TBS 1972年2月15日
あらすじ
勉(小倉一郎)は退院したが、相変わらず家にも寄らず、友達の所に行ったきりである。しかし勉がいなくても、正司(加藤剛)はうれしくて良子(沢田雅美)やはつ(菅井きん)を誘い、勉のために祝杯をあげようと思った。
2024.4.2 BS松竹東急録画。
人生の喜怒哀楽に
私達が求めるものー
人々は、即座に
「しあわせ」と言う。
では、幸わせとは
何処から来るのでしょう
今回のポエムは1話冒頭のポエムと同じ。
及川正司33歳。彼は旅行社に勤務していました。一度、脳溢血で倒れたことのある病身の父と、まったく血のつながりのない弟と3人の家族です。しかし、弟の勉は父や兄の愛情にすねて今も不良とのケンカで足を骨折し、入院中です。それでも、正司はイヤな顔をしないで病院に見舞うのですが、その病院の売店に働く良子というけなげな娘がこの兄弟の関係に心を動かされ、つい心情的に深入りしていくのでした。
そして、井上はつというそば屋の女将さんもつい深入りした一人でした。彼女は正司の親孝行に惚れ込んで、お嫁さんを世話しようとするのです。新作という大きな鉄板焼きの料理屋の娘・寿美子に見当をつけたのです。それというのは、寿美子の父・新作は妻と3人の息子に裏切られ、親孝行な息子なら気に入るだろうと思ったからです。新作は気に入りました。
しかし、寿美子は写真も見ないで断ったのです。それというのが、つい先日、自分を一方的に好きになった若い会社員が使い込みをした事件が週刊誌にまで出てしまったので、そんな直後の結婚話は真っ平だと思っていたからです。
ところが、人生には奇妙な出合いがあります。正司と寿美子は、お互いに縁談のあった相手とは知らず病院の売店で出会ったのです。そして、妙な成り行きから一緒のタクシーに乗ることになってしまいました。その日からです。寿美子の一目惚れは日増しに新作をてこずらしていくのです。奇妙な出合いこそ人生を決めるのかもしれません。
そして、いま一人、正司と奇妙な出合いをした老人があります。弟と同じ病院に1年半も入院している小川さんです。この人は、かつて生きていた英霊。今は見舞いに来る人もない孤独な人生をただ三度の食事と寝るためにだけこの病院から出まいと頑張っている人です。その人が同じ病室の患者たちに一人息子がベニスにいると、とんでもないウソを言ってしまったばっかりに、そのウソの行方は意外な愛の波紋を広げてゆくことになるのです。
ここで昨日のラストシーン。病室に入ってきた正司が「お父さん、どうしたの?」と小川の肩に手を置く。驚く小川。
正司「しっかりしなきゃダメですよ。ヤだな、お父さんったら。ベニスから帰ってきたんですよ、息子が」
小川が正司に抱きついて泣き、驚く患者たち。ドアを開けて良子も目撃。
ここで、ジャーン!とタイトルが出る。ここまで4分弱。
及川正司:加藤剛…添乗員。33歳。字幕黄色。
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及川勉:小倉一郎…正司の義弟。20歳。
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及川高行:長浜藤夫…正司の父。
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小田草之介
高畑喜三
青ちゃん:畠山麦…勉の友人。
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林:高木信夫…鈴木の向かいのベッドの入院患者。
田中:渡辺紀行…小川の隣のベッドの入院患者。
鈴木:豊田広貴…林の隣のベッドの入院患者。
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宗田政美…売店の客。
真崎竜也…売店の客。
