徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】花のれん

1959年 日本

 

あらすじ

大阪の生んだ女流作家・山崎豊子直木賞を受賞した同名小説を映画化。生涯を大阪・船場の女商人として生きた女の強さとたくましさを、名匠・豊田四郎監督がオールスター・キャストで描く。大阪・船場の商家に嫁いだヒロイン多加(淡島千景)は、頼りない夫(森繁久彌)をもり立て奮闘するが、寄席道楽にふける夫は店をつぶしてしまう。「いっそ道楽を本業に」と場末の寄席を買い取るが、夫は借財を残し妾宅で急死。多加のなりふりかまわぬ金もうけが始まる・・・。

2024.1.10 日本映画専門チャンネル録画。間にCMが挟まってない、字幕付きのありがたさを日々感じる。

 

淡島千景さんは東京出身だけど、浪花千栄子さんに教わって大阪弁をマスターした。へー、淡島千景さん関西弁の役、結構やってるよねえ!? 

peachredrum.hateblo.jp

「貸間あり」とか「芋たこなんきん」とか。

peachredrum.hateblo.jp

東宝株式会社配給

 

そしてまた宝塚映画か! 「小早川家の秋」「貸間あり」も宝塚映画だった。浪花千栄子さんはどっちも出てる。

 

河島多加:淡島千景…字幕黄色

 

取り立てに来た織京の主人(山茶花究)に頭を下げる多加。夫の吉三郎(森繁久彌)が芸人たちとお茶屋遊びしているところを迎えに行ったが、多加がお金を持ってきて、まだ遊べると思っている。

 

家に帰り、吉三郎が株で失敗したことを使用人に聞かされ、多加が吉三郎を問い詰めるが商売のことに口を出すなと言い、お金が欲しい!と叫ぶ多加。吉三郎は父親に仕込まれているときから商売には向いてないと思っていたと言い出す。

 

寄席が好きで芸人にも顔が知れてる吉三郎に寄席をやったらどうかと提案する多加。リマスター版じゃないと白黒は見づらいなあ。

 

ガマ口:花菱アチャコ …字幕水色

peachredrum.hateblo.jp

昔の芸人さんは、ちょっと強面。

 

今までやっていた呉服店を売り払い、ガマ口も吉三郎についていくと言う。ガマ口はいつも吉三郎のそばにいたけど友達?

 

多加は金貸しの石川きん(浪花千栄子)に寄席をやりたいと相談。え〜!? 「小早川家の秋」より前の作品なのに、すごいおばあさんになってる。

peachredrum.hateblo.jp

使用人のお梅(乙羽信子)は赤ん坊を背負って仕事している。

 

天満亭を開いた吉三郎と多加。多加は天満亭前で冷やし飴を売り、2銭と客には言い、天満亭の入場料込み7銭で売った。

 

寄席はうまくいきかけているものの、吉三郎の遊び癖は治らない。おしのという寿司屋の娘に入れあげていることはガマ口も知っていた。

 

吉三郎はおしのの部屋で心臓マヒで亡くなった。すぐにでも連れて帰りたい多加だったが、医師から警察病院に連れて行く決まりがあると言われた。おしのからは、隅の方にいるのでお線香をあげさせて欲しいと頼まれたが断った。

 

通夜。お梅は明日、ぼんぼんが着る着物の用意をし、多加の喪服も…とタンスを開けていると、白無垢が出てきた。船場では夫に先立たれた妻が男に近づかないように白無垢を喪服とするならわしがあり、多加も白無垢に着替えて参列者の前に立った。

 

売りに出ている物件を積極的に買い、寄席を増やしていく多加。師匠たちに天満亭に出てくれるよう売り込みをかける。

 

多加はまだ幼い息子の久雄とお梅とぜんざいを食べていたが、久雄をお梅に任せて、すぐ出て行った。

 

売りに出されている法善寺の金沢亭を手に入れたい多加は、金沢亭主人を接待。花菱亭と名前を変えてやっていきたいと語る。金沢亭主人に迫られ、左肩にポンと手を置かれた多加。大阪商人の間では商談成立の合図ということで隣の間に控えていたガマ口と芸者たちが出てくる。詐欺だと言う金沢亭主人だったが、多加は金沢亭を手に入れた。

