TBS 1977年8月19日
あらすじ
武(宇津井健)が、清司(緒形拳)のために、音楽大学を辞めなければならない日が来た。敏夫(水谷豊)は、父の清司さえいなくなれば、武は学科の助教授として大学に戻れるのだと華江(竹下景子)に告げた。華江は、敏夫の言葉に言い知れぬ不安にかられた。敏夫は、清司を呼び出し、武を苦しめないでくれと頼んだ。
2025.4.11 BS-TBS録画。10日はゴルフで放送がなかった。
作:安本莞二
*
大沢武:宇津井健
*
田代敏夫:水谷豊
*
宮島華江:竹下景子
*
大沢弓子:松尾嘉代
*
東山正彦:前田吟
*
東山菊子:馬渕晴子
*
宮島あや:赤木春恵
*
江上刑事:加藤武
*
西条章:神山繁
*
大沢信一:中島久之
東山明彦:堀内正美
*
大沢妙子:久木田美弥
ナレーター:内藤武敏
*
仕立て屋の店主:稲葉義男
田波刑事:粟津號
*
宮島貞之:小沢栄太郎
*
大沢実:石立鉄男
*
田代清司:緒形拳
*
プロデューサー:野添和子
山本典助(TBS)
*
音楽:菊池俊輔
*
指揮:籾山和明
テーマ曲ピアノ演奏:羽田健太郎
*
ピアノ指導:熊谷洋
柳井修
*
衣裳協力:株式会社アン
パスポート
ケン・スダ
家具協力:ダニエル
ピアノ協力:河合楽器製作所
*
監督:増村保造
*
製作:大映テレビ株式会社
TBS
昨日も今日もそして明日もうだるように暑い真夏の平凡な毎日。しかし今日こそ敏夫の父・清司が殺されるとは誰も思わなかった。
バッグに荷物を詰め込んでいた敏夫がナイフも入れ、三郎、良介に別れを告げて出ていった。
弓子はナスの味噌汁を作り、武は横に立ち、これからは勤めがないから朝食くらいは手伝うという。弓子は清司に怒りを感じ、ナスを切っていたが、柄が壊れた。しかし、武があっさり直した。
今日は武の最後の授業。妙子、信一に見送られ、弓子が駅まで見送ると言って、一緒に家を出た。敏夫も見送りに来て、一緒に歩く。大学へ通って20年、45歳。定年まで15年。へ~、定年ってこの時代でももう60歳なんだね!?
行きつけの洋服屋へ寄った武はスーツを取りに来た。仕立てたスーツは敏夫が毎朝コンクールで着るためのもの。
店主は、マロン製菓の社長だ~!
弓子は武に感謝を述べ、武は敏夫を激励する。敏夫は店の花を勝手に胸に飾り、店主に一流ピアニストになったら、服は全部ここで作ると言った。その時まで、あんたの型紙を取っておくかなと笑顔で答える店主。
武の最後の授業。敏夫、明彦、華江たちの前で「英雄ポロネーズ」を弾く。正彦、貞之も見ている。
音が乱れ始め、敏夫が止め、敏夫が代わって弾き始めた。「これがショパンだ、これが英雄ポロネーズだ」と敏夫の傍らで熱く語る。
学長室
清司は秋からピアノ科の助教授になれるんだろうな?と貞之に聞く。助教授になれなかったら、正彦の裏口入学をバラし、武を音楽業界にいられないようにしろと脅した。実が学長にどんな弱みがあるんだ?と詰め寄る。俺がいる限り、お前に勝手はさせん! 何かあったら俺がお前を殺すと言われ、清司は笑う。
殺してやるって言われて喜ぶなよ。
明彦は華江に叔父さんがいなくなるのは寂しいという。一緒にいた敏夫は、華江にどうして武が辞めなければいけないのか聞かれて、おやじさえいなくなれば、消えれば…と言い、華江に別れを告げて、キス!
