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ドラマの感想など

【ネタバレ】貸間あり

1959年 日本

 

あらすじ

アパートの2階に住む五郎は4か国語に堪能で、小説、論文、翻訳などを中心に万業を営んでいた。そこへ学生が身代わり受験を申し込んできた。ついでにひとつ空いているアパートの空き室を借りようとするのだが……。

2023.6.10 BS松竹東急録画。

 

宝塚映画作品。白黒。

 

ハラ作=西原作一(藤木悠)がしゃべりまくる冒頭。晩年?は痩せてたように思うのでふくよかな姿が新鮮。

 

「貸間あり」の札を下げた建物にやってきた津山ユミ子(淡島千景)。迎えるのは谷洋吉(通称・洋さん)(桂小金治)。

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津山ユミ子が字幕水色。谷洋吉は字幕緑。

 

ユミ子は与田五郎に用があって訪ねてきた。五郎を訪ねる間に幾人もの個性的な住人に出会う。お千代役の乙羽信子さん、若い。

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この頃よりは後か。

 

与田五郎はフランキー堺さん。字幕黄色。字幕があるのは本当にありがたい。

 

ユミ子は五郎に写真の陶芸品をフランスに送るので50ページほどのパンフレットの解説をつけて欲しいと依頼した。ユミ子の作品は1点。女らしいという五郎にユミ子は一番嫌いな言葉だと言う。

 

締切は来月の5日。しかし、五郎に興味を持ったユミ子は門長屋の4畳半を借りるつもりなので届けなくていいと言う。

 

五郎の元には試験を代わりを受けて欲しいと言う学生・江藤実(小沢昭一)が訪れた。ハラ作からの紹介か。いろんな人が出てくるので混乱していた。

 

フランキー堺さんと桂小金治さんといえばこれ!

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ユミ子は権利金2万に月4000円で貸間を借りた。

 

ユミ子の個展に実が訪れ、五郎に代わりに模擬試験を受けて欲しいと改めて依頼してきた。平均90点以上は謝礼金9000円。70点は5000円。以下、安くなる。達筆だとユミ子に褒められた実は字の上手い者は脳が弱いみたいに言ってて…こんな昔から言うんだな! 失礼で嫌いな説。

 

コンニャク製造をしている洋さんは住人の島ヤスヨ女史(清川虹子)に材料を融通してくれるように頼む。ヤスヨの隣の部屋は高山彦一郎(加藤春哉)、教子(市原悦子)の若夫婦。今んとこ全然ストーリーが把握できてない。妊娠中の教子は五郎に無痛分娩を教えてもらう予定。

 

洋さんは、お千代のことをパンパンみたいなことをしてる人と言っていると、お千代がやってきて泣いた。田舎の母には大阪の良家(ええし)に勤めていると言っており、お金も貯めたので結婚したいと言う。

 

しかし、田舎に奉公先の奥さんかお嬢さんを連れて行って紹介しないと変な商売をしていると怪しまれるので、五郎にユミ子を紹介して欲しいと言う。五郎が頼むまでもなく、話を聞いていたユミ子は承諾する。五郎に貸しをひとつ作りたいと言うユミ子。

 

お澄は西岡慶子さん。若いのう。誰と誰が夫婦か分からない。

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五郎は他の住人たちに様々なら依頼を受ける。

 

ユミ子の部屋にお千代が来て打ち合わせ。そこに実がやってきて五郎が代理で受けた英語と西洋史が98点だったと語る。謝礼のほかにユミ子へ白味噌、蔵出しの酒、洋さんに南蛮用のカステラを持ってきた。他に個展で撮った写真をパネルにしたもの。

 

実は洋さんと五郎の写真を撮り、もう一度試験を受けて欲しいと言う。親にいい成績表を見せたい。依頼を受けた五郎。

 

洋さんはつまみを買いに外へ行き、実は帰り、五郎と2人きりになったユミ子。五郎のことをよろず請負業なんて八方美人だと言うユミ子はお千代から聞いた好きあった男女が言い合う「今日はツンツン」という会話を教える。なんだかいいムードになる2人!? しかし、ちょっとしたことから諍いになりユミ子は自室に戻った。

 

ケンカの原因を探る洋さん。隣の部屋のユミ子も聞き耳を立てるが、お澄の夫の宝珍堂(渡辺篤)が酔っ払って帰ってきたのでうやむやになる。

 

五郎立ち会いの元、お千代の旦那衆との別れの場を設ける。3人の旦那衆、一人一人と別れの挨拶をし、餞別をもらい、兄弟の盃を交わす。

 

ユミ子をお嬢様とし、お千代は女中として帰郷することになったが、その途中、ハラ作に新聞包みを預かる。中身は札束!

 

お千代の送別会

風邪気味の五郎、洋さんが集まる。実も来て、明日一緒に飛行機で福岡に来て欲しいと頼む。住人たちが集まり、五郎が書いた祝辞?を洋さんが読む。ご隠居の小唄、お千代の独唱。

お富さん

お富さん

  • 春日八郎
  • 謡曲
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

「お富さん」を歌いながら泣き出すお千代。

 

酔っ払って五郎に迫るお澄。宝珍堂に助けを求めた五郎だが、宝珍堂公認でお澄の相手をして欲しいと頼まれた。

 

お千代はユミ子と洋さんの前で母から「一人で帰れ」という電報をもらい、結婚がなくなったと泣き、ユミ子と洋さんで急に風習が変わったのかもと慰めた。

 

五郎たちの部屋ではほかの住人の育てていた蜂が逃げ出し、パニックになる。

 

屋敷の賄いをしているおミノ(浪花千栄子)はテレビを購入し、住人たちから視聴時間に応じて視聴料を取ろうとしていた。

 

福岡に連れてこられた五郎は実に本試験を受けさせられそうになり、怒って帰ろうとするが、実に試験会場まで引き摺り込まれた。学生服姿の五郎が試験を受けるが、試験官の小松が五郎の知り合いで五郎は試験会場を出た。

 

試験会場を出た五郎を泣いて会場に戻るように説得する実。あげく逆ギレ。

 

縁談が潰れたお千代は遺書を遺して自殺。保険屋の野々宮真一(益田喜頓)がお千代の母に告げ口をしていた。アパートにいたペルシャ猫も毛皮に…。最初から猫の扱いが雑だと思っていたんだよ…。

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益田喜頓さんも若い。

 

福岡から帰ってこない五郎。洋さんはユミ子に五郎を説得するように頼んだ。

 

別府温泉にいる五郎と小松。お風呂上がりに裸の大将の真似をする2人。五郎のもとに「今日はツンツン」というユミ子からの電報が届く。

 

ユミ子が九州に向かうが、五郎は逃げた。

 

洋さんはお千代の部屋が空いたので新しい「貸間あり」の看板を作ったが、お千代にそっくりな西村種子が引っ越してきた。しかし、洋さんはユミ子が五郎を捕まえればどちらかの部屋が空くと軒先に「貸間あり」の看板を吊るした。(終)

 

せわしなく登場人物も多く、あげく猫の扱いで最低最悪の映画だった。喜劇っぽい作風とはいえお千代のことも誰も悲しんでないし。昭和の作品で動物が出てくるのは間違いなく鬼門。