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【ネタバレ】スーパーの女

1996年 日本

 

あらすじ

スーパー大好き主婦が、幼なじみの経営する売れないスーパーを立て直そうと奮闘する日本初のスーパーマーケット映画。知って得するスーパーの知識が満載で、主婦層を中心にヒットを記録した。閑古鳥が鳴くスーパー"正直屋"の専務・五郎(津川雅彦)は、ライバル店を調査中に幼なじみの花子(宮本信子)と再会する。スーパー好きの花子の鋭い視点を買い、五郎は彼女を雇うことに。問題解決のために奮闘する花子だが、職人たちと衝突してしまう。

2023.5.13 日本映画専門チャンネル録画。ホントは「本日も晴天なり」の記憶も新しいうちに見るべきだった。

peachredrum.hateblo.jp

この映画はスーパーのお話です。

スーパーというのは、皆さんのご近所にある、

あの、至極なんでもない、

普通の「食品スーパー」のことです。

ダイエーイトーヨーカドージャスコ、ニチイなどは

「ビッグストア」という別ジャンルのものとして

除外いたします。

 

このビッグストアに連なる名前が懐かしい。

 

「正直屋」の専務・五郎は近所にリニューアルオープンした「安売り大魔王」を見に行った。店は大盛況。そこで幼なじみの井上花子に出会う。花子も五郎もお互い伴侶を亡くしていた。花子は主婦として鋭い指摘をし、五郎は自分の店だと言わずに「正直屋」を見せる。ここでも鋭い指摘を繰り返す。

 

花子はショートカットで男言葉。まあ、宮本信子さんは元々こっちのイメージで、「本日も晴天なり」のおしとやかなトシ江が珍しいのか。「安売り大魔王」みたいなインチキスーパーに負けるなと帰って行った。

 

ある日、「安売り大魔王」の社長(伊東四朗)が買収を持ちかけてきた。断った五郎は兄の一郎(金田龍之介)に1年だけ頑張らせてほしいとお願いした。

 

回転寿司屋で花子と再会した五郎。寿司職人がベルトコンベアーの中にいる店、あったなあ。

 

酔っ払った五郎を連れ帰る花子。五郎は「正直屋」の上のマンションに住んでる。家に上がった花子は五郎の亡き妻・チズ子の仏壇に線香をあげる。

 

また「安売り大魔王」を見に行った五郎はまたまた花子に再会。この店は朝は商品が揃っていないのだから、「正直屋」が朝、商品を揃えるとか値引きをすればいいとアドバイスする。五郎は花子をスカウトするが、「お前、口説くからイヤだ」と断る。

 

しかし、「安売り大魔王」に嫌みを言われる五郎の姿を見て腹を立てた花子は「正直屋」で働くことに決めた。

 

レジ係になった花子。同僚に松本明子さん。いろんな客が店に来る。田嶋陽子さんが出てる。柴田理恵さん、阿知波悟美さん、川俣しのぶさんが常連客の4人組。田嶋陽子さん割と上手い。野際陽子さんはお金持ちそうなご婦人でペットを連れて来店し、花子に注意される。

 

精肉部の無口な店員は金萬福さん。精肉、鮮魚、それぞれ職人気質でお客様の苦情を伝えた花子を敵視する。

 

1パック28円と間違えてチラシに書いてしまい、お一人1パックということにしたものの店はパニックになるほど客が殺到した。販促部員は小堺一機さん。

 

「安売り大魔王」は「正直屋」を潰すべく、ますます安売りに力を入れる。産地偽装だけどね!

 

五郎と花子は引っ越しシーズンの春に自転車を走らせてチラシを配っていた。日本一のスーパーにしたいという五郎に日本一客の立場に立つ店にしたらどうかと花子が言う。花子は五郎から副店長という立場を与えられ、まずはお客様の声を聞こうとお客様を呼んで試食させ、意見を聞く。

 

たらこがプツプツしているという意見にたらこを卸しているつるかめ食品に行った花子。社長は岡本信人さん。ししゃもの卵を混入していることを白状し、新生たらこおにぎりを作り、試食の場に立たせた。お客様のおいしいという声に感動する社長。

 

花子はお盆に1割引セールを提案する。いつも割引する商品は6000アイテムのうち200アイテムほど。残りの5800アイテムは一度も値引きされたことはなく、セールは好評。

