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【ネタバレ】わが子は他人 #11「決心」

TBS 1974年6月12日

 

あらすじ

買い物に出た紀子(音無美紀子)が街で偶然、晃(吉田友紀)に会ってしまう。晃からその話を聞いた和子(林美智子)はショックを受けるが、これを機に福山・和泉の両家は親戚づきあいをするという決心を固める。

2024.5.8 BS松竹東急録画。

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福山大吉:松山省二…太陽カッター社長。字幕黄色。

福山紀子:音無美紀子…大吉の妻。字幕緑。

*

和泉和子:林美智子…元の妻。

*

福山隆:喜久川清…大吉の弟。浪人生。

鍋谷孝喜…太陽カッターの従業員。

原:安東結子…元の教え子。

岡田和江

*

福山一郎:春田和秀…大吉、紀子の息子。小学1年生。

和泉晃:吉田友紀…元、和子の息子。小学1年生。

ナレーター:矢島正明

*

福山ゆき:小夜福子…大吉の母。

*

和泉元(げん):杉浦直樹…中学校教師。

 

仕事をしている大吉。道路での作業だから、他の木下恵介アワーに比べてもロケのシーンが多い。あと子供がいるから公園のシーンとかね。

 

親たちは子供の将来を考えて両家の親戚づきあいを考えました。子供の心を傷つけないためにそうするしかないと思ったのです。ただ、あとになって考えてみれば後悔だけが残るのでした。たとえ、苦肉の策とは言いながら親戚づきあいとは育ててきた、わが子を手放すための第一歩であったからです。

 

学校の階段を下りてくる元。

 

その思いは元も同じでした。問題を解決するために自分から提案したのですが、提案したほどには気持ちのほうが割り切れていなかったのです。その迷いは時がたつにつれて大きくなっていきました。もしかすると親戚づきあいという方法が親の都合なのかもしれないと思えたからです。

 

和泉家の前をウロウロする紀子。和泉家を訪ねることはなく、近くの道路を歩いていると一人で歩いている晃が向こうから歩いてきた。晃と目が合ったものの無言ですれ違うが、晃が立ち止まって振り返る。

 

和泉家と福山家は電車に乗るような距離感なのにエプロン、つっかけ、買い物カート持参の紀子が晃に声をかけた。「晃ちゃん、こんにちは」

うつむく晃。

紀子「覚えてる? おばさんのこと」

うなずく晃。

紀子「今ね、おばさんね、そこまで買い物に来たの。偶然ね。晃ちゃんに会うなんて。今、学校の帰り?」

うなずく晃。

紀子「そう。お勉強できるんでしょ?」

うなずく晃。

紀子「いい子ね」

紀子が晃の肩に手を置くと晃は何も言わずに走り去った。

 

帰ってきた晃。門の戸を開け閉めすると音が鳴ってる!? 玄関を開けてもしばらく外の様子をうかがっていると和子が中から出てきた。「どうしたの?」

晃「ただいま」

和子「また誰かにいじめられたの?」

晃「ううん」

和子「だったらおどおど外なんかのぞいてないのよ」

晃「うん」

 

和子は茶の間に戻り、ちゃぶ台の上でそろばんをはじいていた。「男の子はね、いつも堂々としてないと偉くなれないんだから」

晃はノート?を見せる。「はい、これ三重丸」

和子「あら、また三重丸ね」

晃「はい、これも三重丸」

和子「あらあら、アハハッ」

晃「手も洗ってくるよ」

和子「うがいもね」

晃「はい」洗面所へ。

 

和子「じゃあ、先生に褒められたでしょ?」

⚟晃「うん。今日、お父さん早いの?」

和子「どうして?」

⚟晃「今日は父の日だってさ」

和子「ふ~ん」

⚟晃がうがいしている音

和子「これなら必ず1番になれるわ。フフッ」

 

⚟晃「さっき、あのおばさんに会ったよ」

和子「誰?」

⚟晃「あのおばさんだよ。え~っと一郎ちゃんの」

 

和子「どこで?」

晃「すぐそこで」

和子「ホントにあのおばさんだった?」

晃「うん」

和子「それでどうしたの?」

晃「口を利かなかったよ、僕」

 

和子「ハァ…あっ、はい、おせんべい」

晃「なんだ、またおせんべいか」

和子「いいでしょ、おせんべいなら」

晃「これが全部チョコレートならな」ペロッとせんべいをなめた。

 