ナレーター:矢島正明
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小川:三島雅夫…1年半入院している病院の主。
回想シーンには出てたけど、今回は寿美子も新作も出てないのね。
小川「すいませんねえ、さっきは」正司と一緒に来店。
良子「いいのよ、ジュースの瓶の1本ぐらい。はい、さあ、ここへお掛けなさいよ」
小川「はい、ありがとう」涙を拭きながら席へ掛ける。
正司「ジュースでも召し上がりますか?」
小川「あっ、いえ、私はもうお茶だけで」
良子「遠慮しなくたっていいのよ」
小川「いや、ジュースはイヤですよ。また涙が出ちゃうからね」
良子「ああ、そっか」
正司「僕にもね」
良子「はい」
別の席に掛けていた勉は「じゃあ、僕は治療室に行ってくるよ」と立ち上がった。良子の指導で”僕”って言うようになった!? 正司は、あした退院したらまっすぐお父さんのアパートに行くように言い、勉は一度はどうして?と聞くが、「じゃあね、行くよ」。正司はお祝いするから僕が帰るまで待ってるんだよと声をかけるが、そのまま行ってしまった。
良子「どうしてうれしい顔ができないのかしら?」
正司「あれで結局は甘えてるんだからね」
良子「少し甘やかしすぎたんじゃないの?」小川と正司にあんまり出なかったけど、とお茶を出し、別の客の応対へ。
小川「すいませんねえ、あなたにも」
正司「いいえ。どうも妙なことになってしまって」
小川「ありがとうございます。ベニスから絵葉書頂いたり、本当にご迷惑なことばっかり…」
正司「別に迷惑じゃないけど。でも、なんだか変ですね。さっきはつい、あなたの顔を見たらあんなことが言えたんだけど」
小川「そりゃそうでしょう。私もついそんな気がして。すいません、失礼しました」
正司「よっちゃん、君のせいだよ。こんなことになったのは」
良子「だってしょうがないでしょ。そうしてあげたほうがいいんですもの」
正司「この人にボロクソに言われたんですよ。僕は冷たい人間だって」
小川「とんでもない」
良子「そうね。今はそうは思わないわ。それにちゃんと分かってんの。あのしょうがない弟さんの面倒見てんでしょ?」
正司「見てるっていうほどじゃないけどね」
良子「いい人よ」
正司「こら、口から出任せ言っちゃ困るよ」
良子「いえ、ホント。顔見りゃ分かるわよ。ねっ、そうよね?」
小川「そうですよ」
正司「人が良すぎるのかな」
良子「そうそう、そうよ。ああいう手がつけられない弟さんにね、ナメられちゃダメよ。私なんてね、わざとボロクソに言ってやんの。だってね、ああ言えば、こう言うでしょ。ホントにしゃくに障んのよ。でもね、根っから悪い人じゃないみたい。すねてんのね。格好いいと思ってんだわ。だからね、私なんてね、もうしょっちゅうバカねって言ってやんの」
正司「さんざんだな。君に会うと弟も」
良子「そうよ。でも、そうするとね、割合素直になっちゃうのよ。だから、かわいいとこもあんのね」
正司「じゃ、これからは君に頼もうかな。あいつの再教育は」
良子「ええ、いいわよ。簡単よ、あんなチンピラぐらい」
正司「おいおい、ひどいことになったな、勉も」
小川「チンピラですか?」
良子「ちょっと口が滑ったかな」
正司「いや、いいよいいよ。それくらい一生懸命になってくれれば」
良子「ねっ、そうでしょ?」
小川「でもいいですねえ。弟さんがあったり、親切に世話を焼いてくれる人があったり、私なんか羨ましいですよ」
正司「あなたには身内の人は誰もいないんですか?」
小川「いないわけじゃないんですけどね、いろんなわけがありましてね」
正司「そうでしょうね」良子にお茶を頼む。
良子はお茶とともに正司においなりさんを勧める。正司は小川にも勧め、良子は、私のお願い聞いてくれたからとおごった。また泣きだしてしまう小川。
