1989年 イタリア/フランス
あらすじ
中年男性トトは故郷の母からある人物の訃報を受け取り、少年時代を振り返る。戦後間もないシチリア島。父が戦地から帰らず、母と2人で暮らしていたトト。当時の彼の一番の楽しみは地元の映画館“パラダイス座”に入りびたることだった。そこで出会った映写技師アルフレードとの交際は後々まで続き、幸せな時もつらい時もトトはアルフレードから人生を学んでいった。現在、映画監督となったトトは懐かしの劇場へと向かうが……。
NHKの年末映画。年末年始地上波ローカルで放送する映画をいっぱい録って見ようと思ってたけど、案外バラエティを見てしまい、消化できませんでした。
冒頭に、”今年7月6日イタリアの作曲家、エンニオ・モリコーネ氏が91歳で亡くなりました。モリコーネ氏の美しい旋律が響く映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を放送します”というテロップ付き。
字幕じゃないんだ! 30年もシチリアに帰ってこないサルバトーレに電話をかける母。妹はかけても無駄とあきらめムード。
母の電話を恋人?が取り、アルフレードが亡くなったという知らせを受けたサルバトーレ。その死にショックを受けていた。
ここから回想。司祭から居眠りばかりしていることを叱られるトト少年(サルバトーレ)。司祭が映画館でアルフレードに映画をかけさせ見ている。それをこっそり見ているトト。ラブシーンになると手持ちのベルを鳴らす。
アルフレードがいる映写室も追い出されるトト。家に帰り、持って来たフィルムで遊び、写真を見つける。
父は戦争が終わっても帰って来ず、母と妹の3人暮らし。トトは父のことをあまり覚えていない。
学校でボッチャというクラスメイトが”5×5”が分からず、女教師に黒板に頭を押しつけられたりして、怖いなあ。ボッチャは全然平気そうなのがまだ救われる。
トトは入場料を払って映画を観る。
キスシーンは検閲済み。
しかし、母から頼まれた買い物をせず映画を観ていたことを責められ、何度も叩かれる。フィルムが燃えてしまい、妹を危険な目に遭わせたことでまたアルフレードの目の前で母から叩かれるトト。アルフレードはトトの母から映画館へ入れないでほしいときつく言われた。
また映画館に来ていたトトだが、アルフレードは映写室に入れてくれ、話をしてくれ、仕事を手伝うというトトに「辛い仕事だからこんな仕事はするな」と言った。
小学校卒業資格を受けに来た大人の中にアルフレードがいた。斜め前の席のトトをカンニングしようとするアルフレード。
その後、アルフレードはトトに映写技術を教え始めた。古い映画やニュース映像など映画館には人が大勢集まっていた。その頃、トトの父親の戦死が分かった。
ある日、映画館に入れなかった者が大勢騒いでいたため、反射で外壁に投影させ、映画を見せていたが、フィルムが燃えてしまい、アルフレードも火事に巻き込まれてしまった。トトが助け出し、アルフレードは大やけど。映画館も燃えてしまった。
トトカルチョで大金を当てたスパッカフィーコが資金を出し、新しく「ニュー・シネマ・パラダイス」が出来た。スパッカフィーコは映画協会にコネがあり、スパッカフィーコが映写技師として登録したが、実質仕事をするのはまだ子供のトトだった。
アルフレードが妻に伴われて映写室に来た。アルフレードはサングラスをかけていて、視力を失っていた。
トトの顔を触っているうち、子供のトトから青年のトト(サルバトーレ)へ。サルバトーレは駅で見かけたエレナに一目惚れし、サルバトーレ自ら8ミリフィルムに映した。
サルバトーレの助手をしてるのが、子供の頃からの友達ボッチャ。エレナを巡って恋のライバルでもある。青年サルバトーレはかっこいいなあ。顔がすごく好き。エレナもまたすごい美人。
サルバトーレは毎晩エレナの家の前に立ち、エレナの気持ちを確かめる。しかし、エレナが窓を開けてくれることはなかった。映写室で落ち込んでいるサルバトーレの前にエレナが現れた。映画のフィルムがなくなり、観客が騒ぎ出すが、二人は熱烈キス。仕事しろ。でも時代は変わり、フィルムが燃えることはない。
ラブラブな二人。ボロボロの車に乗っていて止まってしまい、助けを求めるが、それはエレナの父のメンドラだった。気まずい…。
大学進学し、地元を離れたエレナと再会。入隊のためローマに行くことになったサルバトーレ。パラダイス座でエレナと待ち合わせをするが、時間になってもエレナは来なかった。
その後、地元に帰ってくるが、エレナとは音信不通になってしまった。アルフレードは以前よりやせて、家に閉じこもるようになっていた。海に連れて行って欲しいというアルフレードはサルバトーレに「村を出ろ。ここには何もない」と言った。村を出たら長い間帰って来てはいかんとも。
アルフレードはローマに戻れというけど、そのせいで母と妹は会うにしてもローマでしかサルバトーレに会えなかったのか…(-_-;)
駅で、母、妹、アルフレードが見送りをしてくれた。絶対に帰って来るなとサルバトーレに耳打ちをするアルフレード。母と妹は事情をよく知らず不思議顔。司祭も見送りに来てくれた。
それから30年。年老いた母がサルバトーレを迎えた。サルバトーレの部屋には古い映画の写真や映写機が置いてあり、アルフレードとトトが並んで撮った写真も飾られていた。
アルフレードの妻にいつもあんたの話をしていたと言われたサルバトーレ。霊柩車の後ろを歩く葬列の中にスパッカフィーコがいた。映画館はボロボロで6年前に閉館。土曜日には取り壊されることが決まっていた。
アルフレードの妻から形見を渡された後、ボロボロになった映画館に入ったサルバトーレ。アップになった年を取ったサルバトーレの目がトトの目に似てるような気がする。
家に帰り、映写機に写したフィルムには若かりしエレナが映っていて、サルバトーレは涙した。翌朝、ママを見捨てたと語るサルバトーレ。電話をするといつも違う女性がでたと語る母。本当に愛している女性と落ち着いてほしいと言う。
映画館は取り壊された。映画館を知っている者たちは涙を浮かべ、若者たちは騒いでいた。俺の広場だとぶつぶつつぶやく老人が通りかかる。このおじさんはまだいたのか!
フィルムを映写室で見ているサルバトーレ。司祭の検閲で外したキスシーンばかりを集めたフィルムがアルフレードの形見ってことか。おぉ~。最後に”fine”の文字が流れた。(終)
いいね! アルフレードが半ば無理やり村を出したというのも結果的にはよかったと思う。故郷は遠くにありて思うもの…だと私も思います…。
DVD『ニュー・シネマ・パラダイスデジタル・レストア・バージョン Blu ray BOX』 予告編
Ennio Morricone - Cinema Paradiso (In Concerto - Venezia 10.11.07)
映画を観たことがなくてもこの音楽は知ってました。この指揮をしてるのが、作曲のエンニオ・モリコーネさんなんですね。