1998年 イタリア
あらすじ
1900年。大西洋を巡る豪華客船で生まれた孤児“1900(ナインティーン・ハンドレッド)"は、黒人船員ダニーに育てられ、やがて才能豊かなピアニストへと成長する。ある日、彼は船内で出会った美しい少女に心を奪われ、人生で初めて船を下りることを決心する…。天才ピアニストの数奇な運命を描く、ティム・ロス主演、イタリアのジュゼッペ・トルナトーレ監督のヒューマンドラマ。巨匠エンニオ・モリコーネの音楽も魅力的。
2025.10.15 BS NHK録画。音楽がテーマの映画が好きです。それほど古い映画じゃないのに修復版なのね。
”浮かぶ街”を捨てて本当によかったのだろうか? 仕事を失うからじゃない。あそこには友がいたからだ。真の友が。かけがえのない友。船に揺れる生活を切り上げ、私は大地を踏み締めたいと思った。
だが、陸(おか)に上がると、神々の音楽は聞こえなくなった。彼は、こう言ってた。”君の大事な物語を聞いてくれる人がいれば生きる価値がある。どうせ誰も私の物語を信じないだろうが…”
豪華客船にたくさんの人が乗っている。1人の青年が「アメリカ!」と叫び、指さした方向には自由の女神が見え、乗客は一斉に自由の女神に向かって手を振った。
閉店間際、楽器店に入った男はトランペットを売りたいという。6ペンス10シリングという店主の出した金額に不満があったものの、結局は売ることにした。店を出るとき、最後に吹かせてくれと頼み、演奏を始めると、店主は同じ曲のレコードをかけ、曲名を教えてほしいと頼んだ。
物語の始まりは”狂乱の世紀の最初の年”。バージニア号の黒人船員のダニーは客がいなくなったラウンジでT.D.レモンと書かれた箱に入った白人の赤ん坊を見つけた。母親は移民に決まってると仲間たちは言うが、ダニーはレモンと名付けて育て始めた。箱に描かれた”TD”は”ありがとうダニー”という意味と解釈し、自身の名前などを合わせた”ダニー・ブートマン・T・D・レモン・1900(ナインティーン・ハンドレッド)”と名付けた。
すくすく育ったものの出生証明書やビザがないので船室で隠れて過ごしていた1900。ダニーは1900に文字を教えた。ダニーは「天使にラブ・ソングを…」のサウザー刑事か。
ダニーは仕事中の事故で亡くなった。1900は当時8歳。ダニーの遺体は水葬された。
名前も国籍も誕生日も家族もない少年。8歳になっても公的には生まれていないことになっている。
1900は客室の広間を初めて覗き、人々が音楽に合わせて踊っているのを初めて見た。
誰もいなくなったホールでピアノを弾いていた1900のもとに人々が集まった。
再び楽器屋。トランペットを売りに来た男・マックスは店主が1900の演奏レコードを持っているのを不思議に思う。原版はすぐ割られたはずだというが、店主は、その場で吹き込んだレコードを持っていた。レコードは店主が丸1日かけて修復したという。古い病院船で使われた中古のピアノに挟んであった。
すっかり古くなった豪華客船。マックスはトランペット吹きだと言って、船に向かって持参のトランペットを吹き始めた。
回想
バージニア号のバンドメンバーになったマックスだが、ひどい揺れで船酔いになり、ピアニストに声をかけられ、ストッパーを外したピアノの椅子に一緒に座り、ホールの中を移動した。
ピアニストはマックスの出身地ニューオーリンズを褒めた。コーンは一度も船を降りたことのない男の噂を聞いたことがあるというと、ピアニストこそ1900だった。当時27歳。
現在に戻り、船の中にはまだ人が残っていると断言するマックス。
再び回想。ダンスホールでゆったりした曲が流れていたが、1900が即興演奏を始めた。
マックスは船を降りるよう勧めたが、1900が船を降りることはなかった。
船内に1900がいた。自室には家族写真がたくさん飾られている。海を見たことがなかった男と話をしていた…のは回想?