 

ある日、下駄をなくしたと騒ぎがあった。

 

伊藤友衛:佐分利信…字幕緑

 

伊藤は寄席好きの市会議員で多加が下駄を弁償した。

 

花菱亭にたくさんの客が集まる。松鶴という芸人が女に入れあげ、ネタまで質入れしていたため、できないネタがあり、伊藤が質出ししてくれた。立て替えると言う多加にまだ下駄を重宝していると断った。

 

安来節の唄い手を探しに島根へ飛んだ多加。口減しで紡績工場に行く予定の娘の親に支度金などを用意すると迫る。唄い手というか踊り手か? 舞台には何十人も若い娘が踊り、お種というおばあさん?が歌う。観客たちも踊り出す。

 

寄席商いを始めて18年、通天閣を買い取った多加。お梅は嫁にも行かずに多加のそばで働き続けた。

 

久雄は大学の試験を受けに東京に行った。東京に行かせたお梅をあんたにあげた子やないと責める多加。

 

多加とガマ口は通天閣に上り、記者に写真を撮らせた。春団治が他の小屋にも出ることが分かり、多加とガマ口で話をしに行き、春団治の口を差し押さえると札を貼って帰った。札を口に貼ったまま夕刊に写真が出て、そのまま寄席にも出たので、しゃべらなくても大ウケ。ガマ口が舞台上で札を受け取り話し始めた。

 

あんな渋〜い伊藤も寄席を見にきていた。多加とちょっといい仲!? 多加は料理屋で久雄のことを話した。大阪の商人に学問はいらないと言うが、伊藤は学問をやりたいのならやらせたほうがいい、春団治の口の差し押さえは生活権を握ることになるから、やり過ぎだと忠告し、電話をかけると言って部屋を出て、そのまま帰ってしまった。

 

あんなに流行っていた安来節は廃れ、お種は給金の支払いで揉めていた。時代は戦争に向かっている。

 

久雄が帰ってきた。もっと雇用関係を明朗なものにしたほうがいいのでは?という久雄の意見を多加は拒絶した。

 

伊藤が誰かの選挙違反の罪を被って自殺したという知らせを受けた多加はショックを受けた。伊藤のスクープ写真を3000円で買い取った多加はガマ口に責められたものの一生に一度の贅沢だと泣いた。多加が伊藤を好きだと知ったガマ口は泣き笑い。ガマ口も多加を好きだった!?

 

戦争が激しくなり、久雄も出征することになった。京子(司葉子)という女性と道端で話している久雄を見かけた多加とガマ口。帰ってきたら結婚するつもりだと久雄は言う。この商売を継ぐかどうかは、お梅に言い残していると久雄に言われ、帰ってお梅と話をする多加。何でも金勘定の母よりお梅を頼りにしていて、京子のこともお梅には話していた。

 

久雄から13日の午後3時、神戸の京橋で会えるとハガキが来た。おはぎと寿司を持参した多加だったが、食い物は僕たちのほうがいいと言う。硫黄島へ行っていた、生きているのが不思議なくらいだと言い、多加に早く疎開するように言った。久雄は寄席商いに未練はなく、みんな燃えてしまうだろうと言う。

 

白無垢を着たときから人間の心をなくしてしまったんじゃないか、人間の心を取り戻して欲しいと言う久雄。空襲警報が鳴り、久雄は船に戻らねばならなくなった。母さんは空襲が終わったら帰ってくださいと久雄が言うのに大阪が燃えてると聞いた多加は走り出した。

 

空襲で逃げる人を逆行して進む多加。大阪大空襲は昭和20年3月13日23時57分から翌14日3時25分。

 

焦土と化した大阪にたどり着いた多加の前に現れた京子が多加を励ました。ガマ口と再会し、ご不動さんも無事だった。

 

夜が明け、「お母さん、朝です!」という京子の言葉に希望を見出す多加。(終)

 

ええ〜!? ここで終わるの!? 朝ドラの「わろてんか」「ブギウギ」を見てたらもっと楽しめたかな? 原作もここで終わってたのかな。不思議な映画だ。