良子「ダメよ、泣いちゃ。そりゃね、泣きたいことはたくさんあるわ、誰だって。だけどね、私、こういうときは泣いてやろうって決めてんの。よそうかな。こういうこと言うの生意気だから」
正司「いいよ、いいよ。よさなくったって。君が言うと何を言ったって生意気にはならないよ」
良子「私だってね、随分、つらいことがたくさんあったのよ。よく泣いたわね、悔しくって、つらくってね。でもね、もうこのごろは自分のことでは泣かないことにしたの。グッと我慢しちゃうわ。それでなきゃ、とってもダメ。メソメソしちゃ、とても生きていけないんですもん」
正司「だから、さっき泣いたのか? 人のためにね」
良子「そう。人のためか、とってもうれしいときにしか泣かないことにしたの」
若い男性客が買い物に来た。接客する良子。
正司「なかなかしっかりしてるんだな」
小川「ええ。私もついうれしくって」
正司と小川は遠慮なくいなりずしを食べることにした。
良子「おいしいのよ、うちのおいなりさんは」
正司は初めて小川さんに会ったときもいなり寿司を食べていたことを思い出した。「不思議な縁かな、これも」
良子「ついでに息子さんになってあげればいいのに」
正司「そうはいかないよ。君は簡単に言うけど」
小川「そうですよね。親子の縁なんて、そう簡単なもんじゃありませんものね」
良子「そうね。私だって、お父さんが生きてたらどんなにいいかと思うわ」
良子の父は、良子が3歳のときに亡くなった。きょうだいは3人。しかし、自分の話を多くは語らず、話を切り替えた。
小川さんは25年前の悲しさを見つめていました。生きていた英霊として村に帰ってきたとき、秀行という一人息子は6歳になっていたのです。でも既に他人の子供だったのです。正司もまた18年前の悲しさを見つめていました。いや、正司の悲しさというよりも弟・勉の悲しさです。
回りが白くぼかされた回想シーン。学生服の少年と小さな男の子が手をつないで歩いている。
母が亡くなったのは正司が11歳のときでした。それから3年、父は親戚に預けてあった正司を哀れに思い、後妻をもらって正司と一緒に住むことにしたのです。後妻には、やっと歩き始めた満1歳の子供があったのです。それが勉です。ところが、その翌年、後妻は勉を押しつけたまま、出入りの洗濯屋と姿をくらましてしまったのです。その日からです。兄弟の愛よりもなお正司は勉を愛し始めたのです。
少年が男の子をおんぶして歩いていく。ノンクレジットだったけど、旧ツイッターで学生服の少年は、吉田次昭さんではないかという指摘がありました。「おやじ山脈」では、秋山ゆりさん、林隆三さん、小倉一郎さんの弟役として出演。
エレベーターを降りてきた勉。「じゃ、お前は病院の前で待ってろよな」
青ちゃん「すぐ出てくるんだろ?」
勉「ああ、これ置いてくるだけさ」
青ちゃん「じゃ、売店で待ってるよ」
勉「いいんだよ、廊下で待ってりゃ」
青ちゃん役の畠山麦さんはキレンジャー役だったのね。でもこの役は青ちゃん。あとは「二人の世界」の21話に出演した商店街の若い衆。「たんとんとん」の磯田とともに麗子に嫌がられるあの客たちね。
青ちゃんに荷物持ちをさせて、小川の病室へ行った勉。「おじさん、おはよう」
小川「おや、いよいよ退院ですか」
勉「これをね、余り物(もん)だけど食べてよ。クッキーやキャンデーやゴチャゴチャに入ってんだけど」
寿美子が正司に渡したお菓子が結局は勉の手に渡ったのかなあ? 矢場のベッドに鈴木が移り、鈴木のベッドにも誰か患者がいるね。
小川「それはそれはどうも」
勉「捨てちゃうのももったいないしね」
小川「とんでもない、捨てるなんて。どうもありがとう」
勉「じゃ、元気でね。おじさんも早く良くなって退院しなよね。飽きちゃうだろ? 三度三度、病院のご飯じゃ」
小川「いえね、慣れてしまえばね」
勉「そうかな、まあね」
林や田中が笑いだす。今まで矢場のベッドの隣にいた中年男性が鈴木だったのに田中と鈴木が逆になった!