マックスは朽ち果てた船内で1900を探し続ける。
回想。1900がダンスホールでバンドと演奏している。再び即興曲を弾き始める。見かけた客からそれぞれテーマソングを作っていた。
港に停泊したバージニア号。船を降りる船員たちだが、1900だけは船にとどまり続ける。適当な番号に電話していると、名前が数字の男だな?と男たちに追いかけられた。男たちはジャズの大御所の使いで1900にピアノで決闘を申し込んだ。
ジャズの発明家だというジェリー・ロール・モートンがたくさんのマスコミと共に船に乗り込んできた。静まり返るホール。
ジェリーはピアノの前にいた1900に私の席だ、どいてくれといい、握手を求めた1900を無視して、ピアノの前に座って演奏を始めた。
演奏後、拍手を送る1900に次は君の番だというジェリー。1900が最初に弾いたのは「きよしこの夜」。
ジェリーの2曲目。1900もアレンジして同じ曲を弾く。
ジェリーの3曲目。
1900はマックスにタバコを求め、タバコをピアノの上に置き、演奏を始め、演奏が終わったあと、タバコをジェリーに渡した。すごすごと船を降りたジェリーに「ジャズなんてクソ」という1900。
明日の正午に船を爆破すると言われて、マックスは楽器屋に忍び込み、1900のレコードを盗みに入った。店主は銃を向けるが、マックスは時間がないという。
回想。1900の演奏を録音していた。演奏中、船の窓から見えた女性に見惚れる1900。すぐに録音盤ができたものの俺の音楽は誰にも渡さないとレコードを自分のものにした。
雨の強く降る甲板の上に女性はいた。女性は一緒にいた人たちに海の声を聞いたと父が言っているのを1900が耳にした。以前、海を見たことがないという男がそんな話、してたな?
夜、船室で女性が寝ているのを発見した1900。ベッドがたくさん並んで雑魚寝みたいな。で、その女性にそっとキスする1900…ええ!? 女性が目を覚ます前にそっとその場から去り、隠れた。
港に到着し、船を降りる女性に父親に会ったことがあると話しかけた1900。ミュゼットを一緒に演奏したと言い、なぜ娘と分かったかは秘密だというと、女性は1900の頬にキスをした。女性…というか、女の子? 1900はレコードを渡そうとしたが、人混みがすごくて渡せず、モット通り27番地にいつか訪ねてきてと女性は言った。女性…というかwikiだと”少女”になってた。ドン引き。だから子供扱いで雑魚寝だったのか。
その後、レコードを折った1900。
ある日、マックスに船を降りると言いだした1900。マックスは1900にコートを贈り、船長以下たくさんの船員に見送られて船を降り…るはずが、階段の途中で立ち止まり、ニューヨークのビル群を見つめていて、そのまま引き返した。
1900は、その後何日もふさぎ込んでいたが、マックスにコートのお礼を言い、謝った。再び、船の上で演奏生活をする。
1933年8月21日 船を降りたマックス。その後の1900のことは知らない。
朽ち果てた階段を登り、船内に入ったマックスはレコードプレーヤーで1900のピアノ盤を聴かせたが、1900が出てくることはなかった。
しかし、船を降りようとしたとき、暗がりから「また船酔いかい?」と話しかける1900がいた。マックスはデュオを組まないか?と提案し、船を降りないか?と誘う。
あの時、船を降りるつもりだったのに、広大な街の終わりが見えなかった。自分の行きつく先が見えなかった。ピアノは鍵盤に限りがある。待ちには無限の鍵盤があって限りがない。世界が重くのしかかって終わりがない。
船から降りず、人生から降りる決断をした1900。マックスは涙ながらに友の決断を受け入れ、船を降りることにした。
1900は天国に行っても、名簿に名前がないと冗談を言って、マックスを笑顔にした。
タラップが外され、沖に浮かぶバージニア号。1900は船内でピアノを弾くふり。直後、船は大爆発した。
楽器屋の店主に一部始終話したマックス。お礼を言って店を出ようとしたが、店主は金はいらん、価値のある話を聞かせてもらったとトランペットを返した。(終)
イタリアは音楽が印象的な映画が多いね。「ニュー・シネマ・パラダイス」と監督も音楽も同じなのね。納得。イタリア映画だから「ジャズなんてクソ」なんてセリフが書けるのかもね。
男同士の友情に感動…でも、1900が少女に興味を持った部分だけは…

