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【ネタバレ】雲の上団五郎一座

1962年 日本

 

あらすじ

東宝宝塚劇場の年末公演で大ヒットした菊田一夫原作の「雲の上団五郎一座」を映画化。町から村へとドサ回りを続ける雲の上団五郎一座。座長(榎本健一)をはじめ、団員は女形で活躍するのり蔵(三木のり平)、太蔵(八波むと志)ら小所帯のため一人五役というスーパーマンぶり。大劇場で公演することを夢見る団五郎は、四国で出会った酒井(フランキー堺)という青年と二人三脚で大興行を打とうとするが・・・。

2024.4.10 日本映画専門チャンネル録画。何気に毎月楽しみな蔵出し名画座

 

勝手にエノケンは戦前の人かと思ってたけど、これ昭和37年か。

 

また宝塚映画! 原作・菊田一夫

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キャストは似たような感じになるね。

 

舞台で講談をしている雲の上団五郎。

 

雲の上団五郎:榎本健一…字幕緑

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舞台でやってるのは、「南の島に雪が降る」でもやってた「瞼の母」みたいな話かな?と思ったけど、森の三太郎がどうとか言ってた。

 

舞台が終わり、海苔蔵(三木のり平)にダメ出しをする団五郎。声がガラガラで迫力がある。

 

川で話している関西弁の男性と東北訛りの女性。関西弁の市太郎は早崎文司さんか! 

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桜中学の教頭先生。あんなに若い頃を初めて見た。

 

一座の太蔵(八波むと志)がお柳(北川町子)が歩いているのを目撃した女性は辰五郎親分(藤木悠)は嫉妬深く太蔵が殺されるのでは!?と恐れる。

 

お柳は辰五郎親分の妾で楽屋に隠れると辰五郎親分が乗り込んできた。海苔蔵と太蔵、お柳は逃げ出した。太蔵と海苔蔵はなんで女言葉?

 

灯りのある方へ逃げると墓場の提灯だった。墓場の中を逃げ回る。

 

それにしても藤木悠さんはずいぶん恰幅がよかったな。

 

太蔵の肩に海苔蔵が乗って大きな着物を着て辰五郎たちを驚かせ、逃げて行ったが、辰五郎は怒って芝居小屋をぶち壊した。

 

雲の上団五郎一座は船に乗って四国に移動。船に乗っていた英吉が突然、団五郎たちの会話に加わって演劇論を語る。スピリチュアルだのアーティストだのカタカナ言葉を多用。

 

酒井英吉:フランキー堺…字幕黄色

 

四国の万(よろず)興業

娘のはるみが父の善五郎(花菱アチャコ)に熱心に酒井のことを売り込んでいたが、善五郎は渋い顔。劇団の資本金を出してほしいとお願いするが断られ、寝るだけでいいから置いてほしいと言うが、それも断られた。

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アチャコさん、相変わらずコワモテ。英吉の迎えに飛び出したはるみに「きちがいみたいな女子(おなご)やな」って。

 

四国に到着した英吉は万興業に行き、雲の上団五郎一座を知らないの?と大げさに売り込み、はるみは善五郎の前では英吉を先生と呼び持ち上げる。

 

外で待たされている雲の上団五郎一座の面々に旅回りの者だという男たちが仲間に入れてほしいと話しかけて来た。それぞれ長万部から倶知安にかけての団十郎・矢利通(由利徹)、信州の団十郎・三上俊夫(南利明)、飛騨の団十郎・須山新二(佐山俊二)と名乗り、三人吉三という芝居を始めるが、腹が減って声が出ないと座り込み、食べ物を分けてもらった。

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由利徹さんは竜作のお父さん。

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佐山俊二さんはお巡りさん。または「二人の世界」の周旋業者。

 

雲の上団五郎は21万円をはるみから手渡された。日建て3万円の1週間分。条件として英吉の演出でやってほしいという。「僕の演出に耐えられるかな?」と偉そうな英吉。21万円のうち10万円は英吉への演出料。

 

東京大歌舞伎 雲の上団五郎一座来たると新聞やポスターで宣伝が打たれる。

 

女性はゴテゴテのドレス、男性はカウボーイ。でも芝居は節劇。はるみと団五郎は並んで芝居の稽古を見て感心しているが、善五郎は芝居の良さが分からない。

 

夜、英吉がはるみに夢を語る。芝居がかった2人。ペンキ塗りたてのベンチに座るというベタなこともやってる。

 

芝居が始まる。「僕と踊ろう」と音楽をかけるタイミングで音楽がかからず、「安来節」をかけ、舞台上で役者たちが踊り、客たちも盛り上がる。英吉が出番ではない矢利を舞台に出してアドリブ芝居をさせる。「花のれん」でも安来節をやってたし、ちょっと時代は違うが本当に流行ってたんだね。

 

ショックで倒れ、しゃべれなくなった善五郎。医師は藤田まことさん。若い。

 

しかし、雲の上団五郎一座は満員御礼。もう一つの芝居小屋は閑古鳥が泣き、女剣劇の浅山道子(筑波久子)は作戦があるという。うーん、結局お色気作戦か。英吉は芝居に夢中で浅山の作戦には気付いていない。はるみが乱入して芝居のフリして英吉を誘う。

 

浅山道子って浅香光代さんのもじりかな?

 

外に出て行った英吉とはるみ。キスしそうなところで落とし穴にハマった。

 

矢利や三上は女剣劇の誘惑にハマって来なくなり、勧進帳ができなくなった。しかし、英吉はショウ・マスト・ゴー・オンでやりきると意気込む。

 

弁慶を英吉、はるみが義経を演じる。これは本格的な歌舞伎っぽいけど、弁慶はアドリブを入れ、笑いを交えながら演じる。はるみは座ってるだけ。

 

矢利たち団十郎3人と市太郎が戻って来た。逃げていたら白バイに捕まり、一晩豚箱入りだったという。不可抗力だという矢利に怒る団五郎。

 

フランキー堺さん、本当に器用な人だね。

 

善五郎はだいぶしゃべれるようになっていた。世話を焼くのは女房のおしま(清川虹子)。芝居が気になる善五郎は部下に評判を聞くが、あんなおもろい勧進帳はないと言う。

 

京阪神興業の柳川社長(高島忠夫)が大阪宝大劇場で1か月、雲の上団五郎一座を買いたいと言ってきた。1日6万のギャラでどうかと話していたが、150万でいいでしょうと言われびっくり。善五郎の呂律も治った。

 

大阪の立派な宿に泊まることになった一座の面々は戸惑う。「男はつらいよ」の初代おいちゃんの森川信さんもいたんだ。

 

「爆笑大喜劇・雲の上団五郎一座」という宣伝。団五郎は真面目な芝居をやってるつもりだが、英吉はこのコピーを受け入れる。

 

太蔵、海苔蔵が戻ってきた。辰五郎から逃げて亀の子タワシを売っていたが、会社は倒産してしまい、また芝居をやりたいと言う。もう女言葉はすっかり抜けてる。

お富さん

お富さん

  • 春日八郎
  • 謡曲
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

海苔蔵は「お富さん」の曲に合わせて芝居。

 

最後は雲の上団五郎も加わり「カルメン」をみんなで演じた。(終)

真面目な演劇論を語っていた英吉が笑われる芝居が嫌で変なこだわりを見せ、閑古鳥が鳴くみたいな展開じゃなくてよかった。客を楽しませることが好きな芝居好きだったのね。