徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】剣

1964年 日本

 

あらすじ

東和大学の剣道部主将・国分次郎(市川雷蔵)は、勉強にも遊びにもいっさい目をくれず、ただひたすら純粋に剣の世界に打ち込んでいた。部員たちにも自分同様に厳しく接していたが、剣に全存在を賭ける国分の姿は、新人部員の壬生(長谷川明男)にとって神のごとく映り、すべて彼の生き方に学ぼうとしていた。しかしそんな国分の純粋さは、やがて同級生の賀川(川津祐介)や周りの部員たちと軋轢を生んでいくのだった……。

2024.11.19 BS12録画。市川雷蔵「剣三部作」の二作目。一作目は時代劇、三作目は犬と人間に生まれた子という設定らしく二作目だけ現代ものっぽいので見てみることにしました。三作目も興味あるけど、動物が出てくる作品は動物が雑な扱いを受けてるパターンも多いのでパス。

 

大映株式会社製作

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KEN 剣←つるぎじゃなく”けん”なのか。

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企画■藤井浩明■財前定生

原作■三島由紀夫講談社

脚本■舟橋和郎

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音楽■池野成

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国分次郎:市川雷蔵

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伊丹恵理:藤由紀子

賀川:川津祐介

壬生:長谷川明男

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木内:河野秋武

藤代滋子:紺野ユカ

壬生早苗:小桜純子

国分ひろ子:角梨枝子

国分誠一郎:稲葉義男

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矢島陽太郎

高見国一

浜田雄史

風間圭二郎

堀川真智子

橘公子

水原浩一

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南部彰三

舟木洋一

高倉一郎

木村玄

北幸

当銀長次郎

三夏伸

新宮信子

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細谷新吾

森田健二

北野拓也

黒木英男

土本正文

三木正八郎

布目真爾

森宏之

伊東義尚

桂三千秋

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加賀美健一

上原寛二

香住巌

松田剛武

和泉圭馬

酒井修三

森下耕作

田中康介

楠田善彦

小松みどり

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監督■三隅研次

 

あまり見ない大映映画のせいか知らない俳優が多いな~。白黒。

 

俺は強く正しくなりたいと思ったと竹刀を振る国分次郎。白黒で字幕なしは情報量が格段に下がる。

 

剣道の試合

誰が誰か分からん。

 

東和大学剣道部

試合が終わり、国分をにらみつける賀川。

 

新役員

主将 國分次郎

副将 村田豊

 

賀川は張り出された新役員一覧の国分次郎の名を見つめる。

 

剣道部の練習後

新入生と同じく竹刀の握り方から指導され、不満を漏らす部員。俺たちには変な癖がついてるとキャプテンをフォローする部員。ホント誰が誰だか。

 

賀川に父から巻き上げたという外国土産(タバコ?)を渡し、稽古をつけて欲しいと言う後輩。買収する気か?と笑う。

 

大体、賀川役の川津祐介さんくらいしか顔が分からないからなあ。

 

ある日、大学の寮でビワを食べながら死んだ男がいた。死んだのは国分の同級生。国分は後輩に自殺するなんて心も体も弱い奴だとバッサリ。

 

バスでおばあさんに席を譲った国分。あなたのような心持ちの良い学生さんがたくさんいたらいいのにねえと周りを見ながら、おばあさんが言う。

 

次郎が帰宅すると母が男3人と麻雀をしていた。

次郎を誘惑しないでねと母が言い、男たちは「あんたの息子を信じなさい」と学生節を歌う。どういう関係?

 

賀川たちも寮で麻雀をしており、国分はテレビを見たことがないと噂する。風呂場で国分のことを悪く言う多田とケンカになった壬生。

 

剣道場で国分にケンカの原因を答えない壬生と多田に壁に向かって40分正座するよう命じた。いつも国分を慕ってる人が壬生か。他の部員が練習する中、背を向けて正座していたが、スポーツしに部活に入ったんだと多田は正座をやめた。国分を英雄気取ってるだけ、慕ってるのは壬生くらいのものとぶっちゃけ、届けは明日出すと剣道場を出ようとして部員たちにボコボコにされたが、国分が暴力はいかんと止めた。

 

大学構内?で鳩が撃ち落とされた。こういうシーンやめろぉ! 鳩を拾い上げた国分に猟銃を持った男たちが俺たちのモンだから返せと言う。国分は猟銃を竹刀で叩き落とし、男たちを追い払った。

 

一人になった国分は鳩の首を持って…何する気!? 通りかかった伊丹恵理が厩舎に戻しておくと鳩を受け取り、リヤカーを引いたおじいさん(用務員?)が国分の頬についた血をゆりの花びらで拭いた。

 

國分胃腸病院

父に合宿の費用を寄付して欲しいと頼んだ次郎。父は女のためなら出してやってもいいけどと真面目すぎる次郎を心配した。次郎は無理してタバコを吸ってむせる。お父さんは「赤い衝撃」マロン製菓の社長だね。5万か3万という次郎だったが、父がまだ次郎の生真面目さを心配するのでもういいですと出て行った。

 

女と寝ている賀川は次郎の存在を気にしていた。

 

壬生家

次郎に憧れ、電気カミソリが欲しいと母に頼む壬生。姉2人から剃る髭なんてないじゃないと笑われた。壬生役の長谷川明男さんは童顔でかわいらしい顔をしている。

 