 

鮮魚部では売れ残りの商品をリパックするのが常だった。日付偽装ね。本当はイヤだと思いながら続けていたパート主婦たち。その中に原日出子さんがいた。

 

リパックについてパートと対立するチーフ。社員はみんな男性なんだよね。五郎と花子はリパックについて意見が対立し、辞める!と出て行った花子。

 

翌日、花子は出社せず、五郎はぼんやり。花子は嵐が去った青森に行っていて、落下したものの大して傷のついていないりんごを大量に購入しようとし、五郎に連絡を入れた。

 

帰ってきた花子を口説いた五郎はホテルへ。スポーツだよ、鮮度に問題があると言いながらもキスしようとするが、笑い出してしまう花子。お互いに亡くした伴侶の話をし、「正直屋」もやれることまでやろうと話し合う。伊丹十三監督といえば、わりと過激なシーンが多い印象だけどこの映画はこれくらいかな。

 

五郎はリパックを廃止。売れない刺身は捨てるしかなく、鮮魚部のチーフ(高野長英)は虚しい思いを花子に吐露する。元々は魚屋だったが、地上げにあい、五郎に拾われた。

 

鮮魚部、精肉部それぞれのチーフは職人気質で大事な仕事は他の人に回さず、うまく流れ作業にならない。花子はパート主婦たちにも仕事を任せるべきと五郎に言うが、五郎は賛同しない。花子は直接、鮮魚部のチーフに言いに行く。花子はスーパーには職人はいらない。欲しいのは技術者だと言う。

 

五郎は生けすを外すことにし、チーフは反発。助手の金ちゃん(伊集院光)がパート主婦たちに刺身の指導を始めた。

 

精肉部のチーフ(六平直政)も高い肉を買うことはないと言う花子に反発して辞めると言うが、実は業者とつるんでお金のやり取りをしていた。

 

鮮魚部、精肉部のチーフは店長と「安売り大魔王」の社長と密かに面談。

 

精肉部のチーフは業者との不正行為がバレ、俺がいないと混ぜ肉は作れないと開き直るが、五郎はもう混ぜ肉は作らないと宣言。精肉部の助手(柳沢慎吾)が新鮮な肉でひき肉を作り始める。

 

パート主婦たちも自分たちが働く店の商品を買うようになり、店は賑わい始める。五郎は再び花子を口説くが、専務の女になったら働きづらくなる、この仕事を辞めたくないと断る。花子のそういうとこ好き!

 

一郎は五郎に「正直屋」を「安売り大魔王」に身売りして不動産部門で面倒を見ると言われるが、五郎は断った。店長は真っ先に辞表を出し、店員たちにこの店は潰れる、私と一緒に来なさいと不安を煽る。

 

花子は年末年始頑張れば潰れることはない、「安売り大魔王」は安かろう悪かろうという店で1年前の「正直屋」と同じだと言う。花子の演説で続々、残ることに決めた店員たち。鮮魚部チーフは独立して店を開くことにしたが、その前に技術を叩き込むと言ってくれた。

 

精肉部チーフは肉を一切合切持ち出そうとしていて、花子は冷凍車に乗り込むと誤って扉が閉められてしまった。気づいた五郎が通りかかったデコトラに乗り込み、追いかけ、警察に女が誘拐されたと通報した。デコトラの運転手は佐藤蛾次郎さん。

 

パトカーが来てもカーチェイスが続く。

 

ようやく車が止まり、花子を助け出した五郎。目を覚ました花子は医師や看護師に旦那さんのおかげで助かったと言われた。五郎が裸になって花子を温め、風呂に入れたのだという。夫婦扱いされても否定しない五郎。

 

助けられた漁師は元日にも漁に出るので、獲れた魚を買い取り、初売りで売り出そうと言う花子。

 

「正直屋」初売りの日。店は客で賑わい、「安売り大魔王」に客は来なかった。(終)

 

「本日も晴天なり」ではヒロインだった原日出子さんが名もなきパートさんだったのは少々寂しいけど、花子と喜び合うシーンもあり、よかった。

 

最後のカーチェイスが少ししつこく感じたけど、概ね後味のいい面白い映画だと思いました。