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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (119)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

東京偵察から戻って数日。マチ子(田中裕子)の提案で「サザエさん」の発行所は「姉妹出版」に決定する。早速、東京の紙屋を訪ね、2万部刷ってほしいと頼むマリ子(熊谷真実)に、無謀な見通しだと驚く森田(大塚周夫)。お金も倍はかかると知り、さらに、帰り道でも別の復員兵を新八郎(田中健)と見間違え、落ち込むマリ子。その頃、大宗(渡辺篤史)とマチ子は、磯野宅に住む家族に家を明け渡して欲しいと交渉しに行き…。

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福岡に帰ってきたマリ子は何か思い悩んだ様子。

マリ子「まずいな~…こんなに難しいんだったら、やっぱり安請け合いするんじゃなかった。はあ…」

 

そんなマリ子の様子を見て、ヨウ子も心配。それにしてもヨウ子が縁側で座っているのは大きなイスだなー。マチ子にお千代ねえややヨウ子がマリ子は具合が悪いと言った。

 

マチ子「大丈夫? マー姉ちゃん

マリ子「全然大丈夫じゃないの…」

マチ子「それじゃあ…」

マリ子「名案が全然浮かばないのよ…」

 

マチ子「切符は今夜のが取れてるのよ。あさっての朝は東京よ。どうするのよ。『私に任せなさい』って胸をたたいたくせに」

マリ子「申し訳ない。私って本当に文才がないんだわね。これっていうのが浮かばないのよ」

ヨウ子「それじゃあ、お加減が悪くてうなってたんじゃなかったのね」

マリ子「えっ?」

千代「ばってんあんまり苦しそうなお顔ばしとりんしゃったけん」

 

マリ子「嫌ね~。いざ東京っていう時にそんな病気なんかしてる暇ないでしょう。私がうなってるのは発行所の名前」

ヨウ子「発行所の名前?」

マチ子「うん。本を出すにはね、たとえ自費出版でも著者と発行者と発行所の名前を刷り込まなければいけないんですって」

千代「へえ~、まあ難しかもんですね~」

 

マリ子「でしょう?」

マチ子「…という具合に責任を転嫁しない!」

マリ子「だって本当に難しいのよ。これっていうのがないのよね…。考えたことは考えたのよ。例えば、ひまわり出版、西新社、あと百道の海に玄界灘

マチ子「それじゃあまるでお相撲さんじゃないの」

マリ子「あっ、本当だ!」笑い

 

マチ子「ねえ、姉妹出版っていうのはどうかな?」

本にするっていうことはいわばマリ子とマチ子の共同作業、だから姉と妹でやるから姉妹出版。ヨウ子もマリ子も乗り気。

 

マチ子「そんな簡単に言わないでよ。ただふっと思いついただけなんだから」

マリ子「ふっと思いつくのはお母様だけでたくさん。あとは自分たちでおやりで今度だってそうじゃないの。海千山千の男たちの間に入って、それこそ私たちだけで本を出そうっていうんですもの。それこそ姉妹出版」

マリ子はぴったりだと言い、ヨウ子、お千代ねえやも賛成。

 

帰ってきたはるがテーブルの上に風呂敷包みを広げると現金3万円。ウラマド姉妹に渡す前金であとの分はこの家を売った時の半金を頂いた時に渡す。マリ子はこのお金で売っていただくように交渉するようはるに言われた。

 

かくて進軍ラッパは鳴り響き…福岡東京間の当時の所要時間31時間をとんぼ返りで乗り切れたのも若さと体力とただ前進あるのみの生き方があったからでしょう。

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大正時代でも東京岡山間は急行で17時間。

 

昭栄洋紙店

森田「姉妹出版ですか。なかなか面白いじゃないですか」

マリ子「そうですか? それでは今のプランで、あと2万部刷っていただけませんでしょうか?」

森田「えっ!?」

マリ子「2万部、お願いします」

森田「あの…いっぺんにですか?」

マリ子「はい」

 

森田は渋い顔。自費出版で2万部は多いということと、2万部となると5万円じゃ上がらない、あと倍くらいは値段がかかる。支払いは全部出来て引き渡す時でいいが、それで本当にいいんですか?と念を押す。自費出版は500か1,000部が常識で、しかも漫画の自費出版は今までに例がない。

 

マリ子「そうでしょう? ですからそれでいいんです」←ポジティブ~。森田は代金が頂ければいいと言うが、よろしくお願いしますとマリ子に言われても、そうですか?とまだ不安な感じ。

 

武家の商法ということもあり、何とも心配なことですが、そのころ、マチ子の方は早々に持ち込まれた陽談社の注文と早々に格闘するはめになっておりました。

 