勉「おい、何がおかしいんだよ?」杖を持ち上げ、すごむ。
田中「いえ、別に」
青ちゃんがドアを開け、早くしろよと勉を急かす。
勉「じゃ、おじさん。まだマッサージ通うから、また寄るよ」
小川「ありがとうよね」
勉「じゃ。あっ、そうか。おじさん、イヤなヤツが何を思おうとへっちゃらだよ。気を大きく持ってゆっくりいなよ。それからさ、言っとくけどさ、年寄りには三度の飯を食う権利があるんだからな」林や鈴木をにらみつけながらしゃべる。
青ちゃん「おいおい、べんちゃん。もめようってのかよ、ここで」
勉「うるさいんだよ、お前は。ほら」青ちゃんを連れて、ドアへ。「じゃ、おじさん。ベニスから帰った息子さんによろしくね」
勉もやっぱり優しいところがある。最初から小川には好意的だったな。
9話でも共に名前のあった小田草之介さんと高畑喜三さんは、もしかしたら、堀と矢場の代わりに小川と同室になった患者かもしれないな。
廊下に出た勉は荷物持ちの青ちゃんに先に玄関で待ってろよなと命じてエレベーターに乗る。
男1「だけど、あれですね。麻酔が切れると手術のあとってのは、ああまで痛いもんですかね」
男2「場数は踏んでおいたほうがいいんだよ。試しにおめえも切ってもらいな」
男1「そんな殺生な…出入りでもないのに真っ平ですよ。いや、それにあの痛さでしょ? 親分ほどの男一匹がベッドから落っこちそうになるんですからね。いや、泣いてましたよ。ポロポロ涙をこぼして」
男2「うん、年を取ると赤ん坊に戻るっていうじゃねえか。あれだよ」
男1「そうかな。鬼の目にも涙っていいますよ」
男2「バカ野郎! つまんねえことウダウダ言うない。さあ、行こう」立ち上がる。
男1「へい」
男2「おねえちゃん、おいくら?」
良子「はい、120円です」
男2「あっ、弾みなよ、チップは」肩で風を切って歩いていく。
男1「またあれだ。言うことだけは気前がいいんだからよ」
良子「いいんですよ、チップなんか」
男1「そうだよね? 自分だけ食べてよ。じゃ、120円と」
良子「ありがとうございました」
男1「じゃ、おねえちゃん、またね。へへへへ…」良子の肩を触る。気持ち悪っ!
良子「ヤな感じ。何がおねえちゃんよ」
120円ってことはいなり寿司2人前か?
恐らく売店の客は宗田政美さんと真崎竜也さん。真崎竜也さんは「たんとんとん」では新次郎が連れて行ったキャバレーのボーイ。「二人の世界」にも名前を連ねてるけど、なんの役かは分からない。どっちがどっちかも分からない。
それにしてもこのシーン、何だったんだろう? いろんな客がいるよってこと?
良子がテーブルを片づけていると、勉が「またあした来るよ」と声をかけた。ゆっくりしててもいいけど、うるさいおばちゃんが来る。一緒に父のアパートに行くのが、あんまりうれしくない。しかし、じゃ、もう少しいようかと店へ入ってくる勉。「そのほうが君だっていいんじゃないの?」
良子「どうして私がいいの?」
勉「やっぱりね。毎日いた人がいなくなると、寂しいんじゃないの?」
良子「ハハーだ。ちゃんちゃらおかしいこと言わないでちょうだい」
勉はコーヒーを飲んでいくと椅子に掛ける。「やっぱり君はいい人だったよ。好きだよ、本気でさ」
良子「何言ってんの?」
勉「いや、本気も本気」
青ちゃん「何言ってんだよ、そこで」荷物を抱えて顔を見せる。
勉は玄関で待ってろって言ったじゃないかとムッとする。
正司のオフィス
正司「3月10日ごろ、ご出発の東南アジアですね? はい、ご予定は? 1週間。そうですね、マニラまで行けないことはありませんが、ちょっと忙しいですよ。それよりもホンコン、マカオ、バンコックぐらいにして、ゆっくりなさったほうがいいんじゃないでしょうか? はあ、そのほうがいいと思いますよ。とにかく一度わたくしのほうで予定を立てさせていただきますから、それからまたお考えになったらいかがでしょう? はあ、あしたの午前中ですね。わたくし、及川と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。ごめんください」受話器を置く。
1日2日休んだからまた海外ってわけでもないのね。
