね」姉さんかぶりをして布団を片付けたあとの和室を掃いている。
亀次郎「思い違いもいいとこですよ。なんですか、今頃掃き出していて。ああ、待子さんはとっくに表を掃いちゃったんですよ。ヘッ、それも向こう三軒両隣だ。ヘッ、きれいなもんさ」
愛子「いけませんよ、そんな。お隣はお隣ですよ。おせっかいなことをしたら気を悪くしますよ」←そう! それはそうなのよ。
亀次郎「気を悪くするくらいだったら早起きをすればいいんですよ。ああ、来なさい。お茶を飲ましてやるから」
愛子「お父さん、そんな格好してないで早く着替えてくださいよ」
亀次郎「着替えませんよ。これだって立派な寝巻きですよ」
台所
待子にお茶をいれてもらと茶柱が立っていた。
亀次郎「あんたは至れり尽くせりだよ。気が利く人だよ」
待子「いいえ、ダメなんです。モーションがのろくて」
亀次郎「いや、それがいいんだよ。ハハッ。おっとりしていて、ねっ、へへへ…」
あんたも飲みなさいと亀次郎自ら、魔法瓶から急須にお湯を注ぎ、待子のためにお茶をいれる。待子のお茶もまた茶柱が立っていた。
愛子が台所へ入ってきた。「お前は出すぎないほうがいいんだろ?」と亀次郎がお茶をいれる。
亀次郎「どうせ出がらしには慣れてるよ」
愛子「これですからね」
待子「あたくしもそのうち慣れますわ」
愛子「いえ、これからのお嫁さんはそんなことに慣れてはダメですよ」
亀次郎「どうしてダメなんだ?」
愛子「これからのお嫁さんは対等ですよ。人間の権利がありますよ」
亀次郎「お前はありすぎますよ。気が強くって、口ばっかり達者で」
愛子「達者になったんですよ。30年も怒鳴られてれば、大抵、気だって強くなりますよ」
逆に言うと人間の権利すらなかったのね、お嫁さんには。
亀次郎は愛子にいれたお茶に茶柱が立ってないと待子に見せて大笑い。
愛子「バカバカしい。何言ってるんですか」
お敏が起床し、「どうしたんですか? こんなに早く皆さん、台所に集まっちゃって」とエプロンをあてながら台所に入ってきた。待子に日曜日なのに勘違いして早起きしちゃったんですか?と聞く。
亀次郎「何を言ってんだ、お前は。誰が日曜日を勘違いするもんか」
お敏「そりゃまあそうですわ」とせっかくお茶をあがるんでしたらと戸棚からゆんべの残りのたい焼きを出してきた。”ゆんべ”復活。
亀次郎「変なものしまっておくんだな、お前は」
お敏「おなかが減ったときいいんですよ。それに鯛ですもの。なんとなくおめでたいんですよ」
愛子「あんたいつだっておめでたいんじゃないの」
お敏「まあ、奥様ったら」
亀次郎「そのくせ、愚痴ばっかりこぼしてんだ」
お敏「口癖なんですよ。他に言うことがないんですよ」
お敏が朝ご飯を作るので、亀次郎たちはお茶の間に移動。そこに電話がかかってきた。大手から亀次郎あてに三郎のことで電話だったが、亀次郎は心当たりがなく愛子が出た。
茶の間
待子「大手さんなんて珍しい名前ですね」
亀次郎「将棋じゃあるまいし、こんな朝っぱらから大手でくるなんて失礼ですよ」
大手は三郎の演劇仲間。
茶の間にも愛子の電話の声が聞こえてきて、亀次郎は聞き耳を立てる。愛子は亀次郎が不在ということにして話をしている。茶の間から電話まではまあまあ距離ある。
愛子「もしよろしければ私がそちらにお伺いいたしますが」
大手「私のほうは娘の下宿だから困りますよ。お宅は田園調布の駅で聞けば分かるでしょ?」
愛子「いいえ、それが今日は…」
亀次郎が愛子に近づき、受話器を奪い取った。「もしもし、私が三郎のおやじですよ。一体、何を朝っぱらから揉めてるんですか」。大手は声だけの出演でノンクレジット。
茶の間に戻ってきた愛子は待子にお茶を頼む。「いよいよ始まりますよ」
待子「何が始まるんですか?」
愛子「まあ見てらっしゃい。あなたも慣れておいた方がいいから」
待子にお茶をいれてもらい、愛子はたい焼きを半分にして食べようとする。「鯛でも食べて厄払いしときましょう。あなたも半分、どう?」
待子「いえ、今は」