敏夫の前に現れた武は、家へ帰って猛練習しようと誘うが、今日だけは休ませてほしいと頼み、母さんを幸せにしてほしい、さよならと言う。敏夫君、必ず来てくれよと武は言うが、妙に今日で最後っぽいことばかり言う敏夫。
大沢家
包丁を握りしめる弓子。
武は久しぶりに外へ出て食事をしようと誘うが、弓子は子供のころからの友達が会いたいと言っていると話し、電話を切った。包丁を白い布に包み、バッグに入れて出かけた。
清司は敏夫を引っ張って木の下へ。大学のキャンパス内? 敏夫は大沢先生から手を引いてくれないかと頼む。人間としても芸術家としても大沢先生にかなわないから嫉妬してるんだと指摘する敏夫。土下座までする敏夫を問い詰める清司。俺の命の恩人だという敏夫だが、清司は聞かない。
敏夫は、あんたの前で死んでやる!とナイフを出したが、清司が止めた。激しくもみ合い、ナイフを取った清司は、更に敏夫の腕を押さえる。折る気か! 清司も敏夫もどこかで出血したのかスーツやシャツに血がついてる。清司は今晩、マンションに来いと言い残して去った。
宮島家
清司が貞之を訪ねた。その場にいた信一に華江と婚約解消するように言う。愛し合ってない人間は結婚すべきじゃない。お嬢さんを敏夫と結婚させろと無理強いするが、あやが話し合うというと1、2日で決めてほしいと帰った。
信一は清司に何も言えない宮島家を不審に思うが、あやたちに責められ帰った。
あやと貞之は部屋で話し合い、正彦と菊子はドライブで話し合いすることにした。
大成大学医学部
附属病院
教授になった西条は忙しく、急に診察に行った武にもヘラヘラしてる(ように見える)。清司はなぜか病院に電話をかけてきて、マンションへ来るように言う。
清司のマンション
敏夫が訪ねると、酒を注ぎ、乾杯しようとグラスを持った。清司は、お前を殺すわけにはいかないとフランスへ帰ることにした、大沢に弓子と敏夫を返すと笑った。その代わり、大沢に食らいついて一流のピアニストになれ、コンクールのつもりで「英雄ポロネーズ」を弾いてみろというので、敏夫が演奏を始めた。「昔の俺よりずっとうまい」と敏夫を褒める清司。
「頑張れよ、毎朝コンクール。必ず優勝しろ」と敏夫をマンションから出した。
次に清司のマンションを訪ねたのは武。今日限り、お前を苦しめない、弓子と敏夫もお前に譲ると言いだし、武は戸惑う。清司はフランスに戻り、永久に帰らない、敏夫を一流のピアニストに育て上げてくれと頼んだ。武は僕だけ幸せになるわけにいかないというとかわいい女が待っていると答える。
敏夫は公園でテンション高くはしゃぐ。清司の血を受け継いでるな~。通りかかった女性に抱きつき?謝る。
武はフランスへ戻らないよう頼むが、清司は武に1億円やると言うが、武は拒絶する。武はどうしても2人で敏夫を育てたい。
次に清司が訪ねた人間が1億円を持ってくると言い、武のいる部屋に鍵をかけたが、部屋の外から清司の苦しむ声が聞こえた。
倒れた清司の体には灯油が掛けられ、火がつけられた。
武の部屋にも煙が入ってきて、ようやくドアをこじ開けた。部屋の中は火の海で、武は、ようやく外へ。イヤ、ドア閉めていいの!?
大沢家に行き、武と弓子を呼ぶ敏夫だったが、誰もいない。敏夫は血だらけになったシャツを洗う。妙子が洗うと言い、信一に責められ、親父と一緒にとんでもないことをしたと紛らわしいことを言う。帰ってきた弓子は疲れていて、敏夫の話を聞きたがらない。
弓子が懸かってきた電話に出ると、警察からの電話は清司のマンションが火事になり、清司が死に、マンションの廊下で武が倒れていたという知らせだった。
マンションへ駆けつけた弓子、敏夫、信一。死体の確認をお願いしますと江上刑事が見せたが、黒こげの塊。江上刑事は火事ではなく、全身8か所刺されたのだという。武は重要参考人として呼ばれた。弓子や敏夫を心配させないよう笑顔の武。(つづく)
ついに清司が…しかし、直前まで敏夫や武に言ったことって本当!? ここ数回、いろんな人が”殺す、殺す”言ってたのは犯人候補をたくさん作るためね。