再び受話器を持った勉は今度は私用電話。高行に勉が帰ってきたか聞く。友達が歓迎会をしてくれるので、あした来ると言って、今日は来なかった。
高行の部屋には、はつが来ていた。はつが11時に病院へ行ったが、もう退院していた。正司のもとに笹本さんから電話が入り、また電話するといったん受話器を置いた。
電話を切ったはつは、勉の愚痴をこぼす。
高行「あれでいいんですよ。あんなケンカさえしなきゃね」
はつ「ホントに正司さんは大変。とても実の弟だって、ああはできませんよ。まるでお父さんとお母さんを一緒にしたみたい。一体どういうんでしょうね」
高行「それがね、こうなんですよ。正司は昔っから、このことを心のどこかで思っているんですね。つまり、勉がかわいそうなことになったのは、みんなもとはといえば、自分のためだと思っているんですよ」
高行は妻に死なれて正司を親戚に預けていた。かわいそうだったが、一人では正司を引き取って一緒に住むわけにはいかない。そのころ、戦争中に疎開した八王子のほうで建築ブームの忙しいときに建築会社の経理をやっていた。正司を手元に引き取るために後添いをもらった。
しかし、結局は出て行ってしまい、正司は自分のために勉がかわいそうになったと思っている。昔から勉のことでは夢中で、勉がよその子供にいじめられたりすると顔色を変えて怒った。勉は正司のありがたさを今ではちゃんと分かっている、分かっていてい甘えている。
夜の街。パブ・カーディナルの看板が大写しになったけど、有名な店なのね。
地下鉄赤坂駅から徒歩1分。
良子も正司から招待されてここにいるのです。そして、この歩道にこうして立っていると2日前の夜、やはりこの歩道に立ったときのことを思い出します。あのときは自分から電話をかけて待ち合わせをしました。そして、今日は同じ店で待っているようにとの電話でした。そして良子は思うのです。いつの間にか自分との関わり合いが深くなっていく2人の兄弟のことを。そのとき、ふと気がついたのです。自分の中に楽しく芽生えている恋のような喜びを。
正司「よっちゃん。待たしちゃったね」
良子「こんばんは」
はつ「こんばんは」
正司「どうして外へ立ってたの?」
良子「だって、店ん中満員ですもの」
正司「そうか。ごめん、ごめん」
はつ「しゃれたお店ですね?」
良子「とてもきれいでしょ?」
正司「でも今日、ごちそうしようと思ったのはここじゃないんですよ」
はつ「あら、違うんですか?」
この店は良子との待ち合わせのために使った。タクシーを待つ正司たち。
はつ「一体何をごちそうしてくれるんですか?」
正司「鉄板焼きですよ。よっちゃんもそれでいいかな?」
良子「ええ」
はつ「いいも悪いもそんな贅沢な物(もん)、ごちそうになっていいんですか?」
正司「いいですよ。勉が退院したお祝いですもの」
良子「私なんて見たことも食べたこともないわ」
正司「じゃあ、ちょうどよかったね」
はつ「どこなんです? そのお店は」
正司「赤坂のね、一ツ木通りをちょっと入ったとこらしいんだけど。実は僕も初めて行くんですよ」
はつ「そのお店の名、なんていうんですか?」
正司「新作。電話帳で見たら、新しいと作物の作。きっと一流の店だと思うんだけど。まあ、行ってみましょう。タクシー来ないかなあ」
はつ「新作ですか…」表情が曇る。
タクシーを待つ正司の後ろ姿でつづく。
良子も正司も鼻の先が赤くなり、吐く息も白くて寒そう。
いよいよ寿美子と対面? しかし、正司と寿美子は絵的にはお似合いだけど、正司は優しい人だから、ちらちら見える寿美子の気の強さがちょっと気になるな。
今は加藤剛さん、竹脇無我さん、山口崇さんがそろい踏みの「大岡越前」を最初から見てみたい。第一部は1970年。本音は、この時代でこの3人の現代劇が見てみたかった。時代劇専門チャンネルでは今15部をやっていて、また最初に戻ってやってくれないかな~とひそかに思っています。
昨日の朝放送の「おやじ太鼓」2話。やっぱり初期は洋二と初子路線があった気がしないでもない。愛子は洋二の相手は、いいとこのお嬢さんより優しい娘さんがいいとか言ってるし。でもな、水原トシも結構初期から登場するんだよね。
今日は3話。高円寺のおばちゃん初登場。
これから見るぞ。