ウラマド姉妹宅で原稿を描いているマチ子。タマが来て、均が来たと知り、急いで玄関へ向かった。

均「申し訳ありません、遅くなりまして」

タマ「当たり前ですよ。何つったってね、うちの交渉ってのはね、ちょいとこの頼りなくても男の人の方が…」

均「えっ?」

タマ「あ~、いえ…いえね、まあ頼りにしてるから頼んだのに、マリ子さん先方の人に会わなきゃならないからって出かけちまったじゃないですか」

均の方はマリ子に顔を合わせたくないための頃合いを見計らっての行動だった。

 

マチ子「先輩!」

均「マッちゃん!」

マチ子、均の手を取る。

マチ子「どうしたのよ、この前は!? 無事に復員なさったとこちらで伺ったから先輩とも久々の対面ができるって、それは勇んで田河先生のとこに伺ったのに!」

均「ごめんごめん。いや、あの…あの時はね…」

マチ子「知らない! もういくら待ったってどこかに姿消してしまったんだもん!」

 

均「電話かけに行ったんだよ、陽談社の塚田さんにさ」

マチ子「電話だったら田河先生のお宅にだってあるでしょう?」

均「そこんとこは演出だよ」

マチ子「演出って何の演出よ?」

均「思いがけずに懐かしい顔がわ~っと集まった方がうれしいじゃないか」

 

マチ子「そのくせ自分は顔見せずに。私たちに何か会いたくない理由でもあるんですか!?」

均「と…とんでもない」

ウラマド姉妹は上がってもらってマリ子を待とうと言うが、均は「交渉ごとにはタイミングが物を言いますから早速参りましょう」とマチ子を誘って、そのまま元・磯野家へ。

 

道端で絵を描く画学生は脚本の小山内美江子さんの息子の利重剛さんだね。

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町の雑踏にはまたしても米兵に肩を抱かれるパンパンの姿。チリチリパーマに派手な格好で目立つんだよね。マリ子は画学生の絵を覗き込んで「気になるんで行ってくれませんか?」と言われた。

 

また街を歩きだしたマリ子の目の前には復員してきた新八郎!?と思い「あなた! 新八郎さん! 私です、マリ子です」と声をかけると全くの別人だった。田中健さんはこれだけのために出演か~。もし予告がある朝ドラなら予告で使われるパターン!?

 

上京するということは、あるいは南方から復員してくる新八郎に一目でも早く会えるのではないかという期待がマリ子の心の底にはあったのではないでしょうか。

 

ウラマド姉妹宅の玄関前

マリ子・心の声「私は待ってるって約束したんですもの。これくらいのことでいちいちがっかりしてたら帰りたくても帰れない新八郎さんに申し訳ないわ。うん、そうよ」

 

気持ちを切り替え、「ただいま~」と明るく入って行った。

マチ子「もう~、何グズグズしてたのよ。大宗先輩帰っちゃったじゃないの」

マリ子「あっ、そう」

マチ子「『あっ、そう』ではありませんよ。お向かいさんとの交渉、それは頑張ってくれたんだから、先輩は」

マリ子「それはまことに感謝に堪えない!」

 

マチ子「そういうことはじかに言うところに意義があるんでしょう」

マリ子「それはそうだけど…」

マチ子「もっとも先輩も先輩だわ。私が一生懸命引き止めてるのに仕事の邪魔をしてはいけないとか何だとかいらない気遣いして早々に帰っちゃうんだもん。これじゃあまるで七夕様だわ」

 

この結果を持ってマリ子はまたまたマチ子を残して一人、福岡へとんぼ返りです。

 

はる「それでは先方さんに明け渡してくださるご意思はおありなのね?」

マリ子「ええ。私も改めてご挨拶に伺いましたけど、その前に大宗さんがとてもご熱心にお願いしてくださったものですから」

はる「まあ、そうだったの」

マリ子「ただ急にと言われてもあちらもお困りでしょうし、それに今、罹災者優先の簡易住宅を申し込んであるので、それに入れるようになり次第、明け渡してくださると」

 

はる「あら、それじゃあ罹災者でいらっしゃるの?」

マリ子「いえ、お店が焼けたんだそうです」

はる「まあ、お気の毒に」

マリ子「ですから当分の間はその方たちと一緒に住むことになりそうです」

はる「ええ、もちろん構いませんこと。博多でもまだ防空壕バラックに住んでいらっしゃる方が大勢いらっしゃるんですもの。そんなぜいたくを言うとる時ではありませんよ。ヨウ子もお千代もいいですね?」

荷造りに本格的にとりかかろうと言っているとマリ子が一つ問題があると言う。

 

マリ子「東京は今、転入制限で疎開者といえど自由に帰れなくなってるんです」

千代「したらどういうことになっとですか?」

マリ子「大丈夫。『たたけよ、さらば開かれん』。任せてください。マー姉ちゃんが道は必ず開きますから」

 

さあ、マー姉ちゃんには一体どんな方策があるのでしょうか?

 

微妙に時間が余ってブルーバックの「ただいまの出演」でつづく。

 

おしん」では追い出される側だったから、追い出される人かわいそうってなるのも分からないではないけど、どっちにしても知らない一家と暮らすのは嫌だよな~。

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