電話を切った亀次郎はやっぱり怒っていた。「愛子! わしの留守中になんてことをしてくれたんだ。あのおやじもカンカンだが、わしだってカンカンだよ」
愛子「まあ立ってないで座ってくださいよ」
亀次郎「座ろうが立とうが同じですよ。こんな大恥をかいて、ったく…。あのおやじときたらどんな親だか親の顔が見たいと抜かしやがった」
愛子「びっくりしますよ、見たら」
亀次郎「当たり前ですよ。このヒゲをなんだと思ってんだ」
待子はじっと亀次郎を見ていたが、亀次郎にお茶をいれる。亀次郎はたい焼きを食べている愛子にも腹を立て、半分どうですか?と勧められると尻尾なんかいりませんよと手を払いのけた。
お敏に三郎を起こすように言うが、愛子が止める。「分かってるんですよ。もう私も三郎を叱ったんですよ」
亀次郎「叱ったぐらいで済むことじゃありませんよ」
愛子「いいえ、今の大学生にはよくあることですよ」
亀次郎「よくある? こんなだらしないことが」
愛子「そういう時代なんですよ。お父さんや私がいくらだらしがないと思ったって、そういう世の中が来ちゃったんですから、しかたがないですよ」
亀次郎「しかたがないじゃ済みませんよ。うちの子供は」
愛子「だって大学の問題だって官庁の汚職だって若い人が納得できることがないじゃありませんか」
亀次郎「そりゃまあ、そうさ」
愛子「私はゆんべも眠れなかったんですよ」
亀次郎「三郎のバカ者。なんてことをしてくれたんだ」
愛子「お父さん」
亀次郎「なんだ、そんな甘い顔をして」
愛子「三郎よりももっと困ったことが起きたんです」と広間へ行って話しましょと言うが、亀次郎はいいよここでという。
愛子「ダメですよ、ここでは。すぐ2階へ駆け上がってしまうんですから」
亀次郎「馬じゃありませんよ!」
愛子「蹴飛ばされんのは分かってるんだけど」
様子を見ていた待子は愛子に「武男さんを起こさなくていいでしょうか?」と聞く。愛子も武男を起こすように言い、お敏にお茶を広間へ運ぶように言う。
広間
亀次郎「せっかく今朝は茶柱が立ったのに」
愛子「あんな憎まれ口を利くからですよ。私のは立ちませんでしたからね」
愛子は洋二のことだと切り出す。「私も困りきっちゃったんです」
亀次郎「洋二が何をしたんだ?」
愛子「まだなんにもしちゃいませんよ」
亀次郎「洋二が三郎みたいにバカなことをするか」
愛子「バカなことのほうがまだいいですよ。洋二は生真面目で一生懸命だから困るんですよ」
亀次郎「一生懸命に決まってますよ。あの子は絵本だってうまいんだし、ピアノだってうまいんだ。ちょっと他の子供たちと違うんだ」
愛子「…」
亀次郎「その洋二が何をしようってんだ?」
お敏がお茶を運んできた。お茶なんかどうでもいいと言う亀次郎に茶柱が立ってるかもしれませんよと愛子が言うが、お敏が「立ってませんよ、あいにく」とバッサリ。亀次郎はお敏に「洋二さんを起こしてきなさい」と言う。愛子は私の話を聞いてからのほうがと止めるが、亀次郎は洋二から聞いた方が早いと言う。
愛子の表情は暗い。熱いお茶をフーフーしている愛子を見て亀次郎もまねする。武男がガウン姿で登場。「三郎のことで変な電話がかかったそうですね。あの下宿へ泊まったことでしょ?」
愛子「そうなの」
武男「女の子のおやじさんが乗り込んでくるんですって?」
愛子「そうなのよ」
武男「つまり冠助なんですね」
愛子「そうなの」
冠助=怒る=おかんむり、ということらしい。
武男「よし! まあ僕に任しといてください。三郎も三郎だけど女の子も相当なもんですよ。とにかく泊まっていけって誘ったのは女の子のほうなんですからね。なにもこっちばっかりペコペコ頭を下げることありませんよ。ねえ? お父さん。まあ、このことは僕がうまくさばきますから。いや、いい陽気だ。天気はいいし」
亀次郎「何を言ってるんだ、お前は。今ごろ起きてきて大威張りで天気なんかよくありませんよ。このうちの天気は」
武男「はあ」
亀次郎「お前にさばけるぐらいのことならお父さんやお母さんがこんな顔をしちゃいませんよ」
