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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (73)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

戦果をあげるニュースがくり返し流れていたが、空襲を受け、元帥の死が報じられた頃、日本の戦況は厳しいものとなっていた。新八郎のことを思うだけで胸が苦しいマリ子(熊谷真実)は、手紙をはるに代筆してもらい、やりとりを続けていた。一方で、はる(藤田弓子)は敵国人として捕まった英国人のオネスト神父との面会を、たびたび懇願しに行っていた。怒鳴る看守(奥村公延)にもめげず、はる節で恩義について語り始めるが…。

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ラジオ「開戦以来、皇国の向こうところ敵なし。着々目覚ましい戦果を上げつつありますることは、まことに一億国民にも心から感激に堪えんところであります」

 

昭和17年

 

マチ子「どうしてこの総理大臣はいつも同じ決まり文句しか言えないのかしら」

マリ子「着々目覚ましい戦果なら、もう少しましなものをはいきゅうしてくれてもいいのにな~。はあ~…見てよ。いくらこねてもこのパンのパサパサなこと」

マチ子「『欲しがりません、勝つまでは』」

マリ子「たっぷり食べさせてくれさえしたら、あとは何も欲しいとは申しません」

マチ子「やれやれ、人間おなかがすくと怒りっぽくなるもんだけど、マー姉ちゃんのは特別ね」

 

かくかくたる戦果とともに昭和17年を迎えたものの、正月早々、家庭用ガスは使用量割り当てとなり塩も通帳制の配給となった4月18日正午のことでした。

 

炸裂音にマリ子もマチ子もピンと来ず、どこかで運動会をやっているとか防空演習でもやっていると言い合う。何も通知はなかったが、今朝、警戒警報は出ていた。

 

群長が「空襲~! 空襲~!」とバケツをガンガンたたきながら騒いでいる。

 

マリ子「あ~、高射砲だったのよ、あれは」などと外を見ながらマチ子と話していると、群長の声が聞こえた。

 

群長「何だ、貴様らは! 空襲だぞ、空襲! 我々は空襲を受けているというのに貴様らはまだそんな西洋乞食みたいな格好をしているのか! バカ者! 何だ、国賊!」とウラマド姉妹に怒鳴り散らしていたので、マリ子とマチ子が駆けつけて群長に謝った。

 

青天のへきれきとはこのこと。腰抜けだったはずのアメリカによる初空襲だったのです。

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澪つくし」によればこの空襲により、銚子市愛宕山頂上に最新式のレーダーが設置されたそうです。

 

空襲警報が鳴る。

群長「あ~、今頃空襲警報を流したって敵機はもう頭の上じゃないか!」

群長は久保晶さん。「澪つくし」にもちょっと出てたけど、バイプレイヤー。

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山本五十六元帥戦死のニュース。

 

くしくもそれからちょうど1年後の同じ日、連合艦隊司令長官山本五十六がソロモン上空において戦死。最初の1年は暴れてみせるが、その後の保証はできないと言ったその人の死はまさに日本が敗戦に向かい始めたという事実を暗示しているかのようでした。

 

昭和18年

 

昭和17年は一瞬だったけど、他の朝ドラだと戦時中とてわりと1年、2年ワープして描かれない年もあったりするけど、昭和13年以降、ちょっとずつでも描いてるのがすごいと思う。

 

山本五十六戦死の記事を読むマリ子とマチ子。

マチ子「国葬か…」

マリ子「天海さんの軍艦も南の方へ行ってるのかしら?」

マチ子「それが心配だけど東郷さんは中支で本当によかった。あっ、返事書いたの?」

マリ子「まあね」

マチ子「『まあね』じゃありませんよ。不自由な戦地でどんな思いで書いた手紙だと思ってるの」

マリ子「うん。だからそれを思うだけでもう胸がいっぱいになって筆が進まないのよ」

マチ子「だからお母様が図に乗って代筆役なんか買って出るんじゃないの」

マリ子「だけど、お母様があれほど筆まめだとは思わなかった」

マチ子「筆まめっていうより、あれはやっぱり実行魔なのよ。だからってラブレターの代筆役だけはいただけませんよ」

マリ子「でも今更私が書いたりしたら今までのは全部代筆だってばれてしまうでしょう」

マチ子「でも…」

マリ子「いいのよ。お母様には私のラブレターの代筆とオネスト様の面接のほか、何もすることがないんですもの。仕事を取り上げたらお気の毒よ」

 

開戦当日、敵国人として捕まったオネスト神父は、このころ、横浜の抑留所に監禁されていたのです。

 

看守「何度言ったら分かるんだよ! ここはな、普通の刑務所や監獄とは訳が違うんだぞ!」

はる「はい。それは重々承知いたしておりますが」

看守「だったらそう度々面会なぞさせられんことぐらい分かるだろう」

はる「それも重々承知いたしております」

看守「だったらおとなしく帰れ。ええ? あんたの身のためだ」

 

看守役は奥村公延さん。私が印象深いのは「ぽっかぽか」の”しげちゃん”だなあ。

 

オネスト神父の様子を聞くはる。

看守「あんたね、やつは敵国人なんだよ」

はる「はい」

看守「その敵国人に同情するやつはみんな非国民だ!」

はる「いいえ。私は愛国民でございます」

看守「何? つべこべ言うとあんたただじゃ済まされないんだぞ!」

はる「はい、これまでにも警察の方から度々ご注意を受けました。でも私、そのたんびにこう申し上げておりますのよ。オネスト様は私にとっては命の恩人。昔より私どもは『君に忠、親に孝』。全ての恩義を忘れる者は畜生にも劣ると」