和子「ねえ、それであのおばさんなんか言ってた?」

晃「うん、買い物に来たんだって」

和子「他には?」

晃「いい子ねって」

和子「わざわざ来たのかしら」

晃「偶然だってさ」ちゃぶ台の上にそのまませんべいを置く。

和子「あっ、そう」

 

晃「よっちゃんちに遊びに行こっかな」

和子「お勉強が先でしょ?」持っていたせんべいを箱にぽいっと置いて、台所で水を飲む。「うちまで来ればいいのに…変な人ね」

 

太陽カッターに大吉と従業員の一人が戻って来た。

大吉「こっちはもう終わりだからさB班のほう回ってくんないか? あそこは車の洪水だからな。1人でも多いほうが助かるんだ」

従業員「そうですね。ちょっと水飲んでいいですか?」

大吉「いいよ、別に慌てないから」

 

どうでもいいけど、大吉さん髪がさっぱりしたな。ボリュームダウン。

 

紀子を呼ぶ大吉に気付いたゆきが階段を下りてきて、紀子が買い物に行ったと言う。水を飲んだだけで出かけていった従業員。今日の従業員は信濃路のケン坊。

 

ゆき「あの子、よくやってくれるね。隆と大違いだ。同い年だというのに」

大吉「母さんが甘やかすからいけないんだよ」

ゆき「そんなことないよ。今だって予備校へ行きたいって言うからさ、その話をしてたんだよ」

大吉「行かせればいいじゃねえか」

ゆき「でもね、また変な友達が出来て、余計、遊び癖がつくと困るからね」

大吉「それがいけないんだよ。少しは外に出してさ、世間の厳しさってもの味わわしたほうがいいんだよ。あとは自分の責任なんだからな」

 

電話が鳴り、和子からの電話だった。「あの…奥さんいらっしゃいます?」

大吉「いいえ、あの…ちょっと買い物に出ておりますが、何か?」

和子「別に大した用じゃありませんけど、先ほどうちの近くまでいらっしゃったそうですから、それで…」

大吉「紀子がですか?」

和子「ええ。晃が奥さんとお会いしたんですって」

大吉「そうですか」

和子「いえね、せっかく近くまでいらっしゃったんなら、お寄りくださればよかったと思いまして」

大吉「はあ」

 

和子「まあ、これからおつきあいするわけですから、どうぞご遠慮なくお寄りくださるようにお伝えください」

大吉「はい」

和子「外で突然会うと、その…子供のほうも何かと驚くでしょうから」

大吉「そりゃあ、そうですね」

和子「じゃあ、奥様がお帰りになりましたら、どうぞよろしく」

大吉「はい」

和子「では、失礼します。ごめんください」

大吉「あっ、どうも」

 

ゆきが大吉にお茶を入れた。電話の内容を話そうとしたら、紀子が一郎と帰ってきた。

 

紀子「早かったのね」

大吉「ああ」

紀子「買い物行くたんびにゾッとするわ。なんでも高くなっちゃって」

 

紀子が移動するのを見ている大吉とゆき。

 

紀子「このままずっと上がりっぱなしになるのかしら」

ゆき「さあね。でも、下がるとは思えないけどね」

 

紀子「ねえ、あなた。そろそろうちの商売も値上げしていいんじゃないかしら」

大吉「そう簡単にはいかないよ」

紀子「だって他はみんな上がってるんですもの。不公平だわ」

 

一郎が大吉の肩をたたく。

大吉「おお? いやに気が利くなあ」

一郎「今日はね、父の日なんだって」

大吉「ヘヘッ、それでサービスしてくれてるわけか」

一郎「うん、先生がね、お父さんが喜ぶことをしてあげなさいって言ったもん」

大吉「そうか」

一郎「いい気持ち? お父さん」

大吉「うん、気持ちいいぞ」

 

最初は目をつぶって気持ちよさそうにしていた大吉も複雑な表情になり、目を開け、紀子と目が合うと、紀子は部屋から出て行った。

 

ゆき「ああ、そうだったの。今日は父の日だったの。じゃ、ごちそう作らなきゃいけなかったわね」

大吉「なんかごちそうするのは俺のほうだ。なっ? 一郎」

一郎「うん」

大吉「やあ、ありがとう。もういいぞ。いい気持ちだったぞ、ほら」首を回す。「軽くなっちゃった」

一郎「そう?」

大吉「それじゃ、何を食べにいくかお母さんと相談してくるよ」

一郎「うん」

 