国分は監督の家で話をする。僕、剣道をやって本当に良かったと思いますと目を輝かせた。

 

国分に稽古をつけてもらう壬生。ヘロヘロになりながらも頑張った。

 

練習後の風呂

国分の背中を流す壬生。

 

学生服のまま次郎、壬生、他の部員2人と喫茶店に行った。トイレから出てくる女性に「いっぱい出た?」「スカッとした?」「気持ちよかった?」と聞きながらバカ笑いする学生の一団を見た次郎は「大学の名誉を傷つけた。席を変われ」とすごむ。男たちは一度トイレに閉じ込められたが、恥ずかしそうに出て行き、喫茶店中の人から笑われた。

 

バカな人ってどの時代にもいるんだなとあきれる。

 

たまたま喫茶店に居合わせた恵理が店を出た次郎を追いかけて褒めた。恵理は自分の手から羽ばたいた鳩が醜く落ちてきたから鳩を殺そうとしたんでしょ?と笑顔で聞いた。しかし、厩舎で返された結局は鳩は死んだとさらに笑顔で続ける。こえーよ! 国分の行動を肯定するな!

 

壬生は国分に子供欲しいですか?と聞いた。今は剣道部の優勝だけと言う国分。

 

剣道部一同で監督が紹介してくれたデパートで配送のバイト。国分が呼び出され、タバコを吸っている者がいる、可燃性のものが多いから決められた場所以外では困ると注意を受けた。

 

練習の時、タバコを吸っていたという賀川に監督の顔をつぶしたと壁を向いて正座40分を命じた国分。賀川は40分の正座に耐えた。

 

賀川は監督の家に行き、ついていけない、国分に反省してもらいたいと監督に苦情を言った。国分と同級生だと言う賀川に君のほうが大人だと監督は言い、我慢するように言う。

 

賀川は国分に電話で下宿先に来るように呼び出した。賀川の部屋には恵理がいて、賀川に呼び出してもらったのだと言う。賀川が来ないと知り、帰ろうとした国分を止める恵理。優勝のことしか考えられないと言う国分にジャズのレコードをかけ、踊らない?と誘う。

 

オープンカーを運転している恵理から事の顛末を聞く賀川。恵理は私の勝ちだと言い、恵理が休んでいると国分は肩を抱き、キスし、スカートの中に手を入れてきたと言う。恵理は夢が破れたとガッカリしていた。賀川はこれで勝てると確信する。

 

船に乗って合宿先に来た剣道部。合宿先は寺かな。

 

翌朝から練習が始まる。剣道着ではなく、上下白の体操服で走る。ドリフで体操コントをする仲本工事さんを連想する。島なのか港町なのか? ランニング後はストレッチ、竹刀を振る。腕立て伏せしてる人目線のカメラワークが面白い。監督からは下級生のためにレクリエーションの要素を入れたほうがいいと注意されていた。

 

道着を着て中学校の体育館で稽古。5分休憩を終えて立ち上がると汗の人型ができていた。ちゃんと掃除する人いるのかね?

 

キツい練習に食欲も落ちる部員たち。練習中に吐く者もいた。

 

合宿4日も過ぎると食欲も戻ってきた。

 

合宿8日目には監督が来る。前日、恵理が車に乗って陣中見舞いに来たが、国分は合宿の邪魔だから帰ってくれと言う。恵理は最初からすぐ帰るつもりだったと言い、賀川に国分は全然変わらないと言われても、あなたの負けと言って颯爽と帰って行った。

 

合宿は残り2日。賀川は国分のいないところで国分に無断で泳ぎに行こうと誘う。賀川は国分は禁欲主義のように見えて恵理のパンツに手を入れたと話した。他の部員たちも泳ぎに行くことに賛成し、壬生だけが残った。

 

パンツ一丁で海まで走る部員たち。あ、国分は監督を迎えに行ってたのね。地元住人のトラックに乗せてもらい走り出した。

 

壬生だけは正座で待っている。

 

国分たちが寺に戻ってきたので、壬生は規則はみんなで破ったことにする、一人だけ残っていい子ちゃんでいるところを国分に見られたら死んだほうがマシとみんなと同じパンツ一丁になった。

 

監督は戻ってきた賀川たちに君ら水泳部かとあきれた。賀川は暑いだろうと思ってと自分が誘ったと申し出た。監督は賀川に今日帰りなさいと命じた。怒鳴りつけタイプじゃない監督っていうのも怖いね。

 

国分が一人でいるところに壬生が来た。みんなと一緒に海行ったのか?と聞かれ、ハイと返事する壬生。

 

納会

御膳の前には当然のようにビール瓶が並んでる。

 

夜、次郎がいなくなっていた。道着を着て、竹刀を握りしめ、仰向けに倒れてい…し、死んでる!!

 

道場

監督が次郎がつけていた日誌を読んだ。俺は統率者の資格がない、自殺するかと書かれていた。なぜ生きることに負けたんだと言う賀川にあなたは負けたのよと恵理が来た。恵理は国分さんは何もしなかったと泣き、賀川も永遠に勝てない相手になってしまったと泣いた。誰も国分を理解できなかった、死に追いやってしまったと監督も恥じた。(完)

 

これが三島文学? 最初は字幕なしの白黒映画で知らない俳優ばかりでつらいな〜と思ったけどどんどん引き込まれた。鳩の描写さえなければ面白かった。自分の美学のために簡単に動物を殺すような話を書く人なら、もう見なくていいけど。