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【ネタバレ】滝の白糸(1956年の映画)

1956年 日本

 

あらすじ

その芸と器量の良さで評判の滝の白糸(若尾文子)の一座は白糸に恨みを抱く寅五郎一座に金沢行きを邪魔されそうになり、馬車の馭者・村越欣弥(菅原謙二)に助けられる。二人がうちとけて語り合うなかで、図らずも欣弥が法律を志していることを知ってしまう白糸。その費用を出そうと申し出る白糸の心からの慕情を受け入れた欣弥はそのまま東京へ旅立った。そして二年が経ち――文明開化の波で一座が苦しいなかでも送金を続け、欣弥との文通も続いていた白糸に人生を揺るがす事件が待ち構えていた……。

2023.11.18 時代劇専門チャンネル録画。

 

たまたま写真を見かけて、ちょんまげじゃないし、江戸時代とかの話じゃなさそうなので見ることにしました。時代劇はちょっと苦手なのです。何度も映像化されていて、これは映像化6度目の1956年版です。菅原謙二さんは「兄弟」では紀子のお父さん。若い頃からカッコいい。1952年版には進藤英太郎さんが出てる!

 

滝の白糸:若尾文子…字幕黄色。

peachredrum.hateblo.jp

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この映画よりさらに若いから、なんだか幼く感じる。でもカラーなんだな。

 

滝の白糸一座は金沢に向かう途中、寅五郎一座に絡まれ、乗合い馬車に乗ることを妨害されるが、馬車屋の村越が寅五郎たちを馬車から降ろして、滝の白糸たちを乗せた。

 

村越欣弥:菅原謙二…字幕水色。

 

寅五郎一座は人力車で先に出発。馬車は登り坂になると止まってしまい、村越は無理せず馬を休ませ、人を降ろして歩かせる。こういう馬の扱いホッとする。

 

平坦な道になり、馬車は滝の白糸たちを乗せ走り出し、人力車を追い越す。寅五郎は馬車に向かって包丁を投げる。おい!(怒)

 

馬車は止まってしまった。心棒が折れ、これ以上行けない。太夫だけでも先にということで滝の白糸は村越と一緒に馬の背中に乗り、先を急いだ。

 

そこまで急ぐ必要ある!?

 

祭り? 寅五郎は若い女性を立たせてナイフを投げ、滝の白糸は水芸を披露する。村越は寅五郎を呼び出して、寅五郎の投げた包丁を見せ、殺人未遂で訴えるぞと言った。寅五郎はお金を出すと言うが、村越は一発殴らせろと言う。え? それで解決?

 

太夫は村越に惚れ、村越を探す。夜、船着場の小舟で寝ている村越を見つけた。村越は親一人子一人で法律を学んでいる。父は金沢の元士族で生活には困ってなかったが、父が亡くなり、馬車会社で働いていたが、途中で人を歩かせたとクビになっていた。

 

太夫(本名・水嶋とも)は、すぐ東京に来て勉強しなさいとお金を渡そうとする。俺は乞食じゃないと断る村越だったが、太夫は3年仕送りをすると聞かない。あんたを好きになったと手持ちの30円を渡して、すぐ東京に向かわせる。

 

2年後、仕送りを続けている太夫だったが生活は苦しい。

 

村越は勉強を続け、華族の書生になっている。絹子というお嬢様を華族会館の舞踏会に連れて行く。絹子お嬢様はゴテゴテのドレスを着て馬車に乗り、村越は御者となる。時代設定は明治の中頃だそう。

 

後援者から300円を借りた太夫は、そのうち200円を村越に送金した。

 

絹子が村越の部屋を訪れた。村越は裁判官になるため勉強中。絹子は縁日に誘う。絹子は村越に告白するが、村越は故郷に妻と決めた者がいると断った。村越の手紙を村越の母の前で読む太夫。村越は運送屋の2階に転居し、夏休みに働いたと送金してきた。

 

そのお金を村越の母にそのまま渡した太夫。母は村越が学校を卒業したら結婚して欲しいと太夫に言い、母宛ての手紙でとも(太夫)と結婚したいと何度も書いてあったと村越の書いた手紙を渡した。あら? 村越の母の滝花久子さんは「白い巨塔」の映画版で財前五郎の母もやってた。

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急に東京に行きたくなった太夫は村越の住む運送屋へ行く。学校の用で仙台に行って不在だったので手紙を書き残して帰ることにした。

 

太夫は北海道や青森など寒いところを巡業に回る。寒さのため、人も集まらない。一座にいる、お安は沢村貞子さんか。お金もなく宿屋を追い出されそうになったが後援者の上林が偶然、商用で訪れ、金沢へ帰ろうと鍋焼きうどんを用意していた。あら、この上林役の見明凡太朗さんも「白い巨塔」に出てた。岩田役。

 

水芸って不思議だな〜。どういう仕組み?

 

大入りでお金も入った太夫。夜、一人でいるとほっかむりをした男と揉み合いになり、お金を盗られた。ほっかむりが取れて、寅五郎と分かり、追いかけた。

 

卯辰橋で寅五郎にお金を盗られたと上林に訴える太夫は、上林に200円の借金を申し込んだ。その後、よろけながら急いで帰った。

 

警察には人殺しという電話が入る。

 

家に帰った太夫は、お安に上林を殺してしまったと告白した。

 

金澤地方裁判所に配属された村越は早速、殺人事件を担当することになった。和服なんだねえ。

 

取調室では寅五郎がお金は盗ったが殺しはしてないと刑事に話している。

 

六勝亭主人殺人事件の現場に向かった村越は見覚えのあるキセルを見つけた。

 

実家に帰った村越は母に金沢裁判所の検事代理として任官したと報告。仏壇の父にも報告した。母に殺人事件の担当になったと話す。いいのか!? 守秘義務! 母も犯人は寅五郎と思っている。

 

お安たちはキセルのことは口裏を合わせて知らないと言っていた。警察から帰ってきたお安から話を聞く太夫。村越が取調べにいたことを知らされ取り乱す。自首するという太夫に、今までの苦労が水の泡、みんなあなたの味方だというお安。寅五郎の立場は!?

 

初めての法廷。洋服姿の村越を褒める母。しかし、村越は太夫を怪しいと思っており、妻にしたい女性を裁かなければならないなんて!と言う。そもそもそんな関わりのある人が検事として裁判で関われなくない?

 

証言台に立つ太夫。寅五郎に金は奪われなかったと言い、お金はどこに送ったかと裁判長に問われても送り先は言わない。検事代理の村越が尋問をする。村越は烏帽子のようなものをかぶってるのかな? 村越は正直に話すように言う。

 

太夫は寅五郎にお金を盗られたと話し始めた。上林にお金を借りに行き、襲われそうになったため、夫があると逃げ回り、包丁で刺し殺した。お金は盗らずにそのまま帰ったと言う。

 

村越は滝の白糸の送金先は村越欣弥だと申し添えて尋問を終えた。そして、正当防衛ではなく殺意はあったと懲役8年を求刑した。

 

面会室

村越と顔を合わせた太夫。村越はこの事件を終えたら、検事を辞める。結婚してくださいと婚姻届を渡す。

 

判決は、水嶋ともの正当防衛が認められ無罪となった。おお!?

 

村越と裁判所を出たともは並んで歩いて行った。(終)

 

原作とは違い、ハッピーエンドらしい。村越みたいに送金してくれた女性とすんなり結婚するなんて、現実にはほぼないだろう。絹子お嬢様と結婚するとか、太夫が捕まっても知らぬ存ぜぬになるとか、最後の最後まで誠実であり続けた村越すごい。