なぜ平日に父の日? 1974年の第3日曜日は6月16日だと思うんだけどな。これより前の「おやじ太鼓」だって普通に日曜日が父の日だったと思うけどなあ。

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物干し場で洗濯物を取り込む紀子。

 

大吉は隆の部屋をノックする。「お前、予備校行きたいんだって?」

隆「うん、できればね」

大吉「行ってもいいよ」

隆「ホント?」

大吉「なんだ、予備校行くのがそんなうれしいのか?」

隆「いや、その…思い切って勉強できるからさ」

大吉「田口って友達も一緒か?」

隆「俺一人だよ」

大吉「来年が勝負だからな」

隆「うん。母さん、下にいた?」

大吉「おう」

 

隆が階段を下りていき、大吉は隣の部屋で洗濯物をたたんでいた紀子のもとへ行く。

紀子「仕事、もう終わったんでしょ?」

大吉「うん」

紀子「着替えたら?」

大吉「ああ」

紀子「一郎ったら今日が父の日だってこと、私にも言わないのよ。いきなりあなたに言いたかったのね」

 

大吉「なんだかあいつをだましてるみたいでイヤだな。親父面してさ。もし、ホントのことが分かったら、あいつは俺を恨むね」

紀子「そんなことないわよ。あなたが本当の父親ですもの」

大吉「いや、違うんだ。やっぱり」

紀子「なぜ?」

大吉「どんなにかわいがったって、それはこっちの都合だからな。一郎に物心がついてくれば、血のつながってない俺の肩なんかたたきたいと思わないかもしれないよ」

紀子「思い過ごしよ、そんなこと」

 

大吉「いや、一郎の身になれば、そう思うのが当たり前だよ。俺だって父親が生きていればさ、他人の肩より父親の肩をたたくよ。まあ、そういうもんだな。血のつながりってものは。お前だって今日、晃に会ったんだろ? さっきあの奥さんから電話があったよ。一郎がどんなにかわいくたって晃に会いたくなるんだ。いや、俺は最初、親戚づきあいの話が出たとき、まあたとえそう決まってもグズグズ延ばしていようと思ったんだ。そのうちにいい考えが浮かぶと思ってたんだよ。しかし、いい考えなんていうのはどこにもないんだよな。親戚づきあいしよう。そうするほかないんだ。いいな?」

大吉の顔を見つめる紀子。

大吉「いいな?」

涙を浮かべて横を向く紀子。

 

放課後の教室

元「ねえ、原君。近頃、体でも悪いの?」

原「いいえ」

元「この2週間、4日も休んでるじゃないか。おうちのほうに何かあるの?」

原「いいえ、別に」

元「じゃ、どうして黙って4日も休んだんだよ?」

原「すいません」

 

元「いや、謝らなくたっていいよ。できればなぜ休んだか聞かせてもらいたいんだよ」

原「うちで寝てました」

元「それにしちゃ教室でよくあくびするね」

笑ってしまう原。

 

元「ねえ、学校休んでうちで叱られない?」

原「うちは放任主義だから」

元「でも、ただ休んでれば何か言われるだろ?」

原「別に」

元「うん…お父さんも?」

原「あの人は余計言わないわ。義理のお父さんだから」

ハッとする元。

原「やっぱり義理のお父さんはダメね」

元「そうか」

原「嫌いね」

 

女性「和泉先生、お客様です」

元「誰かな?」

女性「あの…福山さんって方です」

元「すぐ行きます」

女性「玄関でお待ちしてますから」

 

元「とにかく無断欠席はいけないな」

原「はい」

元「何かあったら僕に相談してくれないか? できるだけのことはするから」

原「はい」

元「ホントだよ?」

原「ええ」

元「それにお父さんともよく話すんだな。ホントは心配してると思うよ」

うつむく原。

元「じゃ」

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晃が迷子になりかけたとき、元が原の姿を見かけてしまったせいだと思ったけど、そのことは言わないんだね。男連れだったよね!?