武男、首をすくめて愛子に頭を軽く下げる。
愛子「洋二のことなのよ」
武男「えっ? 洋二もしでかしたんですか?」
亀次郎「洋二がしでかしますか」
愛子「いいえ、それが…」
お敏がそっと顔を出し、愛子にだけ話したそうにしていたが、亀次郎に言われて3人の前で洋二がいないと話した。部屋もちゃんと片づいていてベッドも休んだ様子がない。愛子が部屋を飛び出す。
武男「しでかしたかな」
亀次郎「あの子がしでかすもんか!」と武男を突き飛ばす。
階段を駆け上がる亀次郎。階段を上った正面右に洋二の部屋のドアがある。
愛子「いないんですよ」
亀次郎「トイレじゃないのか?」
愛子「お父さん、トイレじゃないんですよ」
おお、亀次郎も愛子もトイレと言ってる。便所→トイレの歴史を見た。
亀次郎「じゃあ、どこにいるんだ?」
愛子「机の上の絵の道具がなんにもないんです」
亀次郎「だからどこにいるんだって聞いてるんだよ、わしは」
愛子「出ていったんですよ、あの子は」
亀次郎「出ていった?」
愛子「このうちから出ていったんですよ」
亀次郎「どうして? いや、ど…どうしてあの子は出ていったんだ?」
愛子「お父さんがタイから帰ってくる日に…あの子は私にそう言ったんです」
亀次郎「出ていくってそう言ったのか?」
愛子「ええ」
亀次郎「だからどうして出ていったかって聞いてるんだよ」
やっぱりあの日から1週間経ってるってことか。1969年5月18日(日)。
愛子「水原さんですよ」
亀次郎「水原? あの全学連の女か」
愛子「好きなんですよ、あの子が。あの子が苦労してるもんだから自分も苦労がしたくなったんですよ。自分のわがままな贅沢な生活が嫌になったんですよ」
亀次郎「やっぱり女か」
武男「やっぱりいないんですか」
亀次郎「バカ者!」とやっぱり突き飛ばされる。
亀次郎は階段を上がって左の元・武男の部屋へ入っていき、「このバカ野郎、お前ってやつは!」と三郎を怒鳴る。三郎と敬四郎が部屋から飛び出し、三郎はグラグラの階段の手すりから飛び降りる。外観は本当の豪邸だけど、家の中はセットなんだよね。階段手前の右の部屋からかおるも出てくる。
敬四郎と三郎は階段を下りて、裏玄関へ逃げる。亀次郎は裏玄関から外へ叫ぶ。「三郎のバカ者! 貴様もとっととこのうちを出ていけ!」と扉をピシャリと閉めた。
裏玄関に愛子、武男、待子、お敏、かおるが集まる。亀次郎は怒りで震えている。
愛子「すいませんでした」
亀次郎は何も言わず、茶の間へ。
武男「お母さん、えらいことになっちゃいましたね」
電話が鳴り、武男が出た。「もしもし鶴です。あっ、お前か。お母さん、洋二ですよ」
愛子「もしもし洋二かい?」
洋二「すいません、お母さん」
愛子「いいえ、私よりお父さんよ。お父さんは誰より脚の悪いあんたをかわいがっていたものね。もしもし」
洋二「はい」
愛子「それで、今、あんたはどこにいるの?」
洋二「すいません。突然あんなことしてしまって」
愛子「そんなことより今、どこにいるの? もしもし? もしもし、洋二」
待子が武男の胸で泣き出してしまい、武男はハンカチで待子の涙を拭く。かおるの二度見が面白すぎる! ほんとうまいよ、沢田雅美さん。
愛子「黙ってちゃ分からないじゃないの。あんただってよくよく考えてしたことですもの。もうそのことはお母さんなんにも言わないわ。だから今、どこにいるのか、それだけは言ってちょうだい。それでないとお父さんだってたまらないじゃないの」
茶の間にいた亀次郎は愛子の声を聞き、たい焼きをテーブルに投げつける。「おやじ太鼓」が流れる中、暗転し、亀次郎のシルエットが浮かぶ。(つづく)
舞台っぽい感じ。洋二はちゃんと名前が出てた。ああ、洋二兄さんどこ行っちゃったんだ。亀次郎は愛情深い人なのに、たまに1シーンくらいしか見てなさそうな人がとんでもないモラハラおやじとわざわざタグ付けてつぶやいるのを見るとちゃんと見ろ!って思っちゃう。それ言うならイネはどうなんだって話。