看守「だったら何だというんだ?」

はる「はい、たとえ敵国人でございましょうとも恩は恩。日本人というものは一旦、事があると恩も忘れてしまう人間たちである。そう思われてはまっこと日本の恥ではございませんか。ですから私、たとえ、人がどう思われようとも私はオネスト様のご面会を続けることが私の使命でありましょうと」

看守「ああ、分かった、分かった」

はる「では、ご面会を」

看守「いや、あんたの言い分をそう所長に伝えておくからまた来なさい」

はる「そうですか…。それではこれはお身の回りのものなどでございますけれど」

看守「ああ、まあ預かっておくがね、赤十字から俺たちより結構な食い物が来るんだから、そう心配することはないんだぜ、本当に」

はる「さようでございますか。ああ、やっぱりさすがに日本は武士道の国でございますわね。それを聞いて安心したしましてございますわ」

 

当時の資料によると敵国人収容の抑留所での面会は数えるほどしか許されなかったとあります。

 

配給。磯野家は4人で大根が1本、ネギが8本。ウラマド姉妹は2人なので、年子(最初に噂云々言ってたおばさん=金八2の青木繁好の母)が手を上げて、半分こ。配給の芋は腐っていることもあったらしい。

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しかし、あるところにはあって戦後に隠退蔵物資が見つかるなんてことがあった。

 

そこに均が登場。山高帽というのかな、今までの服装とまた違う。あ、そういえば、洋装なのがそもそも珍しいのか。均は袋一杯に落花生を持参。千葉の知り合いに売ってもらった。それを磯野家、ウラマド姉妹、タマに分け、残りは田河家へ。

 

落花生は去年のものだと均が言っても、「そんなぜいたくな…誰が言いますか」とタマが言う。干物も分けてもらって、それを見たタマが「実際、魚屋の方が恥ずかしくなるようですよ」という。

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おしん」も魚屋やめたもんね。昭和14,15年くらいかな?

 

均「なかなかね、こういうものも手に入りにくくなるでしょう。何しろあの辺りでも船出せなくなるそうですからね」

マリ子「あらどうして?」

マチ子「軍の機密がどうのこうのって言うんでしょう?」

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陸軍に船を供出しろと言われる吉武家昭和14年。とはいえ、昭和19年あたりでも船はまだあったけどね。

 

均はこうして皆さんのうれしそうな顔が見れるだけでもと笑顔。田河先生と奥様も元気だという。マチ子はすっかり出不精になり、配給物もマリ子に取りに行かせている。

マチ子「嫌なのよ。大根一本でもめたりするのが、もう、たまらないの」

 

ウラマド姉妹は逆に姉が妹に用事を押しつけている。ウララはもんぺをはきたくない。マドカは20年前にロンドンで作った乗馬ズボンをはいている。おしゃれ―。そこにヨウ子帰宅。

 

この年、女学校を卒業したヨウ子は今、花も恥じらう女子大生です。

 

長谷川洋子さんは大正14(1925)年生まれ

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ジュンノーちゃんは昭和20年4月に帝大英文科入学。年齢はヨウ子より上だけど、旧制高校で1年休学したので、大学入学がこの年になった。

 

はるは横浜に行っていると聞くと、ウララは「こちらの奥様には頭が下がりますわ」といい、タマは「いいえ、私は何にも知りませんですよ」と知らないふりをする。

 

タマ「けんのん、けんのん。とにかくね、私はね絶対何も知りませんから大丈夫です」

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年子が回覧板を持ってくると、いつも常会には顔も出さないくせにってご近所の方に言われると言ってウラマド姉妹は帰ると言い、タマも帰っていった。均も帰ると言い、夕飯を食べていってと言われるも断った。

 

均「とんでもない。それこそ昔とは違いますからね。こんなちっぽけなお土産で大事な配給米の頭をピンとはねるわけにはいきませんよ」

マチ子「嫌だわ…せめて先輩だけには冗談でもそんなこと言ってほしくないのに」

マチ子が神経質になったとマリ子が謝る。昔からそうだと言って均は気にしていない。

 

三姉妹で夕飯の準備をしながら、はるとオネスト神父の心配をする。マチ子は、帰るのが遅いはるを非国民として捕らえられたのではと心配する。

 

たとえご時世が変わっても相も変わらぬのは神を信じるはるの一念。何とも心配なことですが。

 

はるが帰ってきて、三姉妹は台所を放り出して出迎えに行った。

 

2019年の「おしん」は25日(水)までやって年始は6日から。2020年の「澪つくし」は26日(土)までやって翌年4日から。「マー姉ちゃん」は25日(土)で年内放送は終わりかと思ってたけど、予定だと現行朝ドラに合わせてなのか27,28日に1話ずつ。29,30日は2話ずつやって84話まで放送するみたいです。だったら、29日まで1話ずつやって、新年6日から1話ずつやって欲しかった気もする。

 

ていうか、思いきり個人的事情だけど、BSCSの見られるテレビは1台で年末年始は人の出入りがあって、今まで通り見られないというのがあるので、25日で終了にしてほしかったなー。年始3日で始まるのも早いけど、何をそんなに急ぐのか。もしかしたら見逃してしまう日もあるんじゃないかと今からハラハラ。