 

昇降口で待っていた大吉。

元「ああ、どうも。お待たせしました」

大吉「忙しいとこすいません」

元「いえ。私の授業はもう済んだんですよ」

大吉「そうですか」

 

元「あの…何か特別なお話しでも?」

大吉「実はこの間のことでちょっと…」

元「ああ、あの親戚づきあいの件ですか」

大吉「ええ、ん…それで…」

元「あっ、ちょっと」と場所移動して歩きながら。「実は私もあのことでお話ししたいと思っていたんですよ。まあ、あのときはいやに自信ありげに言いましたが、よくよく考えてみると福山さんのおっしゃるようにそう簡単にうまくはいかないかもしれませんね。子供達がどう感じるかこれも十分に考えなくちゃいけませんからね」

 

大吉「いや、ちょっと待ってください」

元「申し訳ありません。なんとかしなくちゃと思って、解決を急いだようです。もう少し考えてからにしましょうよ」

大吉「ちょっと待ってください、和泉さん。今日、来たのはですね、その…ぜひとも親戚づきあいをしよう。そう決心したからなんですよ」さりげなく段差に上がり、元と目線を合わせる。でもまだ元のほうが長身。

 

元「えっ?」

大吉「さんざん考え抜いたあげく、とうとう決心したんです。親戚づきあいをしようと言ったのは、あなたのほうなんですよ。困りますね、そんなに決心がぐらつくようじゃ」

元「ええ…まあ、そうなんですけど」

大吉「もういいじゃないですか。決めたんだから。ねっ? 気分の変わらないうちに親戚づきあいをしましょうよ」

元「はあ…」

大吉「早速ですけど、どうですか? 今度の日曜日。みんなでバーッと行きませんか? 山でも海でも。いや、もっと遠い所でも結構ですよ」

 

元「いや、ちょっと待ってください」

大吉「もう待てませんよ。とにかくやってみて、それから考えたっていいじゃありませんか。ねっ、いいでしょ? 今度の日曜日」

元「いやいや。ちょ…ちょっと待ってくださいよ」

大吉「なんですか?」

 

元「ちょっと考えさしてください。よく分からなくなったんです」

大吉「何がですか?」

元「何もかもです。あなたという人だって」

大吉「僕が? 僕ははっきりしていますよ。分からないのは、あなたのほうじゃありませんか。どうしてそんなに急に変わったんですか?」

 

元「福山さん、実はね、今、受け持ちの生徒と話をしていたんですが、その子が義理の父親でしてね、やっぱりうまくいってないんですよ。話を聞いてるうちになんだか自分のことを言われてるような気がしてきましてね。ねえ、福山さん、もし…もしですよ。このまま話を進めていって子供たちが人生に恨みを持つようになったら困るでしょ? 親戚づきあいだって、親の都合だって言われれば、ひと言もありませんからね。まあ、もう少し考えてからにしませんか?」

大吉「そんなこと言ったって、もうこれ以上、子供をだましてはいけないと思うんですよ。実は一郎がね、今日は父の日だからと言って肩をたたいてくれたんです。身にしみましたよ。あれは僕を本当の父親と思っています。そりゃ僕は本当の父親ですよ。でもね…病院で取り違えていなきゃ、あなたの肩をたたいていたんだ。それをこのまま黙っていたら、結局、子供をだましたことになるでしょ? そんなのはかわいそうです。あなたが言ったように親の気持ちは捨てるしかありません。そうでしょ?」

うなずく元。

 

再婚した義理の父と本当の親子と思って過ごしてきたのとは全然違うと思うな。

 

中華料理屋

大吉「料理、これで足りるかな?」

ゆき「大丈夫だよ」

大吉「あっ、そうだね。おい、一郎、お前、どんどん食えよ。このエビの煮たやつ、うまいからな」

一郎「うん」

大吉「それからな、これはな、北京ダックっていってな…おい、ちょっと作ってやれよ。これ、うまいんだ」

紀子「そんな一度に言ったって食べられないわよね」

大吉「一度に食えなんて言ってないよな? 一郎」

一郎「うん」

 

大吉「隆、お前、どんどん食べなきゃダメだぞ」

隆「うん、食べてるよ」

大吉「お前、一番栄養取んなきゃダメなんだからな。栄養は知恵のもとだからな」

隆「じゃあ、今まで栄養が悪かったのかな」

笑うゆきと大吉。「バカだな、お前は。情けないこと言うもんじゃないよ。大学なんてのはさ、ちょいと真面目にやれば入れるじゃないか。俺はお前の父親代わりだからな」

 

隆「じゃ、ガンガン食うかな」

大吉「そうだよ。一郎、うまいか?」

一郎「うん」

大吉「ハハッ。お前、今日、お父さんの肩たたいてくれたからな。これはお父さんのお返しだよ」

ゆき「大ちゃん、あんたしゃべってばかりいないで少し食べたらどうなの? お酒が回っちゃうよ」

大吉「いや、俺はいいんだよ。今日は父の日だっていうからね。そのせいでなんか胸がいっぱいなんだ。俺は決心したんだ」酒を飲む。「ハッ、うめえや。ハハハハッ」

笑顔の紀子。

 

和泉家

元の肩をたたく晃。

元「はい、もういいよ」

晃「まだだよ。先生が心を込めてたたきなさいって言ったんだもん」

元「ああ、そうか。どこの先生も同じこと言うんだね」

 

和子「それで? どこ行くことに決めたの?」

元「うん。それはまだだ」

和子「ハイキングにでも行くのはどうかしら? 少しお天気は心配だけど」

元「うん、そうだね」

和子「人混みで会うのはイライラするだけよ」

元「うん」

 

和子「晃はどこ行きたい?」

晃「あんまり行きたくないな」

和子「どうして?」

晃「一郎ちゃんがいなければいいんだけどな」

ハッと顔を見合わせる元と和子。

 

晃「ねえ、どうして一郎ちゃんのおうちと一緒に行くの?」

元「それはね、知り合いだからだよ」

晃「親戚じゃないんでしょ?」

元「それは違うけど、お父さんたちね、仲がいいんだよ」

晃「ふ~ん」

 

はっさく?をむく和子。

 

そして、とうとう親戚づきあいの最初の日。あの約束の日が来てしまったのです。

 

出かける準備をしている福山家。紀子はブルー系でまとめたサファリルック。

大吉「いよいよ始めるわけだな」

紀子「ええ。なんだか怖いわ」

大吉「やるだけやってみるさ」

 

ゆきが階下で紀子を呼ぶ。大吉たちが1階へ降りると、一足先に台所にいた一郎がおにぎりを食べていた。

大吉「なんだ、もう食べてんのか」

一郎「うん」

大吉「もうすぐ出かけるぞ」

一郎「うん」

 

紀子「あっ、お義母(かあ)さん、なんでしょう?」

ゆき「おにぎり15も作ればいいわね?」

紀子「ええ、向こうの人もいるし。わあ、おいしそう」

 

もう出発して歩いている和泉家。

和子「いくらなんでもまだ早いんじゃないの?」

 

和子は30代後半くらいの設定だろうか? エメラルドグリーンの帽子とカーディガン、ベージュの膝上丈のスカートと白のハイソックス、籐のバスケット。ホントにこの時代は誰もがスカートが短い。

 

元「いや、この間はこちらが遅れたからな」

和子「それにしてもまだ早すぎると思うわ」

 

福山家

一郎「ねえ、早く行こうよ」

大吉「うん、もうちょっと待ってろ。まだ時間があるんだ」

一郎「なんだ」と太陽カッター事務所の椅子に掛け、歌いだす。

 

♪うみは ひろいな

おおきいな

つきが のぼるし

ひが しずむ

うみに おふねを…

うみ

うみ

  • 野田恵里子 & 森の木児童合唱団
  • チルドレン・ミュージック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

いよいよ親戚づきあいが始まろうとしていました。どんなに怖くてもどんなに迷っても、この新しい決心を信じて、親たちは少しでも前に進もうとしていたのです。

 

くるくる椅子を回転させながら歌っている一郎を見つめる紀子と大吉。(つづく)

 

そんなに血のつながりって大事かなあ。当事者じゃないと分からない感覚かもね。万が一のときに血液型だけはちゃんと知っとけばいいんじゃないのかな。

 

「おやじ太鼓」28話。赤ちゃんをこのまま堀家に任せて大丈夫!?

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イネがああいう感じで娘の敏子が男嫌いというかあんな感じになるの分かるな。

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赤い疑惑」「ちょっといい姉妹」、6月から「ありがとう」第1シリーズも加わる。昭和ドラマの再放送ありがたいです。字幕デフォなNHK日本映画専門チャンネルでももっとやってほしいのが本音です。